32 / 39
第8章 破滅の魔女
8-2
しおりを挟む
村人を殺し尽くした男たちは、村の中心にある井戸の周りに集まっていた。人数は九人。彼らの仲間は、ライズによって三人が殺された。
「言いたいことはあるか」
ライズは男たちに向かって言った。
怒りや悲しみはその声からは感じ取れない。
「バズ様はどうした?」
「言いたいことはそれだけか」
「俺たちは全員、先の戦争で貴様の魔法によって家族を殺された。少しはあの時の我々の気分を味わったか」
顔を紅潮させた一人の男が答えた。
「満足したか?」
地面に倒れている子どもの死体を見ながら言う。ライズは続けて、
──子どもを殺して満足したか?
──女を殺して満足したか?
──老人を殺して満足したか?
──戦う術を知らぬ男を殺して満足したか?
──無力な村人たちを皆殺しにして満足したか?
蔑むような哀れむような目つきで、ライズは問いかけた。誰も答えなかった。満足した顔をしている男などいなかった。
「私は七年前の戦争で夫を失った。お前たちが殺したのだ。アラキアがゼノンに何をした? お前たちが勝手な言い分で攻めて来たのだ。私はゼノンを憎んだ。望んで最前線で戦い、多くのゼノン国民を殺した。戦争は終わった。気がつけば、数多くのものを失っていた。夫は戻ってこなかった」
ライズは男たちの方に歩き出す。
モジュレータから回転音が響き渡り、鈍い銀色の光を放つ。
「愚かだなお前たちは。愚かだな我々は。機会をやろう。国へ帰るか、ここで死ぬか選ぶがいい」
男の一人が剣を構える。
「……他の者は?」
「皆、国から追われる身だ。帰る場所などないさ。それでも我々は祖国を愛している。他国に逃げる気もない」
「そうか」
ライズは男たちの姿を見た。抜き身の刀身は蒼く、古ぼけた不揃いの鎧を着ていた。少し前に戦ったバズやその部下と同じ対魔法用の装備だった。
「これで終わりにしたいものだな」
このライズの言葉が戦闘の口火となった。
武装した男たちは矢継ぎ早にライズに斬りかかった。ライズはそれを巧みに避け、短剣で急所だけを狙った。魔法は身体能力の増強に充てた。これなら相手の装備は関係ない。
人間離れした速度でライズは間合いを詰め、距離を取り、舞うように残像を残しながら男たちを倒していった。
幾たびもライズ目掛けて剣が振り下ろされた。
ライズも無傷ではなかった。致命傷となる大きな傷はなかったが、無数の切り傷を負い、血が流れた。
ひとりまたひとりと男たちは倒れていった。人数が半数になってからは、後はあっけないくらい短時間で決着がついた。
ライズは大量の血を浴び、顔も髪も服も深紅に染まっていた。
無数の死体が地面を覆い隠していた。ライズだけがその場所に立っていた。荒い息を吐きながら、誰も起き上がってこないことを確認した。
そしてリットのことを思った。
生きている。
リットは生きている。魔法で何度も確かめた。それから周りを見渡した。地獄のような光景だった。
これを見せるわけにはいかない。リットに嫌われてもいい、一生恨まれてもいい、だがこの惨状だけは見られてはいけない、そう思った。
ライズは両膝をつく。
眠りたかった。疲れていた。うまく考えが纏まらなかった。ひとまずジードに向けてメッセージを送った。村には絶対に戻ってこないように、と。リットとも話をした。ジードの言うことを聞くように、と。そして、愛している、と。
それを終えると、さらに疲れがどっと押し寄せた。
空を眺めた。太陽が輝いていた。森のどこかで飛ぶ鳥の鳴き声が聞こえた。熱を持った体に風が心地よかった。
緊張が解け、涙が出た。
両手には、ぼろぼろにされたスミの感触が残っている。リットの親友の女の子だ。村人たちの顔が次々と浮かんだ。皆、良い人たちばかりだった。
平和な日々。
魔女と恐れられることもなかった。ここでは人間として対等に扱ってもらえた。ゼノンとの戦争で街や村を魔法によって壊滅させ、大量の人間を憎しみながら殺した。村での暮らしは、その罪の意識と胸の痛みを和らげてくれた。
しかしそれは逃げでしかない。
わかっていた。
命を狙われる可能性について当然熟知していたが、関係のない村人が狙われるとは思いもしなかった。浅はかだった。
今さら何を思っても手遅れなのに、考えてしまう。
ライズは涙を拭った。
モジュレータ『ルイン』は、今にも消えそうな弱々しい回転音を発していた。その音をかき消すように大きな足音が聞こえた。
バズはその大柄な体格からは想像できないほど高く大きく跳び、全体重をかけてライズに剣を振り下ろす。ライズはそれを左手のモジュレータで受け止める。
