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三百七十一話 殆ど使わないだろうけど
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(職人だからか、人を見抜く目には優れているのかもしれないな)
店から出たソウスケは他の店を回りながら筋肉ドワーフとその娘のことを思い出していた。
(というか、あのおっさん絶対に強いよな。必要な素材は自分で採ってくる来る系の梶氏の人かもしれないな。まっ、そんな鍛冶師の方が腕は信用できるか)
勝手な経験則ながら、ソウスケは実戦の場を良く解っている商売人の方が信用出来ると考えている。
「ハンマーか・・・・・・持っていないことはないが、これほどまでに上等なハンマーは持っていないな」
ダンジョンの中で手に入れた宝箱の中にもハンマーはいくつかあったが、一度も使用したことがない。
だが、この先一定以上の威力を持つ打撃攻撃でなければ倒せないモンスターが存在する。
(ハンマーみたいな打撃専門の武器を持っておくのも悪くないか)
置かれてある武器を持ち上げると店長で鍛冶師でもある純粋なドワーフがソウスケに声を掛けてきた。
「お前さん、ハンマーや槌も使うのか?」
「いえ、基本的に長剣や短剣を扱うのがメインです。あとは素手での攻撃もしますね」
「じゃろうな。この街でお前さんの顔は初めて見たが、体格的には剣や手甲を装備して戦うタイプだ。腕力には自信があるのか?」
「はい。それなり自信はあります」
軽々とハンマーを持ち上げるソウスケにドワーフの鍛冶師は目を見開いて驚く。
(こいつは土魔法を習得し、一定以上の練度を持たない者でなければ持ち上げることが不可能に近いんだが・・・・・・こやつ、もしや魔法剣士の類か? 確かに魔力の総量も中々のようだ)
筋肉ドワーフと同じように多くの実力者を目にしてきた鍛冶師のドワーフは鑑定系のスキルを使わずとも、目の前の人物の実力や魔力総量などが大まかに解る。
(初めて見た顔だから他の街の実力者なんだろうが、歳はまだ二十を超えていない筈だ。それなのに接近戦も出来て魔法の実力も高いとは恐れ入った)
実力が恐らくは冒険者の中でBランク以上はあるだろうと予測したドワーフの店長はソウスケに特注のハンマーを買うかどうか尋ねる。
「お前さんがこいつを欲しいってんなら売ってやるぞ。ただし金はきっちりと貰うがな」
「因みにお幾らなんですか?」
「使った素材が素材だからなぁ・・・・・・白金貨三十枚でどうだ?」
(あ、阿呆みたいに高いな!!!!! でも、このハンマーの価値を考えれば当たり前か)
ソウスケが手に持っているハンマーは水龍の蒼剣に近い価値を持つ。
そしてソウスケの目の前にいるドワーフの鍛冶師はこの街でトップスリーに入る実力を持ち、使われた素材の価値も貴族が悲鳴を上げるほどに高価。
オークションで売れば最終的に白金貨三十枚では済まない程の価値があるので、お買い得といえばお買い得である。
(めったに使わない武器にそこまで金を使うのは如何なものかと思うが、それでもこんな価値のある武器を手に入れられると思えば安いものか)
働かずとも金が入るというわけではないが、副業の方が本業よりも圧倒的に儲かるソウスケにとって白金貨三十枚はそこまで高い買い物ではなかった。
「分かりました。このハンマー、買わせてもらいます」
「・・・・・・マジでかお前さん。白金貨三十枚だぞ」
「はい、金には結構余裕があるんで。パーティーの人数は少ないんですけど、仲間が超強いんで懐は結構暖かいんですよ」
白金貨三十枚を余裕で払うのは懐が結構暖かいどころの話ではない。
(仲間が超強いから、か。それでもこいつが財布を握ってるということはその仲間よりもこいつが強いって言ってるようなもんだ。実力は達者みたいだが、口の方はまだまだみたいだな)
今からドワーフの店長がソウスケの強さについて問い詰めようとすればソウスケは当然否定するが、それでも結論は変わらない。
(この兄ちゃんがリーダーだろう。こんなリーダーが大物なら、パーティーメンバーがどういったメンツなのか気になるな。まっ、この街で活動してればいずれ噂が聞こえてくるか)
