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第196話 申し込み殺到?
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「んで、何の用なんすか、学園長」
今現在、イシュドは王都の隠れ家とも言える名店に訪れており、フラベルト学園の学園長と夕食を食べていた。
「彼女たちを受け入れてくれたことに、感謝したくてね」
「……別にあれですよ、受け入れた訳じゃありませんよ」
「共に行動することを許可した。それだけでも十分受け入れたと捉えられる」
学園長の言う通り、イシュドは一応フレアたちが自分たちと共に行動することを許可した。
「そうっすか…………けど、あれなんすね。俺の態度は注意しないんすね」
「注意したところで、直るのか?」
「いや、直らないっすね」
「ふっふっふ、そうだろぅ。ただ、君はある程度個人で喧嘩を売っても構わないラインを見極めている」
「…………」
どれだけ世間一般的に有名の貴族の令息や令嬢であろうと、その態度を変えないイシュド。
結果として、自国の王子や他国の王女に対してもその態度を変えることはなかった。
そこに関して、イシュドは今回特に意識したつもりはなかった。
(……どういう経路で情報が伝わったのかは知らねぇけど、もしかしてそういう意図があって、あの水色髪と紅髪の二人を王女の護衛に用意したのか?)
元々護衛として育てられていたと思い込んでいたが、頭の中にそういった可能性も浮上し始めるも……それ以上考えるのが面倒になり、思考を放棄した。
「にしても、あのつまらない王女たちは、なんでわざわざフラベルト学園に留学してきたんすか? 王都に来てから基本的に知らなかった情報がちらほら耳に入る様になったっすけど、別にガルドブラ王国で面倒な政権争いとか王位継承権争いがあるとか耳にしてないっすけど」
イシュドはレグラ家で生活していた間、本当にそういった情報に関して耳にすることがなかった。
転生者であるが故に、そういった事がどこかで起こっているんだろうなという考え自体は浮かぶも、全く知ろうとすらしなかった。
「小さな争いはあれど、そういった事で留学してきたわけではない……というより、仮にそういった件が全く起こっていない国であろうとも、今フラベルト学園に他国から留学しようとしてる者が多くいる」
「…………それって、もしかしなくても俺狙いっすか」
「うむ。君狙いだろうな」
「……………………」
(この子がこんな顔をするのは、珍しく貴重な光景だな)
目の前に学園長という、世間一般的には学生の遥か上の立場である人間が目の前にいるため、なんとかため息は吐こうとしない。
ただ、めんどくさい、クソ邪魔、ふざけんな等々……様々な苦々しい感情が混ざり合った思いが顔に出ていた。
「関わることに成功すれば、いざという時にレグラ家の力を優先的に借りれると思ってんすか?」
「おそらく、そうだろうね。もっと言うと、君と恋仲に……婚約者関係を結ばせたいと思っているだろう」
「うっげ…………学園長、俺まだまだ遊んでたいんすよ」
「うむ、その正直なところは嫌いではない」
貴族という立場を抜きにすれば、確かにイシュドはまだまだ婚約など気にせず自由に遊び回れる年齢ではある。
ただ、イシュドは見た目……は及第点であるものの、雰囲気や言動などは全く貴族らしくないものの、それでも辺境伯家の令息ではある。
「カルドブラ王国に関しては、バトレア王国の友好国であるが故に、国王陛下も断ることが出来なかった」
「? 国王陛下が、断ろうとしてたんすか?」
普通に考えれば、友好国からの留学生を断ることはない。
