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二百三十五話個体特有の技

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フォレストオーガと戦う冒険者のパーティー。

ソウスケ達が戦いの様子を見始めた時まだ実力が拮抗していた。
しかし戦いが進むにつれ、冒険者の方には決して少なくない傷に疲れ。

だが、フォレストオーガはスタミナを削られている事で疲れこそ見えるものの、傷が一切なかった。
いや・・・・・・一切ないという言い方は正しくない。全ての傷が完治していた。

「ミレアナ、あれはどういう事だ? 明らかにフォレストオーガの傷が治っている気がするんだが」

冒険者達がフォレストオーガに付けた傷の中には、決して無視出来ない傷もあった。
にも拘わらずフォレストオーガ体には傷が無くなっていた。

「フォレストオーガにはスキルによる物では無く、その個体特有の技を持っています。周りの木を見てください」

「周りの木? ・・・・・・何か、戦いの影響で傷ついた木の中に不自然なのがあるな。傷ついたというより・・・・・・しぼんだって感じか?」

「その考えで合っています。フォレストオーガは木に触れる事でその木の生命力を奪う事が出来ます。勿論その能力を行使する事で魔力を消耗します」

「デスガ、マリョクガツキルマデハキニフレルコトガデキルカギリ、キズガナオリツヅケルトイウコトデスカ?」

ザハークの言葉にミレアナが小さく頷く。

木に触れる事で自身の傷を癒す事が出来るフォレストオーガだが、流石に体を切断されてしまったら元に戻すという事は戦闘中に限り無理だろう。

しかしフォレストオーガの体を切断しようにも、フォレストオーガの筋肉は固く、スキルは身体強化と硬化を持っている。
無論、同時使用を継続的に行っていれば直ぐに魔力が尽きてしまう為滅多な事が無い限り同時に使う事は無い。

それでもフォレストオーガの体を斬り裂くにはある程度の切断力が必要になる。

「森の中ではかなり厄介な敵になるって事か・・・・・・というか、そろそろ助けないとまずいかもしれないな」

「それもそうですね。どのようにして戦いに割って入りますか?」

ただ突っ込むだけでもなんとかならなくはないが、それだと後々ソウスケに面倒事が降りかかるかもしれない為、ミレアナは事前に介入する方法を尋ねる。

「要は俺が戦っているところを見られなければ良いんだ・・・・・・よし、二人共作戦を話すぞ。作戦って言っても簡単な内容だけどな。・・・・・・・・・・・・って感じで戦いに介入しようと思うんだが」

「・・・・・・少し雑な気はしますが、概ね大丈夫かと」

「ジブンモミレアナサントオナジイケンデス」

二人の了承を取ったソウスケは十秒以内に準備を済ませ、作戦を開始する。




「くっ、そがああああ!!!! 相変わらず厄介な力を持ってるなこいつ!!!!」

「無駄口叩いている場合か!! 今はこの状況を何とかして切り抜かねぇと!」

「でもこっちは殆どポーションが尽きているのよ!! 私の魔力だって残りはそう多くないし、どうやってこいつを倒すのよ!!??」

「それは、こいつの魔力切れを待つしかないんじゃ、ない!!!」

冒険者達はポーションを使い少し前の戦闘で負った傷は治っていたが、それでも体力までは元に戻っていなかった。
そんな状況を狙ったかのように現れたフォレストオーガ。

逃げ切れる確率が低いと判断した冒険者達は戦う事を選択するが、戦いが進むにつれて状況はどんどん自分達が劣勢になっていた。

フォレストオーガは通常のオーガと違って魔法も使うため、遠距離攻撃も行う。
そのため中々ポーションを使う暇も与えない。

魔力切れを狙おうにも自分達のスタミナが先にキレそうだと思っていた時、横からいきなり現れたエルフがフォレストオーガに跳び蹴りをかました。
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