747 / 1,129
七百十七話 基本的には鬼で、悪魔
しおりを挟む
オルトロスの亜種、バーンティガーを倒し……ソウスケ一行の探索は順調そのもの。
遺跡での探索でもソウスケが今まで以上の罠の感知に力を入れているので、エグい罠に引っ掛かることはない。
「ここまで、特に危機に晒されることはありませんでしたね」
順調に階層を降りているソウスケたちは、現在四十四階層のセーフティーポイントで夕食を食べていた。
「強いモンスターとは遭遇してるけど、複数体ではないからな」
今のところソウスケたちはCランクのモンスターであれば、複数で行動する個体との遭遇は何度もあった。
だが、四十一階層に降りてから、まだBランク以上のモンスターが複数体のグループで行動し、そのグループと遭遇してない。
(ダンジョンは色々と性格悪いっぽいけど、さすがに下層とはいえそこまで惨いことはあんまりやろうと思わないのかもな)
下層を探索するクラスの冒険者であっても、Bランクのモンスターを複数体同時に相手をするのは難しい。
加えて、ゲームの様に一体の強敵と戦っている最中に、他のモンスターが乱入してこないとは限らない。
ザハークがオルトロスの亜種と、ミレアナがバーンティガーと戦っている時も、その戦いに乱入しようとするモンスターが現れ、そういった命知らずは戦いを観戦している二人によって仕留められた。
(まっ、誰かがBランクのモンスターと戦ってる最中に、他のBランクモンスターが乱入して来れば……それはかなりカオスな状況になるか?)
ソウスケの考えは間違っていないが……三人の実力を考えれば、速攻でBランクモンスターを殺すのもそこまで難しくない。
「……ダンジョンもそこまで鬼、悪魔じゃないってことだろ」
遺跡以外の場所にも、当然トラップは存在する。
ボーっとしてれば、痛い目にあう可能性は大。
「ふむ。しかし、モンスターと遭遇する回数は、今までの階層と比べてあまり変わらない。そして、強さはそれなりに上がり、Bランクのモンスターが出現するのも珍しくない。攻略難易度は格段に上がっている筈だ」
「ザハークの言う通りですね。私たちの戦力を考えれば、あまり難易度が上がったと感じないかもしれませんが、他の冒険者からすれば、下層の鬼であり……悪魔であると思いますよ」
セーフティーポイントにはソウスケたち以外の冒険者がおり、ミレアナの言葉を耳にして前半は「何を言ってるんだこいつらは?」といった想いを抱いたが、後半に関しては深く頷いていた。
「それもそうか……よし、風呂に入るか」
いつもよりぬるま湯を用意し、セーフティーポイントでゆっくり風呂で疲れを癒すソウスケたち。
「……何やってるんだ、あいつらは」
同じくセーフティーポイントで休んでいる冒険者たちは、ソウスケたちの行動が理解出来なかった。
「上がりました」
「もう良いのか? えぇ、疲れは取れましたので」
当然、風呂は岩の壁で守られているので、覗かれる心配はない。
ミレアナが入り終わり、次はソウスケとザハークの番。
見張はミレアナ一人だけではあるが、万が一セーフティーポイントにモンスターが大量に現れようとも、すっぽんぽんの状態で風呂から飛び出し、対応する。
同じセーフティーポイントで休憩している女性冒険者からは悲鳴が上がるかもしれないが、仮に万が一の状況が起きれば、着替えてる時間など勿体ない。
「はぁ~~~……マグマ地帯で風呂に入るってのも、悪くないな」
「ふむ……それもそうだな」
ミレアナが入っている時は土の壁を高くしていたが、二人は野郎や異性に裸を見られても問題無いので、土の壁はかなり低く設定している。
のんびりぬるま湯に浸かり、一日の疲れを癒した三人は八時間ほど休息を取り、再びダンジョン探索を開始。
そして順調に四十五層まで降りてきたところで……珍しい一団を発見した。
遺跡での探索でもソウスケが今まで以上の罠の感知に力を入れているので、エグい罠に引っ掛かることはない。
「ここまで、特に危機に晒されることはありませんでしたね」
順調に階層を降りているソウスケたちは、現在四十四階層のセーフティーポイントで夕食を食べていた。
「強いモンスターとは遭遇してるけど、複数体ではないからな」
今のところソウスケたちはCランクのモンスターであれば、複数で行動する個体との遭遇は何度もあった。
だが、四十一階層に降りてから、まだBランク以上のモンスターが複数体のグループで行動し、そのグループと遭遇してない。
(ダンジョンは色々と性格悪いっぽいけど、さすがに下層とはいえそこまで惨いことはあんまりやろうと思わないのかもな)
下層を探索するクラスの冒険者であっても、Bランクのモンスターを複数体同時に相手をするのは難しい。
加えて、ゲームの様に一体の強敵と戦っている最中に、他のモンスターが乱入してこないとは限らない。
ザハークがオルトロスの亜種と、ミレアナがバーンティガーと戦っている時も、その戦いに乱入しようとするモンスターが現れ、そういった命知らずは戦いを観戦している二人によって仕留められた。
(まっ、誰かがBランクのモンスターと戦ってる最中に、他のBランクモンスターが乱入して来れば……それはかなりカオスな状況になるか?)