「そうだ。今年の激闘祭でのエキシビションマッチ、勿論国王陛下も観ておられた」
「それは……非常に光栄?」
「光栄だろう。陛下はいたくイシュドの戦いぶりを気に入っていたようだ。あのリングに降りるところから既に面白いと語っているらしい」
(へぇ~~~~~。面倒な存在であるのは変りねぇけど、話の解る王様っぽいな)
積極的に関わりたいとは思わないものの、個人的に悪くはない人物という印象を感じたイシュド。
「話を戻すが、イシュドはそういった者たちが増えるのは苦であろう」
「超苦っすね。ルドラとヘレナの二人に関しては、俺らの中にはいない戦闘スタイルだったんで、あいつらの良い戦闘相手になると思って許可したっすけど、正直もういらないっすね」
「………………仮に、こういった人物であれば、という条件はあるかな」
「条件…………それ、主に留学生が王女か貴族令嬢と仮定した上での話ですよね」
「そうなるだろうな」
「………………絶対無理だと思うっすけど、俺は基本的に強い相手にしか興味ないんですよ。もしくは深い人間」
「深い人間、か」
決して物理的に強いだけが条件ではない。
鍛冶に、錬金術に……そういった分野に対して深くのめり込んでいる女性も、イシュドの好みに該当する。
「強さだけを基準にするなら、三次転職してくれていれば、それなりに惹かれるっすね」
「っ……中々、無茶を言う」
「言ったじゃないっすか。絶対に無理だって。三次職に付いてなかければ、その域に近いレベルまで上がってて、稀少な職業に付いてる人とか……って感じになるっすね~~~~」
「無茶ではあるが、陛下もイシュド自身がそう言ってるのだから、断る理由にはなるのは間違いないが……」
「理不尽って言われたら、俺ていうモデルケースがいるって返せば良いだけの話っすよ」
本人が語る通り、イシュドはまだ十五歳でありながら、三次転職を果たした。
異例中の異例と言えばその通りだが、十五歳の時点で実際に三次転職を果たしたという一例であるのは間違いなく……絶対に無理だと否定することは出来ない。
「後……仮にそういう条件とか諸々不服に感じたからって、他国の……自国の連中もそうっすけど、何かしてきたらまず怒りを抑え込もうとはしないんで、もし国王陛下に会う機会があるなら、伝えてもらっても良いっすか」
「うむ、しかと伝えておこう」
イシュドが一人で暴れ回ることになるのか……それとも彼を慕うレグラ家の人間が一緒になって暴れるのか。
もしや、レグラ家が結果として他国と全面戦争になるのか…………どちらにしても恐ろしい事態になるのは確定だった。
今現在、イシュドは王都の隠れ家とも言える名店に訪れており、フラベルト学園の学園長と夕食を食べていた。
「彼女たちを受け入れてくれたことに、感謝したくてね」
「……別にあれですよ、受け入れた訳じゃありませんよ」
「共に行動することを許可した。それだけでも十分受け入れたと捉えられる」
学園長の言う通り、イシュドは一応フレアたちが自分たちと共に行動することを許可した。
「そうっすか…………けど、あれなんすね。俺の態度は注意しないんすね」
「注意したところで、直るのか?」
「いや、直らないっすね」
「ふっふっふ、そうだろぅ。ただ、君はある程度個人で喧嘩を売っても構わないラインを見極めている」
「…………」
どれだけ世間一般的に有名の貴族の令息や令嬢であろうと、その態度を変えないイシュド。
結果として、自国の王子や他国の王女に対してもその態度を変えることはなかった。
そこに関して、イシュドは今回特に意識したつもりはなかった。
(……どういう経路で情報が伝わったのかは知らねぇけど、もしかしてそういう意図があって、あの水色髪と紅髪の二人を王女の護衛に用意したのか?)
