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第79話 並じゃ意味がない
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「イシュド、私も君たちの訓練に参加させてくれないか」
全ての授業が終わり、放課後。
放課後や休日、イシュドはガルフたちと訓練を行っていると聞いていたため、イブキは頭を下げてその訓練に参加させてほしいと頭を下げた。
「おぅ、良いぞ!」
「っ……………」
「あ、ありがとう!!」
即座にイブキの頼みを了承したイシュド。
そんなイシュドの対応にやや不満げな表情を浮かべる人物がいた。
(そうなるだろうと思っていましたけど、やはりムカつくものはムカつきますわね)
ミシェラはイシュドたちの訓練に参加する際、高級料理店の食事一回分を奢らなければならなかった。
勿論、それは初対面の時にミシェラの方から咬みついたからである。
あの場面で単純にミシェラがレグラ家の人間の強さに興味がある。
だから自分と戦って欲しいと頼み込む様な形であれば……イシュドはこんな令嬢もいるのだなと面白さを感じ、訓練に参加させてほしいと頼み込む際に何かを要求してくることもなかった。
実際のところ、レグラたちの訓練には多くの生徒たちが興味を持っている。
開催されている訓練に、強くなる為の秘密が隠されているのではないのかと。
しかし、殆どの生徒たちは一度イシュド……レグラのことをバカにしていた。
仮にそれ相応の何かを用意したとしても、それを素直にイシュドが受け取るとは限らない。
「そういえば、イシュドの訓練に参加する者たちは、いつもこのメンバーなのか?」
「入学当初は色々あったからなぁ~~~」
「盛大に潰して潰してぶっ潰してって感じだったな。今では大人しくなったつーか、大人しくならざるを得なかったって感じか。まっ、そもそも参加したところでって話でもあるか」
ガルフは激闘祭でベスト8まで上がり、ミシェラはフィリップに負けたがベスト4。
フィリップは一年の激闘祭を制した優勝者。
イシュドの学生離れした実力は一旦置いておき、そんな彼らの相手が出来る生徒は……まず同級生にはいない。
隠れた逸材がいるかもしれない可能性はイシュドも否定しないが、わざわざ探そうとは思わない。
「んじゃ、軽く始めようか」
準備運動終了後、早速訓練スタート。
とはいえ、行う内容は殆ど模擬戦。
イシュド以外のメンバーと模擬戦を行う時は木製の武器で行い、イシュドが相手であれば真剣で行う。
「お疲れ、イブキ。どうだった、三人と戦ってみて」
一通り全員が全員と戦い終え、一旦休憩タイム。
疲れてからが本番というのは間違いないが、ぶっ倒れたらそのぶっ倒れている時間が勿体ない……というのがイシュドの考え。
※自分の成果を全て出し切りたい戦いは別。
「イシュド程ではないが、三人共非常にハイレベルだ。正直なところ、留学する前まで……少々天狗になっていた」
「はっはっは!!!! それもしょうがないんじゃねぇか? だって、それぐらいの強さがあるのは間違いねぇわけだし」
自身が生まれ育った領地を出て、基本的な世の中の平均レベルが解ってきたイシュド。
どの程度の強さを有していれば自分は天才だ、怪物だ、他の連中は雑魚ばかり……なんて天狗になってしまう者たちの強さも解ってきた。
「そう言ってくれると、有難い。個人的には……いや、優劣は付け難い。ガルフはまさか闘気を会得しているとはという驚きが強かった」
大和にも闘気を会得している者は存在するが、それでも決して多くはない。
「だが、それ以前にまだ戦闘スタイルが明確には確立されていない……あれでまだ確立していないというのは、非常に末恐ろしく感じる」
「だろ。俺の一押しだ」
「フィリップに関しては……苦手なタイプ、の一言に尽きる」
「戦り辛さマックスってことだな」
言動、態度などが軽薄。
その辺りに関して、イブキはそこまで気にしない。
イシュドも似た様なタイプであるが、忌避感などは一切抱いていない。
