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少年期[249]地獄の扉の前に美女がたくさん
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大きな怪我を負う事無くガーゴイルの群れを倒し終えたセフィーレ達は順調に階層を下って行き、目標のボス部屋の前までたどり着く事が出来た。
ボス部屋の前には四組のパーティーがそれぞれ固まって戦う準備をしている者達や、テントを張って就寝の準備、もしくは飯の準備をする者など様々。
そしてゼルート達がボス部屋の前に近づくと冒険者達は驚きの声を上げる。
理由は二つ。一つ目はラルの存在。
体が大きくないとはいえそれでもドラゴンに変わりはない。そんな魔物のカテゴリーの頂点に位置する存在を従魔にしているため自然と視線が集まる。
そして二つ目はセフィーレ、カネル、リシア、アレナ、ルウナの存在。
全員が全員美女、美少女と言える容姿を持っている。そしてスタイルも抜群。
冒険者の男たちは全員五人に目を奪われていた。中には同じパーティー内に恋人がいるのにもかかわらず五人から視線を動かせない者がいた。
そんな男達に女の冒険者達は最初こそラルの存在と五人の美女美少女の存在に意識を奪われていたが、直ぐに目を覚まして五人に意識を奪われている男たちに拳骨を、剣の柄を、杖の頭で殴りつける。
ローガスはセフィーレに邪な視線を向ける冒険者達に文句をグチグチと言っているが、ソブル上手い事言われてその場で何かしらの行動を起こす事は無かった。
セフィーレとアレナは自身に向けられている視線に慣れているため、特に気にしていない。
カネルとルウナもあまり向けられる事が無い、もしくは自覚していなかった視線に対して察して興味は無かった。
だが、リシアだけは自身に向けられている視線に対してどうしたらいいのか分からず困っている。
(・・・・・・見た感じだと、どのパーティーからボス部屋へ挑むのか分からないな。取りあえず近くにいる冒険者に訊いてみるか)
ゼルートはセフィーレ達に待っていてくれと合図を出し、一つのパーティーに話しかける。
「少し聞きたい事があるんだけどいいか」
「ん? なんだ坊主、リーダーの指示無しに動くのはよくな、い・・・・・・」
「この階層まで降りてくる冒険者なら、俺の実力が大体は解るよな。解らなくても、大体察する事ぐらいは出来るよな」
体があふれ出る魔力を見て、声を掛けられた冒険者はゼルートがセフィーレ達のサポーターなどでは無く、主力の冒険者だと経験から理解した。
「ちなみに俺がリーダーだ。外見が気になるかもしれないがそこは置いといてくれ」
「あ、ああ。こっちこそ見た目で判断して悪かった。そ、それで俺達に何か用か」
男の冒険者はゼルートが発せられた魔力を感じ取り、その時に見た目は自分の半分ほどの歳なのだが、実力は自分より上だと本能的に感じとったので体が意志とは関係なく震えていた。
男のパーティーメンバー達もゼルートの力を少しだけだが感じ取り、目の前のいる少年がただの少年ではないと理解し、緊張した空気が流れていた。
「そう身構える必要はない。単純にボスへ挑む順番を聞きたかったんだ。戦う準備をしているパーティーもいればあんた達みたいね野営の準備をしているパーティーもいるからな。既に四組の間で順番は決まっているのか?」
「あ、ああ。一番扉の前で準備をしているパーティーがこれから挑む奴らだ。そしてその後ろにいるパーティーが今日の二番手。そして向こうで野営をしているパーティーが明日の一番手、そして俺達が二番手だ」
「そうか、教えてくれてありがとな」
ゼルートは男に銀貨を一枚渡してからアレナ達の元へ戻った。
ボス部屋の前には四組のパーティーがそれぞれ固まって戦う準備をしている者達や、テントを張って就寝の準備、もしくは飯の準備をする者など様々。
そしてゼルート達がボス部屋の前に近づくと冒険者達は驚きの声を上げる。
理由は二つ。一つ目はラルの存在。
体が大きくないとはいえそれでもドラゴンに変わりはない。そんな魔物のカテゴリーの頂点に位置する存在を従魔にしているため自然と視線が集まる。
そして二つ目はセフィーレ、カネル、リシア、アレナ、ルウナの存在。
全員が全員美女、美少女と言える容姿を持っている。そしてスタイルも抜群。
冒険者の男たちは全員五人に目を奪われていた。中には同じパーティー内に恋人がいるのにもかかわらず五人から視線を動かせない者がいた。
そんな男達に女の冒険者達は最初こそラルの存在と五人の美女美少女の存在に意識を奪われていたが、直ぐに目を覚まして五人に意識を奪われている男たちに拳骨を、剣の柄を、杖の頭で殴りつける。
ローガスはセフィーレに邪な視線を向ける冒険者達に文句をグチグチと言っているが、ソブル上手い事言われてその場で何かしらの行動を起こす事は無かった。
セフィーレとアレナは自身に向けられている視線に慣れているため、特に気にしていない。
カネルとルウナもあまり向けられる事が無い、もしくは自覚していなかった視線に対して察して興味は無かった。
だが、リシアだけは自身に向けられている視線に対してどうしたらいいのか分からず困っている。
(・・・・・・見た感じだと、どのパーティーからボス部屋へ挑むのか分からないな。取りあえず近くにいる冒険者に訊いてみるか)
ゼルートはセフィーレ達に待っていてくれと合図を出し、一つのパーティーに話しかける。
「少し聞きたい事があるんだけどいいか」
「ん? なんだ坊主、リーダーの指示無しに動くのはよくな、い・・・・・・」
「この階層まで降りてくる冒険者なら、俺の実力が大体は解るよな。解らなくても、大体察する事ぐらいは出来るよな」
体があふれ出る魔力を見て、声を掛けられた冒険者はゼルートがセフィーレ達のサポーターなどでは無く、主力の冒険者だと経験から理解した。
「ちなみに俺がリーダーだ。外見が気になるかもしれないがそこは置いといてくれ」
「あ、ああ。こっちこそ見た目で判断して悪かった。そ、それで俺達に何か用か」
男の冒険者はゼルートが発せられた魔力を感じ取り、その時に見た目は自分の半分ほどの歳なのだが、実力は自分より上だと本能的に感じとったので体が意志とは関係なく震えていた。
男のパーティーメンバー達もゼルートの力を少しだけだが感じ取り、目の前のいる少年がただの少年ではないと理解し、緊張した空気が流れていた。
「そう身構える必要はない。単純にボスへ挑む順番を聞きたかったんだ。戦う準備をしているパーティーもいればあんた達みたいね野営の準備をしているパーティーもいるからな。既に四組の間で順番は決まっているのか?」
「あ、ああ。一番扉の前で準備をしているパーティーがこれから挑む奴らだ。そしてその後ろにいるパーティーが今日の二番手。そして向こうで野営をしているパーティーが明日の一番手、そして俺達が二番手だ」
「そうか、教えてくれてありがとな」
ゼルートは男に銀貨を一枚渡してからアレナ達の元へ戻った。
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