481 / 1,129
四百六十話 探索開始
しおりを挟む
「ふぅーーー……にしても、学生だけでこんな危ないところに来るか?」
火山付近に生息するモンスターはルーキーが相手に出来るような強さでは無い。
三人の実力を考えればルーキーに劣るとは思っていない。
ただ、三人にDランクやCランクのモンスターと戦えるだけの実戦経験があるのかどうか。
そこがソウスケとしては心配な点だった。
「まぁ、俺達がいるからそこまで心配する必要は無いか」
通常のモンスターならば三人でも戦うことが出来る。
そして三人が探すモンスターと遭遇することが出来れば戦いはソウスケ達が行い、リアス達にはそのモンスターと特徴等を纏めるのに専念してもらう。
(三人とも貴族なんだし、装備には余裕があるからランクの低いモンスターの討伐は任せても問題無いだろう)
今日は三人共武器を携帯していなかったが、身に着けていたマジックアイテムは上等な物。
それだけで彼女達がどれだけ戦力になるのか、だいたい把握することが出来た。
「……明日のことを今どれだけ考えても仕方ない、直ぐに寝よう」
宿に戻ったソウスケは寝間着に着替えると直ぐにベッドに入った。
アルコールが入っていたこともあり、いつもよりも短時間で深い眠りにつくことが出来た。
そして翌日、朝食を食べ終えたソウスケ達は早速ギルドへと向かう。
お互いに時間前に着こうという意識が強かったのか、十分前には集合した。
「えっと……そちらの方が、ザハーク、さん……ですか?」
「そうだ。こいつが希少種のオーガ、ザハークだ」
ザハークは軽く三人に頭を下げる。
それに釣られて三人も慌てて頭を下げた。
「その、想像していたよりも……あれですね」
「からだが小さい、だろ」
「は、はい。それは希少種だからでしょうか?」
「どうだろうな? 俺はザハーク以外のオーガの希少種に出会ったことが無いからな」
「俺もいまいち解らん。そこら辺は個体によって変わってくるだろう」
ザハークが口を開いて人の言葉を喋ったのに三人は驚く。
事前に聞いていた情報だったが、それでも目の前でモンスターが喋る様子を見て驚くなというのは無理な話だった。
「……ソウスケさん、三人共口をパクパクとさせているが大丈夫か?」
「あ、あぁ。戦闘に関しては問題無いと思うぞ。単にザハークが人の言葉を喋っているのを生で見て驚いてるんだろう」
「そうか。普通のモンスターは人の言葉を喋らないから、驚くのは当然か」
「そういう事だ。今から一緒に火山付近に移動する訳だけど、そこで俺達もモンスターと戦うからその目で実力を確認してくれ」
「わ、分かりました」
三人は既に火山付近で活動する準備が出来ているので、準備に時間が掛かることなく出発。
ソウスケ達だけで火山付近に向かうのであれば大した時間は掛からない。
しかし今回はリアス達、貴族の令嬢三人を連れての行動。
スタミナが自分達より劣るという事は解かりきっているので、歩いて目的の場所に進んで行く。
当然、道中ではソウスケ達を襲おうとするモンスターに遭遇する。
「「ブモォォオオオァァ……」」
二体のオークと遭遇した瞬間、リアス達とミレアナの表情が歪む。
(……うん、オークやゴブリンを見つけた瞬間、女性達が不快な表情になるのは共通しているんだろうな。というか、俺もゴブリンやオークのメスに貞操を狙われたら絶対に背筋が凍ると思う)
ゴブリンやオークにも稀ではあるが、雌が存在する。
殆ど雄しかいないゴブリンやオークの中に存在する雌は特殊な個体であり、下手をすればキングよりも統率力がある可能性がある。
「一体は俺が相手をしよう」
「そんじゃ、もう一体は俺が相手するよ」
二体のオークはミレアナ達四人を完全にロックオンしており、ソウスケとザハークはお邪魔虫でしかなかった。
そんな存在が四人の前に立ったことで、オーク達は苛立ち始める。
「さて、ササっと終わらせようか」
「了解した。ササっと終わらせる」
その言葉通り二人と二体の戦いはササっと終わってしまった。
