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千九十七話 リスクのある街
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「…………凄いな」
ソウスケは目の前に移る街の大きさ、頑強さに驚きを隠せなかった。
「そうですね……………………同じく、凄いというのが単純ですが、まず零れた感想です」
ミレアナもソウスケと同じく、初めて訪れた街の大きさ等に驚かされていた。
「ふむ……なぁ、二人共」
「なんだ、ザハーク」
「この街は……王都、というものではないのだよな」
ザハークはモンスターではあるが、人間の国の中で大きく荘厳な街は王都と呼ぶ、という知識があった。
だが、二人からグレンゼブル帝国に訪れた目的の最寄り街が、王都だとは一切聞いていなかった。
それでも、目の前にある街が王都と呼ばれるものではないのか? と思ってしまう程の衝撃をザハークに与えた。
「そうだね。ここはグレンゼブル帝国だから、帝都って言うのかな? とにかく、目の前の街はその帝都じゃないよ」
「そうか…………人間の世界のあれこれは知らないが、こんなに大きな街があっても良いものなのか?」
「俺も、それはちょっと思ったよ。でも、ほら。エイリスト王国でも、ダンジョンを保有してる街は結構大きかっただろ」
過去の記憶を遡り、確かに街の大きさでは負けてないことを思い出す。
「それに、保有している国って言うか、街としての力も負けてないと思うんだ」
「ダンジョンを保有している街は、どういったダンジョンなのかもよりますが、その街だけで自給自足が出来るかもしれませんからね」
「……ふむ、なるほど。とはいえ、恐ろしくは感じないのものなのか?」
「多少、そういう風には感じてるかもしれないね。でもさ、ザハーク。この街に住んでたら、もし……万が一、大量のドラゴンに襲撃される可能性があるんだよ」
「……………………リスクのある街、なのだな」
あれだけ頑強な城壁があれば、問題無いのではないか。
そう言おうとしたが、先日ミレアナが戦った毒竜と雷竜の強さを思い出し、それが一体だけではなく大量であると仮定するなら……所壁が紙になるとは思えないが、それでも永遠に防ぎ続けるイージスの盾とは思えなかった。
「とはいえ、この街にトップもそこら辺は十分に考えてるだろうけどね。っと、そろそろ入れるな」
ソウスケがソウスケであることが証明されれば、楽に入れたかもしれない。
しかし、ソウスケは自分やパーティーメンバーたちが目立ってしまう、注目、視線を集めてしまうことは致し方ないと受け入れているが……それでも不用意に自分から目立と行動はしたくない。
「っ…………この街には、何用で」
「冒険者なので、冒険しに来ました」
ドラゴニックバレーの最寄り街ということもあり、門兵の戦闘力も並ではない。
そして彼らは戦闘力だけではなく、観察眼も鍛えられている。
ギルドカードという身分証明を拝見し、目の前の青年? がソウスケ、エルフの美女がミレアナという名前であることを確認。
そして、見た目が鬼人族と思わしき人物は、冒険者ギルドが用意している従魔の証明を身に付けていた。
(なるほど……英雄ならではの答え、か)
下手に力を持っている者であれば、調子に乗った態度を取っていたかもしれない。
だが、目の前の三人からは純粋な強さ、バラの様な美し強さ、そして深く計り知れない不気味な強さを感じる。
門兵の男は実際にソウスケたちの姿を見たことは一度もなく、細かい情報なども集めていなかった。
それでも、戦闘者としての直感が告げた。
目の前の人物たちはあのソウスケであり、あのミレアナとあのザハークであると。
「そうですか。お泊りの宿が決まっていなければ、街の中心からあまり離れていない宿をお勧めします」
「ありがとうございます」
全く嫌味のない笑顔でお礼を口にし、仲間たちと共に街中に入っていくソウスケ。
(……本当に、そこら辺のぼんくら共とは格が違うな)
あの人物たちがエイリスト王国にいた。
門兵はそれがルクローラ王国最大の不運だったのだと思い、特別親しい友人などがルクローラ王国にいる訳ではないが、ほんの少しだけ可哀想だったなと思った。
ソウスケは目の前に移る街の大きさ、頑強さに驚きを隠せなかった。
「そうですね……………………同じく、凄いというのが単純ですが、まず零れた感想です」
ミレアナもソウスケと同じく、初めて訪れた街の大きさ等に驚かされていた。
「ふむ……なぁ、二人共」
「なんだ、ザハーク」
「この街は……王都、というものではないのだよな」
ザハークはモンスターではあるが、人間の国の中で大きく荘厳な街は王都と呼ぶ、という知識があった。
だが、二人からグレンゼブル帝国に訪れた目的の最寄り街が、王都だとは一切聞いていなかった。
それでも、目の前にある街が王都と呼ばれるものではないのか? と思ってしまう程の衝撃をザハークに与えた。
「そうだね。ここはグレンゼブル帝国だから、帝都って言うのかな? とにかく、目の前の街はその帝都じゃないよ」
「そうか…………人間の世界のあれこれは知らないが、こんなに大きな街があっても良いものなのか?」
「俺も、それはちょっと思ったよ。でも、ほら。エイリスト王国でも、ダンジョンを保有してる街は結構大きかっただろ」
過去の記憶を遡り、確かに街の大きさでは負けてないことを思い出す。
「それに、保有している国って言うか、街としての力も負けてないと思うんだ」
「ダンジョンを保有している街は、どういったダンジョンなのかもよりますが、その街だけで自給自足が出来るかもしれませんからね」
「……ふむ、なるほど。とはいえ、恐ろしくは感じないのものなのか?」
「多少、そういう風には感じてるかもしれないね。でもさ、ザハーク。この街に住んでたら、もし……万が一、大量のドラゴンに襲撃される可能性があるんだよ」
「……………………リスクのある街、なのだな」
あれだけ頑強な城壁があれば、問題無いのではないか。
そう言おうとしたが、先日ミレアナが戦った毒竜と雷竜の強さを思い出し、それが一体だけではなく大量であると仮定するなら……所壁が紙になるとは思えないが、それでも永遠に防ぎ続けるイージスの盾とは思えなかった。
「とはいえ、この街にトップもそこら辺は十分に考えてるだろうけどね。っと、そろそろ入れるな」
ソウスケがソウスケであることが証明されれば、楽に入れたかもしれない。
しかし、ソウスケは自分やパーティーメンバーたちが目立ってしまう、注目、視線を集めてしまうことは致し方ないと受け入れているが……それでも不用意に自分から目立と行動はしたくない。
「っ…………この街には、何用で」
「冒険者なので、冒険しに来ました」
ドラゴニックバレーの最寄り街ということもあり、門兵の戦闘力も並ではない。
そして彼らは戦闘力だけではなく、観察眼も鍛えられている。
ギルドカードという身分証明を拝見し、目の前の青年? がソウスケ、エルフの美女がミレアナという名前であることを確認。
そして、見た目が鬼人族と思わしき人物は、冒険者ギルドが用意している従魔の証明を身に付けていた。
(なるほど……英雄ならではの答え、か)
下手に力を持っている者であれば、調子に乗った態度を取っていたかもしれない。
だが、目の前の三人からは純粋な強さ、バラの様な美し強さ、そして深く計り知れない不気味な強さを感じる。
門兵の男は実際にソウスケたちの姿を見たことは一度もなく、細かい情報なども集めていなかった。
それでも、戦闘者としての直感が告げた。
目の前の人物たちはあのソウスケであり、あのミレアナとあのザハークであると。
「そうですか。お泊りの宿が決まっていなければ、街の中心からあまり離れていない宿をお勧めします」
「ありがとうございます」
全く嫌味のない笑顔でお礼を口にし、仲間たちと共に街中に入っていくソウスケ。
(……本当に、そこら辺のぼんくら共とは格が違うな)
あの人物たちがエイリスト王国にいた。
門兵はそれがルクローラ王国最大の不運だったのだと思い、特別親しい友人などがルクローラ王国にいる訳ではないが、ほんの少しだけ可哀想だったなと思った。
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