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王家の後始末
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それから暫くして国から公式の発表があって国民達をザワつかせた。
「『王太子は急病により第2王子に交代』、……急病って便利な言葉よね……」
アメリアは新聞を読みながら呟いた。
「結局、王家は聖女との縁を繋ぐのを諦めたみたいだな」
「ミラーユも余計な事をしなければ王太子妃になれたのに……」
「いや、どうも王子妃教育が上手く行っていなかったみたいだな、その腹いせも聖女をいじめていた理由の1つらしい」
「どうしてそんなことを知ってるんですか?」
「コレだよ」
そう言ってロナウドが見せたのは手紙だった。
「差出人は……宰相様ですか」
「アイツもそろそろ第二の人生を考えていたみたいだが、まだまだ落ち着きそうもないな」
手紙には今回の騒動の詳細、そして関係者の処分の事、そしてそれに関するぼやきが書かれていた。
「宰相様も大変ですね……」
「聖女の虐めには息子も加担していたみたいだからな、勘当を言い渡したみたいだ。 実の息子を切る事になるのは心苦しいと思うが……」
「貴族の社会は厳しいですね、私平民になって良かったです」
「私もだよ」
アメリアとロナウドは改めて自分達の選択は間違っていなかった、と思った。
「でも第2王子の新しい婚約者はどうするんでしょうか? 国内の有力貴族は殆ど婚約者持ちでしょうし」
「国内にはいないだろうな、第2王子もミラーユを止める事が出来なかったから王太子になったとしても茨の道が待っているだろうし……、国外から招く事になるだろう」
ある意味第2王子は今回の被害者の1人なのかもしれない、兄と戻ってきたので婚約者が暴走した結果の煽りを喰らったのだから。
それから後に第2王子は新たに同盟国の王女と婚約する事が出来た。
聖女の件もあるので王家は王女を丁寧に扱ったそうだ。
因みにだがこの王女、元の国では余り良い扱いを受けていなかったみたいでほぼ捨てられたと言っても過言ではなかった。
そんな境遇のせいか最初は第2王子との仲もぎこちない物があったが徐々に愛を深めていき数年後には相思相愛の仲になった。
アメリアは内心(ミラーユと結婚しなくて良かった)と今の第2王子の幸せを喜んでいた。
「『王太子は急病により第2王子に交代』、……急病って便利な言葉よね……」
アメリアは新聞を読みながら呟いた。
「結局、王家は聖女との縁を繋ぐのを諦めたみたいだな」
「ミラーユも余計な事をしなければ王太子妃になれたのに……」
「いや、どうも王子妃教育が上手く行っていなかったみたいだな、その腹いせも聖女をいじめていた理由の1つらしい」
「どうしてそんなことを知ってるんですか?」
「コレだよ」
そう言ってロナウドが見せたのは手紙だった。
「差出人は……宰相様ですか」
「アイツもそろそろ第二の人生を考えていたみたいだが、まだまだ落ち着きそうもないな」
手紙には今回の騒動の詳細、そして関係者の処分の事、そしてそれに関するぼやきが書かれていた。
「宰相様も大変ですね……」
「聖女の虐めには息子も加担していたみたいだからな、勘当を言い渡したみたいだ。 実の息子を切る事になるのは心苦しいと思うが……」
「貴族の社会は厳しいですね、私平民になって良かったです」
「私もだよ」
アメリアとロナウドは改めて自分達の選択は間違っていなかった、と思った。
「でも第2王子の新しい婚約者はどうするんでしょうか? 国内の有力貴族は殆ど婚約者持ちでしょうし」
「国内にはいないだろうな、第2王子もミラーユを止める事が出来なかったから王太子になったとしても茨の道が待っているだろうし……、国外から招く事になるだろう」
ある意味第2王子は今回の被害者の1人なのかもしれない、兄と戻ってきたので婚約者が暴走した結果の煽りを喰らったのだから。
それから後に第2王子は新たに同盟国の王女と婚約する事が出来た。
聖女の件もあるので王家は王女を丁寧に扱ったそうだ。
因みにだがこの王女、元の国では余り良い扱いを受けていなかったみたいでほぼ捨てられたと言っても過言ではなかった。
そんな境遇のせいか最初は第2王子との仲もぎこちない物があったが徐々に愛を深めていき数年後には相思相愛の仲になった。
アメリアは内心(ミラーユと結婚しなくて良かった)と今の第2王子の幸せを喜んでいた。
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