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少年期[219]乱戦スタート
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セフィーレ達はゼルートの報告を聞いて青ざめた顔になったが、直ぐに気持ちを立て直した。
だが、まだどこか表情に恐怖が残っているのを確認したゼルートは、フィーレ達を安心させるため、大きな声でを出して勇気づけた。
「魔物の群れは俺とルウナとラルで相手をするんで安心してください!!! アレナ!! 俺達が討ち漏らした魔物の処理と、後方の注意を頼む!!!」
「了解、任されたわ!!!」
ゼルートからの指令を聞いたアレナは、後ろを警戒しつつもセフィーレ達の前に出て、ゼルート達が討ち漏らしてしまった魔物を倒すため、戦闘態勢に入っていた。
だが、いきなりのゼルートの行動に流石に無謀だと思ったセフィーレは、ゼルートに別の提案を出そうとした。
「待てゼルート!! 流石に二人と一体では・・・・・・」
セフィーレの心配の声を遮るように、ゼルートが言葉をかぶせた。
「大丈夫です。俺が、俺達が絶対にセフィーレさん達を守るんで。何も心配せずにそこで待っていてください」
言い終わると、ゼルートはそろそろ見えてくる魔物の群れに向かって歩き出した。
(ダンジョンでの大規模の魔物の群れ。群れなだけであって、その階層ではありえない魔物が出るとかは無いと思うけど・・・・・・念には念を、石橋を叩いて渡れだな)
万が一のことを考え、ゼルートは常時自分に掛けている負荷を少しなくした。
「ファースト、セカンド・・・・・・アンロック」
重力の魔法により自分に掛けていた一部の負荷が外れたことで、ゼルートの身体能力は数段上がった。
「っしゃ!!! ・・・・・・行くぞ、ルウナ!! ラル!!」
「ああ、存分に楽しませてもらうぞ!!!」
「グルルルゥゥウアアアアアアア!!!!!!!」
ゼルートの掛け声と共に、ルウナとラルも声を上げ、大規模の魔物の群れに向かって走り出した。
「はぁ、はぁ、はぁ、も、もっと速く走るんだ!!! じゃないと追いつかれてしまうぞ!!!」
「くっそ!!! よりにもよって、大規模の魔物の群れに遭遇するなんて、運がないな!!!」
「無駄な口叩かないで速く走って!!! 追いつかれたら命は無いのよ!!!」
前列の後列三人に分かれて大規模の魔物の群れから逃げている六人組のパーティーは、絶望的な状況だった。
群れに遭遇してから五分間、冒険者にとっては普段なら動き回るのにさほど疲れる時間ではないが、全力ダッシュプラス、後ろに大量の魔物がいるという精神的な恐怖により、疲れが倍増していた。
「も、もうだめ・・・・・・二人とも、私の事は良いから、走る速度を上げて」
「バカなこと言ってんじゃねぇ!!!! そんな事は絶対にしねーーーー!!! 何が何でも全員生き延びるんだ」
「リーダーの言う通りだ。あ、諦めるのはまだ早・・・・・・あれは、他の冒険者か。こちらに向かって来ているということは、後ろの群れに気が付いていないのか!!??」
「それはマズいな。おい、あんたら!!! 後ろから魔物の群れが・・・・・・」
男がこちらに向かってきている二人と一体に、後ろに魔物の群れが来ていることを伝えようとした時、二人と一体はその場から大きく跳躍し、六人組のパーティーを飛び越して大規模の魔物の群れに突っ込んだ。
「ゼルート、下の冒険者達が何か言っていたが、無視して良いのか?」
「おそらく俺達に、魔物の群れが来ていることを教えてくれたんだろ。良い人たちなのかもな。こういった状況で目の前に冒険者がいたら、後ろの魔物の群れを擦り付けるもんだと思ってたけど、案外そうでもないんだな。まぁ、そこら辺は別にいいか。取りあえず・・・・・・開幕一閃と行くか!!!」
ゼルートはアイテムリングからフロストグレイブを取り出し、魔力を込めた。
「氷魔一閃!!!!」