その衝撃で地面が円形状に大きく窪み、数え切れないほどの石片が宙に浮いた。
「まだ充分にやれそうだな」
ライズは口元を伝う血を舐め、おそらく最後になるであろう戦いのために、モジュレータを操った。
◇ ◆ ◇
村で何かが起こっている、リットはそう言うなり走り出した。
ジードが止めても無駄だった。
「焚き火であんな黒い煙はでないもん!」
さらに走る速度を上げる。リアの村までは、まだ遠い。しかしこのペースならすぐに着いてしまう。状況が不明な以上、リットを連れて戻るわけにはいかなかった。
『ジード……』
声が聞こえた。
「お母さんっ!?」
リットは辺りを見回す。誰もいない。ジードはすぐにライズが魔法で声を送っているのだとわかった。
『ジード、絶対に村には戻ってこないで』
「お母さん、何があったの?」
『娘を王都クライトに連れていって欲しいの。お願いできるかしら』
その口調は静かで落ち着いていたが、疲労が見え隠れしていた。そして有無を言わさない迫力があった。
「わかりました」
「私、行かないよ! どこにも行かない! 急にそんなこと言われてもわからないよっ!」
『ごめんなさい、リット』
ライズは本当に済まなさそうに娘をなだめる。
「お母さん、村にいるんだよね。私、すぐに帰るから」
『ダメよ。お願いだからお母さんの言うことを聞いて。あなたはそのままジードと一緒に王都に行くの。そこにはお母さんのお姉さんがいるから、その人に会いなさい』
「嫌……だよ」
『お願い、言うことを聞いて頂戴』
「私、絶対に行かないから!!」
リットは叫んだ。
想像を越えることが村で起こっている。そんな気がした。そうでなければ、いきなり村を出ろなんて言われないはずだ。村のみんなは大丈夫なのだろうか。とても心配だった。
『愛してるわ、リット』
「お母さんっ!!」
いくら叫んでもライズからの返答はなかった。村へ行こうとするリットをジードは力ずくで止めた。
暴れるリットを魔法で眠らせ、木の下に寝かせた。抱き上げたとき、リットの目尻から涙が一滴こぼれた。
その寝顔は不安に満ちていた。
「言いたいことはあるか」
ライズは男たちに向かって言った。
怒りや悲しみはその声からは感じ取れない。
「バズ様はどうした?」
「言いたいことはそれだけか」
「俺たちは全員、先の戦争で貴様の魔法によって家族を殺された。少しはあの時の我々の気分を味わったか」
顔を紅潮させた一人の男が答えた。
「満足したか?」
地面に倒れている子どもの死体を見ながら言う。ライズは続けて、
──子どもを殺して満足したか?
──女を殺して満足したか?
──老人を殺して満足したか?
──戦う術を知らぬ男を殺して満足したか?
──無力な村人たちを皆殺しにして満足したか?
蔑むような哀れむような目つきで、ライズは問いかけた。誰も答えなかった。満足した顔をしている男などいなかった。
「私は七年前の戦争で夫を失った。お前たちが殺したのだ。アラキアがゼノンに何をした? お前たちが勝手な言い分で攻めて来たのだ。私はゼノンを憎んだ。望んで最前線で戦い、多くのゼノン国民を殺した。戦争は終わった。気がつけば、数多くのものを失っていた。夫は戻ってこなかった」
ライズは男たちの方に歩き出す。
モジュレータから回転音が響き渡り、鈍い銀色の光を放つ。
「愚かだなお前たちは。愚かだな我々は。機会をやろう。国へ帰るか、ここで死ぬか選ぶがいい」
男の一人が剣を構える。
「……他の者は?」
「皆、国から追われる身だ。帰る場所などないさ。それでも我々は祖国を愛している。他国に逃げる気もない」
「そうか」
ライズは男たちの姿を見た。抜き身の刀身は蒼く、古ぼけた不揃いの鎧を着ていた。少し前に戦ったバズやその部下と同じ対魔法用の装備だった。
「これで終わりにしたいものだな」
このライズの言葉が戦闘の口火となった。
武装した男たちは矢継ぎ早にライズに斬りかかった。ライズはそれを巧みに避け、短剣で急所だけを狙った。魔法は身体能力の増強に充てた。これなら相手の装備は関係ない。
人間離れした速度でライズは間合いを詰め、距離を取り、舞うように残像を残しながら男たちを倒していった。
幾たびもライズ目掛けて剣が振り下ろされた。
ライズも無傷ではなかった。致命傷となる大きな傷はなかったが、無数の切り傷を負い、血が流れた。
ひとりまたひとりと男たちは倒れていった。人数が半数になってからは、後はあっけないくらい短時間で決着がついた。
ライズは大量の血を浴び、顔も髪も服も深紅に染まっていた。
