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二百十話上手く見えない
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「最初っから声かけてくんなっつーーーの」
「私は声をかけて来た事自体に忌避感はないですけど、一度断った時に諦めて欲しかったですね。それで・・・・・・ジーラスさんでしたか。助けていただいて有難うございました」
「有難うございました」
二人は面倒な四人組を追い払ってくれたジーラスに頭を下げ、お礼の言葉を述べる。
「はっはっは、別にそんな感謝される事じゃなぇよ。お前さん達・・・・・・特に坊主の方が鬱陶しそうな視線をあいつらに向けていたからな。それに色々と事情が有りそうだから俺が出て行ったまでだ」
気にすんな気にすんなと笑いながらジーラスはソウスケの背中をバシバシと叩く。
レベルという制度のお陰で、ソウスケのレベルはダンジョンの魔物を多数にワイバーンやキングコボルトを倒しているため一般的なルーキーより遥かに高いため、身体能力がレベルに比例して上昇している。
勿論防御面も成長しているのだが、それでも背中が少し痛いと感じた。
「そういえば目的があるって言っていたけど、何目的でダンジョンに潜るんだ?」
ソウスケ達が座っているテーブルの余りの椅子に腰を下ろし、二人がダンジョンに挑む理由をジーラスが尋ねる。
本当の目的を話しても良いのかと揺れるが、ミレアナの実力は殆ど見破っており、自身の力も全てではないが外見通りの実力だと判断していないジーラスに嘘をついても無駄だと考える。
「取りあえず十階層辺りにお目当てのダンジョンが有るっていうのを情報をギルドから買ったんで、その辺りの階層を行ったり来たりって所です」
「十階層だと丁度森林、密林に変わる階層だな。・・・・・・まぁ、エルフの姉ちゃんと坊主なら大丈夫そうだな。ただ、ギルドから情報を買ったなら分かると知っているとは思うが、その階層には肉食系のモンスターもちらほらいるから気を付けた方が良いぞ」
「らしいですね。でも、俺にはミレアナがいるんで何とかなりますよ。な」
敢えて自分の方がミレアナより強くないとアピールする。
ミレアナもソウスケのそういった意図があって自分を頼りにしていると言っているのは解っているが、それでも嬉しい事には変わりなかった。
「はい。私がどんな事があってもソウスケさんをお守りしますので安心してください」
ミレアナ程の美人に絶対に守ってみせると宣言される。
男としては女性に守られる事は不本意な事かもしれないが、それでもミレアナの様な容姿を持つ人物ならそれもありかと思う男も多く、頭の中で妄想しながらうんうんと頷いている。
「はっはっはっは。お熱い事だなお二人さんよぉ。っと、そういえばちゃんと自己紹介はしていなかったな。俺はBランクの冒険者ジーラスだ。旋風烈火って名前のパーティーリーダーをしている」
「俺は冒険者ランクFのソウスケです。まだパーティー名は決めていません」
ソウスケが自身のランクを言葉に出した瞬間に周囲がざわめきだす。
「同じくランクFのミレアナです」
ミレアナがランクを答えるとソウスケの時と同様に周囲の冒険者や商人がざわめきだす。
しかし何人かの人物は何かを思いついたのか、納得のいった表情をしている。
それはジーラスも同じであり、最初こそ驚いた表情をしていたがソウスケ達の事情を理解してなるほどなと頷く。
「坊主とエルフの姉ちゃんはそっちタイプの冒険者か。まぁ・・・・・・あれだ、あまり同じルーキーに絡まれない様に気を付けろよ」
「はい、基本的には二人で行動する事をメインにしているので、今後はもう少し注意して行動します」
ジーラスのアドバイスを聞き、そのご少しだけ会話をして飯を食べ終えたソウスケ達は改めてジーラスにお礼を言ってからダンジョンに出発した。
二人の背中を見送り、ジーラスは仲間の元へ戻る。
そして周囲の冒険者や商人達が戻った後に仲間がソウスケとミレアナの事について聞き出す。
「んで、どうだったんだあの二人は」
「エルフの姉ちゃんは間違いなく強えぇな。基本的な戦い方は弓と魔法、後はエルフだから精霊魔法が使えても可笑しくは無いだろうな。ただ、多分だが接近戦も出来るタイプだと思う」
「万能型って奴ね。遠距離攻撃も出来て近距離攻撃も出来る。羨ましい限りね」
ジーラスのパーティーメンバー達も全員自分の得意分野以外の攻撃も多少出来るが、同レベル程の技能は持っていない。
「あのエルフの人・・・・・・ただのエルフじゃないと思う」
「ん? それはどういう事なんだ?」
「レベルは分からないけど、たぶん同レベルのエルフより魔力の量が圧倒的に多い。・・・・・・もしかしたらだけど、ハイ・エルフかもしれない」
魔法使いが本職の仲間の言葉を聞き、ジーラスを含めた三人は声にこそ出さないが、表情は十分に驚いたものになっている。
「ま、マジでか。ん~~~・・・・・・確かによく見たら普通のエルフよりも耳が長かった気がするな」
「ハイ・エルフの女の人と一緒にパーティーを組んでるねんて、あの男の子も贅沢ね。あれじゃあ、ジーラスに言われた通りに他のルーキー達と接触しない様にしていても、向こうから嫉妬や妬みで絡まれそうね」
「まっ、あの坊主・・・・・・ソウスケなら大丈夫だろう。冒険者としてのスタイルは無理にランクを上げようとはせず、ゆっくりと冒険者生活を楽しみたいんだろうな。それでそれを出来るだけの実力はある・・・・・・筈だ」
ジーラスの少し自信なさげな言葉に仲間の男が首を傾げる。
「どうしたんだ、断言しないんだな」
「なんていうかな・・・・・・・・・・・・上手く力を隠してるって感じがするんだよ。だから大体の実力も今一つ分からなかったんだよ」
面白い奴が現れたなと思い、ジーラスと仲間の男の口端が自然と上を向く。
「私は声をかけて来た事自体に忌避感はないですけど、一度断った時に諦めて欲しかったですね。それで・・・・・・ジーラスさんでしたか。助けていただいて有難うございました」
「有難うございました」
二人は面倒な四人組を追い払ってくれたジーラスに頭を下げ、お礼の言葉を述べる。
「はっはっは、別にそんな感謝される事じゃなぇよ。お前さん達・・・・・・特に坊主の方が鬱陶しそうな視線をあいつらに向けていたからな。それに色々と事情が有りそうだから俺が出て行ったまでだ」
気にすんな気にすんなと笑いながらジーラスはソウスケの背中をバシバシと叩く。
レベルという制度のお陰で、ソウスケのレベルはダンジョンの魔物を多数にワイバーンやキングコボルトを倒しているため一般的なルーキーより遥かに高いため、身体能力がレベルに比例して上昇している。
勿論防御面も成長しているのだが、それでも背中が少し痛いと感じた。
「そういえば目的があるって言っていたけど、何目的でダンジョンに潜るんだ?」
ソウスケ達が座っているテーブルの余りの椅子に腰を下ろし、二人がダンジョンに挑む理由をジーラスが尋ねる。
本当の目的を話しても良いのかと揺れるが、ミレアナの実力は殆ど見破っており、自身の力も全てではないが外見通りの実力だと判断していないジーラスに嘘をついても無駄だと考える。
「取りあえず十階層辺りにお目当てのダンジョンが有るっていうのを情報をギルドから買ったんで、その辺りの階層を行ったり来たりって所です」
「十階層だと丁度森林、密林に変わる階層だな。・・・・・・まぁ、エルフの姉ちゃんと坊主なら大丈夫そうだな。ただ、ギルドから情報を買ったなら分かると知っているとは思うが、その階層には肉食系のモンスターもちらほらいるから気を付けた方が良いぞ」
