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百九十七話強くは無いけど
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「見渡す限り草原・・・・・・基本平地だからかちらほらと冒険者の影が見えるな」
「そうですね。ただ、階層が階層なので無駄な手札を見せる必要は無いという利点があるので、特に周囲の視線を気にせず戦えるかと」
「それもそうだな。っと、良いサイズだな」
ソウスケは自作したツボの中に丁度掌に収まる小石を拾ってはツボの中に入れている。
「えっと・・・・・・魔力の節約の為ですか?」
「ああ、上層でそこまで魔力を消費するとは思っていない。魔法をちょいちょい使っても一晩眠れば全快していると筈。それでも念には念をと考えてな」
いつ大勢モンスターが襲って来るか、いつ同業者が自分達に奇襲を仕掛けてくるか分からない中で無駄な魔力は消費したくない。
ソウスケは自身が転移で送られたダンジョンには自分以外がいなかった事を幸運に思う。
(ダンジョンの中で奇襲を仕掛けてくる奴なんて、本当にバカな連中かダンジョン内で同業者を殺す事に慣れている奴だろうからな。人の悪意なんて表情だけじゃ分かったもんじゃないしな)
人を騙す事に慣れている人ほど表情から心情を読み取る事は難しい。
人生経験がそこまでないソウスケでもそれは解っていた。
「このダンジョンに潜っている冒険者がどの程度のレベルなのかは分からない。ただ、まぐれが通用する場所でない事は分かっている。だから上層でも万が一を考えて魔力の消費は抑えようにするつもりだ」
「・・・・・・賢明な判断だと思います。て話している間に出てきましたね」
二人から数メートル程離れた場所から四体のホーンラビットが現れ、ソウスケ達に気が付くと躊躇する事無く突進してくる。
「ほらっ」
「有難うございます」
数は四体と自分達より多いが焦るような敵ではない為、ミレアナはソウスケから小石を二つ貰い、ソウスケも小石を二つ持って投げつける。
ホーンラビットの攻撃が二人に届くよりも先に四つの小石が頭、背中、腹を貫く。
流石に魔物と言えど低ランクのホーンラビットが体を貫かれても生き続ける事は出来ず、二歩三歩と進んだ辺りで失速して地面に突っ伏す。
「まぁこんなもんだな。取りあえず魔石とこの角だけは回収しておくか」
「・・・・・・投擲用の為にですか?」
「ああ、小石よりは貫通力が有りそうだしな」
三分も掛からず魔石と角を回収した二人は特に大きな戦闘も無く二階層へと進む。
「まだ浅い階層だから強い奴がいないのは当たり前だけど、地上ではあまり見かけないモンスターはいるみたいだな」
風の刃を体から放ってくるグリーンスライム。通常のアイアンアントより速く動く事が出来る緑の刺青が入った上位種。
まだ一階層にも関わらず見た事が無い魔物を発見したソウスケの気分は少し高揚している。
勿論全て一撃で・・・・・・とは魔石の回収事情のため倒す事は出来なかったが、攻撃を一度も貰う事無く倒す事に成功。
「でもやっぱり昆虫系のモンスターが足をカサカサ動かしながら近づいてくるのは普通に気持ち悪かったな」
「そ、そうですね。気持ちは分からなくもないです。ただ昆虫系のモンスターは使える素材が多いので、他の種族のモンスターと比べて利点だと思いますよ」
「・・・・・・確かに緑の刺青が入ったアイアンアントの皮? を使えば初心者にとっては上等な皮鎧は造れるかもしれないな」
ソウスケは鍛冶のスキルも持っているため何時か自分で武器や防具を造りたいと思っている。
(その時の為にアイテムボックスにモンスターの素材を貯め込んでおくのも悪くないな)
「? 何か良い事でもありましたかソウスケさん」
「いや、何でもないよ。取りあえず今日はまだ日が出ているからもう少し進むぞ」
目的を達成するまでダンジョンを潜り続ける訳では無いが、ソウスケは数日の間はダンジョン探索を続けるつもりだった。
第十二回ファンタジー大賞に応募します。
是非投票をお願いします!