戦いが始まった瞬間、ソウスケは魔力の斬撃を飛ばし、ザハークはその場で拳を全力で突き出して拳圧を放つ。
その二つの攻撃によって一体の首が刎ねられ、もう一体の心臓が潰されて戦いは終わる。
圧倒的な速さで終了した戦いにミレアナを除く三人は目が点になってしまう。
「肉ゲット~」
「通常種はやはり呆気無いな」
火山付近に生息するモンスターはルーキーが相手に出来るような強さでは無い。
三人の実力を考えればルーキーに劣るとは思っていない。
ただ、三人にDランクやCランクのモンスターと戦えるだけの実戦経験があるのかどうか。
そこがソウスケとしては心配な点だった。
「まぁ、俺達がいるからそこまで心配する必要は無いか」
通常のモンスターならば三人でも戦うことが出来る。
そして三人が探すモンスターと遭遇することが出来れば戦いはソウスケ達が行い、リアス達にはそのモンスターと特徴等を纏めるのに専念してもらう。
(三人とも貴族なんだし、装備には余裕があるからランクの低いモンスターの討伐は任せても問題無いだろう)
今日は三人共武器を携帯していなかったが、身に着けていたマジックアイテムは上等な物。
それだけで彼女達がどれだけ戦力になるのか、だいたい把握することが出来た。
「……明日のことを今どれだけ考えても仕方ない、直ぐに寝よう」
宿に戻ったソウスケは寝間着に着替えると直ぐにベッドに入った。
アルコールが入っていたこともあり、いつもよりも短時間で深い眠りにつくことが出来た。
そして翌日、朝食を食べ終えたソウスケ達は早速ギルドへと向かう。
お互いに時間前に着こうという意識が強かったのか、十分前には集合した。
「えっと……そちらの方が、ザハーク、さん……ですか?」
「そうだ。こいつが希少種のオーガ、ザハークだ」
ザハークは軽く三人に頭を下げる。
それに釣られて三人も慌てて頭を下げた。
「その、想像していたよりも……あれですね」
「からだが小さい、だろ」
「は、はい。それは希少種だからでしょうか?」
「どうだろうな? 俺はザハーク以外のオーガの希少種に出会ったことが無いからな」
「俺もいまいち解らん。そこら辺は個体によって変わってくるだろう」
ザハークが口を開いて人の言葉を喋ったのに三人は驚く。
事前に聞いていた情報だったが、それでも目の前でモンスターが喋る様子を見て驚くなというのは無理な話だった。
「……ソウスケさん、三人共口をパクパクとさせているが大丈夫か?」
「あ、あぁ。戦闘に関しては問題無いと思うぞ。単にザハークが人の言葉を喋っているのを生で見て驚いてるんだろう」
「そうか。普通のモンスターは人の言葉を喋らないから、驚くのは当然か」
「そういう事だ。今から一緒に火山付近に移動する訳だけど、そこで俺達もモンスターと戦うからその目で実力を確認してくれ」
「わ、分かりました」
三人は既に火山付近で活動する準備が出来ているので、準備に時間が掛かることなく出発。
ソウスケ達だけで火山付近に向かうのであれば大した時間は掛からない。
しかし今回はリアス達、貴族の令嬢三人を連れての行動。
スタミナが自分達より劣るという事は解かりきっているので、歩いて目的の場所に進んで行く。
当然、道中ではソウスケ達を襲おうとするモンスターに遭遇する。
「「ブモォォオオオァァ……」」
二体のオークと遭遇した瞬間、リアス達とミレアナの表情が歪む。
(……うん、オークやゴブリンを見つけた瞬間、女性達が不快な表情になるのは共通しているんだろうな。というか、俺もゴブリンやオークのメスに貞操を狙われたら絶対に背筋が凍ると思う)
ゴブリンやオークにも稀ではあるが、雌が存在する。
殆ど雄しかいないゴブリンやオークの中に存在する雌は特殊な個体であり、下手をすればキングよりも統率力がある可能性がある。
「一体は俺が相手をしよう」
「そんじゃ、もう一体は俺が相手するよ」
二体のオークはミレアナ達四人を完全にロックオンしており、ソウスケとザハークはお邪魔虫でしかなかった。
そんな存在が四人の前に立ったことで、オーク達は苛立ち始める。
「さて、ササっと終わらせようか」
「了解した。ササっと終わらせる」
その言葉通り二人と二体の戦いはササっと終わってしまった。
戦いが始まった瞬間、ソウスケは魔力の斬撃を飛ばし、ザハークはその場で拳を全力で突き出して拳圧を放つ。
その二つの攻撃によって一体の首が刎ねられ、もう一体の心臓が潰されて戦いは終わる。
圧倒的な速さで終了した戦いにミレアナを除く三人は目が点になってしまう。
「肉ゲット~」
「通常種はやはり呆気無いな」
78
お気に入りに追加
4,753
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
男装の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
辺境の食糧庫と呼ばれる領地の領主の息子として誕生したアーサーは、実の父、平民の義母、腹違いの義兄と義妹に嫌われていた。
領地では、妖精憑きを嫌う文化があるため、妖精憑きに愛されるアーサーは、領地民からも嫌われていた。
しかし、領地の借金返済のために、アーサーの母は持参金をもって嫁ぎ、アーサーを次期領主とすることを母の生家である男爵家と契約で約束させられていた。
だが、誕生したアーサーは女の子であった。帝国では、跡継ぎは男のみ。そのため、アーサーは男として育てられた。
そして、十年に一度、王都で行われる舞踏会で、アーサーの復讐劇が始まることとなる。
なろうで妖精憑きシリーズの一つとして書いていたものをこちらで投稿しました。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
「強くてニューゲーム」で異世界無限レベリング ~美少女勇者(3,077歳)、王子様に溺愛されながらレベリングし続けて魔王討伐を目指します!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
作家志望くずれの孫請けゲームプログラマ喪女26歳。デスマーチ明けの昼下がり、道路に飛び出した子供をかばってトラックに轢かれ、異世界転生することになった。
課せられた使命は魔王討伐!? 女神様から与えられたチートは、赤ちゃんから何度でもやり直せる「強くてニューゲーム!?」
強敵・災害・謀略・謀殺なんのその! 勝つまでレベリングすれば必ず勝つ!
やり直し系女勇者の長い永い戦いが、今始まる!!
本作の数千年後のお話、『アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~』を連載中です!!
何卒御覧下さいませ!!
異世界転移でのちに大陸最強の1人となった魔剣士 ~歌姫の剣と呼ばれし男~
ひぃ~ろ
ファンタジー
とある過疎化の進んだ地区で地方公務員として働いていた 橘 星那 《たちばな せな》高卒30歳独身、彼女無しが近くに住んでいた祖父の家に呼ばれ
蔵の整理をしたところ大きく古びた櫃のようなものを開けるとその中に吸い込まれてしまい きづいた時には見慣れぬ景色の世界、異世界へと飛ばされていた
そこで数々の人々と出会い 運命の人に出会い のちにナンバーズと呼ばれる
大陸最強の13人の一人として名をはせる男のお話・・・・です
※ おかげさまで気づけばお気に入り6、000を超えておりました。読んでいただいてる方々には心から感謝申し上げます。
作者思いつきでダラダラ書いておりますので、設定の甘さもありますし、更新日時も不定、誤字脱字並びにつじつまの合わないことなど多々ある作品です。
ですので、そのような駄作は気に入らない、または目について気になってしょうがないという方は、読まなかったことにしていただき、このような駄作とそれを書いている作者のことはお忘れください。
また、それでも気にせず楽しんで読んでいただける方がおられれば幸いとおもっております。
今後も自分が楽しく更新していけて少しでも読んで下さった方が楽しんでいただければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる