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疑念が晴れた
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そこでふと、疑問が湧いた。
「ノーチェは、人間にやり返しても意味がないからしないんだろ?ならなんで、、、俺のことは殺そうとしたんだ?」
あ。
慌てて口をふさぐが口をついて出てしまったものはなかったことにはならず、不機嫌になっているだろうかと恐る恐るノーチェを見れば、反して困ったような、戸惑ったような表情で言い澱んだ。
「ノーチェ?」
「いや、ああ、誰にも見られてなければ罪に問われねぇし。そういう状況なら自分に危害を加えそうなやつに抵抗くらいするっての」
「俺、危害加えようとなんてしてないけど」
「・・・悪かったよ」
ばつが悪そうに鼻を人差し指でかいた。
頭の上についている耳がペタンと伏せられていて、本気で悪かったと思っているように見える。
なんだ。
やっぱりいい人じゃん。
「・・・何笑ってんだ」
「んーん、俺を助けてくれたのが素敵な人でよかったなぁって思ったら笑えた」
「んだそれ」
彼はそっぽを向くが、微かに揺れる彼の尻尾と赤く染まる首が、彼の喜びを伝えてくる。
ふふ。
可愛いなぁ。愛でたくなる可愛さだ。
「わかったら、さっさと行くぞ」
あごをしゃくってノーチェが歩くように促してくる。
けど。
「俺、行きたくない」
「はぁ?何言ってんだよテメェ」
「俺の命を二度も助けてくれた恩人にひどい対応してるような人たちのところに馴染める気がしない」
「・・・は」
信じられないものを見たようにノーチェは目を見開いた。
小さく「俺といたらお前は人間から嫌われるぞ」と呟いた。
「確かにさっきは色々投げつけられて怖かったし、さっきの体験したから、嫌われてるってことはわかった」
「なら」
「それ以上に、見ず知らずの俺を助けてくれたこととか、ご飯や寝床をくれたこと、街の人たちから庇ってくれたこととか。そういう部分をを見て俺は君に恩を感じてる。恩人をけなす人とヘラヘラ笑いあったり、信用したりできるほど、大人じゃないよ、俺」
というかそもそも獣人が下に見られてるってなんでなんだろうな。
獣人って耳と尻尾がある以外に人間と何が違うのかいまいち理解できないけど、ノーチェを見る限り、体力があって、戦闘能力も高い点においては人間より優っていると思う。体力および戦闘能力がノーチェ個人の能力であったとしても、努力すれば、そうなれる人もいるってことだから、その場合であっても、人間と大して変わらないということになる。
だったら、耳と尻尾があって可愛い方が良くないか?
知能的に劣ってる、とか?俺はノーチェと話してて知能が劣っているとは思ったことないけど。
どっちにしても、街の人とは気が合わないだろうね、きっと。
納得するように一人で何度も頷いていたら、今までにない強い視線でノーチェに睨みつけられた。
眉間には深い、ふかーいシワが寄っていて、思わず後ずさる。
「あの、わがままだってのはわかってる。好き勝手言ってんじゃねぇ、ってノーチェが思うのも頷けるよ。けどお願い。色々やるから、連れってって」
「ノーチェは、人間にやり返しても意味がないからしないんだろ?ならなんで、、、俺のことは殺そうとしたんだ?」
あ。
慌てて口をふさぐが口をついて出てしまったものはなかったことにはならず、不機嫌になっているだろうかと恐る恐るノーチェを見れば、反して困ったような、戸惑ったような表情で言い澱んだ。
「ノーチェ?」
「いや、ああ、誰にも見られてなければ罪に問われねぇし。そういう状況なら自分に危害を加えそうなやつに抵抗くらいするっての」
「俺、危害加えようとなんてしてないけど」
「・・・悪かったよ」
ばつが悪そうに鼻を人差し指でかいた。
頭の上についている耳がペタンと伏せられていて、本気で悪かったと思っているように見える。
なんだ。
やっぱりいい人じゃん。
「・・・何笑ってんだ」
「んーん、俺を助けてくれたのが素敵な人でよかったなぁって思ったら笑えた」
「んだそれ」
彼はそっぽを向くが、微かに揺れる彼の尻尾と赤く染まる首が、彼の喜びを伝えてくる。
ふふ。
可愛いなぁ。愛でたくなる可愛さだ。
「わかったら、さっさと行くぞ」
あごをしゃくってノーチェが歩くように促してくる。
けど。
「俺、行きたくない」
「はぁ?何言ってんだよテメェ」
「俺の命を二度も助けてくれた恩人にひどい対応してるような人たちのところに馴染める気がしない」
「・・・は」
信じられないものを見たようにノーチェは目を見開いた。
小さく「俺といたらお前は人間から嫌われるぞ」と呟いた。
「確かにさっきは色々投げつけられて怖かったし、さっきの体験したから、嫌われてるってことはわかった」
「なら」
「それ以上に、見ず知らずの俺を助けてくれたこととか、ご飯や寝床をくれたこと、街の人たちから庇ってくれたこととか。そういう部分をを見て俺は君に恩を感じてる。恩人をけなす人とヘラヘラ笑いあったり、信用したりできるほど、大人じゃないよ、俺」
というかそもそも獣人が下に見られてるってなんでなんだろうな。
獣人って耳と尻尾がある以外に人間と何が違うのかいまいち理解できないけど、ノーチェを見る限り、体力があって、戦闘能力も高い点においては人間より優っていると思う。体力および戦闘能力がノーチェ個人の能力であったとしても、努力すれば、そうなれる人もいるってことだから、その場合であっても、人間と大して変わらないということになる。
だったら、耳と尻尾があって可愛い方が良くないか?
知能的に劣ってる、とか?俺はノーチェと話してて知能が劣っているとは思ったことないけど。
どっちにしても、街の人とは気が合わないだろうね、きっと。
納得するように一人で何度も頷いていたら、今までにない強い視線でノーチェに睨みつけられた。
眉間には深い、ふかーいシワが寄っていて、思わず後ずさる。
「あの、わがままだってのはわかってる。好き勝手言ってんじゃねぇ、ってノーチェが思うのも頷けるよ。けどお願い。色々やるから、連れってって」
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