130 / 1,049
連載
少年期[291]何を見て
しおりを挟む
「確かに俺に好意を持ってくれる女の人が現れるかもしれない。ただ、問題はその人が俺の何を見て好意を持ったのかだ」
ゼルートには金がある。本気を出せば権力をも捻り潰す力がある。
さて、そんなゼルートを見て女性はどの部分に惹かれて好意を持つのか。
自身の未来を想像したゼルートは、自分の中身を見て好きになってくれる人は殆どいないと思っている。
ゼルートも男なのでハーレムに興味が無い訳では無いが、それでも自身の中身を見ていない大勢の女を囲いたいとは思わない。
「あぁ~~~・・・・・・なるほどね。ゼルートの言いたい事は何となく分かったわ」
「ゼルートの何を見て・・・・・・そういう事か。なるほど、私も過去にそういう経験があった気がするな」
アレナはゼルートの考えが直ぐに理解出来、それを考えると安易に恋人なんて作れないなと思った。
ルウナもまだ自分が王族だった時の思い出し、ゼルートが予想する嫌な未来が解った。
ゲイル達従魔はゼルートの考えが今一解らず首を傾げている。
「まっ、そういう事だから恋人が出来るなんてまだまだ先の話だよ」
「あれね、灰色の青春ってやつね」
「いや、別に俺お前らがいるから灰色って訳じゃないからな!?」
ゼルートは心外だと、少し声を大きくしてツッコむ。
アレナもそれはそうだと思い自然と笑ってしまう。
その後も他愛もない会話をしながら宿に戻った。
「ゼルート・・・・・・あんた寝癖酷いわよ」
「うん。確かにボサボサになっているぞ。爆発魔法でも喰らったのか思うぐらいボサボサだ」
「そんな喰らったらボサボサどころかアフロになると思うんだけど。ふぁ~~~・・・・・・やっぱり朝早く起きるのは面倒だな」
元々前世でも朝が弱かったゼルートは転生してもそこは変わらなかった。
そのお陰で学校の一限も爆睡してしまう事も少なくなかった。
「普通の冒険者の朝はもっと早いのよ。私達の何時もの朝が遅すぎるだけ」
「・・・・・・まぁ、周りにこれだけ朝食を食ってる人が少なかったら何となく分かるよ」
三人は朝食を軽く食べ、ゲイル達のいる従魔用の厩舎へ向かう。
「よう、朝食はどうだった三人とも」
「不味くはありませんでした。どちらかと言えば美味しかったでしょう」
「それでも量はそれ程多くなかったので少し物足りないですね」
「ゼルートさま~~、何か追加の朝ごはん無いんですか?」
人よりも食べる量が多いゲイル達にとって、出された朝食は味はともかく量が全く足りなかった。
それを予想していたゼルートはアイテムバッグの中からリザードマンのとオークの焼肉を取り出し、その上に香辛料を振りかける。
「ほれ、取りあえずこれでも食べといてくれ」
ゲイル達はゼルートから受け取った焼肉に勢いよく齧り付く。
九人前ほどあったリザードマンとオークの焼肉はものの数分で消えてしまった。
「よし、お前らも腹が膨れた事だし早速ギルドに行くぞ!!」
ゼルート達が宿を出発してからギルドまでそう時間は掛からないが、それまで多くの視線を集める事に変わりは無かった。
「さて、ゲイル達はここら辺でちょっと待っていてくれ。あっ、お前らにちょっかいかけようとしてに来たには死なない程度に吹っ飛ばしていいからな」
「かしこまりました」
ゲイルはゼルートに了解という意味を込めて頷き、ラルの尻尾は左右に揺れている。そしてラームはプルプルボディから二本の触手を伸ばしてストレートとジャブを繰り返している。
(・・・・・・うん、死なないとは思うけど完全に重傷は負うだろうな)
雷竜のラルまでいるのだからそんなアホは現れないだろうと思い、ゼルート達はギルドの中へと入り依頼書が張られてあるボードまで向かう。
ゼルートには金がある。本気を出せば権力をも捻り潰す力がある。
さて、そんなゼルートを見て女性はどの部分に惹かれて好意を持つのか。
自身の未来を想像したゼルートは、自分の中身を見て好きになってくれる人は殆どいないと思っている。
ゼルートも男なのでハーレムに興味が無い訳では無いが、それでも自身の中身を見ていない大勢の女を囲いたいとは思わない。
