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第182話 全てをくれてやる
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もう三分以上は止まらず拳を、脚を動かし続けているイシュドと鬼竜・尖。
互いに呼吸を整えるタイミングは多少あるとはいえ、整えるタイミングはミスすれば……それだけで形勢が大きく傾くという緊張感の中、両者共に最善の行動を取り続けていた。
だが、徐々に限界が近づいている者がいた。
(あぁ……もう、もう終わってしまうのか)
バーサーカーソウルを発動したイシュドの動きに付いて行くため、更に心臓を高鳴らせ、血流を加速させた鬼竜・尖。
いくら血管や肺、心臓が他のモンスターたちと比べて強化されていようと、血管ははち切れ、心臓が危険過ぎる状態一歩と前まで追い詰められたのは一度や二度ではない。
その度になんとか再生が間に合い、何度も何度も血管や内臓を修復してきたが……既に鬼竜・尖は目や体の所々から血を流していた。
人間よりもスタミナが多いモンスターとはいえ、イシュドという狂鬼との戦闘は非常に精神が擦り減る戦いであり、自然と体力の消耗も半端ではない。
当然のことながら、再生出来なければ……鬼竜・尖はあっさりとあの世に逝ってしまう。
高い知能を持つのであれば、血流を加速させて身体能力を向上させる術を止めれば良い……普段であれば、その選択を取れるだけの賢さが鬼竜・尖にはある。
「ガァアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!!」
(っ!!! そうだよな……惜しむ暇は、ないッ!!!!!!!!!)
ここにきて今日一番の雄叫びを上げる鬼竜・尖。
もう……彼の気持ちは定まっていた。
目の前の人間との戦いが全てだと、己の全てをくれてやると…………イシュドとの戦闘が始まってから、既に覚悟は決まっていた。
であれば、イシュドも覚悟を決めるのみ。
自分に全てをくれてやると決めた鬼竜・尖の攻撃を……余すことなく堪能する。
そして……最後の最後に、両者は同じ攻撃に辿り着いた。
「「…………ッ!!!!!!!!!!」」
イシュドと鬼竜・尖が最後に放った攻撃は……正拳突き。
イシュドだけではなく、素手の攻撃がメインではない鬼竜・尖も見事な正拳突きを放ち、激突。
両者の乾坤一擲がぶつかり合った瞬間、木々が、地面が……空間が揺れた。
「「「「っ!!!!!?????」」」」
四人は全方位に響き渡る衝撃を受け、堪え切れずに転倒。
転んだのはガルフたちだけではなく、更に離れた場所にいるモンスターたちや冒険者たちも同じく、正体不明の衝撃を受けて転倒。
「「ッ!!!???」」
放たれた二つの正拳突きが拮抗したのは、ほんの一瞬。
数秒後には両者共に弾かれて後退。
だが……残酷にも、決着は訪れた。
「つッ………………ふ、ふっふっふ。満足して逝ってくれた。そう思って、良いのか?」
「………………」
答えは、返ってこない。
ただ、鬼竜・尖は満足気な顔を浮かべていた。
「最高だったぜ、鬼竜・尖」
好敵手に賞賛を送り、アイテムバッグの中へとしまった。
「「「「イシュドッ!!!!」」」」
「おぅ、どうしたどうした。んな顔して」
「あなた、腕が!!!」
「分かってる分かってるってのデカパイ。ちゃんと直ぐにポーションを飲むっての」
鬼竜・尖の正拳突きを食らったイシュドの拳は砕け、まともに握れない状態となっていた。
そして破壊されたのは手だけではなく、衝撃は右腕全体に伝わっており、骨は砕けて筋肉の断裂まで怒っていた。
「ぷは~~~~。相変わらず不味いぜ」
「イシュド~~~、最後のあれ……わざと付き合ってやったんじゃねぇのか?」
傍から見ていれば、最後に放たれた鬼竜・尖の正拳突きは、避けられたように思えた。