無数の死体が地面を覆い隠していた。ライズだけがその場所に立っていた。荒い息を吐きながら、誰も起き上がってこないことを確認した。
そしてリットのことを思った。
生きている。
リットは生きている。魔法で何度も確かめた。それから周りを見渡した。地獄のような光景だった。
これを見せるわけにはいかない。リットに嫌われてもいい、一生恨まれてもいい、だがこの惨状だけは見られてはいけない、そう思った。
ライズは両膝をつく。
眠りたかった。疲れていた。うまく考えが纏まらなかった。ひとまずジードに向けてメッセージを送った。村には絶対に戻ってこないように、と。リットとも話をした。ジードの言うことを聞くように、と。そして、愛している、と。
それを終えると、さらに疲れがどっと押し寄せた。
空を眺めた。太陽が輝いていた。森のどこかで飛ぶ鳥の鳴き声が聞こえた。熱を持った体に風が心地よかった。
緊張が解け、涙が出た。
両手には、ぼろぼろにされたスミの感触が残っている。リットの親友の女の子だ。村人たちの顔が次々と浮かんだ。皆、良い人たちばかりだった。
平和な日々。
魔女と恐れられることもなかった。ここでは人間として対等に扱ってもらえた。ゼノンとの戦争で街や村を魔法によって壊滅させ、大量の人間を憎しみながら殺した。村での暮らしは、その罪の意識と胸の痛みを和らげてくれた。
しかしそれは逃げでしかない。
わかっていた。
命を狙われる可能性について当然熟知していたが、関係のない村人が狙われるとは思いもしなかった。浅はかだった。
今さら何を思っても手遅れなのに、考えてしまう。
ライズは涙を拭った。
モジュレータ『ルイン』は、今にも消えそうな弱々しい回転音を発していた。その音をかき消すように大きな足音が聞こえた。
バズはその大柄な体格からは想像できないほど高く大きく跳び、全体重をかけてライズに剣を振り下ろす。ライズはそれを左手のモジュレータで受け止める。
その衝撃で地面が円形状に大きく窪み、数え切れないほどの石片が宙に浮いた。
「まだ充分にやれそうだな」
ライズは口元を伝う血を舐め、おそらく最後になるであろう戦いのために、モジュレータを操った。
◇ ◆ ◇
村で何かが起こっている、リットはそう言うなり走り出した。
ジードが止めても無駄だった。
「焚き火であんな黒い煙はでないもん!」
さらに走る速度を上げる。リアの村までは、まだ遠い。しかしこのペースならすぐに着いてしまう。状況が不明な以上、リットを連れて戻るわけにはいかなかった。
『ジード……』
声が聞こえた。
「お母さんっ!?」
リットは辺りを見回す。誰もいない。ジードはすぐにライズが魔法で声を送っているのだとわかった。
『ジード、絶対に村には戻ってこないで』
「お母さん、何があったの?」
『娘を王都クライトに連れていって欲しいの。お願いできるかしら』
その口調は静かで落ち着いていたが、疲労が見え隠れしていた。そして有無を言わさない迫力があった。
「わかりました」
「私、行かないよ! どこにも行かない! 急にそんなこと言われてもわからないよっ!」
『ごめんなさい、リット』
ライズは本当に済まなさそうに娘をなだめる。
「お母さん、村にいるんだよね。私、すぐに帰るから」
『ダメよ。お願いだからお母さんの言うことを聞いて。あなたはそのままジードと一緒に王都に行くの。そこにはお母さんのお姉さんがいるから、その人に会いなさい』
「嫌……だよ」
『お願い、言うことを聞いて頂戴』
「私、絶対に行かないから!!」
リットは叫んだ。
想像を越えることが村で起こっている。そんな気がした。そうでなければ、いきなり村を出ろなんて言われないはずだ。村のみんなは大丈夫なのだろうか。とても心配だった。
『愛してるわ、リット』
「お母さんっ!!」
いくら叫んでもライズからの返答はなかった。村へ行こうとするリットをジードは力ずくで止めた。
暴れるリットを魔法で眠らせ、木の下に寝かせた。抱き上げたとき、リットの目尻から涙が一滴こぼれた。
その寝顔は不安に満ちていた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。
恋愛系
恋愛
屋敷が大っ嫌いだったミア。
そして、屋敷から出ると決め
計画を実行したら
皮肉にも失敗しそうになっていた。
そんな時彼に出会い。
王国の陛下を捨てて、村で元気に暮らす!
と、そんな時に聖騎士が来た
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる