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聖女、休みを得る

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 私アリア・カールスはトリアンナ王国の聖女である。

 元々は貧乏男爵家の娘だったんだけど、聖女の資格である聖紋が現れた事で人生が一変した。

 教会に引き取られ厳しい教育を受け聖女として人前に出る様になったのが10歳の時。

 以来現在まで聖女として務めてきた。

 ……しかし、そろそろ限界が来ている、主に私の精神が。

 この8年間、私は実家に帰った事無いしずっと教会に閉じ込めっぱなし。

 外に出ると言えば魔物退治だったり王家主催のパーティーだったり……、つまりプライベートで外に出た事は無い。

 食事だって質素な物だし甘いお菓子や肉類魚類は口にしていない、野菜や穀物がメインだ。

 幼い頃はそれが聖女だ、と思って我慢していたけど成長するにつれて自分の環境がかなりのブラックである事がわかってきた。

「……という訳で色々限界が来ています。女神様、私だって聖女である前に一人の人間でありうら若き乙女なんです。別に聖女を辞めたいとは言ってないんです。私に休みをください。癒やしをください。くれなかったら祈りじゃなくて呪います」

 私は朝の日課である女神様への祈りのついでに小声で個人的な頼みを祈ってきた。

 そしたらその数分後には神託が出た。

『聖女には休息が必要である。よって週末の2日間を休息日とする』

 女神様仕事が早い、グッジョブ。

 まぁ、教会幹部はザワついていたけど神託は絶対だから逆らう事は出来ない。

 こうして私は休みをゲット出来た、更に女神様は私が確実に休みを過ごせる様にその週末を異世界『ニッポン』で過ごせる様にしてくれた。

 教会幹部達はなんだかんだ言って私を働かせよう、とするつもりだろうから対策らしい。

 それを知った時の幹部達の落胆ぶりは見ていてスーッとなった、散々人に仕事を押し付けてきた罰だ、ざまぁみろ。

 こうして私の自らの癒やしを求める週末が始まった。

 
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