330 / 1,129
三百二十九話 その手があった
しおりを挟む
「あれ以来、あの貴族の坊ちゃんはギルドでは見なくなったけどな」
「そんな事があれば恥ずかし過ぎてこの街のギルドでは活動出来ないですよ」
自分ならそんな大恥をかいた場所で活動する事なんて考えられず、そもそも格上の相手に上から目線で話しかけたりしないとソウスケは考えるのだが、世の中理解不能な自信を持つ馬鹿は多い。
「後ろにいた二人の少年達は他の冒険者と一緒にパーティーを組んでダンジョンを探索しているのをチラッとだけ見た事があるけどな」
格上で先輩にあたる冒険者に対してあんまりにも無礼な態度をとった坊ちゃんに付いて行けないと思った二人。
元々坊ちゃんの方が爵位が上であったため、後々厄介な事に発展したくなかったので中々縁を切れなかった二人だが、この件で坊ちゃんが父親にボコボコにされるまで殴られ、無理矢理謝罪させられたという事を訊いて完全に坊ちゃんとは縁を切った。
最初は何か嫌がらせ的な行為が来ると身構えていた二人だが意外にもそういった事は無く、今も冒険者として活動出来ている。
「調子に乗って坊ちゃんと一緒に俺らに上から目線で話しかけてこなかった事を考えれば、元々慎重な性格なんだろう。だから今でも冒険者として長続きしてるんだ。坊ちゃんの方はどうなったか知らんけどな」
「あんな性格じゃどこにいっても上手くいく筈が無い。って、こんな話は置いといてだ。ソウスケ、お前は今日の夜どうするんだ?」
「ミレアナとはお互いによるまで別行動って話なんでもう少しブラブラと遊ぼうかなと」
「なら時間は大丈夫って事だ。そんで、昼間話していた内容はどうするんだ?」
「昼間・・・・・・あっ!!!」
昼間に教えて貰った暗黙のルールを思い出したソウスケは直ぐにどうするべきかを考える。
(そうだそうだ、完全に忘れていた。今日は夜まで別行動だからこのままチップを渡してバニーガールを抱くのは全然有りな流れなんだ。有りな流れなんだけど・・・・・・)
ソウスケとしてはその時間にザハークを一人にするのは自分勝手過ぎると思うので、そこをどうするべきなのか迷う。
(俺だったら一時間から二時間も気軽に出来る暇つぶしが無い世界でほっとかれるとか絶対に嫌だ。退屈過ぎて死にそうになる。だからそんな思いをザハークにさせるのは物凄い気が引ける)
それならザハークを一旦宿まで送るのか? 言って帰って来る時間を考えると面倒な為却下。
勿論、それをジーラスとバルスに頼むのも却下。
(まぁ、別に明日この街を出るって訳じゃ無いんだし、後日もう一回来るとするか)
息子が元気になりかけているが、今日は諦めようと思ったソウスケ。
だが、ザハークはソウスケがこの後どうしたいのかなんとなく解っていたので、助け舟を出す。
「自分の事は気にする必要は無い。一時間から二時間ぐらいは待っておこう」
「え、いやでもそんなに待ってたら暇過ぎるだろ」
「確かにそうかもしれないが、その程度の時間なら何も問題は無い」
自分の事は考えずに楽しんでくれと伝えるザハークにソウスケは感謝するが、やっぱり暇な時間を過ごすのは辛いだろうと思い、何か時間を潰す方法は無いのかと考える。
(娯楽が殆ど無いこの世界で、手軽に時間を潰せる方法は・・・・・・あっ、そうだよ。あれがあるじゃないか)
「ジーラスさん、カジノでトランプは買えますか」
「おう。ちょっと割高に感じるかもしれないけど、買えるぞ」
トランプを買えると知ったソウスケはホッと一安心する。
そして会計を終え、トランプを買い終えた後に三人は早速バニーガールに声をかけ始める。
ソウスケは軽くフロアを見渡し、好みの女性を見つける。
グラビアアイドルのスタイルを持ち、なおかつ高身長で美しいブロンドヘアを持つバニーをロックオン。
