260 / 1,129
二百五十九話終わった後の褒美
しおりを挟む
「さて、今日は俺達と三人と摸擬戦の繰り返しだ。ちなみに今回はザハークがいるから俺は長剣担当だ」
「わ、分りました。よろしくお願いします!!」
気合いの入った返事を返すフォルスだが、目の前に立つソウスケとミレアナにザハークの圧力に自然と足が震えていた。
それを見たソウスケは仕方ないと思う苦笑いしながらフォルスの緊張を和らげようとする。
「安心しろ。二人共しっかりと手加減するから。なっ」
「ええ。勿論フォルス君が怪我をしない様に加減をします」
「・・・・・・善処します」
「えっ!!??」
ザハークの嘘か本当なのか分らない表情から発せられた言葉を聞いたフォルスは驚きの声を上げ、見て解る程に表情に不安が広がっていく。
本来のオーガよりは鬼人族に近い体型のザハークだが、それでも一般的な鬼人族と比べて大きい。
そんなザハークが速さや腕力の調整をミスしたらどうなるのか・・・・・・そんな事考えなくてもフォルスは一瞬でイメージ出来てしまった。
「ザハーク、フォルスを揶揄うのは止めてやれ。せっかく俺が少しでも緊張を和らげようとしたのに」
「申し訳ありません、冗談の一つでも言えば気が和らぐかと思ったので」
「悪くない考えだが、今のフォルスにはきつい冗談だ。フォルス。ザハークの言葉は嘘でしっかりと力の制御は出来るから安心しろ」
「は、はい!」
安心しろ、そう言われても中々肩の力を抜けない程フォルスは緊張していた。
どうすればいいものか。そう考えたソウスケは夕方まで摸擬戦を終えた後に褒美でもあれば良い感じに緊張感が抜け、やる気が出るのではと考えた。
「フォルス、・・・・・・・・・・・・って摸擬戦が終わった後に予定している」
「えっ!? ・・・・・・そ、それは本当ですか?」
「おう、本当だ。だからあまりこれからの摸擬戦で緊張し過ぎて下手な怪我したら終わった後の予定は中止だ。だから肩の力を抜いて二日前と同じように俺に掛かって来い」
「分りました!!!」
表情にやる気が戻って来たフォルスを見てソウスケは我ながらナイスな案だと自分を褒めた。
「ソウスケさん、フォルスへ何を話したのですか?」
「思春期の男にとってやる気が出る予定だ。ミレアナは聞こえていたろ」
「・・・・・・はい。私は女なのであまり解りませんが、ソウスケさんの言う通りフォルス君の表情を見れば結果は一目瞭然かと」
フォルスの表情はワクワクした表情から徐々に戦闘時の目へと変わっていく。
「さて、まず一戦目は俺からだ」
「スゥーーー・・・・・・ハァーーーーー・・・・・・よろしくお願いします!!!!!」
「良い返事だ!!」
それが合図となり、ソウスケの方からフォルスへと仕掛けた。
初日とは違って初っ端から攻めるソウスケ。勿論手加減しての攻撃。
相手の全体を見る事が出来るようになったフォルスには視える速さ。
斬撃を冷静に躱してカウンターを放とうとするが、それを読んでいたようにソウスケが斬撃から蹴りを繋ぐ。
一撃で終わらず連撃で続く攻撃に対し、フォルスは無理に焦って反撃を狙わずに躱し、防ぎ、反撃の機会を待つ。
その判断にソウスケは悪くないと思いそれから反撃の隙を与えずにフォルスが反応出来るギリギリの速さで攻撃を続ける。
二分程が過ぎ、ここらで交代だと言わんばかりにソウスケは後ろへ大きく跳ぶ。
そして手招きをして掛かって来いと挑発する。
手招きに対してフォルスは自分が下に見られている、侮られている等は感情は湧かない。
ただ単純に攻守が交代したとだけ考えてもう一度深呼吸をし、身体強化のスキルを使って走り出す。
「わ、分りました。よろしくお願いします!!」
気合いの入った返事を返すフォルスだが、目の前に立つソウスケとミレアナにザハークの圧力に自然と足が震えていた。
それを見たソウスケは仕方ないと思う苦笑いしながらフォルスの緊張を和らげようとする。
「安心しろ。二人共しっかりと手加減するから。なっ」
「ええ。勿論フォルス君が怪我をしない様に加減をします」
「・・・・・・善処します」
「えっ!!??」
ザハークの嘘か本当なのか分らない表情から発せられた言葉を聞いたフォルスは驚きの声を上げ、見て解る程に表情に不安が広がっていく。
本来のオーガよりは鬼人族に近い体型のザハークだが、それでも一般的な鬼人族と比べて大きい。
そんなザハークが速さや腕力の調整をミスしたらどうなるのか・・・・・・そんな事考えなくてもフォルスは一瞬でイメージ出来てしまった。
「ザハーク、フォルスを揶揄うのは止めてやれ。せっかく俺が少しでも緊張を和らげようとしたのに」
「申し訳ありません、冗談の一つでも言えば気が和らぐかと思ったので」
「悪くない考えだが、今のフォルスにはきつい冗談だ。フォルス。ザハークの言葉は嘘でしっかりと力の制御は出来るから安心しろ」
「は、はい!」
