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少年期[213]きっかけ
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下層への移動を始めたゼルート達はオークの上位種数体と遭遇していた。
「おらよっ、と」
「フゴっ!!??」
盗賊のアジトを壊滅させた時に手に入れた使い捨ての槍で、後方で魔法を唱えようとしていたオークメイジの頭を貫いた。
「うん、あっけないな。ルウナの方は・・・・・・」
自分の役割が終わったゼルートは、三体の上位種と戦っているルウナの方を見る。
「ふん!!!」
「フゴアッッッ!!!???」
ルウナの拳で思いっきり吹き飛ばされていた。
仲間が吹き飛ばされた同族の事を気にせず、ルウナに得物をぶち込もうとするオークの上位種。
しかしオオカミの獣人であるルウナの速さに着いて行けるはずもなく、ひらりと得物を躱したルウナはそのまま中段蹴りを腹に決めてそのまま回転し、最後の一体のオークの上位種に足から放った魔力の斬撃で首を切り落とした。
「お疲れ様。で、どうだった」
「そうだな・・・・・・まぁ、正直そこまで強さは変わらない気がする。だが階層が深くなったことでレベルは上がっている。その分身体能力も上がっている。気を抜いたからと言って、後手に回ることはないが、油断し過ぎない方が良いかもしれないな」
「確かにな・・・・・・まぁ、でもそういう強さを持っている魔物が来る方が、ルウナにとって望ましいんじゃないのか?」
ゼルートの言葉に答えるルウナは、勿論笑みを浮かべていた。
「ああ。そうなってくれたら私的には嬉しいからな。この前のオークとゴブリンの群れの討伐の時に闘ったオークジェネラルも悪くはなかったが、そこまで満足できる相手ではなかったからな」
「まぁ、オークジェネラルぐらいじゃな、そこまでは満足できないだろう」
「あんまりそういう話をしないでよ。本当にそうなったら面倒でしょ」
本来なら不吉な会話をしている二人にアレナが割って入る。
だが、ゼルートとルウナは至って正常なので悪びれた様子は一切なかった。
「大丈夫だって、本当にやばくなったら俺も本気出して応戦するからさ」
「それに、ラルだっているんだ。よっぽどのことが無い限り、依頼が失敗することは私は無いと思うぞ、それにアレナだって元はAランクなのだろう。ならそこまで警戒する必要は無いんじゃないのか?」
「それはそうかもしれにけど・・・・・・でも、それとこれとでは話は別よ」
アレナは戦闘能力の高さにより、Aランクにまで上り詰めた冒険者なので、戦闘面ではそう簡単に後れを取るつもりはなかった。
「はっはっは、ゼルートは本当に戦うことが好きなんだな」
ソブルはゼルートの戦闘狂な部分が嫌いなわけではないので、不吉な会話を特に気にする事は無かった。
「まぁ・・・・・・そうですね。でも、最初からそうだったわけでは無いですよ。最初は、単純に自分が強くなるのを実感できるのが、楽しかっただけですから。きっかけは、ゲイル・・・・・・今の自分の従魔と戦った時からだと思います」
「確か、リザードマンの希少種の従魔だっけ」
「そうです。その時の限界ギリギリの感覚が、強い奴と戦うことが楽しみになったきっかけですね。まぁ、確かにアレナの言う通り面倒なことになるかもしれないですけど、それでも楽しい事には変わりないですよ」
ゼルートの言葉に納得できる部分があったのか、ソブル答えを聞けて満足な顔をしていた。
ルウナはうんうんと頷いており、アレナは、はぁ~~~~っと溜息を吐き、頭を押さえていた。
それからゼルート達が野営に入るまで数回魔物から襲撃に合ったが半分はゼルート達が、もう半分をセフィーレ達が対処し、その日は何も問題なく一日が終わった。
「おらよっ、と」
「フゴっ!!??」
盗賊のアジトを壊滅させた時に手に入れた使い捨ての槍で、後方で魔法を唱えようとしていたオークメイジの頭を貫いた。
「うん、あっけないな。ルウナの方は・・・・・・」
自分の役割が終わったゼルートは、三体の上位種と戦っているルウナの方を見る。
「ふん!!!」
「フゴアッッッ!!!???」
ルウナの拳で思いっきり吹き飛ばされていた。
仲間が吹き飛ばされた同族の事を気にせず、ルウナに得物をぶち込もうとするオークの上位種。
しかしオオカミの獣人であるルウナの速さに着いて行けるはずもなく、ひらりと得物を躱したルウナはそのまま中段蹴りを腹に決めてそのまま回転し、最後の一体のオークの上位種に足から放った魔力の斬撃で首を切り落とした。
「お疲れ様。で、どうだった」
「そうだな・・・・・・まぁ、正直そこまで強さは変わらない気がする。だが階層が深くなったことでレベルは上がっている。その分身体能力も上がっている。気を抜いたからと言って、後手に回ることはないが、油断し過ぎない方が良いかもしれないな」
「確かにな・・・・・・まぁ、でもそういう強さを持っている魔物が来る方が、ルウナにとって望ましいんじゃないのか?」
ゼルートの言葉に答えるルウナは、勿論笑みを浮かべていた。
「ああ。そうなってくれたら私的には嬉しいからな。この前のオークとゴブリンの群れの討伐の時に闘ったオークジェネラルも悪くはなかったが、そこまで満足できる相手ではなかったからな」
「まぁ、オークジェネラルぐらいじゃな、そこまでは満足できないだろう」
「あんまりそういう話をしないでよ。本当にそうなったら面倒でしょ」
本来なら不吉な会話をしている二人にアレナが割って入る。
だが、ゼルートとルウナは至って正常なので悪びれた様子は一切なかった。
「大丈夫だって、本当にやばくなったら俺も本気出して応戦するからさ」
「それに、ラルだっているんだ。よっぽどのことが無い限り、依頼が失敗することは私は無いと思うぞ、それにアレナだって元はAランクなのだろう。ならそこまで警戒する必要は無いんじゃないのか?」
「それはそうかもしれにけど・・・・・・でも、それとこれとでは話は別よ」
アレナは戦闘能力の高さにより、Aランクにまで上り詰めた冒険者なので、戦闘面ではそう簡単に後れを取るつもりはなかった。
「はっはっは、ゼルートは本当に戦うことが好きなんだな」
ソブルはゼルートの戦闘狂な部分が嫌いなわけではないので、不吉な会話を特に気にする事は無かった。
「まぁ・・・・・・そうですね。でも、最初からそうだったわけでは無いですよ。最初は、単純に自分が強くなるのを実感できるのが、楽しかっただけですから。きっかけは、ゲイル・・・・・・今の自分の従魔と戦った時からだと思います」
「確か、リザードマンの希少種の従魔だっけ」
「そうです。その時の限界ギリギリの感覚が、強い奴と戦うことが楽しみになったきっかけですね。まぁ、確かにアレナの言う通り面倒なことになるかもしれないですけど、それでも楽しい事には変わりないですよ」
ゼルートの言葉に納得できる部分があったのか、ソブル答えを聞けて満足な顔をしていた。
ルウナはうんうんと頷いており、アレナは、はぁ~~~~っと溜息を吐き、頭を押さえていた。
それからゼルート達が野営に入るまで数回魔物から襲撃に合ったが半分はゼルート達が、もう半分をセフィーレ達が対処し、その日は何も問題なく一日が終わった。
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