「さぁ、どうだろうな。そうなのかもしれないし……あれで終わらせようって気持ちもあったかもしれない」
「? 結局どっちなんだよ」
「解らん。どんな攻撃を行うか、どう戦うか。そんな事を考えてる隙間がないぐらい、戦いに夢中になっていた」
「解るような解らんようなって感じだぜ……ところで、あの個体……鬼竜・尖だったか? あいつは何で死んだんだ?」
両者の正拳突きが激突し、互いに後退させられた。
その時点で鬼竜・尖は確かに倒れておらず、両足で立っていた。
「心臓が限界だったんだろうな」
「っ、やはり心臓が関わっていたのですね……イシュド、あの個体はどの様にしてあそこまで身体能力を向上させたのですか」
「別に俺も細けぇことは知らねぇし………………いや、マジなんだって」
知らない、本当に明確な理由が解らないと伝えても、四人のイシュドに対する期待の眼差しが向けられ続ける。
「本当に、マジで知らねぇんだよ。これかもしれねぇって仮定は思い付くけど、あくまで仮定であって」
「それでも構いませんわ!!!」
「っ!? 分かった分かった、分かったっての!!! 落ち着けお前ら」
身を乗り出す四人を落ち着かせ、イシュドは自分なりの考えを説明し始めた。
「激しく動けば、心臓が鼓動する音が大きくなって、尚且つ鼓動する回数が増えるだろ」
「そこまでは解ってますわ」
「そりゃ良かった。んじゃあ、鼓動の大きさや回数が身体能力の上昇に比例していると考えたら……どうだ」
どうだ、と言われても直ぐにイシュドが何を伝えたいのか理解出来ず、四人の頭の上にはてなマークがいくつも浮かぶ。
そんな中、気だるげな見た目に反して地頭が良いフィリップが一番最初にイシュドの説明を理解した。
「そうか、そういう事か!!!! ……って、そうなる、のか?」
「言っただろ、フィリップ。あくまで仮定の話で、俺の個人的な考えだ」
「お、おぉう……けどまぁ、一応納得は出来るぜ、イシュド」
身体能力の向上や激しい動きが鼓動の大きさ、回数が関わっているのであれば……逆に鼓動の大きさや回数によって更に向上させることが出来るのではないか。
やや遅れてガルフたちも、なんとかイシュドが言いたい事を理解出来た。
「つっても、あくまで今伝えたのは俺の個人的な考えだからな。とりあえず、さっさと帰って飯食おうぜ」
最後に戦ったイシュドだけではなく、イシュド以上に長時間戦っていたガルフたちもお腹が空いており……ある意味良いタイミングでミシェラの腹から音が聞こえ、イシュドとフィリップのノット紳士二人にいじられた。
互いに呼吸を整えるタイミングは多少あるとはいえ、整えるタイミングはミスすれば……それだけで形勢が大きく傾くという緊張感の中、両者共に最善の行動を取り続けていた。
だが、徐々に限界が近づいている者がいた。
(あぁ……もう、もう終わってしまうのか)
バーサーカーソウルを発動したイシュドの動きに付いて行くため、更に心臓を高鳴らせ、血流を加速させた鬼竜・尖。
いくら血管や肺、心臓が他のモンスターたちと比べて強化されていようと、血管ははち切れ、心臓が危険過ぎる状態一歩と前まで追い詰められたのは一度や二度ではない。
その度になんとか再生が間に合い、何度も何度も血管や内臓を修復してきたが……既に鬼竜・尖は目や体の所々から血を流していた。
人間よりもスタミナが多いモンスターとはいえ、イシュドという狂鬼との戦闘は非常に精神が擦り減る戦いであり、自然と体力の消耗も半端ではない。
当然のことながら、再生出来なければ……鬼竜・尖はあっさりとあの世に逝ってしまう。
高い知能を持つのであれば、血流を加速させて身体能力を向上させる術を止めれば良い……普段であれば、その選択を取れるだけの賢さが鬼竜・尖にはある。
「ガァアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!!」
(っ!!! そうだよな……惜しむ暇は、ないッ!!!!!!!!!)