後、新作の万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるか? も是非読んでください!
「そうですね。ただ、階層が階層なので無駄な手札を見せる必要は無いという利点があるので、特に周囲の視線を気にせず戦えるかと」
「それもそうだな。っと、良いサイズだな」
ソウスケは自作したツボの中に丁度掌に収まる小石を拾ってはツボの中に入れている。
「えっと・・・・・・魔力の節約の為ですか?」
「ああ、上層でそこまで魔力を消費するとは思っていない。魔法をちょいちょい使っても一晩眠れば全快していると筈。それでも念には念をと考えてな」
いつ大勢モンスターが襲って来るか、いつ同業者が自分達に奇襲を仕掛けてくるか分からない中で無駄な魔力は消費したくない。
ソウスケは自身が転移で送られたダンジョンには自分以外がいなかった事を幸運に思う。
(ダンジョンの中で奇襲を仕掛けてくる奴なんて、本当にバカな連中かダンジョン内で同業者を殺す事に慣れている奴だろうからな。人の悪意なんて表情だけじゃ分かったもんじゃないしな)
人を騙す事に慣れている人ほど表情から心情を読み取る事は難しい。
人生経験がそこまでないソウスケでもそれは解っていた。
「このダンジョンに潜っている冒険者がどの程度のレベルなのかは分からない。ただ、まぐれが通用する場所でない事は分かっている。だから上層でも万が一を考えて魔力の消費は抑えようにするつもりだ」
「・・・・・・賢明な判断だと思います。て話している間に出てきましたね」
二人から数メートル程離れた場所から四体のホーンラビットが現れ、ソウスケ達に気が付くと躊躇する事無く突進してくる。
「ほらっ」
「有難うございます」
数は四体と自分達より多いが焦るような敵ではない為、ミレアナはソウスケから小石を二つ貰い、ソウスケも小石を二つ持って投げつける。
ホーンラビットの攻撃が二人に届くよりも先に四つの小石が頭、背中、腹を貫く。
流石に魔物と言えど低ランクのホーンラビットが体を貫かれても生き続ける事は出来ず、二歩三歩と進んだ辺りで失速して地面に突っ伏す。
「まぁこんなもんだな。取りあえず魔石とこの角だけは回収しておくか」
「・・・・・・投擲用の為にですか?」
「ああ、小石よりは貫通力が有りそうだしな」
三分も掛からず魔石と角を回収した二人は特に大きな戦闘も無く二階層へと進む。
「まだ浅い階層だから強い奴がいないのは当たり前だけど、地上ではあまり見かけないモンスターはいるみたいだな」
風の刃を体から放ってくるグリーンスライム。通常のアイアンアントより速く動く事が出来る緑の刺青が入った上位種。
まだ一階層にも関わらず見た事が無い魔物を発見したソウスケの気分は少し高揚している。
勿論全て一撃で・・・・・・とは魔石の回収事情のため倒す事は出来なかったが、攻撃を一度も貰う事無く倒す事に成功。
「でもやっぱり昆虫系のモンスターが足をカサカサ動かしながら近づいてくるのは普通に気持ち悪かったな」
「そ、そうですね。気持ちは分からなくもないです。ただ昆虫系のモンスターは使える素材が多いので、他の種族のモンスターと比べて利点だと思いますよ」
「・・・・・・確かに緑の刺青が入ったアイアンアントの皮? を使えば初心者にとっては上等な皮鎧は造れるかもしれないな」
ソウスケは鍛冶のスキルも持っているため何時か自分で武器や防具を造りたいと思っている。
(その時の為にアイテムボックスにモンスターの素材を貯め込んでおくのも悪くないな)
「? 何か良い事でもありましたかソウスケさん」
「いや、何でもないよ。取りあえず今日はまだ日が出ているからもう少し進むぞ」
目的を達成するまでダンジョンを潜り続ける訳では無いが、ソウスケは数日の間はダンジョン探索を続けるつもりだった。
第十二回ファンタジー大賞に応募します。
是非投票をお願いします!
後、新作の万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるか? も是非読んでください!
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