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二十八話気にする事は無い

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「俺はそこまで金に困っていない。それに今度かなりの大金が入って来る予定だ。だからお前たちが心配する必要は全くない」

ソウスケは自分は金に困っていないから、素直に金を受け取れと四人に告げた。
その言葉がなんとなく嘘ではないと思った四人は、ゴブリンの討伐証明部位と、魔石を受け取ることにした。

「ほ、本当に有難うございます!!! い、いつかこの恩は絶対に返します」

四人の中のリーダー的少年が頭を下げると、続いて二人の少女も頭を下げた。
対応に困ったソウスケは、頭をかき、照れながら四人伝えた。

「別にそこまで感謝する必要はない。まぁ、頭の片隅にでも置いておいてくれ。それよりももっと自分達の命を大切にしろよ」

「「「はい!!!」」」

恐らく同年代であろう少年少女達に、元気よく返事を返されソウスケは内心恥ずかしさでいっぱいだった。

(はぁ~~~~~~、何キャラでもない事言ってるんだ俺は。でも・・・・・・俺の直観だけど、この世界には他人に親切にする人の数が、圧倒的に少ないんだと思うんだよな。というか、こいつらのペースに合わせて移動していたら今日中には街に入れなさそうだな。まぁ、野宿が嫌いってわけじゃないから構わないか)

結局、ソウスケ達が街に着くより日が暮れる方が早く、野宿することになった。


その日の晩御飯はオークが途中で狩ったオークを焼いて食べることになった。

「さて、腹も膨れたことだし、一応自己紹介しておくか。名前はソウスケだ。歳は十五、冒険者のランクは冒険者になったばかりだからHだ」

といったソウスケの自己紹介を聞いた四人(気を失っていた少年も目を覚まし起きている)はポカーンとして驚いていた。主にソウスケの冒険者のランクと、年齢に。

「う、嘘ですよね」

「嘘じゃないぞ。言ったと通り、本当につい昨日冒険者になったからな。冒険者としては、まぁ初心者だ」

ソウスケのあながち嘘ではない言葉に、嘘だと言った少女は確かにそれはそうかもと思い、納得した。

「んで、四人は・・・・・・あれか、幼馴染か?」

ソウスケの質問に、仲間を庇ってゴブリンに構えていた少年が答えた。

「はい、そうです。俺ら、ここから結構離れた村から四人でモバールに来ました。名前はデイって言います。冒険者のランクはGです」

「僕はナイアって言います。気を失っていた間に助けもらい、本当に有難うございます。冒険者のランクはデイと同じでGです」

「私はシルヴェナって名前です。あの時助けてもらって本当に感謝しています。デイと同じくランクGです」

「私の名前はルナと言います。助けてもらった上に晩御飯までいただいて、本当に有難うございます。ランクはGランクになります」

四人の自己紹介を聞き終えたソウスケは色々思うことがあった。

(モバールの街に入ってから分かってはいたけど、ほんとに髪の毛の種類ってバラバラなんだな。神様の遊び心か? それに日本人顔も全然いないよな。つか、モバールの街出身じゃないんだ。親に反対されなかったのか? 冒険者って夢はあると思うけど、現実は結構シビアだと思うな。・・・・・・いつ死ぬかもわからなし、老衰できない職業ランキングダントツの一位だろうな。まぁ、四人でパーティー組んでるんだからしっかりと準備して、あまり無茶なことをしなければ、そう簡単に死ぬことはないだろうな)

「そうか、幼馴染でパーティーってのは、一番いいだろうな。何も知らない奴らとパーティーを組むよりは断然安心出来るだろうな。それで、今日はゴブリンの討伐依頼でも受けたのか?」

ソウスケは、まだ駆け出しと変わらない四人がそこそこ森の深いところにいたのが気になり、聞いてみた。

「そうなんです。この前、ランクがHからGに上がって、皆の武器を一応そろえることが出来たので、モンスターの討伐依頼を受けようって」

「なるほどな。まぁ・・・・・・確かにそういう流れになるのも分からなくはないな。でも・・・・・・」

ソウスケは四人の装備をチラッと見て、ズバっと答えた。

「いくら何でも最低限過ぎないか?」

ソウスケの言葉に、今度はナイアも含めて反論できず「うっ!!」と言葉を詰まらせてしまった。

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