ソウスケが白金貨をきっちり三十枚出したのを確認し、今までの鍛冶人生の中でおそらく最高傑作のハンマーを売った。
店から出たソウスケは他の店を回りながら筋肉ドワーフとその娘のことを思い出していた。
(というか、あのおっさん絶対に強いよな。必要な素材は自分で採ってくる来る系の梶氏の人かもしれないな。まっ、そんな鍛冶師の方が腕は信用できるか)
勝手な経験則ながら、ソウスケは実戦の場を良く解っている商売人の方が信用出来ると考えている。
「ハンマーか・・・・・・持っていないことはないが、これほどまでに上等なハンマーは持っていないな」
ダンジョンの中で手に入れた宝箱の中にもハンマーはいくつかあったが、一度も使用したことがない。
だが、この先一定以上の威力を持つ打撃攻撃でなければ倒せないモンスターが存在する。
(ハンマーみたいな打撃専門の武器を持っておくのも悪くないか)
置かれてある武器を持ち上げると店長で鍛冶師でもある純粋なドワーフがソウスケに声を掛けてきた。
「お前さん、ハンマーや槌も使うのか?」
「いえ、基本的に長剣や短剣を扱うのがメインです。あとは素手での攻撃もしますね」
「じゃろうな。この街でお前さんの顔は初めて見たが、体格的には剣や手甲を装備して戦うタイプだ。腕力には自信があるのか?」
「はい。それなり自信はあります」
軽々とハンマーを持ち上げるソウスケにドワーフの鍛冶師は目を見開いて驚く。
(こいつは土魔法を習得し、一定以上の練度を持たない者でなければ持ち上げることが不可能に近いんだが・・・・・・こやつ、もしや魔法剣士の類か? 確かに魔力の総量も中々のようだ)
筋肉ドワーフと同じように多くの実力者を目にしてきた鍛冶師のドワーフは鑑定系のスキルを使わずとも、目の前の人物の実力や魔力総量などが大まかに解る。
(初めて見た顔だから他の街の実力者なんだろうが、歳はまだ二十を超えていない筈だ。それなのに接近戦も出来て魔法の実力も高いとは恐れ入った)
実力が恐らくは冒険者の中でBランク以上はあるだろうと予測したドワーフの店長はソウスケに特注のハンマーを買うかどうか尋ねる。
「お前さんがこいつを欲しいってんなら売ってやるぞ。ただし金はきっちりと貰うがな」
「因みにお幾らなんですか?」
「使った素材が素材だからなぁ・・・・・・白金貨三十枚でどうだ?」
(あ、阿呆みたいに高いな!!!!! でも、このハンマーの価値を考えれば当たり前か)
ソウスケが手に持っているハンマーは水龍の蒼剣に近い価値を持つ。
そしてソウスケの目の前にいるドワーフの鍛冶師はこの街でトップスリーに入る実力を持ち、使われた素材の価値も貴族が悲鳴を上げるほどに高価。
オークションで売れば最終的に白金貨三十枚では済まない程の価値があるので、お買い得といえばお買い得である。
(めったに使わない武器にそこまで金を使うのは如何なものかと思うが、それでもこんな価値のある武器を手に入れられると思えば安いものか)
働かずとも金が入るというわけではないが、副業の方が本業よりも圧倒的に儲かるソウスケにとって白金貨三十枚はそこまで高い買い物ではなかった。
「分かりました。このハンマー、買わせてもらいます」
「・・・・・・マジでかお前さん。白金貨三十枚だぞ」
「はい、金には結構余裕があるんで。パーティーの人数は少ないんですけど、仲間が超強いんで懐は結構暖かいんですよ」
白金貨三十枚を余裕で払うのは懐が結構暖かいどころの話ではない。
(仲間が超強いから、か。それでもこいつが財布を握ってるということはその仲間よりもこいつが強いって言ってるようなもんだ。実力は達者みたいだが、口の方はまだまだみたいだな)
今からドワーフの店長がソウスケの強さについて問い詰めようとすればソウスケは当然否定するが、それでも結論は変わらない。
(この兄ちゃんがリーダーだろう。こんなリーダーが大物なら、パーティーメンバーがどういったメンツなのか気になるな。まっ、この街で活動してればいずれ噂が聞こえてくるか)
ソウスケが白金貨をきっちり三十枚出したのを確認し、今までの鍛冶人生の中でおそらく最高傑作のハンマーを売った。
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