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千百二十三話 それだけは絶対に防ぐ
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「ルルゥアアアッ!!!!!!」
(ふふ、ふはははは!!! はっはっはっはっはッ!!!!! 最高だ!!!! 流石、楽園ッ!!!!!)
頭部の刃を振るい、自身を斬り刻もうとしてくるヴァレードタイガーに対し、ザハークは嬉々とした笑みを浮かべながら対処していた。
ヴァレードタイガーは確かに頭部から生えている刃は非常に強力な武器である。
額という場所から生えており、人間であるミレアナやソウスケからすれば、扱いにくくないか? と首を傾げてしまうが……生まれた時から身に付いている武器であるため、特に扱いにくいという感覚はなかった。
そして、ヴァレードタイガーの武器はその刃だけではなく、虎系のモンスターであれば当然の様に持っている前足を使った爪撃も非常に強力な武器。
Aランクモンスターの攻撃に相応しい一撃を持つ。
受け方を間違えれば、一流のタンクであっても……受け方を間違えれば、容易に命を持っていかれる。
そんな怪物を相手に……ザハークは笑っていた。
火属性の大剣を振るい、ヴァレードタイガーの斬撃を、爪撃を弾き、当然の様に攻める。
攻めて攻めて攻めまくる。
「ッ!!」
「あまり動き過ぎないでください」
ヴァレードタイガーがもっと地形を広く使って戦うとすれば、後方からミレアナの風矢が飛んでくる。
脅しであり、あくまで戦闘のメインはザハークであると理解している。
ただ……相手が相手、これまで何度か遭遇してきた怪物……Aランクモンスター。
そのため、ミレアナが放つ風矢……仕留める為ではないが、それでもある程度本気で放っている。
なので、ヴァレードタイガーであっても食らえばザハークとの戦闘にどうしても支障が生まれてしまう。
「…………ガァァアアアアア゛ア゛ッ!!!!」
「そうだ!! 最高の、闘志だッ!!!!!!」
下手に動かない方が良い。
それならそれで、意気揚々と自分に武器を振り下ろす敵から倒せば良い。
先程までザハークのことを嘗めていた訳ではないが、ヴァレードタイガーは一度本当にの意味でザハークを倒すことだけに集中した。
(……一応、備えるだけで良さそうですね)
ヴァレードタイガーが戦場を広く使おうとするのを止め、ザハークとの戦闘に集中し始めた。
ミレアナは、基本的にそこまでヴァレードタイガーの行動を制限できれば、自分の仕事は終わりだと思っていた。
後一つ残っているとすれば、それはザハークが万が一……ヴァレードタイガーから強烈な攻撃を受けて体勢を崩し、このままでは死ぬ可能性が高いという状況になった際、サポートしてザハークを助ける仕事。
ザハークが強敵と戦いたい、熱い戦いがしたいという要望に対し、ミレアナは止めるつもりは一切ない。
ただ……パーティーメンバーとして、ザハークが死ぬことだけは絶対に防がなければならない。
そんなミレアナやソウスケの気持ちを理解しているからこそ、もう援護はいらないぞと口にすることなく、ただただヴァレードタイガーとの戦闘に集中していた。
「あのヴァレードタイガーを相手に、よく嬉々とした表情を浮かべながら戦えるな」
「ザハークは俺たちの中で、一番強敵と戦うのが好きな奴ですからね」
「恐怖すらも、闘争心を更に燃え上がらせるスパイスになるということか」
バラスタの視線の先では、いくつかの切傷を浴びながらも、炎を纏う大剣を豪快に……しかし的確に振るい、ヴァレードタイガーに斬撃を叩き込む鬼がいた。
バラスタの言葉通り、ザハークにとって強敵と出会ったときに感じる恐怖すら、闘争心を更に燃え滾らせる燃料にしかならず、複数の切傷を受けようとも……本当に心の底から楽しんでるのだろうと解る笑い声を上げていた。
「ですね。まぁ、強敵との戦闘を楽しめるかなんて、個人の感覚次第としか言えないので、強くなりたいからといって無理に楽しもうとするのはお勧め出来ませんけど」
「ふっふっふ、彼には申し訳ないが、本当にその通りだ」
後方で二人があれこれ喋っている間に、ザハークとヴァレードタイガーの戦闘は更に加速していた。
(ふふ、ふはははは!!! はっはっはっはっはッ!!!!! 最高だ!!!! 流石、楽園ッ!!!!!)
頭部の刃を振るい、自身を斬り刻もうとしてくるヴァレードタイガーに対し、ザハークは嬉々とした笑みを浮かべながら対処していた。
ヴァレードタイガーは確かに頭部から生えている刃は非常に強力な武器である。
額という場所から生えており、人間であるミレアナやソウスケからすれば、扱いにくくないか? と首を傾げてしまうが……生まれた時から身に付いている武器であるため、特に扱いにくいという感覚はなかった。
そして、ヴァレードタイガーの武器はその刃だけではなく、虎系のモンスターであれば当然の様に持っている前足を使った爪撃も非常に強力な武器。
Aランクモンスターの攻撃に相応しい一撃を持つ。
受け方を間違えれば、一流のタンクであっても……受け方を間違えれば、容易に命を持っていかれる。
そんな怪物を相手に……ザハークは笑っていた。
火属性の大剣を振るい、ヴァレードタイガーの斬撃を、爪撃を弾き、当然の様に攻める。
攻めて攻めて攻めまくる。
「ッ!!」
「あまり動き過ぎないでください」
ヴァレードタイガーがもっと地形を広く使って戦うとすれば、後方からミレアナの風矢が飛んでくる。
脅しであり、あくまで戦闘のメインはザハークであると理解している。
ただ……相手が相手、これまで何度か遭遇してきた怪物……Aランクモンスター。
そのため、ミレアナが放つ風矢……仕留める為ではないが、それでもある程度本気で放っている。
なので、ヴァレードタイガーであっても食らえばザハークとの戦闘にどうしても支障が生まれてしまう。
「…………ガァァアアアアア゛ア゛ッ!!!!」
「そうだ!! 最高の、闘志だッ!!!!!!」
下手に動かない方が良い。
それならそれで、意気揚々と自分に武器を振り下ろす敵から倒せば良い。
先程までザハークのことを嘗めていた訳ではないが、ヴァレードタイガーは一度本当にの意味でザハークを倒すことだけに集中した。
(……一応、備えるだけで良さそうですね)
ヴァレードタイガーが戦場を広く使おうとするのを止め、ザハークとの戦闘に集中し始めた。
ミレアナは、基本的にそこまでヴァレードタイガーの行動を制限できれば、自分の仕事は終わりだと思っていた。
後一つ残っているとすれば、それはザハークが万が一……ヴァレードタイガーから強烈な攻撃を受けて体勢を崩し、このままでは死ぬ可能性が高いという状況になった際、サポートしてザハークを助ける仕事。
ザハークが強敵と戦いたい、熱い戦いがしたいという要望に対し、ミレアナは止めるつもりは一切ない。
ただ……パーティーメンバーとして、ザハークが死ぬことだけは絶対に防がなければならない。
そんなミレアナやソウスケの気持ちを理解しているからこそ、もう援護はいらないぞと口にすることなく、ただただヴァレードタイガーとの戦闘に集中していた。
「あのヴァレードタイガーを相手に、よく嬉々とした表情を浮かべながら戦えるな」
「ザハークは俺たちの中で、一番強敵と戦うのが好きな奴ですからね」
「恐怖すらも、闘争心を更に燃え上がらせるスパイスになるということか」
バラスタの視線の先では、いくつかの切傷を浴びながらも、炎を纏う大剣を豪快に……しかし的確に振るい、ヴァレードタイガーに斬撃を叩き込む鬼がいた。
バラスタの言葉通り、ザハークにとって強敵と出会ったときに感じる恐怖すら、闘争心を更に燃え滾らせる燃料にしかならず、複数の切傷を受けようとも……本当に心の底から楽しんでるのだろうと解る笑い声を上げていた。
「ですね。まぁ、強敵との戦闘を楽しめるかなんて、個人の感覚次第としか言えないので、強くなりたいからといって無理に楽しもうとするのはお勧め出来ませんけど」
「ふっふっふ、彼には申し訳ないが、本当にその通りだ」
後方で二人があれこれ喋っている間に、ザハークとヴァレードタイガーの戦闘は更に加速していた。
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