魔物の群れの中心辺りに、ゼルートはフロストグレイブから作りだした氷の斬撃波を、さらに自分の魔力を込めて強化して放つ。
だが、まだどこか表情に恐怖が残っているのを確認したゼルートは、フィーレ達を安心させるため、大きな声でを出して勇気づけた。
「魔物の群れは俺とルウナとラルで相手をするんで安心してください!!! アレナ!! 俺達が討ち漏らした魔物の処理と、後方の注意を頼む!!!」
「了解、任されたわ!!!」
ゼルートからの指令を聞いたアレナは、後ろを警戒しつつもセフィーレ達の前に出て、ゼルート達が討ち漏らしてしまった魔物を倒すため、戦闘態勢に入っていた。
だが、いきなりのゼルートの行動に流石に無謀だと思ったセフィーレは、ゼルートに別の提案を出そうとした。
「待てゼルート!! 流石に二人と一体では・・・・・・」
セフィーレの心配の声を遮るように、ゼルートが言葉をかぶせた。
「大丈夫です。俺が、俺達が絶対にセフィーレさん達を守るんで。何も心配せずにそこで待っていてください」
言い終わると、ゼルートはそろそろ見えてくる魔物の群れに向かって歩き出した。
(ダンジョンでの大規模の魔物の群れ。群れなだけであって、その階層ではありえない魔物が出るとかは無いと思うけど・・・・・・念には念を、石橋を叩いて渡れだな)
万が一のことを考え、ゼルートは常時自分に掛けている負荷を少しなくした。
「ファースト、セカンド・・・・・・アンロック」
重力の魔法により自分に掛けていた一部の負荷が外れたことで、ゼルートの身体能力は数段上がった。
「っしゃ!!! ・・・・・・行くぞ、ルウナ!! ラル!!」
「ああ、存分に楽しませてもらうぞ!!!」
「グルルルゥゥウアアアアアアア!!!!!!!」
ゼルートの掛け声と共に、ルウナとラルも声を上げ、大規模の魔物の群れに向かって走り出した。
「はぁ、はぁ、はぁ、も、もっと速く走るんだ!!! じゃないと追いつかれてしまうぞ!!!」
「くっそ!!! よりにもよって、大規模の魔物の群れに遭遇するなんて、運がないな!!!」
「無駄な口叩かないで速く走って!!! 追いつかれたら命は無いのよ!!!」
前列の後列三人に分かれて大規模の魔物の群れから逃げている六人組のパーティーは、絶望的な状況だった。
群れに遭遇してから五分間、冒険者にとっては普段なら動き回るのにさほど疲れる時間ではないが、全力ダッシュプラス、後ろに大量の魔物がいるという精神的な恐怖により、疲れが倍増していた。
「も、もうだめ・・・・・・二人とも、私の事は良いから、走る速度を上げて」
「バカなこと言ってんじゃねぇ!!!! そんな事は絶対にしねーーーー!!! 何が何でも全員生き延びるんだ」
「リーダーの言う通りだ。あ、諦めるのはまだ早・・・・・・あれは、他の冒険者か。こちらに向かって来ているということは、後ろの群れに気が付いていないのか!!??」
「それはマズいな。おい、あんたら!!! 後ろから魔物の群れが・・・・・・」
男がこちらに向かってきている二人と一体に、後ろに魔物の群れが来ていることを伝えようとした時、二人と一体はその場から大きく跳躍し、六人組のパーティーを飛び越して大規模の魔物の群れに突っ込んだ。
「ゼルート、下の冒険者達が何か言っていたが、無視して良いのか?」
「おそらく俺達に、魔物の群れが来ていることを教えてくれたんだろ。良い人たちなのかもな。こういった状況で目の前に冒険者がいたら、後ろの魔物の群れを擦り付けるもんだと思ってたけど、案外そうでもないんだな。まぁ、そこら辺は別にいいか。取りあえず・・・・・・開幕一閃と行くか!!!」
ゼルートはアイテムリングからフロストグレイブを取り出し、魔力を込めた。
「氷魔一閃!!!!」
魔物の群れの中心辺りに、ゼルートはフロストグレイブから作りだした氷の斬撃波を、さらに自分の魔力を込めて強化して放つ。
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