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四十五話 先に報告
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「いやぁ~~~、今日はクロがいたお陰でいつもよりモンスターと戦えたな」
「ワゥ!!!」
なんとなくだが主であるアラッドに褒められたと分かり、上機嫌になる。
「動物系の中でも狼タイプのモンスターは嗅覚に優れているっすからね。次々モンスターを発見出来るのは羨ましいようなそうでないような……いや、やっぱり羨ましいっすね」
気配感知よりも嗅覚の方が優れていれば、その分敵の居場所を早く感知することができる。
更に高ランクのモンスターなら、嗅覚だけで敵の種族や年齢などを把握する。
クロはまだそのレベルに達していないが、これからアラッドと一緒に戦い続ければその境地に達するのも夢ではない。
「ブラックウルフの従魔ですか……こう、相棒がいる感じはちょっと羨ましいですね」
「ユーナは攻撃魔法専門という面を考えれば、前衛で戦ってくれる相棒がいるのは助かるだろうな」
「そうなんですよ。ただ、モンスターをテイム……従魔にできるのはその人の才能による要因が大きいと聞くので、あまり危険を犯して試そうとは思えないんですよね」
魔法を行使するには時間が必要。
練度が上がれば上がるほどその時間は短くなるが、どういった攻撃が来ると分れば対処しやすくなる。
そんな時、前衛で戦ってくれる相棒がいれば相手の意識の隙間を突いて攻撃し、対処される前に大ダメージを与えることができる……かもしれない。
「……今回はたまたま上手く行ったけど。こんなケースが連続で続くとは思えないしな……そもそもクロが付いて来てくれるかどうかは賭けだったし」
助けてもらったことに感謝はしても、下る気はない。
もしくはプライドが異様に高い個体であれば、即座にその場から離れる……か、襲い掛かって来たかもしれない。
そういった可能性も考えていたので、あの時クロが手を置いてくれるまでアラッドは決して油断していなかった。
「モンスターにも味覚はあるだろうから……お前に敵意は無いって証明してから目の前で肉を焼いて、その肉を上げれば……もしかしたらこの人に付いていけば上手い料理が食べられると思って従魔になるんじゃないか?」
「そ、それはどうでしょうか? 私はあまりモンスターの生態に詳しくないのでなんとも言えませんが」
「……俺がモンスターだったら、思わず付いて行っちゃうかもしれないっすね。だって焼いた肉と生肉じゃ味が違うだろうし……香辛料を使えば、病みつきになるんじゃなっすかね」
「はっはっは!! その手があったな。確かに香辛料を使った料理の美味さはモンスターじゃ手に入れられないな」
そもそもモンスターが襲うのをストップして、尚且つ料理が出来上がるまで待ってくれるのか分からない。
分からないが、クロのような相棒が欲しいと思ったユーナは是非試してみたいと思った。
「アラッド様、先に私が屋敷に入ってフール様に事情を説明してきましょう」
「……そうだな。その方が良さそうだ」
夕食前に屋敷に辿り着き、ノーラスは今回の狩りで起った一件を先に伝えた方が良いと判断し、真っ先に執務室に向かった。
「フール様、ノーラスです。今回の狩りに最中に起こった一件でお話があります」
「入ってきてくれ」
綺麗な動作で中へと入ると、フールは少々慌て気味でソファーへと座った。
「ノーラスが直ぐに報告してくるということは、何か驚くことがあったのかい」
「はい。今回もアラッド様の凄さに驚かされました」
ノーラスの言葉から一先ずアラッドが無事ということは分かり、ホッと一安心。
だが、肝心の何が起こったのかをまだ聞いていない。
「今回の狩りで……アラッド様はなんとブラックウルフの子供を従魔にしました」
「…………君がそういうなら、そういうことなんだろうね」
サラッと飲み込める情報ではない。
現に事務補佐であるナダックとメイドはまさかの報告に口を半開きにして驚いていた。
フールもアラッドだからこそという、特別な事情を理解しているのでノーラスの言葉を飲み込んだ。
「ふぅーーーー……本当にいつもいきなり驚かされるね。よし、アラッドはまだ外で待ってるんだよね」
「はい!」
「まず一目見させてもらおう」
速足で屋敷の外に向かうと、外でアラッドがクロをモフモフしている姿が見え、それだけで安全な従魔であることが解かってしまった。
「ワゥ!!!」
なんとなくだが主であるアラッドに褒められたと分かり、上機嫌になる。
「動物系の中でも狼タイプのモンスターは嗅覚に優れているっすからね。次々モンスターを発見出来るのは羨ましいようなそうでないような……いや、やっぱり羨ましいっすね」
気配感知よりも嗅覚の方が優れていれば、その分敵の居場所を早く感知することができる。
更に高ランクのモンスターなら、嗅覚だけで敵の種族や年齢などを把握する。
クロはまだそのレベルに達していないが、これからアラッドと一緒に戦い続ければその境地に達するのも夢ではない。
「ブラックウルフの従魔ですか……こう、相棒がいる感じはちょっと羨ましいですね」
「ユーナは攻撃魔法専門という面を考えれば、前衛で戦ってくれる相棒がいるのは助かるだろうな」
「そうなんですよ。ただ、モンスターをテイム……従魔にできるのはその人の才能による要因が大きいと聞くので、あまり危険を犯して試そうとは思えないんですよね」
魔法を行使するには時間が必要。
練度が上がれば上がるほどその時間は短くなるが、どういった攻撃が来ると分れば対処しやすくなる。
そんな時、前衛で戦ってくれる相棒がいれば相手の意識の隙間を突いて攻撃し、対処される前に大ダメージを与えることができる……かもしれない。
「……今回はたまたま上手く行ったけど。こんなケースが連続で続くとは思えないしな……そもそもクロが付いて来てくれるかどうかは賭けだったし」
助けてもらったことに感謝はしても、下る気はない。
もしくはプライドが異様に高い個体であれば、即座にその場から離れる……か、襲い掛かって来たかもしれない。
そういった可能性も考えていたので、あの時クロが手を置いてくれるまでアラッドは決して油断していなかった。
「モンスターにも味覚はあるだろうから……お前に敵意は無いって証明してから目の前で肉を焼いて、その肉を上げれば……もしかしたらこの人に付いていけば上手い料理が食べられると思って従魔になるんじゃないか?」
「そ、それはどうでしょうか? 私はあまりモンスターの生態に詳しくないのでなんとも言えませんが」
「……俺がモンスターだったら、思わず付いて行っちゃうかもしれないっすね。だって焼いた肉と生肉じゃ味が違うだろうし……香辛料を使えば、病みつきになるんじゃなっすかね」
「はっはっは!! その手があったな。確かに香辛料を使った料理の美味さはモンスターじゃ手に入れられないな」
そもそもモンスターが襲うのをストップして、尚且つ料理が出来上がるまで待ってくれるのか分からない。
分からないが、クロのような相棒が欲しいと思ったユーナは是非試してみたいと思った。
「アラッド様、先に私が屋敷に入ってフール様に事情を説明してきましょう」
「……そうだな。その方が良さそうだ」
夕食前に屋敷に辿り着き、ノーラスは今回の狩りで起った一件を先に伝えた方が良いと判断し、真っ先に執務室に向かった。
「フール様、ノーラスです。今回の狩りに最中に起こった一件でお話があります」
「入ってきてくれ」
綺麗な動作で中へと入ると、フールは少々慌て気味でソファーへと座った。
「ノーラスが直ぐに報告してくるということは、何か驚くことがあったのかい」
「はい。今回もアラッド様の凄さに驚かされました」
ノーラスの言葉から一先ずアラッドが無事ということは分かり、ホッと一安心。
だが、肝心の何が起こったのかをまだ聞いていない。
「今回の狩りで……アラッド様はなんとブラックウルフの子供を従魔にしました」
「…………君がそういうなら、そういうことなんだろうね」
サラッと飲み込める情報ではない。
現に事務補佐であるナダックとメイドはまさかの報告に口を半開きにして驚いていた。
フールもアラッドだからこそという、特別な事情を理解しているのでノーラスの言葉を飲み込んだ。
「ふぅーーーー……本当にいつもいきなり驚かされるね。よし、アラッドはまだ外で待ってるんだよね」
「はい!」
「まず一目見させてもらおう」
速足で屋敷の外に向かうと、外でアラッドがクロをモフモフしている姿が見え、それだけで安全な従魔であることが解かってしまった。
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