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迷ってる
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「そうやって逃げてたら、いつの間にかこの森にたどり着いて、爺さんに拾われたんだ。最初は何もする気が起きなくて、流されるままここで過ごしてた。けど、爺さんが毎日俺にいろんなことをやらせようとするんだ。それもなんとなくやってたら、ちょっとずつ周りのことが見えてきて、爺さんが使命感を持ってこの森を守っていることを知った。生きる意味がなくて途方に暮れてた俺に、「森の守護」って生きる意味をくれたのが、爺さんだったんだ。だから俺はこの森を守るという使命を大事にしてるし、お前を助けた。」
「・・・そっか」
「あの日俺は兄さんに見捨てられたと思ったけど、兄さんは見捨てたつもりがないって。確かに当時から意味がわからなかった。俺を父親ゴロシの犯人として国防軍に差し出しておきながら、リック隊長に俺を助けるように言った、なんて・・・」
「もし「家のため」って言い訳が本当なら、その疑問も解消するってわけか。」
ノーチェは曇った顔で小さく頷いた。
なるほどな。分からんでもない。
ノーチェのお兄さんと、ノーチェが他人だってことにしておけば、二人の父親は、不審な獣人に殺されたってことになる。
身内が身内を殺すなんて、外聞が悪すぎる。
領主だと言っていることからわかるように、ノーチェの家は身分が高いのだろう。だったら尚更、周りの目には注意を払うはずだ。
「ノーチェは、どうするんだ?」
「え?」
「明日、お兄さんがくるんだろう。一緒に行くのか?」
そうだ。
「家のため」に見捨てた弟を迎えにきたのだから、何か理由があるに違いない。
もう完璧に危険はないから戻ってきても大丈夫なのか、危険はまだあるけどとりあえずひと段落したから迎えにきたのか、お兄さんの様子からして可能性は薄そうだけど、任意の事情聴取みたいに事情を聞くために迎えにきたのか。
はたまたそれ以外か。
ノーチェがどう捉えるか、どうしたいかによって、明日どうするかの選択は違ってくる。
「まよって、る」
「それは、どうしてだ?」
ノーチェはあからさまに目を泳がせると、ぽつっと「あんたがいる」と言った。
「俺?」
「あんたは、俺がいないと生きてけないだろ。森で獲物取れないし、足は遅いから、すぐ熊に食われちまう。守護者としてあんたは放って置けない」
なるほどなぁ。そんなふうに思っていたのか。
俺が、ノーチェの選択を狭めているのか。
確かにノーチェがいないと森では生きていけない。でも、多分森じゃな買ったら、俺は一人で生きていける。
俺は覚悟を決めて、今まで聞かれないから、と理由をつけて話さずにいたことを告白した。
「俺実はさ、異世界から来たんだ」
「・・・そっか」
「あの日俺は兄さんに見捨てられたと思ったけど、兄さんは見捨てたつもりがないって。確かに当時から意味がわからなかった。俺を父親ゴロシの犯人として国防軍に差し出しておきながら、リック隊長に俺を助けるように言った、なんて・・・」
「もし「家のため」って言い訳が本当なら、その疑問も解消するってわけか。」
ノーチェは曇った顔で小さく頷いた。
なるほどな。分からんでもない。
ノーチェのお兄さんと、ノーチェが他人だってことにしておけば、二人の父親は、不審な獣人に殺されたってことになる。
身内が身内を殺すなんて、外聞が悪すぎる。
領主だと言っていることからわかるように、ノーチェの家は身分が高いのだろう。だったら尚更、周りの目には注意を払うはずだ。
「ノーチェは、どうするんだ?」
「え?」
「明日、お兄さんがくるんだろう。一緒に行くのか?」
そうだ。
「家のため」に見捨てた弟を迎えにきたのだから、何か理由があるに違いない。
もう完璧に危険はないから戻ってきても大丈夫なのか、危険はまだあるけどとりあえずひと段落したから迎えにきたのか、お兄さんの様子からして可能性は薄そうだけど、任意の事情聴取みたいに事情を聞くために迎えにきたのか。
はたまたそれ以外か。
ノーチェがどう捉えるか、どうしたいかによって、明日どうするかの選択は違ってくる。
「まよって、る」
「それは、どうしてだ?」
ノーチェはあからさまに目を泳がせると、ぽつっと「あんたがいる」と言った。
「俺?」
「あんたは、俺がいないと生きてけないだろ。森で獲物取れないし、足は遅いから、すぐ熊に食われちまう。守護者としてあんたは放って置けない」
なるほどなぁ。そんなふうに思っていたのか。
俺が、ノーチェの選択を狭めているのか。
確かにノーチェがいないと森では生きていけない。でも、多分森じゃな買ったら、俺は一人で生きていける。
俺は覚悟を決めて、今まで聞かれないから、と理由をつけて話さずにいたことを告白した。
「俺実はさ、異世界から来たんだ」
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