言動や態度が軽薄であっても、基本的に他者を見下し侮辱することはないと解っているからこそ、人として嫌うことはない。
加えるならば……実際のところ、一年の最強を決めるトーナメントで優勝するだけの実力がある。
であれば、イブキにとって尚更嫌う要素はなかった。
「ミシェラはやはり双剣による連撃に強さを感じた。大和にもそういったスタイルはあるが……あれは私や兄さん、侍たちの領分ではない」
「そう言うと………………あれか! 忍者の領分か!!」
「っ、そうなんだが……イシュドは、本当に大和のことを色々と知っているんだな」
「大和出身の人にそう言ってもらえると嬉しいね。でも、そうだな……二つの武器を使ってる時点で手数が他よりも多い。つか、ミシェラの場合は割と力がある方だからな。最近若干ではあるけど剣速上がってきてるっぽいしな」
ただ狂ってる様に思えてバカみたいに狂ってないのがイシュド。
毎日手合わせしている三人がどう成長しているのか、しっかり把握している。
「へいへい、お二人さん。何話してるんだよ」
「イブキが三人をどう思ってるか?」
「そりゃ怖い話だな。まっ、俺は面倒だろ」
「……自分の事をよく理解してるのですね」
「俺は今のガルフみたいにがっつり攻めれたり、ミシェラみてぇに速い攻撃を連続でぶっ放して勝つ!! みたいな戦法はねぇからな」
(根っこを隠すのも、またフィリップらしいね~~~~)
フィリップが自分の事をイブキに伝えた内容は……一応間違ってはいない。
ただ、戦闘センスや発想が二人よりも頭一つか二つ、抜けていることは伝えなかった。
「それでもとりあえず負けたからな~~~~。なぁ、イシュド。イブキの相手はイシュドか……会長パイセンが適任じゃねぇか?」
「会長…………??? 学園の、長?」
「正式な名称は生徒会長。学生たちを纏める立場? 的な人がいるんだよ。俺が激闘祭の特別試合で戦った三人のうちの一人だ」
「ほぅ、それは確かに気になる人物だな」
「おっ、マジ? なら、訓練終わりに挨拶にでも行くか」
約二時間後、イシュドたちは本当にアポなしで役員たちが仕事中の会長室へ向かった。
全ての授業が終わり、放課後。
放課後や休日、イシュドはガルフたちと訓練を行っていると聞いていたため、イブキは頭を下げてその訓練に参加させてほしいと頭を下げた。
「おぅ、良いぞ!」
「っ……………」
「あ、ありがとう!!」
即座にイブキの頼みを了承したイシュド。
そんなイシュドの対応にやや不満げな表情を浮かべる人物がいた。
(そうなるだろうと思っていましたけど、やはりムカつくものはムカつきますわね)
ミシェラはイシュドたちの訓練に参加する際、高級料理店の食事一回分を奢らなければならなかった。
勿論、それは初対面の時にミシェラの方から咬みついたからである。
あの場面で単純にミシェラがレグラ家の人間の強さに興味がある。
だから自分と戦って欲しいと頼み込む様な形であれば……イシュドはこんな令嬢もいるのだなと面白さを感じ、訓練に参加させてほしいと頼み込む際に何かを要求してくることもなかった。
実際のところ、レグラたちの訓練には多くの生徒たちが興味を持っている。
開催されている訓練に、強くなる為の秘密が隠されているのではないのかと。
しかし、殆どの生徒たちは一度イシュド……レグラのことをバカにしていた。
仮にそれ相応の何かを用意したとしても、それを素直にイシュドが受け取るとは限らない。
「そういえば、イシュドの訓練に参加する者たちは、いつもこのメンバーなのか?」
「入学当初は色々あったからなぁ~~~」
「盛大に潰して潰してぶっ潰してって感じだったな。今では大人しくなったつーか、大人しくならざるを得なかったって感じか。まっ、そもそも参加したところでって話でもあるか」
ガルフは激闘祭でベスト8まで上がり、ミシェラはフィリップに負けたがベスト4。
フィリップは一年の激闘祭を制した優勝者。
イシュドの学生離れした実力は一旦置いておき、そんな彼らの相手が出来る生徒は……まず同級生にはいない。
隠れた逸材がいるかもしれない可能性はイシュドも否定しないが、わざわざ探そうとは思わない。
「んじゃ、軽く始めようか」
準備運動終了後、早速訓練スタート。
とはいえ、行う内容は殆ど模擬戦。
イシュド以外のメンバーと模擬戦を行う時は木製の武器で行い、イシュドが相手であれば真剣で行う。
「お疲れ、イブキ。どうだった、三人と戦ってみて」
一通り全員が全員と戦い終え、一旦休憩タイム。
疲れてからが本番というのは間違いないが、ぶっ倒れたらそのぶっ倒れている時間が勿体ない……というのがイシュドの考え。
※自分の成果を全て出し切りたい戦いは別。
「イシュド程ではないが、三人共非常にハイレベルだ。正直なところ、留学する前まで……少々天狗になっていた」
「はっはっは!!!! それもしょうがないんじゃねぇか? だって、それぐらいの強さがあるのは間違いねぇわけだし」
自身が生まれ育った領地を出て、基本的な世の中の平均レベルが解ってきたイシュド。
どの程度の強さを有していれば自分は天才だ、怪物だ、他の連中は雑魚ばかり……なんて天狗になってしまう者たちの強さも解ってきた。
「そう言ってくれると、有難い。個人的には……いや、優劣は付け難い。ガルフはまさか闘気を会得しているとはという驚きが強かった」
大和にも闘気を会得している者は存在するが、それでも決して多くはない。
「だが、それ以前にまだ戦闘スタイルが明確には確立されていない……あれでまだ確立していないというのは、非常に末恐ろしく感じる」
「だろ。俺の一押しだ」
「フィリップに関しては……苦手なタイプ、の一言に尽きる」
「戦り辛さマックスってことだな」
言動、態度などが軽薄。
その辺りに関して、イブキはそこまで気にしない。
イシュドも似た様なタイプであるが、忌避感などは一切抱いていない。
言動や態度が軽薄であっても、基本的に他者を見下し侮辱することはないと解っているからこそ、人として嫌うことはない。
加えるならば……実際のところ、一年の最強を決めるトーナメントで優勝するだけの実力がある。
であれば、イブキにとって尚更嫌う要素はなかった。
「ミシェラはやはり双剣による連撃に強さを感じた。大和にもそういったスタイルはあるが……あれは私や兄さん、侍たちの領分ではない」
「そう言うと………………あれか! 忍者の領分か!!」
「っ、そうなんだが……イシュドは、本当に大和のことを色々と知っているんだな」
「大和出身の人にそう言ってもらえると嬉しいね。でも、そうだな……二つの武器を使ってる時点で手数が他よりも多い。つか、ミシェラの場合は割と力がある方だからな。最近若干ではあるけど剣速上がってきてるっぽいしな」
ただ狂ってる様に思えてバカみたいに狂ってないのがイシュド。
毎日手合わせしている三人がどう成長しているのか、しっかり把握している。
「へいへい、お二人さん。何話してるんだよ」
「イブキが三人をどう思ってるか?」
「そりゃ怖い話だな。まっ、俺は面倒だろ」
「……自分の事をよく理解してるのですね」
「俺は今のガルフみたいにがっつり攻めれたり、ミシェラみてぇに速い攻撃を連続でぶっ放して勝つ!! みたいな戦法はねぇからな」
(根っこを隠すのも、またフィリップらしいね~~~~)
フィリップが自分の事をイブキに伝えた内容は……一応間違ってはいない。
ただ、戦闘センスや発想が二人よりも頭一つか二つ、抜けていることは伝えなかった。
「それでもとりあえず負けたからな~~~~。なぁ、イシュド。イブキの相手はイシュドか……会長パイセンが適任じゃねぇか?」
「会長…………??? 学園の、長?」
「正式な名称は生徒会長。学生たちを纏める立場? 的な人がいるんだよ。俺が激闘祭の特別試合で戦った三人のうちの一人だ」
「ほぅ、それは確かに気になる人物だな」
「おっ、マジ? なら、訓練終わりに挨拶にでも行くか」
約二時間後、イシュドたちは本当にアポなしで役員たちが仕事中の会長室へ向かった。
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