元々護衛として育てられていたと思い込んでいたが、頭の中にそういった可能性も浮上し始めるも……それ以上考えるのが面倒になり、思考を放棄した。
「にしても、あのつまらない王女たちは、なんでわざわざフラベルト学園に留学してきたんすか? 王都に来てから基本的に知らなかった情報がちらほら耳に入る様になったっすけど、別にガルドブラ王国で面倒な政権争いとか王位継承権争いがあるとか耳にしてないっすけど」
イシュドはレグラ家で生活していた間、本当にそういった情報に関して耳にすることがなかった。
転生者であるが故に、そういった事がどこかで起こっているんだろうなという考え自体は浮かぶも、全く知ろうとすらしなかった。
「小さな争いはあれど、そういった事で留学してきたわけではない……というより、仮にそういった件が全く起こっていない国であろうとも、今フラベルト学園に他国から留学しようとしてる者が多くいる」
「…………それって、もしかしなくても俺狙いっすか」
「うむ。君狙いだろうな」
「……………………」
(この子がこんな顔をするのは、珍しく貴重な光景だな)
目の前に学園長という、世間一般的には学生の遥か上の立場である人間が目の前にいるため、なんとかため息は吐こうとしない。
ただ、めんどくさい、クソ邪魔、ふざけんな等々……様々な苦々しい感情が混ざり合った思いが顔に出ていた。
「関わることに成功すれば、いざという時にレグラ家の力を優先的に借りれると思ってんすか?」
「おそらく、そうだろうね。もっと言うと、君と恋仲に……婚約者関係を結ばせたいと思っているだろう」
「うっげ…………学園長、俺まだまだ遊んでたいんすよ」
「うむ、その正直なところは嫌いではない」
貴族という立場を抜きにすれば、確かにイシュドはまだまだ婚約など気にせず自由に遊び回れる年齢ではある。
ただ、イシュドは見た目……は及第点であるものの、雰囲気や言動などは全く貴族らしくないものの、それでも辺境伯家の令息ではある。
「カルドブラ王国に関しては、バトレア王国の友好国であるが故に、国王陛下も断ることが出来なかった」
「? 国王陛下が、断ろうとしてたんすか?」
普通に考えれば、友好国からの留学生を断ることはない。
「そうだ。今年の激闘祭でのエキシビションマッチ、勿論国王陛下も観ておられた」
「それは……非常に光栄?」
「光栄だろう。陛下はいたくイシュドの戦いぶりを気に入っていたようだ。あのリングに降りるところから既に面白いと語っているらしい」
(へぇ~~~~~。面倒な存在であるのは変りねぇけど、話の解る王様っぽいな)
積極的に関わりたいとは思わないものの、個人的に悪くはない人物という印象を感じたイシュド。
「話を戻すが、イシュドはそういった者たちが増えるのは苦であろう」
「超苦っすね。ルドラとヘレナの二人に関しては、俺らの中にはいない戦闘スタイルだったんで、あいつらの良い戦闘相手になると思って許可したっすけど、正直もういらないっすね」
「………………仮に、こういった人物であれば、という条件はあるかな」
「条件…………それ、主に留学生が王女か貴族令嬢と仮定した上での話ですよね」
「そうなるだろうな」
「………………絶対無理だと思うっすけど、俺は基本的に強い相手にしか興味ないんですよ。もしくは深い人間」
「深い人間、か」
決して物理的に強いだけが条件ではない。
鍛冶に、錬金術に……そういった分野に対して深くのめり込んでいる女性も、イシュドの好みに該当する。
「強さだけを基準にするなら、三次転職してくれていれば、それなりに惹かれるっすね」
「っ……中々、無茶を言う」
「言ったじゃないっすか。絶対に無理だって。三次職に付いてなかければ、その域に近いレベルまで上がってて、稀少な職業に付いてる人とか……って感じになるっすね~~~~」
「無茶ではあるが、陛下もイシュド自身がそう言ってるのだから、断る理由にはなるのは間違いないが……」
「理不尽って言われたら、俺ていうモデルケースがいるって返せば良いだけの話っすよ」
本人が語る通り、イシュドはまだ十五歳でありながら、三次転職を果たした。
異例中の異例と言えばその通りだが、十五歳の時点で実際に三次転職を果たしたという一例であるのは間違いなく……絶対に無理だと否定することは出来ない。
「後……仮にそういう条件とか諸々不服に感じたからって、他国の……自国の連中もそうっすけど、何かしてきたらまず怒りを抑え込もうとはしないんで、もし国王陛下に会う機会があるなら、伝えてもらっても良いっすか」
「うむ、しかと伝えておこう」
イシュドが一人で暴れ回ることになるのか……それとも彼を慕うレグラ家の人間が一緒になって暴れるのか。
もしや、レグラ家が結果として他国と全面戦争になるのか…………どちらにしても恐ろしい事態になるのは確定だった。
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