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第58話 理解不能な怪物
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「……武器を使わないつもりか」
ダスティンはあまりイシュドの事を良く知らない。
ただ者ではないという事は本能的に解るが、どういった武器を使って戦うタイプなのか、そういった詳しい部分までは知らない。
なので、何も得物を持たずに戦おうとするイシュドが、自分たちのことを完全に嘗めているとのだと判断。
「そういうの気にする感じ? 安心してくれって。俺は狂戦士……全身狂気だからな」
構えた。
それだけでイシュドから放たれていた圧に重厚さが増加。
「ッ!!! 噂以上、ということか……では、俺が先陣を切ろう」
そう告げると、ダスティンは口にした通り、真っすぐ駆け出し……正面から自慢の大斧を振り下ろした。
「おぅおぅ、良いんじゃねぇの? その筋肉恥じない、良い一撃だぜ」
「ぐっ!!!!」
スキルの技を使用した一撃ではない。
それでもダスティンは確かに魔力を全身に纏って強化し、腕力強化のスキルも同時に発動して大斧を振り下ろした。
そんな一撃をイシュドは……左腕だけで受け止めた。
衝撃は地面にまで伝わり、振り下ろされた一撃にどれほどの威力があったのか良く解るが……イシュドにダメージらしいダメージは全くなかった。
「フッ!!!」
激闘祭の優勝者三名、全員接近戦が得意なアタッカーではあるが、三人で攻めるとなれば、アタッカーの中でも役割分担を決めなければならない。
タンク、そして強烈な一撃を加えるのがダスティンの役目。
果敢に攻め、イシュドを自由に動かせないのがクリスティールの仕事。
「っと、流石会長。速い、ねっと。ナイス狙いじゃねぇの、フィリップ」
「あっさり避けながら言われても、って感じだな~」
そして魔力を纏った斬撃刃、突きの放出という遠距離攻撃をメインにし、主に嫌がらせをするのがフィリップの役目。
「ぬぅああああッ!!!!」
「ハッ!!!!!」
三人は事前に相談していたのではなく、今この場で自分の役割を把握し、初っ端かっらエンジンをかけて挑む。
「よっ、せいっ!!」
ダスティンの大斧を受け止め、迫る氷結の乱刃を左手の手刀で対応。
「ぃよい、っしょ!!!!!!!」
一瞬だけ短剣を宙に放り、両手が塞がってる? イシュドに向かって全力のスラッシュが放たれた。
「カッッッッッ!!!!!!!!!!」
「っ!!!!???? おいおいよいよい……ま、マジかよ」
気合咆哮。
何かしらのスキルによる技を使ったのではなく、ただ腹の底から全力で一喝を行ったイシュド。
その一喝により、フィリップの放ったスラッシュは霧散。
この光景にダスティンとクリスティールの顔に衝撃が走る。
「油断、厳禁!!!」
掴んだ大斧を引き付け、腹に蹴りを入れて飛ばし、背に向けて放たれた二つの氷刃を……背中に力を入れて弾いた。
(っ!!?? た、体技の一つ……でしょうか)
中国拳法の鉄山靠……とは違うのだが、背中で衝撃を放つ、攻撃するといった点は似ているだろう。
クリスティールとしては粉々に砕かれた氷刃を無視して突っ込み、自身の役割を全うしたいところだったが……あまりにも予想外過ぎる砕かれ方をしたため、一度後方に下がって呼吸を整えた。
「ったく、ちょっと人間越え過ぎじゃないっすかね」
「私も、左手一つで砕かれるのであればまだしも、背中を使って砕かれるとは思っていませんでした」
「あれが……辺境の狂戦士、か」
腹に蹴りを入れられたダスティンは反射的に腹に土を纏わせたことで、内臓がズタボロになることはなかった。
「良いね良いね、三人共元気一杯じゃねぇか。んじゃ……今度は、こっちから攻めさせてもらうぜ!!!!」
「「「ッ!!!!」」」
相変わらず素手のイシュドが地を蹴り、三人に急接近。
攻守が逆転した……と思われるかもしれないが、既に役割が決まっている三人は乱れることなく行動し、まずはダスティンが大斧を利用してイシュドの右ストレートを食らうが……リングサイドギリギリで耐え切った。
(はっはっは!!! 防御力も合格だな!!!!!)