「あぁ~~~・・・・・・なるほどね。ゼルートの言いたい事は何となく分かったわ」
「ゼルートの何を見て・・・・・・そういう事か。なるほど、私も過去にそういう経験があった気がするな」
アレナはゼルートの考えが直ぐに理解出来、それを考えると安易に恋人なんて作れないなと思った。
ルウナもまだ自分が王族だった時の思い出し、ゼルートが予想する嫌な未来が解った。
ゲイル達従魔はゼルートの考えが今一解らず首を傾げている。
「まっ、そういう事だから恋人が出来るなんてまだまだ先の話だよ」
「あれね、灰色の青春ってやつね」
「いや、別に俺お前らがいるから灰色って訳じゃないからな!?」
ゼルートは心外だと、少し声を大きくしてツッコむ。
アレナもそれはそうだと思い自然と笑ってしまう。
その後も他愛もない会話をしながら宿に戻った。
「ゼルート・・・・・・あんた寝癖酷いわよ」
「うん。確かにボサボサになっているぞ。爆発魔法でも喰らったのか思うぐらいボサボサだ」
「そんな喰らったらボサボサどころかアフロになると思うんだけど。ふぁ~~~・・・・・・やっぱり朝早く起きるのは面倒だな」
元々前世でも朝が弱かったゼルートは転生してもそこは変わらなかった。
そのお陰で学校の一限も爆睡してしまう事も少なくなかった。
「普通の冒険者の朝はもっと早いのよ。私達の何時もの朝が遅すぎるだけ」
「・・・・・・まぁ、周りにこれだけ朝食を食ってる人が少なかったら何となく分かるよ」
三人は朝食を軽く食べ、ゲイル達のいる従魔用の厩舎へ向かう。
「よう、朝食はどうだった三人とも」
「不味くはありませんでした。どちらかと言えば美味しかったでしょう」
「それでも量はそれ程多くなかったので少し物足りないですね」
「ゼルートさま~~、何か追加の朝ごはん無いんですか?」
人よりも食べる量が多いゲイル達にとって、出された朝食は味はともかく量が全く足りなかった。
それを予想していたゼルートはアイテムバッグの中からリザードマンのとオークの焼肉を取り出し、その上に香辛料を振りかける。
「ほれ、取りあえずこれでも食べといてくれ」
ゲイル達はゼルートから受け取った焼肉に勢いよく齧り付く。
九人前ほどあったリザードマンとオークの焼肉はものの数分で消えてしまった。
「よし、お前らも腹が膨れた事だし早速ギルドに行くぞ!!」
ゼルート達が宿を出発してからギルドまでそう時間は掛からないが、それまで多くの視線を集める事に変わりは無かった。
「さて、ゲイル達はここら辺でちょっと待っていてくれ。あっ、お前らにちょっかいかけようとしてに来たには死なない程度に吹っ飛ばしていいからな」
「かしこまりました」
ゲイルはゼルートに了解という意味を込めて頷き、ラルの尻尾は左右に揺れている。そしてラームはプルプルボディから二本の触手を伸ばしてストレートとジャブを繰り返している。
(・・・・・・うん、死なないとは思うけど完全に重傷は負うだろうな)
雷竜のラルまでいるのだからそんなアホは現れないだろうと思い、ゼルート達はギルドの中へと入り依頼書が張られてあるボードまで向かう。
87
お気に入りに追加
9,024
あなたにおすすめの小説
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
殿下、恋はデスゲームの後でお願いします
真鳥カノ
ファンタジー
気付けば乙女ゲームの悪役令嬢「レア=ハイラ子爵令嬢」に転生していた!
いずれゲーム本編である王位継承権争いに巻き込まれ、破滅しかない未来へと突き進むことがわかっていたレア。
自らの持つ『祝福の手』によって人々に幸運を分け与え、どうにか破滅の未来を回避しようと奮闘していた。
そんな彼女の元ヘ、聞いたこともない名の王子がやってきて、求婚した――!!
王位継承権争いを勝ち抜くには、レアの『幸運』が必要だと言っていて……!?
短編なのでさらっと読んで頂けます!
いつか長編にリメイクします!
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。