ソウスケの考えは間違っていないが……三人の実力を考えれば、速攻でBランクモンスターを殺すのもそこまで難しくない。
「……ダンジョンもそこまで鬼、悪魔じゃないってことだろ」
遺跡以外の場所にも、当然トラップは存在する。
ボーっとしてれば、痛い目にあう可能性は大。
「ふむ。しかし、モンスターと遭遇する回数は、今までの階層と比べてあまり変わらない。そして、強さはそれなりに上がり、Bランクのモンスターが出現するのも珍しくない。攻略難易度は格段に上がっている筈だ」
「ザハークの言う通りですね。私たちの戦力を考えれば、あまり難易度が上がったと感じないかもしれませんが、他の冒険者からすれば、下層の鬼であり……悪魔であると思いますよ」
セーフティーポイントにはソウスケたち以外の冒険者がおり、ミレアナの言葉を耳にして前半は「何を言ってるんだこいつらは?」といった想いを抱いたが、後半に関しては深く頷いていた。
「それもそうか……よし、風呂に入るか」
いつもよりぬるま湯を用意し、セーフティーポイントでゆっくり風呂で疲れを癒すソウスケたち。
「……何やってるんだ、あいつらは」
同じくセーフティーポイントで休んでいる冒険者たちは、ソウスケたちの行動が理解出来なかった。
「上がりました」
「もう良いのか? えぇ、疲れは取れましたので」
当然、風呂は岩の壁で守られているので、覗かれる心配はない。
ミレアナが入り終わり、次はソウスケとザハークの番。
見張はミレアナ一人だけではあるが、万が一セーフティーポイントにモンスターが大量に現れようとも、すっぽんぽんの状態で風呂から飛び出し、対応する。
同じセーフティーポイントで休憩している女性冒険者からは悲鳴が上がるかもしれないが、仮に万が一の状況が起きれば、着替えてる時間など勿体ない。
「はぁ~~~……マグマ地帯で風呂に入るってのも、悪くないな」
「ふむ……それもそうだな」
ミレアナが入っている時は土の壁を高くしていたが、二人は野郎や異性に裸を見られても問題無いので、土の壁はかなり低く設定している。
のんびりぬるま湯に浸かり、一日の疲れを癒した三人は八時間ほど休息を取り、再びダンジョン探索を開始。
そして順調に四十五層まで降りてきたところで……珍しい一団を発見した。
78
お気に入りに追加
4,753
あなたにおすすめの小説
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
男装の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
辺境の食糧庫と呼ばれる領地の領主の息子として誕生したアーサーは、実の父、平民の義母、腹違いの義兄と義妹に嫌われていた。
領地では、妖精憑きを嫌う文化があるため、妖精憑きに愛されるアーサーは、領地民からも嫌われていた。
しかし、領地の借金返済のために、アーサーの母は持参金をもって嫁ぎ、アーサーを次期領主とすることを母の生家である男爵家と契約で約束させられていた。
だが、誕生したアーサーは女の子であった。帝国では、跡継ぎは男のみ。そのため、アーサーは男として育てられた。
そして、十年に一度、王都で行われる舞踏会で、アーサーの復讐劇が始まることとなる。
なろうで妖精憑きシリーズの一つとして書いていたものをこちらで投稿しました。
つじつまあわせはいつかのために
明智
ファンタジー
旧タイトル”いやいや、チートとか勘弁してくださいね? ~転生魔王の俺が、召喚勇者たちをひたすら邪魔して邪魔する毎日~”
※※第四章 連載中※※
異世界で魔族に生まれ変わり、いつしか魔王と呼ばれるに至った男。その後紆余曲折を経て、魔族を敵視する人族国家で貴族にまで叙された彼の目的は、魔族と人族の決定的な戦争を人知れず回避することだった。
素性を隠し奮闘する彼の元に、ある日驚くべき知らせが舞い込む。それは、彼と故郷を共にする4人の勇者がこの世界に召喚されたということ。……だが彼は勇者たちを歓迎しない。はよ帰れくらい思ってる。
勇者として呼び出された4人のうち1人。美が付かない系少女と話をするうちに、彼は自分の願いを口にした。あるがままの世界を守る。俺TUEEEも、NAISEIも、技術革命も、文化侵食もやらせない。
そしてオッサンと少女の、世界の裏側でうろちょろする日々が始まった。
基本的に一日一話、更新予定
4/26 タイトル変更しました
異世界転移でのちに大陸最強の1人となった魔剣士 ~歌姫の剣と呼ばれし男~
ひぃ~ろ
ファンタジー
とある過疎化の進んだ地区で地方公務員として働いていた 橘 星那 《たちばな せな》高卒30歳独身、彼女無しが近くに住んでいた祖父の家に呼ばれ
蔵の整理をしたところ大きく古びた櫃のようなものを開けるとその中に吸い込まれてしまい きづいた時には見慣れぬ景色の世界、異世界へと飛ばされていた
そこで数々の人々と出会い 運命の人に出会い のちにナンバーズと呼ばれる
大陸最強の13人の一人として名をはせる男のお話・・・・です
※ おかげさまで気づけばお気に入り6、000を超えておりました。読んでいただいてる方々には心から感謝申し上げます。
作者思いつきでダラダラ書いておりますので、設定の甘さもありますし、更新日時も不定、誤字脱字並びにつじつまの合わないことなど多々ある作品です。
ですので、そのような駄作は気に入らない、または目について気になってしょうがないという方は、読まなかったことにしていただき、このような駄作とそれを書いている作者のことはお忘れください。
また、それでも気にせず楽しんで読んでいただける方がおられれば幸いとおもっております。
今後も自分が楽しく更新していけて少しでも読んで下さった方が楽しんでいただければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる