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八百八十七話 地獄の始まり、とはならない
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(そういえば……第三王女のアネット様と行動し始めてから、特に変な連中に狙われたりはしないな……元々狙われてるとかそういう噂を聞いてた訳じゃないけど、もしかしたらって思ってたけど……本当になんもないな)
ダンジョン探索中、ソウスケは裏の連中が一度も自分たちを襲撃してこないことを意外に思っていた。
実際のところ……国は安定しているが、そういったやり取りが全くないわけではない。
加えて、ソウスケはエイリスト王国を勝利へ導いた立役者ではあるが、その分……一部の貴族からは好かれていない。
勝利へ導いた立役者を嫌うというのはなんともおかしな話ではあるが、そういった思考を持つのが貴族という存在である。
とはいえ、アネットに何かあればソウスケを落すことが出来ると考えるバカたちであっても……実際にソウスケと仲間であるミレアナとザハークがどれだけの活躍をしたのか耳にしている。
荒唐無稽とバカにするのは簡単だが、実際にソウスケは国王から直々に報酬を受け取るほどの戦果を上げた。
噂通りの実力を有しているのか……そこは関係無い。
ソウスケが国王から直々に褒美を、ランク八の超名槍であるブロウスを受け取ったという事実がバカたちを威嚇していた。
加えて……仮にバカたちが蛮勇を発揮し、裏の連中にそういった依頼をしようとも、まず裏の連中が受けようとしない。
汚い汚れ仕事を行って大金を得ている連中であっても、命を失うのは惜しい。
狂人がそういった組織に属していることは多いが……狂人はイコール戦闘狂ではない。
例え敵が果てしなく強大な力を持っていても、己の命を賭して刃を振りかざす……そんな信念を持っている者は、よっぽどな理由がない限り裏の組織に身を寄せることはない。
狂人は、一方的に自分が相手を蹂躙することが至高であり、それが出来ない相手にわざわざ手を出そうとはしない。
「ソウスケさん」
「ん? どうし、た…………あと一階層降りれば四十階層だってのに、本当になんと言うか……ダンジョンだよな」
いち早く敵の気配に気付いたミレアナ。
現れた敵は……四体のヒートミノタウロス。
三十一階層から四十階層の間で現れる戦力としては……かなり過剰な戦力である。
「っし! んじゃ、ちょっと動いてくるわ」
「ソウスケさん、俺も動こう」
「オッケー。それじゃ、ミレアナ。そっちを頼んだ」
「かしこまりました。お気を付けて」
護衛組だけで即決された。
ソウスケとザハークの二人だけで、ヒートミノタウロスに挑む。
普通に考えれば自殺行為であり、何名かの女性騎士たちが口を開きかけた。
だが、それでも済んでのところで喉から出そうと思った言葉が止まった。
「ッ……やはり、ソウスケさんたちであれば、あれぐらいの相手でなければ楽しめない、という事なんでしょうか」
「えぇ、そうですね。一人でBランクモンスターを二体同時に相手をする……今のソウスケさんたちであれば、それぐらいが丁度良い相手でしょう」
ザハークは両拳、両脚に水の魔力を纏い、戦斧を振り回すヒートミノタウロスを相手を心の底から楽しんでいた。
もう二体を相手にしているソウスケはというと……国王陛下から頂いた超名槍、ブロウスを亜空間から取り出し……メイン武器ではない槍で二体の赤毛暴牛を相手にしていた。
(っとっと、この槍……本当に速くなるな)
Bランクモンスターを相手にするには、少々豪華であるものの、決して強さは不足していない。
「シッ!!!!!!!」
「ッ! ッ!? ブっ!!??」
「ブボォォオオオアアアアアアアッ!!!!!」
一対二という戦況に加えて、ソウスケが扱う武器は槍という長物。
一度やりを振るえば、狙われていないもう一体が死角から戦斧を振るうのだが……ブロウスの強化効果によって、ソウスケは大して神経を張り巡らさずとも反応出来てしまう。
「ははっ! こいつは良いな!!!」
笑いながら二体のヒートミノタウロスを圧倒する姿をミレアナたちとは違う場所から偶々見つけた冒険者たちは、失礼だと解ってはいるが、見た目通りの人族とは思えなかった。
ダンジョン探索中、ソウスケは裏の連中が一度も自分たちを襲撃してこないことを意外に思っていた。
実際のところ……国は安定しているが、そういったやり取りが全くないわけではない。
加えて、ソウスケはエイリスト王国を勝利へ導いた立役者ではあるが、その分……一部の貴族からは好かれていない。
勝利へ導いた立役者を嫌うというのはなんともおかしな話ではあるが、そういった思考を持つのが貴族という存在である。
とはいえ、アネットに何かあればソウスケを落すことが出来ると考えるバカたちであっても……実際にソウスケと仲間であるミレアナとザハークがどれだけの活躍をしたのか耳にしている。
荒唐無稽とバカにするのは簡単だが、実際にソウスケは国王から直々に報酬を受け取るほどの戦果を上げた。
噂通りの実力を有しているのか……そこは関係無い。
ソウスケが国王から直々に褒美を、ランク八の超名槍であるブロウスを受け取ったという事実がバカたちを威嚇していた。
加えて……仮にバカたちが蛮勇を発揮し、裏の連中にそういった依頼をしようとも、まず裏の連中が受けようとしない。
汚い汚れ仕事を行って大金を得ている連中であっても、命を失うのは惜しい。
狂人がそういった組織に属していることは多いが……狂人はイコール戦闘狂ではない。
例え敵が果てしなく強大な力を持っていても、己の命を賭して刃を振りかざす……そんな信念を持っている者は、よっぽどな理由がない限り裏の組織に身を寄せることはない。
狂人は、一方的に自分が相手を蹂躙することが至高であり、それが出来ない相手にわざわざ手を出そうとはしない。
「ソウスケさん」
「ん? どうし、た…………あと一階層降りれば四十階層だってのに、本当になんと言うか……ダンジョンだよな」
いち早く敵の気配に気付いたミレアナ。
現れた敵は……四体のヒートミノタウロス。
三十一階層から四十階層の間で現れる戦力としては……かなり過剰な戦力である。
「っし! んじゃ、ちょっと動いてくるわ」
「ソウスケさん、俺も動こう」
「オッケー。それじゃ、ミレアナ。そっちを頼んだ」
「かしこまりました。お気を付けて」
護衛組だけで即決された。
ソウスケとザハークの二人だけで、ヒートミノタウロスに挑む。
普通に考えれば自殺行為であり、何名かの女性騎士たちが口を開きかけた。
だが、それでも済んでのところで喉から出そうと思った言葉が止まった。
「ッ……やはり、ソウスケさんたちであれば、あれぐらいの相手でなければ楽しめない、という事なんでしょうか」
「えぇ、そうですね。一人でBランクモンスターを二体同時に相手をする……今のソウスケさんたちであれば、それぐらいが丁度良い相手でしょう」
ザハークは両拳、両脚に水の魔力を纏い、戦斧を振り回すヒートミノタウロスを相手を心の底から楽しんでいた。
もう二体を相手にしているソウスケはというと……国王陛下から頂いた超名槍、ブロウスを亜空間から取り出し……メイン武器ではない槍で二体の赤毛暴牛を相手にしていた。
(っとっと、この槍……本当に速くなるな)
Bランクモンスターを相手にするには、少々豪華であるものの、決して強さは不足していない。
「シッ!!!!!!!」
「ッ! ッ!? ブっ!!??」
「ブボォォオオオアアアアアアアッ!!!!!」
一対二という戦況に加えて、ソウスケが扱う武器は槍という長物。
一度やりを振るえば、狙われていないもう一体が死角から戦斧を振るうのだが……ブロウスの強化効果によって、ソウスケは大して神経を張り巡らさずとも反応出来てしまう。
「ははっ! こいつは良いな!!!」
笑いながら二体のヒートミノタウロスを圧倒する姿をミレアナたちとは違う場所から偶々見つけた冒険者たちは、失礼だと解ってはいるが、見た目通りの人族とは思えなかった。
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