「そんな事があれば恥ずかし過ぎてこの街のギルドでは活動出来ないですよ」
自分ならそんな大恥をかいた場所で活動する事なんて考えられず、そもそも格上の相手に上から目線で話しかけたりしないとソウスケは考えるのだが、世の中理解不能な自信を持つ馬鹿は多い。
「後ろにいた二人の少年達は他の冒険者と一緒にパーティーを組んでダンジョンを探索しているのをチラッとだけ見た事があるけどな」
格上で先輩にあたる冒険者に対してあんまりにも無礼な態度をとった坊ちゃんに付いて行けないと思った二人。
元々坊ちゃんの方が爵位が上であったため、後々厄介な事に発展したくなかったので中々縁を切れなかった二人だが、この件で坊ちゃんが父親にボコボコにされるまで殴られ、無理矢理謝罪させられたという事を訊いて完全に坊ちゃんとは縁を切った。
最初は何か嫌がらせ的な行為が来ると身構えていた二人だが意外にもそういった事は無く、今も冒険者として活動出来ている。
「調子に乗って坊ちゃんと一緒に俺らに上から目線で話しかけてこなかった事を考えれば、元々慎重な性格なんだろう。だから今でも冒険者として長続きしてるんだ。坊ちゃんの方はどうなったか知らんけどな」
「あんな性格じゃどこにいっても上手くいく筈が無い。って、こんな話は置いといてだ。ソウスケ、お前は今日の夜どうするんだ?」
「ミレアナとはお互いによるまで別行動って話なんでもう少しブラブラと遊ぼうかなと」
「なら時間は大丈夫って事だ。そんで、昼間話していた内容はどうするんだ?」
「昼間・・・・・・あっ!!!」
昼間に教えて貰った暗黙のルールを思い出したソウスケは直ぐにどうするべきかを考える。
(そうだそうだ、完全に忘れていた。今日は夜まで別行動だからこのままチップを渡してバニーガールを抱くのは全然有りな流れなんだ。有りな流れなんだけど・・・・・・)
ソウスケとしてはその時間にザハークを一人にするのは自分勝手過ぎると思うので、そこをどうするべきなのか迷う。
(俺だったら一時間から二時間も気軽に出来る暇つぶしが無い世界でほっとかれるとか絶対に嫌だ。退屈過ぎて死にそうになる。だからそんな思いをザハークにさせるのは物凄い気が引ける)
それならザハークを一旦宿まで送るのか? 言って帰って来る時間を考えると面倒な為却下。
勿論、それをジーラスとバルスに頼むのも却下。
(まぁ、別に明日この街を出るって訳じゃ無いんだし、後日もう一回来るとするか)
息子が元気になりかけているが、今日は諦めようと思ったソウスケ。
だが、ザハークはソウスケがこの後どうしたいのかなんとなく解っていたので、助け舟を出す。
「自分の事は気にする必要は無い。一時間から二時間ぐらいは待っておこう」
「え、いやでもそんなに待ってたら暇過ぎるだろ」
「確かにそうかもしれないが、その程度の時間なら何も問題は無い」
自分の事は考えずに楽しんでくれと伝えるザハークにソウスケは感謝するが、やっぱり暇な時間を過ごすのは辛いだろうと思い、何か時間を潰す方法は無いのかと考える。
(娯楽が殆ど無いこの世界で、手軽に時間を潰せる方法は・・・・・・あっ、そうだよ。あれがあるじゃないか)
「ジーラスさん、カジノでトランプは買えますか」
「おう。ちょっと割高に感じるかもしれないけど、買えるぞ」
トランプを買えると知ったソウスケはホッと一安心する。
そして会計を終え、トランプを買い終えた後に三人は早速バニーガールに声をかけ始める。
ソウスケは軽くフロアを見渡し、好みの女性を見つける。
グラビアアイドルのスタイルを持ち、なおかつ高身長で美しいブロンドヘアを持つバニーをロックオン。
74
お気に入りに追加
4,753
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる