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九百八十三話 直ぐは嫌
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「そっちはどんな感じだった?」
地上に戻り、一度互いに情報交換をしようと、部屋に集合。
ザハークは窓からこっそり入ってきた。
「……決してザハークが悪いわけではありませんが、その……アネット様に、余計な知識を与えてしまったかと」
「??? そりゃ……どういう事だ?」
ミレアナの言葉から、ソウスケはザハークがアネットに冒険者や騎士の道に進むのもありだ!!! と伝えたのかと思ったが……実際のところは、そういう訳ではない。
「そ、そういう事か…………それは、そんなに悪いことではないんじゃないか」
ソウスケがその件に関して否定的に捉えてはおらず、ホッと一安心のザハーク。
「そうでしょうか……先程言った通り、私はザハークが伝えたその内容自体は悪いと思っていません。しかし、ご両親が……それを良しとしているのかどうか」
「あぁ~、そこか。ん~~~~……王族と生まれたからには、政治的な道具として扱われるかもしれないけど、ザハークがアネット様に伝えたことは、寧ろ立場や見た目だけの無能を切り捨てるには丁度良いアドバイスじゃないか?」
アネットが自身を鍛えに鍛えて価値を高めたところで、自身の結婚相手を完全に指名出来るわけではない。
ただ……高めたアネットの価値が、有象無象をふるいにかけるかけられる。
「…………それでは、私から特にご報告することはありません。アネット様の成長に関しては、順調の一言ですので」
「攻撃力に関しては、既にCランクの魔法使い並みだもんな……ザハークから見ても、やっぱりアネット様は楽しみか?」
「……一撃必殺の攻撃をぶつけ合う。そのやり取りだけに関してであれば、楽しみな存在ではある」
王女様と本気で戦うことがそもそも無理な話。
加えて、ザハークが全力で倒すつもりなら、アネットが動きに反応して対応することは……とりあえず、今のところ不可能に近い。
なので……唯一そこだけが楽しみな点だった。
「はっはっは!!! 確かに、その点に関しては将来的にザハークと張り合えそうだな。まっ、今回の件に関して、国王陛下とかから何か言われることはないだろ。何せ……無茶な頼みを聞いてるのはこっち側だからな」
第三騎士団の女性騎士たちを、ダンジョン内で実戦訓練を行う際、万が一の危機に備えて護衛として……だけであれば、そこまで難しい仕事ではない。
しかし、王女様も守らなければならないとなれば、プレッシャーは跳ね上がる。
並みの冒険者であればプレッシャーに押しつぶされてもおかしくはなく、ベテラン……上級レベルの冒険者であっても、胃が痛くなることは間違いない。
「それもそうなんだろうな。それで、ソウスケさんの方はどうだったんだ?」
「順調そのものだな。次の実戦訓練ではメンバーをチェンジするけど……多分、問題が起こることは無いと思う。アマンダさんは二度目のボス戦を終えて、また強くなった感じがするしな」
「……私たちが悪いわけではありませんが、アマンダさんが他の騎士団長の方々より一回り強くなってしまっても、クレームは飛んできませんよね」
「それは…………あれだ、男なんだから自分でどうにかしろって反論するしかないな」
男女差別だ!!!! と言われるかもしれないが、ソウスケはたとえ金払いが良くとも、こういった依頼は当分受けたくない。
「……また、こういった依頼が来るようになるのではないか?」
「一年後とかなら、また受けても良いかな。それまではのんびり自由に、これまで通り冒険を楽しみたい」
これまで通り冒険を楽しみたい……それはソウスケの心の底からの叫びである。
「安心してくれ、ソウスケさん。バカな権力者が動けば、俺が力づくで潰す」
「…………賛同しにくいですが、結局はそうするしかなくなりそうですね」
冒険を楽しむ。
そんな生活が一番だと思っているのは、ザハークやミレアナも同じだった。
地上に戻り、一度互いに情報交換をしようと、部屋に集合。
ザハークは窓からこっそり入ってきた。
「……決してザハークが悪いわけではありませんが、その……アネット様に、余計な知識を与えてしまったかと」
「??? そりゃ……どういう事だ?」
ミレアナの言葉から、ソウスケはザハークがアネットに冒険者や騎士の道に進むのもありだ!!! と伝えたのかと思ったが……実際のところは、そういう訳ではない。
「そ、そういう事か…………それは、そんなに悪いことではないんじゃないか」
ソウスケがその件に関して否定的に捉えてはおらず、ホッと一安心のザハーク。
「そうでしょうか……先程言った通り、私はザハークが伝えたその内容自体は悪いと思っていません。しかし、ご両親が……それを良しとしているのかどうか」
「あぁ~、そこか。ん~~~~……王族と生まれたからには、政治的な道具として扱われるかもしれないけど、ザハークがアネット様に伝えたことは、寧ろ立場や見た目だけの無能を切り捨てるには丁度良いアドバイスじゃないか?」
アネットが自身を鍛えに鍛えて価値を高めたところで、自身の結婚相手を完全に指名出来るわけではない。
ただ……高めたアネットの価値が、有象無象をふるいにかけるかけられる。
「…………それでは、私から特にご報告することはありません。アネット様の成長に関しては、順調の一言ですので」
「攻撃力に関しては、既にCランクの魔法使い並みだもんな……ザハークから見ても、やっぱりアネット様は楽しみか?」
「……一撃必殺の攻撃をぶつけ合う。そのやり取りだけに関してであれば、楽しみな存在ではある」
王女様と本気で戦うことがそもそも無理な話。
加えて、ザハークが全力で倒すつもりなら、アネットが動きに反応して対応することは……とりあえず、今のところ不可能に近い。
なので……唯一そこだけが楽しみな点だった。
「はっはっは!!! 確かに、その点に関しては将来的にザハークと張り合えそうだな。まっ、今回の件に関して、国王陛下とかから何か言われることはないだろ。何せ……無茶な頼みを聞いてるのはこっち側だからな」
第三騎士団の女性騎士たちを、ダンジョン内で実戦訓練を行う際、万が一の危機に備えて護衛として……だけであれば、そこまで難しい仕事ではない。
しかし、王女様も守らなければならないとなれば、プレッシャーは跳ね上がる。
並みの冒険者であればプレッシャーに押しつぶされてもおかしくはなく、ベテラン……上級レベルの冒険者であっても、胃が痛くなることは間違いない。
「それもそうなんだろうな。それで、ソウスケさんの方はどうだったんだ?」
「順調そのものだな。次の実戦訓練ではメンバーをチェンジするけど……多分、問題が起こることは無いと思う。アマンダさんは二度目のボス戦を終えて、また強くなった感じがするしな」
「……私たちが悪いわけではありませんが、アマンダさんが他の騎士団長の方々より一回り強くなってしまっても、クレームは飛んできませんよね」
「それは…………あれだ、男なんだから自分でどうにかしろって反論するしかないな」
男女差別だ!!!! と言われるかもしれないが、ソウスケはたとえ金払いが良くとも、こういった依頼は当分受けたくない。
「……また、こういった依頼が来るようになるのではないか?」
「一年後とかなら、また受けても良いかな。それまではのんびり自由に、これまで通り冒険を楽しみたい」
これまで通り冒険を楽しみたい……それはソウスケの心の底からの叫びである。
「安心してくれ、ソウスケさん。バカな権力者が動けば、俺が力づくで潰す」
「…………賛同しにくいですが、結局はそうするしかなくなりそうですね」
冒険を楽しむ。
そんな生活が一番だと思っているのは、ザハークやミレアナも同じだった。
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