「らしいですね。でも、俺にはミレアナがいるんで何とかなりますよ。な」
敢えて自分の方がミレアナより強くないとアピールする。
ミレアナもソウスケのそういった意図があって自分を頼りにしていると言っているのは解っているが、それでも嬉しい事には変わりなかった。
「はい。私がどんな事があってもソウスケさんをお守りしますので安心してください」
ミレアナ程の美人に絶対に守ってみせると宣言される。
男としては女性に守られる事は不本意な事かもしれないが、それでもミレアナの様な容姿を持つ人物ならそれもありかと思う男も多く、頭の中で妄想しながらうんうんと頷いている。
「はっはっはっは。お熱い事だなお二人さんよぉ。っと、そういえばちゃんと自己紹介はしていなかったな。俺はBランクの冒険者ジーラスだ。旋風烈火って名前のパーティーリーダーをしている」
「俺は冒険者ランクFのソウスケです。まだパーティー名は決めていません」
ソウスケが自身のランクを言葉に出した瞬間に周囲がざわめきだす。
「同じくランクFのミレアナです」
ミレアナがランクを答えるとソウスケの時と同様に周囲の冒険者や商人がざわめきだす。
しかし何人かの人物は何かを思いついたのか、納得のいった表情をしている。
それはジーラスも同じであり、最初こそ驚いた表情をしていたがソウスケ達の事情を理解してなるほどなと頷く。
「坊主とエルフの姉ちゃんはそっちタイプの冒険者か。まぁ・・・・・・あれだ、あまり同じルーキーに絡まれない様に気を付けろよ」
「はい、基本的には二人で行動する事をメインにしているので、今後はもう少し注意して行動します」
ジーラスのアドバイスを聞き、そのご少しだけ会話をして飯を食べ終えたソウスケ達は改めてジーラスにお礼を言ってからダンジョンに出発した。
二人の背中を見送り、ジーラスは仲間の元へ戻る。
そして周囲の冒険者や商人達が戻った後に仲間がソウスケとミレアナの事について聞き出す。
「んで、どうだったんだあの二人は」
「エルフの姉ちゃんは間違いなく強えぇな。基本的な戦い方は弓と魔法、後はエルフだから精霊魔法が使えても可笑しくは無いだろうな。ただ、多分だが接近戦も出来るタイプだと思う」
「万能型って奴ね。遠距離攻撃も出来て近距離攻撃も出来る。羨ましい限りね」
ジーラスのパーティーメンバー達も全員自分の得意分野以外の攻撃も多少出来るが、同レベル程の技能は持っていない。
「あのエルフの人・・・・・・ただのエルフじゃないと思う」
「ん? それはどういう事なんだ?」
「レベルは分からないけど、たぶん同レベルのエルフより魔力の量が圧倒的に多い。・・・・・・もしかしたらだけど、ハイ・エルフかもしれない」
魔法使いが本職の仲間の言葉を聞き、ジーラスを含めた三人は声にこそ出さないが、表情は十分に驚いたものになっている。
「ま、マジでか。ん~~~・・・・・・確かによく見たら普通のエルフよりも耳が長かった気がするな」
「ハイ・エルフの女の人と一緒にパーティーを組んでるねんて、あの男の子も贅沢ね。あれじゃあ、ジーラスに言われた通りに他のルーキー達と接触しない様にしていても、向こうから嫉妬や妬みで絡まれそうね」
「まっ、あの坊主・・・・・・ソウスケなら大丈夫だろう。冒険者としてのスタイルは無理にランクを上げようとはせず、ゆっくりと冒険者生活を楽しみたいんだろうな。それでそれを出来るだけの実力はある・・・・・・筈だ」
ジーラスの少し自信なさげな言葉に仲間の男が首を傾げる。
「どうしたんだ、断言しないんだな」
「なんていうかな・・・・・・・・・・・・上手く力を隠してるって感じがするんだよ。だから大体の実力も今一つ分からなかったんだよ」
面白い奴が現れたなと思い、ジーラスと仲間の男の口端が自然と上を向く。
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