数的に有利……それだけで三人は誰かがイシュドの攻撃を抑えれば、それだけで他の誰かが攻撃に転じられる。
「うぉらっ!!!!!」
「「っ!!!???」」
両サイドから多数の魔力の刃、氷刃が迫る中、イシュドは裏拳で……拳に魔力を纏い、思いっきり宙を叩いた。
「どうしたぁあああっ!!!! まだまだ、んなもんじゃねぇだろ!!!!!!」
吼える怪獣。
それが観客たちから見たイシュドという存在である。
人学年上の優勝者が放つ大斧を軽々と受け止め、迫る氷刃を背中で破壊。
挙句の果てには気合裂帛でスラッシュを霧散させ、裏拳で宙を叩くことで魔力の刃や氷刃を粉砕。
やってることが……普通じゃない。
普通とは思えない、理解不能な存在。
(……ある意味、全力で戦ってるってことか、イシュド)
当然、全力ではない。
イシュドが全力を出して戦っていれば、今頃三人の体はボコボコのズタボロ……死んでいてもおかしくない。
ただフィリップの考えている通り、会う意味全力ではあった。
イシュドは強化系のスキルは使っていない。
先程は拳に魔力を纏ったが、それ以外の場面では体に魔力を纏わず戦っていた。
つまり、イシュドは素の状態の力を惜しまず出し、三人と戦っていた。
(ったく、こっちとしてはそういう状態で戦ってくれるのは嬉しいんだけど、観客たちの中に……どれだけ絶望した奴らがいることやら)
イシュドは相変わらずな様子で戦闘を続けており、イシュドが自分たちとの戦いで強化系のスキル、殆ど魔力を使って戦っていないという事実に全くショックを受けてない。
だがこの事実は、一般の生徒たちには……人生でトップクラスの衝撃を与えていた。
一年生の頂点に取った男の斬撃が気合裂帛だけで破壊され、二年生のトップを掴み取った大男の大斧による攻撃が素手で掴まれ、押し込めない。
三年生の……学生の頂へと上り詰めた麗しき令嬢の苛烈な斬撃を、左手一つで対応してしまう。
完成している学生たちは、一般市民たちと似た様な感想を抱いていた。
あれは、一体何なのだと。
そもそも各学年の優勝者を纏めて相手にする。
これですら、まず理解に苦しむ行為。
そして変則的な試合が始まってから既に一分以上が経過するまで……ずっと笑ったまま。
理解不能な怪物。
それが学生たちのイシュドに対する感想であった。
ダスティンはあまりイシュドの事を良く知らない。
ただ者ではないという事は本能的に解るが、どういった武器を使って戦うタイプなのか、そういった詳しい部分までは知らない。
なので、何も得物を持たずに戦おうとするイシュドが、自分たちのことを完全に嘗めているとのだと判断。
「そういうの気にする感じ? 安心してくれって。俺は狂戦士……全身狂気だからな」
構えた。
それだけでイシュドから放たれていた圧に重厚さが増加。
「ッ!!! 噂以上、ということか……では、俺が先陣を切ろう」
そう告げると、ダスティンは口にした通り、真っすぐ駆け出し……正面から自慢の大斧を振り下ろした。
「おぅおぅ、良いんじゃねぇの? その筋肉恥じない、良い一撃だぜ」
「ぐっ!!!!」
スキルの技を使用した一撃ではない。
それでもダスティンは確かに魔力を全身に纏って強化し、腕力強化のスキルも同時に発動して大斧を振り下ろした。
そんな一撃をイシュドは……左腕だけで受け止めた。
衝撃は地面にまで伝わり、振り下ろされた一撃にどれほどの威力があったのか良く解るが……イシュドにダメージらしいダメージは全くなかった。
「フッ!!!」
激闘祭の優勝者三名、全員接近戦が得意なアタッカーではあるが、三人で攻めるとなれば、アタッカーの中でも役割分担を決めなければならない。
タンク、そして強烈な一撃を加えるのがダスティンの役目。
果敢に攻め、イシュドを自由に動かせないのがクリスティールの仕事。
「っと、流石会長。速い、ねっと。ナイス狙いじゃねぇの、フィリップ」
「あっさり避けながら言われても、って感じだな~」
そして魔力を纏った斬撃刃、突きの放出という遠距離攻撃をメインにし、主に嫌がらせをするのがフィリップの役目。
「ぬぅああああッ!!!!」
「ハッ!!!!!」
三人は事前に相談していたのではなく、今この場で自分の役割を把握し、初っ端かっらエンジンをかけて挑む。
「よっ、せいっ!!」
ダスティンの大斧を受け止め、迫る氷結の乱刃を左手の手刀で対応。
「ぃよい、っしょ!!!!!!!」
一瞬だけ短剣を宙に放り、両手が塞がってる? イシュドに向かって全力のスラッシュが放たれた。
「カッッッッッ!!!!!!!!!!」
「っ!!!!???? おいおいよいよい……ま、マジかよ」
気合咆哮。
何かしらのスキルによる技を使ったのではなく、ただ腹の底から全力で一喝を行ったイシュド。
その一喝により、フィリップの放ったスラッシュは霧散。
この光景にダスティンとクリスティールの顔に衝撃が走る。
「油断、厳禁!!!」
掴んだ大斧を引き付け、腹に蹴りを入れて飛ばし、背に向けて放たれた二つの氷刃を……背中に力を入れて弾いた。
(っ!!?? た、体技の一つ……でしょうか)
中国拳法の鉄山靠……とは違うのだが、背中で衝撃を放つ、攻撃するといった点は似ているだろう。
クリスティールとしては粉々に砕かれた氷刃を無視して突っ込み、自身の役割を全うしたいところだったが……あまりにも予想外過ぎる砕かれ方をしたため、一度後方に下がって呼吸を整えた。
「ったく、ちょっと人間越え過ぎじゃないっすかね」
「私も、左手一つで砕かれるのであればまだしも、背中を使って砕かれるとは思っていませんでした」
「あれが……辺境の狂戦士、か」
腹に蹴りを入れられたダスティンは反射的に腹に土を纏わせたことで、内臓がズタボロになることはなかった。
「良いね良いね、三人共元気一杯じゃねぇか。んじゃ……今度は、こっちから攻めさせてもらうぜ!!!!」
「「「ッ!!!!」」」
相変わらず素手のイシュドが地を蹴り、三人に急接近。
攻守が逆転した……と思われるかもしれないが、既に役割が決まっている三人は乱れることなく行動し、まずはダスティンが大斧を利用してイシュドの右ストレートを食らうが……リングサイドギリギリで耐え切った。
(はっはっは!!! 防御力も合格だな!!!!!)
数的に有利……それだけで三人は誰かがイシュドの攻撃を抑えれば、それだけで他の誰かが攻撃に転じられる。
「うぉらっ!!!!!」
「「っ!!!???」」
両サイドから多数の魔力の刃、氷刃が迫る中、イシュドは裏拳で……拳に魔力を纏い、思いっきり宙を叩いた。
「どうしたぁあああっ!!!! まだまだ、んなもんじゃねぇだろ!!!!!!」
吼える怪獣。
それが観客たちから見たイシュドという存在である。
人学年上の優勝者が放つ大斧を軽々と受け止め、迫る氷刃を背中で破壊。
挙句の果てには気合裂帛でスラッシュを霧散させ、裏拳で宙を叩くことで魔力の刃や氷刃を粉砕。
やってることが……普通じゃない。
普通とは思えない、理解不能な存在。
(……ある意味、全力で戦ってるってことか、イシュド)
当然、全力ではない。
イシュドが全力を出して戦っていれば、今頃三人の体はボコボコのズタボロ……死んでいてもおかしくない。
ただフィリップの考えている通り、会う意味全力ではあった。
イシュドは強化系のスキルは使っていない。
先程は拳に魔力を纏ったが、それ以外の場面では体に魔力を纏わず戦っていた。
つまり、イシュドは素の状態の力を惜しまず出し、三人と戦っていた。
(ったく、こっちとしてはそういう状態で戦ってくれるのは嬉しいんだけど、観客たちの中に……どれだけ絶望した奴らがいることやら)
イシュドは相変わらずな様子で戦闘を続けており、イシュドが自分たちとの戦いで強化系のスキル、殆ど魔力を使って戦っていないという事実に全くショックを受けてない。
だがこの事実は、一般の生徒たちには……人生でトップクラスの衝撃を与えていた。
一年生の頂点に取った男の斬撃が気合裂帛だけで破壊され、二年生のトップを掴み取った大男の大斧による攻撃が素手で掴まれ、押し込めない。
三年生の……学生の頂へと上り詰めた麗しき令嬢の苛烈な斬撃を、左手一つで対応してしまう。
完成している学生たちは、一般市民たちと似た様な感想を抱いていた。
あれは、一体何なのだと。
そもそも各学年の優勝者を纏めて相手にする。
これですら、まず理解に苦しむ行為。
そして変則的な試合が始まってから既に一分以上が経過するまで……ずっと笑ったまま。
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