129 / 251
第129話 ナンセンスだろ
しおりを挟む
「ッ……改めて、差を感じさせられるな」
「うん、同感だね」
ディムナ、アドレアスは目の前で行われている激闘を見て……自分たちがこれまで体験してきた戦闘が、全てごっこ遊びだったのではと感じてしまっていた。
オーガが二本の大剣を振るうのに対し、イシュドは二振りの戦斧を振り回している。
当然、両者共に体や得物に魔力を纏っており、強化系のスキルを発動している。
現時点ではガルフたちも含めて、両者の動きは眼で追えている。
だが、何故そこでそういった動きをしたのか、細かいディティールまでは理解出来ない。
「イシュドは解るけど、あのオーガも力には自信があるタイプの様ね」
全く回避や小細工という選択肢を取っていないこともないのだが、両者は迫る攻撃に対して自身の得物を叩き込んで相殺するという選択肢を取ることが多い。
それもあって、何度も何度も金属音がぶつかり合う音が鳴り響いている。
「あのさ、ここまで戦闘音が激しいと、他のモンスターが寄ってきやすくなったりしないかな」
「……多分だけどよ、その心配は要らねぇんじゃねぇか、ガルフ」
「どうして?」
「音に反応してどんな獲物がいるのか見に来るモンスターはいるかもしれねぇけど、あれだけバチバチに戦ってる奴らを見たら、割り込んで二人共狩ろうとか無謀なこと考える個体は……少なくとも、この辺りにはいねぇだろ」
フィリップの言う通り、大剣と戦斧がぶつかり合う音を耳にし、既に十体近くのモンスターが現場に近づいていた。
しかし、その音を発生させている二人の主を発見するや否や、あっさりと引き返してしまう。
直ぐ傍にその戦闘に混ざっていない人間がいるというのに、興味も示さず逃げてしまう。
それほどまでに…………イシュドと二刀流オーガの戦いは、他者に強烈な圧を与えていた。
「この前のケルベロスとの戦いでもそうだけど、あの男……完全に遊んでますわね」
「そうですね。あのオーガの限界を無理矢理引き出そうとしているような」
無理矢理、限界を引き出す。
その言葉に、激闘祭のエキシビションマッチで戦ったフィリップとダスティン、クリスティールが僅かに反応した。
(俺らとの試合であればまだしも、実戦で……マジで殺しに掛かってくるモンスターを相手に、それをやるかよ)
(狂人的な技術、というものか?)
(本人は否定するでしょうけど、やはりイシュド君は指導者に向いていますね)
無理矢理、限界を引き出すという行為自体は、イシュドのエゴ以外のなにものでもない。
非常に身勝手な我儘ではあるが、結果としてそれはある種、指導者の極意とも捉えられる。
「どうしたぁああああ!!?? まだまだ、そんなもんじゃねぇだろ!!!!!」
「ッ!!!! ガァァアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!」
イシュドは基本的に戦っている最中、つまらない戦闘でなければ、笑っていることが多い。
激闘祭のエキシビションでの試合でもよく笑っていた。
だが、今現在浮かべている笑みは、その時の良い意味での楽しさを含む笑みではなく……まさに狂人、戦闘狂の様な笑みを浮かべていた。
まさに、鬼が恐れる鬼。
普通のオーガであれば……武器を捨て、恥も外聞も気にする余裕もなく、走り去っていた。
(帰り際とはいえ、あいつらに逃走という手段を、取らせただけは、あるじゃねぇか!!!!!!!!!!)
しかし、このオーガは違う。
両腕扱う大剣をロングソードの様に片手で振り回し、イシュドの剛腕から繰り出される斬撃に対して一歩も引かない。
イシュドが猛れば、オーガも吼える。
放たれる圧に怯えることはく、寧ろその圧を歓迎していた。
自分がこの世に生まれた意味は……この人間と戦う為にあったのだと。
「牙ァアアアアアアアアッ!!!!!!」
「ヌゥウウウォラアアアアアッ!!!!!」
オーガは大剣技スキル、レベル三の技、ウォールブレイカー。
斬ることよりも粉砕することに特化した技。
勿論、振り下ろされる二振りの大剣、どちらもウォールブレイカーを発動している。
振り下ろされるという軌道、イシュドのスピードを持ってすれば振り下ろされる前に懐に潜り込んで腹を斬り裂いて勝負を終わらせる事も可能だが、当然そのような選択を取ることはなかった。
斧技スキル、レベル三の技、二振りの場合のみ発動可能な狼牙で迎え撃つ。
アホだバカだと言われようとも、この真っ向勝負を行ったことに、イシュドは全く後悔はない。
そして結果は……直ぐにぶつかり合う音によって証明された。
「楽しかったぞ」
波紋の様に金属音が鳴り響くことはなく、ウォールブレイカーと狼牙ぶつかり合った瞬間、オーガの大剣が切断された。
失敗と捉えられる形となり、体勢が崩れた瞬間に腹へエックス字の斬撃が叩き込まれた。
「ッ、ァ…………」
間違いなく、致命傷となる一撃。
オーガはそのまま膝から地面に崩れ落ちた。
勝った。
イシュドの勝利だと、ガルフたちが確信したその時、オーガの体に異変が起こり始めた。
「い、イシュド!!!! まだそいつは終ってねぇぞ!!!!」
「っ……そうみてぇだな」
徐々に徐々に、イシュドから受けた傷が塞がっていき、肉が……骨が、体格そのものが変化していく。
同時に、狼牙によって切断された筈の二振りが、一つに重なり始めた。
「イシュド!! 今がチャンスだぞ!!!!!」
「バ~~~~カ。フィリップ、相手が変身中に攻撃するのはナンセンスってもんだろ」
「…………ぁ」
アホだ、っと言いかけたところで、何とか飲み込むことに成功したフィリップ。
「アホですわ」
しかし、ミシェラは相変わらずイシュドに対して思った事を飲み込まず、そのまま口にした。
そして……二振りの大剣を使用していたオーガと自分を比べ、格が違うと感じていたダスティンたちも、口には出さなかったが、心の中で同じくアホだと呟いた。
「バカ野郎。せっかく本当に……丁度良い強さになろうとしてんだ。変わってる最中に水を差す様な真似するわけねぇだろ」
約一名、ヴァルツだけはイシュドにキラキラと眼を輝かせているが、双子のリュネは……やや呆れた目を向けていた。
「うん、同感だね」
ディムナ、アドレアスは目の前で行われている激闘を見て……自分たちがこれまで体験してきた戦闘が、全てごっこ遊びだったのではと感じてしまっていた。
オーガが二本の大剣を振るうのに対し、イシュドは二振りの戦斧を振り回している。
当然、両者共に体や得物に魔力を纏っており、強化系のスキルを発動している。
現時点ではガルフたちも含めて、両者の動きは眼で追えている。
だが、何故そこでそういった動きをしたのか、細かいディティールまでは理解出来ない。
「イシュドは解るけど、あのオーガも力には自信があるタイプの様ね」
全く回避や小細工という選択肢を取っていないこともないのだが、両者は迫る攻撃に対して自身の得物を叩き込んで相殺するという選択肢を取ることが多い。
それもあって、何度も何度も金属音がぶつかり合う音が鳴り響いている。
「あのさ、ここまで戦闘音が激しいと、他のモンスターが寄ってきやすくなったりしないかな」
「……多分だけどよ、その心配は要らねぇんじゃねぇか、ガルフ」
「どうして?」
「音に反応してどんな獲物がいるのか見に来るモンスターはいるかもしれねぇけど、あれだけバチバチに戦ってる奴らを見たら、割り込んで二人共狩ろうとか無謀なこと考える個体は……少なくとも、この辺りにはいねぇだろ」
フィリップの言う通り、大剣と戦斧がぶつかり合う音を耳にし、既に十体近くのモンスターが現場に近づいていた。
しかし、その音を発生させている二人の主を発見するや否や、あっさりと引き返してしまう。
直ぐ傍にその戦闘に混ざっていない人間がいるというのに、興味も示さず逃げてしまう。
それほどまでに…………イシュドと二刀流オーガの戦いは、他者に強烈な圧を与えていた。
「この前のケルベロスとの戦いでもそうだけど、あの男……完全に遊んでますわね」
「そうですね。あのオーガの限界を無理矢理引き出そうとしているような」
無理矢理、限界を引き出す。
その言葉に、激闘祭のエキシビションマッチで戦ったフィリップとダスティン、クリスティールが僅かに反応した。
(俺らとの試合であればまだしも、実戦で……マジで殺しに掛かってくるモンスターを相手に、それをやるかよ)
(狂人的な技術、というものか?)
(本人は否定するでしょうけど、やはりイシュド君は指導者に向いていますね)
無理矢理、限界を引き出すという行為自体は、イシュドのエゴ以外のなにものでもない。
非常に身勝手な我儘ではあるが、結果としてそれはある種、指導者の極意とも捉えられる。
「どうしたぁああああ!!?? まだまだ、そんなもんじゃねぇだろ!!!!!」
「ッ!!!! ガァァアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!」
イシュドは基本的に戦っている最中、つまらない戦闘でなければ、笑っていることが多い。
激闘祭のエキシビションでの試合でもよく笑っていた。
だが、今現在浮かべている笑みは、その時の良い意味での楽しさを含む笑みではなく……まさに狂人、戦闘狂の様な笑みを浮かべていた。
まさに、鬼が恐れる鬼。
普通のオーガであれば……武器を捨て、恥も外聞も気にする余裕もなく、走り去っていた。
(帰り際とはいえ、あいつらに逃走という手段を、取らせただけは、あるじゃねぇか!!!!!!!!!!)
しかし、このオーガは違う。
両腕扱う大剣をロングソードの様に片手で振り回し、イシュドの剛腕から繰り出される斬撃に対して一歩も引かない。
イシュドが猛れば、オーガも吼える。
放たれる圧に怯えることはく、寧ろその圧を歓迎していた。
自分がこの世に生まれた意味は……この人間と戦う為にあったのだと。
「牙ァアアアアアアアアッ!!!!!!」
「ヌゥウウウォラアアアアアッ!!!!!」
オーガは大剣技スキル、レベル三の技、ウォールブレイカー。
斬ることよりも粉砕することに特化した技。
勿論、振り下ろされる二振りの大剣、どちらもウォールブレイカーを発動している。
振り下ろされるという軌道、イシュドのスピードを持ってすれば振り下ろされる前に懐に潜り込んで腹を斬り裂いて勝負を終わらせる事も可能だが、当然そのような選択を取ることはなかった。
斧技スキル、レベル三の技、二振りの場合のみ発動可能な狼牙で迎え撃つ。
アホだバカだと言われようとも、この真っ向勝負を行ったことに、イシュドは全く後悔はない。
そして結果は……直ぐにぶつかり合う音によって証明された。
「楽しかったぞ」
波紋の様に金属音が鳴り響くことはなく、ウォールブレイカーと狼牙ぶつかり合った瞬間、オーガの大剣が切断された。
失敗と捉えられる形となり、体勢が崩れた瞬間に腹へエックス字の斬撃が叩き込まれた。
「ッ、ァ…………」
間違いなく、致命傷となる一撃。
オーガはそのまま膝から地面に崩れ落ちた。
勝った。
イシュドの勝利だと、ガルフたちが確信したその時、オーガの体に異変が起こり始めた。
「い、イシュド!!!! まだそいつは終ってねぇぞ!!!!」
「っ……そうみてぇだな」
徐々に徐々に、イシュドから受けた傷が塞がっていき、肉が……骨が、体格そのものが変化していく。
同時に、狼牙によって切断された筈の二振りが、一つに重なり始めた。
「イシュド!! 今がチャンスだぞ!!!!!」
「バ~~~~カ。フィリップ、相手が変身中に攻撃するのはナンセンスってもんだろ」
「…………ぁ」
アホだ、っと言いかけたところで、何とか飲み込むことに成功したフィリップ。
「アホですわ」
しかし、ミシェラは相変わらずイシュドに対して思った事を飲み込まず、そのまま口にした。
そして……二振りの大剣を使用していたオーガと自分を比べ、格が違うと感じていたダスティンたちも、口には出さなかったが、心の中で同じくアホだと呟いた。
「バカ野郎。せっかく本当に……丁度良い強さになろうとしてんだ。変わってる最中に水を差す様な真似するわけねぇだろ」
約一名、ヴァルツだけはイシュドにキラキラと眼を輝かせているが、双子のリュネは……やや呆れた目を向けていた。
401
お気に入りに追加
1,788
あなたにおすすめの小説
万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?
Gai
ファンタジー
鉄柱が頭にぶつかって死んでしまった少年は神様からもう異世界へ転生させて貰う。
貴族の四男として生まれ変わった少年、ライルは属性魔法の適性が全くなかった。
貴族として生まれた子にとっては珍しいケースであり、ラガスは周りから憐みの目で見られる事が多かった。
ただ、ライルには属性魔法なんて比べものにならない魔法を持っていた。
「はぁーー・・・・・・属性魔法を持っている、それってそんなに凄い事なのか?」
基本気だるげなライルは基本目立ちたくはないが、売られた値段は良い値で買う男。
さてさて、プライドをへし折られる犠牲者はどれだけ出るのか・・・・・・
タイトルに書いてあるパートナーは序盤にはあまり出てきません。
愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】ふしだらな母親の娘は、私なのでしょうか?
イチモンジ・ルル
恋愛
奪われ続けた少女に届いた未知の熱が、すべてを変える――
「ふしだら」と汚名を着せられた母。
その罪を背負わされ、虐げられてきた少女ノンナ。幼い頃から政略結婚に縛られ、美貌も才能も奪われ、父の愛すら失った彼女。だが、ある日奪われた魔法の力を取り戻し、信じられる仲間と共に立ち上がる。
歪められた世界で、隠された真実を暴き、奪われた人生を新たな未来に変えていく。
――これは、過去の呪縛に立ち向かい、愛と希望を掴み、自らの手で未来を切り開く少女の戦いと成長の物語――
旧タイトル ふしだらと言われた母親の娘は、実は私ではありません
他サイトにも投稿。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる