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第135話 熱弁、イコール?
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「……というぐらい、絶対に有り得ない話ですわ!!!!」
約十分ほどかけて、ミシェラは自分がフィリップを相手にそういった気持ちを抱くなど、どれほど有り得ない話なのかを力説した。
それでもまだメディは変わらずニコニコと楽しそうな笑みを浮かべており……そういった話題に関しても周りが見えているクリスティールは、今この場にイシュドがいなくて本当に良かったと思った。
(この場にイシュド君がいれば、間違いなくミシェラを弄ってたでしょう)
どれだけ自分がフィリップに関して、そういった気持ちを抱いていないかを力説した……それは、見方によっては気持ちの裏返しとも捉えられてしまう。
「つまり、負けたくない相手ということですね」
「それは間違ってませんけど……はぁ、もう良いですわ」
「それでは、ガルフ様やイシュド様、他の殿方たちのことはどう思っているが、お聞きしても良いでしょうか」
メイドであるメディにとって、同性との恋バナと言うのは、特別珍しい話題ではない。
だが、貴族出身の令嬢とそういった話をする機会は殆どないため、表情では解り辛いが、テンションが上がり気味だった。
「っ……い、イブキたちも答えるのであれば、話しても良いですわ」
自分だけ根掘り葉掘り聞かれ、答えるのは嫌だ。
そんなミシェラの対応は当然と言えば当然……場合によっては回避できる一手だったが……イブキやクリスティール、リュネとしては別に答えるのが嫌ではなかった。
「私は構いませんが」
「私も同じく」
「私も」
「ぐっ……」
「では、まずはガルフ様のことから」
逃げ場をなくしたミシェラ。
恋バナ? から逃げることは出来ず、素直に語るしかなくなった。
「ガルフは…………真面目、というのが一番の印象ですわね」
ミシェラにとって、高等部に上がってから共に訓練をする仲となり、他二人が少々あれという事もあり、平民と貴族令嬢という立場ではあるものの……ここ最近では一番仲良い異性と言える。
勿論、公式の試合でぶっ倒したい相手の一人に変わりはなく、闘気という……身内で唯一使える力を持つ部分には嫉妬するものの、フィリップに対してイラつく様なことがないあたり……彼の人柄の良さを表していると言える。
「平民だから、というのもあるかもしれませんが、一切の驕りを感じません」
「求めている壁が高い。高過ぎるのは良くないと思うところはありますが、それでも彼は一切諦めていない……そこも、評価すべき点かと」
「イシュド兄さんが気に入るのも納得の方かと。従姉妹たちの中には、既にガルフさんのことを狙っている人もいますよ」
当然ながら、現当主であるアルバにも兄弟はいる。
何名かは戦死しているが、存命の者もおり、戦死した者たちの子もいる。
彼ら、彼女たちの多くも戦闘大好きっ子ではあるが、爵位が高い貴族は色んな意味で面倒な存在……という事ぐらいは知っている。
その為、フィリップやダスティンの事がやや気になる者もいるが、その辺りを考慮して声を掛けないことが多い。
ただそんな中、ガルフは強くはあるが、立場は平民。
その情報は既に広まっており、虎視眈々狙う淑女……ではなく、女性だけの民族、アマゾネス擬きがそれなりにいる。
「では、次にイシュド様に関してはどう思われていますか」
メディが一番気になっていた事。
今現在、イシュドに専属のメイドはいないが、それでも幼い頃に良く傍に居たのはメディ。
現在彼女の目標は、イシュドの子を世話をすること。
しかし、リュネを除いた三人は非常に難しい顔をしていた。
「…………私にとって、イシュドはガルフと似た様な存在であり、いずれ横に立ち……絶対にぶった斬るのが目標ですわ」
なんとも物騒な感想ではあるが、レグラ家で生きる者にとっては、それはそれでとてもその人の事を意識していると受け取れる思い。
「私は……特に、兄と死合いを行った時の印象が強く残っている」
イシュドとシドウの死合い。
それを見ていたのは、イシュドと同じクラスの生徒たちと、担任のバイロンのみ。
ミシェラやクリスティールは話こそ聞いたが、実際にその場にはいなかった。
「死んでも大丈夫……それが解っているとはいえ、あそこまで自分が興味を持った強者との試合に本気で望めるものなのかと」
「それがイシュド様ですからね~~~。本当に心配させられると言いますか、こっちのことを少しは考えてくださいと何度ツッコんだことか」
メディはただのメイドではなく、実戦で戦える戦闘メイド。
イシュドが学園に入学している間に三次転職も済ませ、実はこの場にいる女性陣の中で、一番強かったりする。
「ただ……私としては、そこにある種の憧れを感じました。あの戦い、イシュドは兄と刀を使っての死合いを望みました。元オーガ……剣鬼との戦いでも、非常に見事な刀技を魅せさて貰いましたが、やはり一番合う得物は戦斧」
夕食を食べお終えた後の自由訓練時では、望めばイシュドと模擬戦が行える。
その時、イブキだけではなくミシェラたちも含めて全員が一度は模擬戦を行っているが、勿論イシュドの総勝ち。
そんな中でイブキが一番の強さを感じたのは、間違いなく戦斧を扱っている時だった。
「もし、あそこでイシュドが刀ではなく、二振りの戦斧を使用し、バーサーカーソウルを発動していれば……結果は逆だったかもしれない」
ここでイブキの口からかもしれないという言葉が出るあたり、シドウがどれほどの強さを秘めているのか窺える。
「だからこそ、私はあそこで刀を選び、兄と戦ったイシュドを尊敬する」
「……ただの戦闘狂とも捉えられますけど、強さを感じる為に常軌を逸した精神で死をも恐れず戦える部分には……一部、理解出来ますわね」
ミシェラの言葉に苦笑いを浮かながらも頷くクリスティール。
そこで、ふと何かを思い出す。
「そういえば、イブキさんはシドウ先生から、イシュド君の婚約者になってはどうだと、言われてましたね」
「ブフっ!!!!!?????」
忘れかけていた事を思い出し、紅茶を吹き出してしまうイブキ……と、非常に眼が輝き始めたメディ。
約十分ほどかけて、ミシェラは自分がフィリップを相手にそういった気持ちを抱くなど、どれほど有り得ない話なのかを力説した。
それでもまだメディは変わらずニコニコと楽しそうな笑みを浮かべており……そういった話題に関しても周りが見えているクリスティールは、今この場にイシュドがいなくて本当に良かったと思った。
(この場にイシュド君がいれば、間違いなくミシェラを弄ってたでしょう)
どれだけ自分がフィリップに関して、そういった気持ちを抱いていないかを力説した……それは、見方によっては気持ちの裏返しとも捉えられてしまう。
「つまり、負けたくない相手ということですね」
「それは間違ってませんけど……はぁ、もう良いですわ」
「それでは、ガルフ様やイシュド様、他の殿方たちのことはどう思っているが、お聞きしても良いでしょうか」
メイドであるメディにとって、同性との恋バナと言うのは、特別珍しい話題ではない。
だが、貴族出身の令嬢とそういった話をする機会は殆どないため、表情では解り辛いが、テンションが上がり気味だった。
「っ……い、イブキたちも答えるのであれば、話しても良いですわ」
自分だけ根掘り葉掘り聞かれ、答えるのは嫌だ。
そんなミシェラの対応は当然と言えば当然……場合によっては回避できる一手だったが……イブキやクリスティール、リュネとしては別に答えるのが嫌ではなかった。
「私は構いませんが」
「私も同じく」
「私も」
「ぐっ……」
「では、まずはガルフ様のことから」
逃げ場をなくしたミシェラ。
恋バナ? から逃げることは出来ず、素直に語るしかなくなった。
「ガルフは…………真面目、というのが一番の印象ですわね」
ミシェラにとって、高等部に上がってから共に訓練をする仲となり、他二人が少々あれという事もあり、平民と貴族令嬢という立場ではあるものの……ここ最近では一番仲良い異性と言える。
勿論、公式の試合でぶっ倒したい相手の一人に変わりはなく、闘気という……身内で唯一使える力を持つ部分には嫉妬するものの、フィリップに対してイラつく様なことがないあたり……彼の人柄の良さを表していると言える。
「平民だから、というのもあるかもしれませんが、一切の驕りを感じません」
「求めている壁が高い。高過ぎるのは良くないと思うところはありますが、それでも彼は一切諦めていない……そこも、評価すべき点かと」
「イシュド兄さんが気に入るのも納得の方かと。従姉妹たちの中には、既にガルフさんのことを狙っている人もいますよ」
当然ながら、現当主であるアルバにも兄弟はいる。
何名かは戦死しているが、存命の者もおり、戦死した者たちの子もいる。
彼ら、彼女たちの多くも戦闘大好きっ子ではあるが、爵位が高い貴族は色んな意味で面倒な存在……という事ぐらいは知っている。
その為、フィリップやダスティンの事がやや気になる者もいるが、その辺りを考慮して声を掛けないことが多い。
ただそんな中、ガルフは強くはあるが、立場は平民。
その情報は既に広まっており、虎視眈々狙う淑女……ではなく、女性だけの民族、アマゾネス擬きがそれなりにいる。
「では、次にイシュド様に関してはどう思われていますか」
メディが一番気になっていた事。
今現在、イシュドに専属のメイドはいないが、それでも幼い頃に良く傍に居たのはメディ。
現在彼女の目標は、イシュドの子を世話をすること。
しかし、リュネを除いた三人は非常に難しい顔をしていた。
「…………私にとって、イシュドはガルフと似た様な存在であり、いずれ横に立ち……絶対にぶった斬るのが目標ですわ」
なんとも物騒な感想ではあるが、レグラ家で生きる者にとっては、それはそれでとてもその人の事を意識していると受け取れる思い。
「私は……特に、兄と死合いを行った時の印象が強く残っている」
イシュドとシドウの死合い。
それを見ていたのは、イシュドと同じクラスの生徒たちと、担任のバイロンのみ。
ミシェラやクリスティールは話こそ聞いたが、実際にその場にはいなかった。
「死んでも大丈夫……それが解っているとはいえ、あそこまで自分が興味を持った強者との試合に本気で望めるものなのかと」
「それがイシュド様ですからね~~~。本当に心配させられると言いますか、こっちのことを少しは考えてくださいと何度ツッコんだことか」
メディはただのメイドではなく、実戦で戦える戦闘メイド。
イシュドが学園に入学している間に三次転職も済ませ、実はこの場にいる女性陣の中で、一番強かったりする。
「ただ……私としては、そこにある種の憧れを感じました。あの戦い、イシュドは兄と刀を使っての死合いを望みました。元オーガ……剣鬼との戦いでも、非常に見事な刀技を魅せさて貰いましたが、やはり一番合う得物は戦斧」
夕食を食べお終えた後の自由訓練時では、望めばイシュドと模擬戦が行える。
その時、イブキだけではなくミシェラたちも含めて全員が一度は模擬戦を行っているが、勿論イシュドの総勝ち。
そんな中でイブキが一番の強さを感じたのは、間違いなく戦斧を扱っている時だった。
「もし、あそこでイシュドが刀ではなく、二振りの戦斧を使用し、バーサーカーソウルを発動していれば……結果は逆だったかもしれない」
ここでイブキの口からかもしれないという言葉が出るあたり、シドウがどれほどの強さを秘めているのか窺える。
「だからこそ、私はあそこで刀を選び、兄と戦ったイシュドを尊敬する」
「……ただの戦闘狂とも捉えられますけど、強さを感じる為に常軌を逸した精神で死をも恐れず戦える部分には……一部、理解出来ますわね」
ミシェラの言葉に苦笑いを浮かながらも頷くクリスティール。
そこで、ふと何かを思い出す。
「そういえば、イブキさんはシドウ先生から、イシュド君の婚約者になってはどうだと、言われてましたね」
「ブフっ!!!!!?????」
忘れかけていた事を思い出し、紅茶を吹き出してしまうイブキ……と、非常に眼が輝き始めたメディ。
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