ここにきて今日一番の雄叫びを上げる鬼竜・尖。
もう……彼の気持ちは定まっていた。
目の前の人間との戦いが全てだと、己の全てをくれてやると…………イシュドとの戦闘が始まってから、既に覚悟は決まっていた。
であれば、イシュドも覚悟を決めるのみ。
自分に全てをくれてやると決めた鬼竜・尖の攻撃を……余すことなく堪能する。
そして……最後の最後に、両者は同じ攻撃に辿り着いた。
「「…………ッ!!!!!!!!!!」」
イシュドと鬼竜・尖が最後に放った攻撃は……正拳突き。
イシュドだけではなく、素手の攻撃がメインではない鬼竜・尖も見事な正拳突きを放ち、激突。
両者の乾坤一擲がぶつかり合った瞬間、木々が、地面が……空間が揺れた。
「「「「っ!!!!!?????」」」」
四人は全方位に響き渡る衝撃を受け、堪え切れずに転倒。
転んだのはガルフたちだけではなく、更に離れた場所にいるモンスターたちや冒険者たちも同じく、正体不明の衝撃を受けて転倒。
「「ッ!!!???」」
放たれた二つの正拳突きが拮抗したのは、ほんの一瞬。
数秒後には両者共に弾かれて後退。
だが……残酷にも、決着は訪れた。
「つッ………………ふ、ふっふっふ。満足して逝ってくれた。そう思って、良いのか?」
「………………」
答えは、返ってこない。
ただ、鬼竜・尖は満足気な顔を浮かべていた。
「最高だったぜ、鬼竜・尖」
好敵手に賞賛を送り、アイテムバッグの中へとしまった。
「「「「イシュドッ!!!!」」」」
「おぅ、どうしたどうした。んな顔して」
「あなた、腕が!!!」
「分かってる分かってるってのデカパイ。ちゃんと直ぐにポーションを飲むっての」
鬼竜・尖の正拳突きを食らったイシュドの拳は砕け、まともに握れない状態となっていた。
そして破壊されたのは手だけではなく、衝撃は右腕全体に伝わっており、骨は砕けて筋肉の断裂まで怒っていた。
「ぷは~~~~。相変わらず不味いぜ」
「イシュド~~~、最後のあれ……わざと付き合ってやったんじゃねぇのか?」
傍から見ていれば、最後に放たれた鬼竜・尖の正拳突きは、避けられたように思えた。
「さぁ、どうだろうな。そうなのかもしれないし……あれで終わらせようって気持ちもあったかもしれない」
「? 結局どっちなんだよ」
「解らん。どんな攻撃を行うか、どう戦うか。そんな事を考えてる隙間がないぐらい、戦いに夢中になっていた」
「解るような解らんようなって感じだぜ……ところで、あの個体……鬼竜・尖だったか? あいつは何で死んだんだ?」
両者の正拳突きが激突し、互いに後退させられた。
その時点で鬼竜・尖は確かに倒れておらず、両足で立っていた。
「心臓が限界だったんだろうな」
「っ、やはり心臓が関わっていたのですね……イシュド、あの個体はどの様にしてあそこまで身体能力を向上させたのですか」
「別に俺も細けぇことは知らねぇし………………いや、マジなんだって」
知らない、本当に明確な理由が解らないと伝えても、四人のイシュドに対する期待の眼差しが向けられ続ける。
「本当に、マジで知らねぇんだよ。これかもしれねぇって仮定は思い付くけど、あくまで仮定であって」
「それでも構いませんわ!!!」
「っ!? 分かった分かった、分かったっての!!! 落ち着けお前ら」
身を乗り出す四人を落ち着かせ、イシュドは自分なりの考えを説明し始めた。
「激しく動けば、心臓が鼓動する音が大きくなって、尚且つ鼓動する回数が増えるだろ」
「そこまでは解ってますわ」
「そりゃ良かった。んじゃあ、鼓動の大きさや回数が身体能力の上昇に比例していると考えたら……どうだ」
どうだ、と言われても直ぐにイシュドが何を伝えたいのか理解出来ず、四人の頭の上にはてなマークがいくつも浮かぶ。
そんな中、気だるげな見た目に反して地頭が良いフィリップが一番最初にイシュドの説明を理解した。
「そうか、そういう事か!!!! ……って、そうなる、のか?」
「言っただろ、フィリップ。あくまで仮定の話で、俺の個人的な考えだ」
「お、おぉう……けどまぁ、一応納得は出来るぜ、イシュド」
身体能力の向上や激しい動きが鼓動の大きさ、回数が関わっているのであれば……逆に鼓動の大きさや回数によって更に向上させることが出来るのではないか。
やや遅れてガルフたちも、なんとかイシュドが言いたい事を理解出来た。
「つっても、あくまで今伝えたのは俺の個人的な考えだからな。とりあえず、さっさと帰って飯食おうぜ」
最後に戦ったイシュドだけではなく、イシュド以上に長時間戦っていたガルフたちもお腹が空いており……ある意味良いタイミングでミシェラの腹から音が聞こえ、イシュドとフィリップのノット紳士二人にいじられた。
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