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少年期[218]やべ、フラグ立てたな
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翌日、いつも通りダンジョンの下層に向けて魔物を倒し、罠を解除しながらゼルート達は進んでいた。
その途中でゼルートは立体感知のスキルに異変を感じた。
(あれ、この壁・・・・・・中に部屋がある。でも、壁はしっかりとあるよな)
ダンジョンの壁は、理由は解明されていないが壊したりすることが出来ない。多少の傷はつくものの、直ぐに修復される。
勿論そんな冒険者にとっての常識は、ゼルートも分かっていたので余計に立体感知で気づいた、壁の向こう側の部屋が気になった。
(なんだろうな。隠し部屋みたいな感じか? 中に魔物の気配はない。ちょっと気になるな)
壁の向こう側の部屋に気を取られ過ぎたゼルートは、無意識に足を止めていた。
そんなゼルートに、アレナは直ぐに声を掛けた。
「どうしたのゼルート? 皆先に進んでるわよ。魔物の気配でもあったの?」
アレナに声を掛けられたゼルートは我に返り、アレナに壁の向こう側の部屋について言うかどうか迷った。
(正直、今すぐ壁を壊して部屋に入ってみたけど・・・・・・今回はやめておくか。護衛依頼って名目でこのダンジョンに来ているんだからな。取りあえず知らなかった情報が知れたんだ。検証はプライベートでダンジョンに来た時にしよう)
確認したい気持ちを抑え、ゼルートは取り合えず壁の向こう側の部屋について話すのはやめた。
「いや・・・・・・後で話すよ。急に立ち止まって悪かった」
「別に気にする必要はないわ。それと、その話楽しみにしてるわ」
ゼルートがこういった言い方をする時は、面白い話であり自分が驚く話であろうと思ったアレナは、上機嫌になり再び歩き出した。
(しかし・・・・・・今回分かったことは、俺が思っているより重大な発見だったかもしれないな。・・・・・・セフィーレ様に話すのはやめておくか。主に坊ちゃん貴族が暴走しそうだしな)
自分が知らなかった未知を発見した喜びと、自分が考えている重大かもしれないと言う予想に、ゼルートの感情はコロコロ変わっていた。
ゼルート達が昼食を取ってから三十分程経った後、ラルは前方の異変に気づきゼルートに念話を使い、情報を伝えた。
『ゼルート様、前方に気配感知を集中させてください』
『いきなりどうしたんだラル? 面倒事でもあったか?』
ゼルートは冒険者同士が戦っている等、面倒ごとを予想して気配感知のスキルは前方に集中させた。
(冒険者が、六人。こっちに向かって走って来てるな。ランクCの魔物でも出たか? ・・・・・・・・・・・・はっ!!!??? う、わぁ・・・・・・マジかよ。もしかしたらとは思ってたけど、まさか本当に起きるなんてな。あっ、そういえば少し前にフラグ立てた気がするな。あ~~~~~、まさかのフラグ回収なんてな)
ゼルートの気配感知には大量の魔物の反応があった。
まさかの出来事にゼルートは額を手で覆った。
『はぁ~~~~~・・・・・・ラル、大量の魔物が俺達と遭遇するまで何秒ぐらいだ』
『そうですね・・・・・・後四十秒もありません』
ラルから遭遇までの時間を聞いたゼルートの行動は速かった。
「セフィーレ様。あとこちらに四十秒ほどで大量の魔物の群れが来ます」
「っ!! それは本当か!?」
「間違いありません。数は・・・・・・おそらく七十程です」
ゼルートの報告を聞いたセフィーレ達の表情は、一気に青ざめた。
勿論セフィーレ達はダンジョンの中で、稀に魔物の大量発生が起きることは知っていたが、まさか自分達がそれに巻き込まれるとはほとんど考えていなかった。
そんな中、一人の人間と一人の獣人、一体のドラゴンの口角は吊り上がっていた。
その途中でゼルートは立体感知のスキルに異変を感じた。
(あれ、この壁・・・・・・中に部屋がある。でも、壁はしっかりとあるよな)
ダンジョンの壁は、理由は解明されていないが壊したりすることが出来ない。多少の傷はつくものの、直ぐに修復される。
勿論そんな冒険者にとっての常識は、ゼルートも分かっていたので余計に立体感知で気づいた、壁の向こう側の部屋が気になった。
(なんだろうな。隠し部屋みたいな感じか? 中に魔物の気配はない。ちょっと気になるな)
壁の向こう側の部屋に気を取られ過ぎたゼルートは、無意識に足を止めていた。
そんなゼルートに、アレナは直ぐに声を掛けた。
「どうしたのゼルート? 皆先に進んでるわよ。魔物の気配でもあったの?」
アレナに声を掛けられたゼルートは我に返り、アレナに壁の向こう側の部屋について言うかどうか迷った。
(正直、今すぐ壁を壊して部屋に入ってみたけど・・・・・・今回はやめておくか。護衛依頼って名目でこのダンジョンに来ているんだからな。取りあえず知らなかった情報が知れたんだ。検証はプライベートでダンジョンに来た時にしよう)
確認したい気持ちを抑え、ゼルートは取り合えず壁の向こう側の部屋について話すのはやめた。
「いや・・・・・・後で話すよ。急に立ち止まって悪かった」
「別に気にする必要はないわ。それと、その話楽しみにしてるわ」
ゼルートがこういった言い方をする時は、面白い話であり自分が驚く話であろうと思ったアレナは、上機嫌になり再び歩き出した。
(しかし・・・・・・今回分かったことは、俺が思っているより重大な発見だったかもしれないな。・・・・・・セフィーレ様に話すのはやめておくか。主に坊ちゃん貴族が暴走しそうだしな)
自分が知らなかった未知を発見した喜びと、自分が考えている重大かもしれないと言う予想に、ゼルートの感情はコロコロ変わっていた。
ゼルート達が昼食を取ってから三十分程経った後、ラルは前方の異変に気づきゼルートに念話を使い、情報を伝えた。
『ゼルート様、前方に気配感知を集中させてください』
『いきなりどうしたんだラル? 面倒事でもあったか?』
ゼルートは冒険者同士が戦っている等、面倒ごとを予想して気配感知のスキルは前方に集中させた。
(冒険者が、六人。こっちに向かって走って来てるな。ランクCの魔物でも出たか? ・・・・・・・・・・・・はっ!!!??? う、わぁ・・・・・・マジかよ。もしかしたらとは思ってたけど、まさか本当に起きるなんてな。あっ、そういえば少し前にフラグ立てた気がするな。あ~~~~~、まさかのフラグ回収なんてな)
ゼルートの気配感知には大量の魔物の反応があった。
まさかの出来事にゼルートは額を手で覆った。
『はぁ~~~~~・・・・・・ラル、大量の魔物が俺達と遭遇するまで何秒ぐらいだ』
『そうですね・・・・・・後四十秒もありません』
ラルから遭遇までの時間を聞いたゼルートの行動は速かった。
「セフィーレ様。あとこちらに四十秒ほどで大量の魔物の群れが来ます」
「っ!! それは本当か!?」
「間違いありません。数は・・・・・・おそらく七十程です」
ゼルートの報告を聞いたセフィーレ達の表情は、一気に青ざめた。
勿論セフィーレ達はダンジョンの中で、稀に魔物の大量発生が起きることは知っていたが、まさか自分達がそれに巻き込まれるとはほとんど考えていなかった。
そんな中、一人の人間と一人の獣人、一体のドラゴンの口角は吊り上がっていた。
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