安心しろ、そう言われても中々肩の力を抜けない程フォルスは緊張していた。
どうすればいいものか。そう考えたソウスケは夕方まで摸擬戦を終えた後に褒美でもあれば良い感じに緊張感が抜け、やる気が出るのではと考えた。
「フォルス、・・・・・・・・・・・・って摸擬戦が終わった後に予定している」
「えっ!? ・・・・・・そ、それは本当ですか?」
「おう、本当だ。だからあまりこれからの摸擬戦で緊張し過ぎて下手な怪我したら終わった後の予定は中止だ。だから肩の力を抜いて二日前と同じように俺に掛かって来い」
「分りました!!!」
表情にやる気が戻って来たフォルスを見てソウスケは我ながらナイスな案だと自分を褒めた。
「ソウスケさん、フォルスへ何を話したのですか?」
「思春期の男にとってやる気が出る予定だ。ミレアナは聞こえていたろ」
「・・・・・・はい。私は女なのであまり解りませんが、ソウスケさんの言う通りフォルス君の表情を見れば結果は一目瞭然かと」
フォルスの表情はワクワクした表情から徐々に戦闘時の目へと変わっていく。
「さて、まず一戦目は俺からだ」
「スゥーーー・・・・・・ハァーーーーー・・・・・・よろしくお願いします!!!!!」
「良い返事だ!!」
それが合図となり、ソウスケの方からフォルスへと仕掛けた。
初日とは違って初っ端から攻めるソウスケ。勿論手加減しての攻撃。
相手の全体を見る事が出来るようになったフォルスには視える速さ。
斬撃を冷静に躱してカウンターを放とうとするが、それを読んでいたようにソウスケが斬撃から蹴りを繋ぐ。
一撃で終わらず連撃で続く攻撃に対し、フォルスは無理に焦って反撃を狙わずに躱し、防ぎ、反撃の機会を待つ。
その判断にソウスケは悪くないと思いそれから反撃の隙を与えずにフォルスが反応出来るギリギリの速さで攻撃を続ける。
二分程が過ぎ、ここらで交代だと言わんばかりにソウスケは後ろへ大きく跳ぶ。
そして手招きをして掛かって来いと挑発する。
手招きに対してフォルスは自分が下に見られている、侮られている等は感情は湧かない。
ただ単純に攻守が交代したとだけ考えてもう一度深呼吸をし、身体強化のスキルを使って走り出す。
78
お気に入りに追加
4,753
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
男装の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
辺境の食糧庫と呼ばれる領地の領主の息子として誕生したアーサーは、実の父、平民の義母、腹違いの義兄と義妹に嫌われていた。
領地では、妖精憑きを嫌う文化があるため、妖精憑きに愛されるアーサーは、領地民からも嫌われていた。
しかし、領地の借金返済のために、アーサーの母は持参金をもって嫁ぎ、アーサーを次期領主とすることを母の生家である男爵家と契約で約束させられていた。
だが、誕生したアーサーは女の子であった。帝国では、跡継ぎは男のみ。そのため、アーサーは男として育てられた。
そして、十年に一度、王都で行われる舞踏会で、アーサーの復讐劇が始まることとなる。
なろうで妖精憑きシリーズの一つとして書いていたものをこちらで投稿しました。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
異世界転移でのちに大陸最強の1人となった魔剣士 ~歌姫の剣と呼ばれし男~
ひぃ~ろ
ファンタジー
とある過疎化の進んだ地区で地方公務員として働いていた 橘 星那 《たちばな せな》高卒30歳独身、彼女無しが近くに住んでいた祖父の家に呼ばれ
蔵の整理をしたところ大きく古びた櫃のようなものを開けるとその中に吸い込まれてしまい きづいた時には見慣れぬ景色の世界、異世界へと飛ばされていた
そこで数々の人々と出会い 運命の人に出会い のちにナンバーズと呼ばれる
大陸最強の13人の一人として名をはせる男のお話・・・・です
※ おかげさまで気づけばお気に入り6、000を超えておりました。読んでいただいてる方々には心から感謝申し上げます。
作者思いつきでダラダラ書いておりますので、設定の甘さもありますし、更新日時も不定、誤字脱字並びにつじつまの合わないことなど多々ある作品です。
ですので、そのような駄作は気に入らない、または目について気になってしょうがないという方は、読まなかったことにしていただき、このような駄作とそれを書いている作者のことはお忘れください。
また、それでも気にせず楽しんで読んでいただける方がおられれば幸いとおもっております。
今後も自分が楽しく更新していけて少しでも読んで下さった方が楽しんでいただければと思います。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる