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秘匿された遊戯室
第27幕
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「は、あぅッ……あ、あ、あ、……」
博己は、抱き着いている薫の上半身をベッドに押し付けると、腰を打ち付け始めた。
心臓が凍てつくことにも、悪寒で脂汗が滲み出すことも、博己のペニスを拒絶しながら、悦楽に喘がされることにも、薫は慣れ始めていた。番の契約があるにも関わらず、他の男に貫かれることに慣れていくなど、この世の理から逸脱した違犯行為である。
それでも、薫は博己のものになりたがっていた。たとえ、どれほど酷い扱いをされても、遊びだと宣告されているとしても、一年も待たずして捨てられるとわかっていても。
薫はどうしようもなく、博己に惹かれていた。
こんな酷い男より、自分のために涙してくれる隼人を好きになれたなら。
隼人の想いに応えられたらなら。
隼人に対する罪悪感を募らせながらも、多くの人間がそうであるように、自らの心を捻じ曲げるようなことはできそうになかった。特に恋心のような特異なものであれば、なおのことである。
「薫」
瞼を優しく指で触れられ、涙を拭われる。
薫は促されるように、ゆっくりと瞑っていた瞼を開いた。視界には、隼人が泣きそうな顔で見下ろしていた。それでも息を浅くして、瞳は欲情に熱を帯びる。
薫は微笑んだ。
それから、悩ましげに眉を寄せ、艶っぽく喘いだ。
隼人と博己は、薫が一瞬見せた儚げな微笑みに、ぎょっとした。
薫は、これは、この行為は、対したことではないのだと思いたかった。
たかがセックスだ。
薫は、最初に自分に与えられた役を全うしようとしていた。隼人も博己も、薫には淫乱で快楽に従順なオメガの役を押し付けた。そうでなければ、神崎薫の盾になる価値も、遊び相手にする価値すらなかった。
番以外の男に対する拒絶反応のことなど、オメガではない彼等には知りようがない。凍てつく心臓も、噴き出す脂汗も、挿入を拒む膣の苦痛も。
たかがセックスだ。
隼人は、薫の微笑みに胸を締め付けられた。
淫乱な薫など、隼人は、もう求めていなかった。ただ隣で笑っていて欲しかった。できるなら、愛して欲しいと願った。
それでも、薫を犯したくて、鳴かせたくて、貪欲にその肢体にしゃぶりつきたかった。
薫は手を伸ばして、隼人の滾ったペニスをズボンの上から擦った。
隼人はびくりと腰を引いた。
けれど、すぐに薫の手に押し付けるように腰を突き出して、熱い息を吐き出した。
薫は隼人のズボンを下ろして、ペニスを引き出すと、いつかのように上目遣いで熱っぽく見上げながら、隼人のペニスを口に含んだ。
隼人は久しぶりに感じた薫の熱に、一気に劣情が溢れだした。
対して博己は、微笑む薫に殺意すら芽生えた。
薫の身体を抉るようにペニスを突き立てる。
「んッんんッ……うぐッん」
薫は隼人のペニスを口に含みながら、喘いだ。
ぐちゅぐちゅと博己に子宮に届くほどに深く突かれ、眩暈すら感じる。それでも、隼人のペニスを口から離すことはしなかった。
これまで博己が歩んできた道には、理想的で完璧なものしか存在しなかった。
だから、そうではないものに直面したときに、どのように対応すればよいかわからなかった。
自分の思い通りにならないものに対する諦め方を、博己は学んでこなかった。
妥協など有り得ない。
けれど、どう厳しく躾ても、神崎薫は博己の理想の番には成り得ない。
抱けば抱くほどに、薫に失望していき、虚無感だけが膨らんでいく。
そうして、ただ闇雲に薫に鞭を振り下ろし、淫乱なオメガたらしめて、やはり薫は理想とは違うと自らに言い聞かせて、薫への執着を絶ち切ろうと足掻いていた。
けれど、足掻けば足掻くほどに、薫への固執は凝固なものになっていく。
きっと、博己の歩む道の先には、博己が望むような理想的なオメガの雌が現れるはずである。
けれど、それが薫でないことが、博己を酷く掻き乱した。
ベータに成りたいわけではない。
けれど、ベータであれば、隼人のように、あるがままの薫を受け入れることができただろうか。
他の男に股を開いた穢らわしいオメガを愛せただろうか。
他の男と番になった大罪人を許せただろうか。
誰のことを想っているかもわからない薫に傅いて、愛してくれと懇願できただろうか。
そんなものは、結城博己ではない。
そう仕向けておきながら、隼人のペニスをしゃぶる薫に、博己はただただ深い憎しみを募らせて、薫の子宮を突き破るように腰を打ち付けた。
吐き気がするほどの濃厚な甘ったるいフェロモンが沸き上がり、薫の身体は汗と愛液にドロドロに蕩けて、快楽にだらしなく喘ぐ家畜に成り下がっていた。
博己は、登り詰めるように、腰を激しく打ち付ける。
「……ッ」
隼人のぺニスは薫の喉の肉に擦れて、堪らず射精した。抜きかけたぺニスから放たれた精液は、薫の口内と頬を、淫らに汚した。
顔を白濁とした粘液にまみれさせながら、薫は喘いだ。
「あ、あ、あ、い、イク……イクーーッ……」
薫は苦悶に顔を歪めながらも、背中を仰け反らせて、ぺニスから潮を吹き上げ、雌の絶頂に達した。
熱く蕩けた膣内が痙攣し、精液を搾り取るように博己のペニスを締め上げた。
博己は薫の膣内に射精しながら、また一つ虚無感を募らせたのだった。
博己は、抱き着いている薫の上半身をベッドに押し付けると、腰を打ち付け始めた。
心臓が凍てつくことにも、悪寒で脂汗が滲み出すことも、博己のペニスを拒絶しながら、悦楽に喘がされることにも、薫は慣れ始めていた。番の契約があるにも関わらず、他の男に貫かれることに慣れていくなど、この世の理から逸脱した違犯行為である。
それでも、薫は博己のものになりたがっていた。たとえ、どれほど酷い扱いをされても、遊びだと宣告されているとしても、一年も待たずして捨てられるとわかっていても。
薫はどうしようもなく、博己に惹かれていた。
こんな酷い男より、自分のために涙してくれる隼人を好きになれたなら。
隼人の想いに応えられたらなら。
隼人に対する罪悪感を募らせながらも、多くの人間がそうであるように、自らの心を捻じ曲げるようなことはできそうになかった。特に恋心のような特異なものであれば、なおのことである。
「薫」
瞼を優しく指で触れられ、涙を拭われる。
薫は促されるように、ゆっくりと瞑っていた瞼を開いた。視界には、隼人が泣きそうな顔で見下ろしていた。それでも息を浅くして、瞳は欲情に熱を帯びる。
薫は微笑んだ。
それから、悩ましげに眉を寄せ、艶っぽく喘いだ。
隼人と博己は、薫が一瞬見せた儚げな微笑みに、ぎょっとした。
薫は、これは、この行為は、対したことではないのだと思いたかった。
たかがセックスだ。
薫は、最初に自分に与えられた役を全うしようとしていた。隼人も博己も、薫には淫乱で快楽に従順なオメガの役を押し付けた。そうでなければ、神崎薫の盾になる価値も、遊び相手にする価値すらなかった。
番以外の男に対する拒絶反応のことなど、オメガではない彼等には知りようがない。凍てつく心臓も、噴き出す脂汗も、挿入を拒む膣の苦痛も。
たかがセックスだ。
隼人は、薫の微笑みに胸を締め付けられた。
淫乱な薫など、隼人は、もう求めていなかった。ただ隣で笑っていて欲しかった。できるなら、愛して欲しいと願った。
それでも、薫を犯したくて、鳴かせたくて、貪欲にその肢体にしゃぶりつきたかった。
薫は手を伸ばして、隼人の滾ったペニスをズボンの上から擦った。
隼人はびくりと腰を引いた。
けれど、すぐに薫の手に押し付けるように腰を突き出して、熱い息を吐き出した。
薫は隼人のズボンを下ろして、ペニスを引き出すと、いつかのように上目遣いで熱っぽく見上げながら、隼人のペニスを口に含んだ。
隼人は久しぶりに感じた薫の熱に、一気に劣情が溢れだした。
対して博己は、微笑む薫に殺意すら芽生えた。
薫の身体を抉るようにペニスを突き立てる。
「んッんんッ……うぐッん」
薫は隼人のペニスを口に含みながら、喘いだ。
ぐちゅぐちゅと博己に子宮に届くほどに深く突かれ、眩暈すら感じる。それでも、隼人のペニスを口から離すことはしなかった。
これまで博己が歩んできた道には、理想的で完璧なものしか存在しなかった。
だから、そうではないものに直面したときに、どのように対応すればよいかわからなかった。
自分の思い通りにならないものに対する諦め方を、博己は学んでこなかった。
妥協など有り得ない。
けれど、どう厳しく躾ても、神崎薫は博己の理想の番には成り得ない。
抱けば抱くほどに、薫に失望していき、虚無感だけが膨らんでいく。
そうして、ただ闇雲に薫に鞭を振り下ろし、淫乱なオメガたらしめて、やはり薫は理想とは違うと自らに言い聞かせて、薫への執着を絶ち切ろうと足掻いていた。
けれど、足掻けば足掻くほどに、薫への固執は凝固なものになっていく。
きっと、博己の歩む道の先には、博己が望むような理想的なオメガの雌が現れるはずである。
けれど、それが薫でないことが、博己を酷く掻き乱した。
ベータに成りたいわけではない。
けれど、ベータであれば、隼人のように、あるがままの薫を受け入れることができただろうか。
他の男に股を開いた穢らわしいオメガを愛せただろうか。
他の男と番になった大罪人を許せただろうか。
誰のことを想っているかもわからない薫に傅いて、愛してくれと懇願できただろうか。
そんなものは、結城博己ではない。
そう仕向けておきながら、隼人のペニスをしゃぶる薫に、博己はただただ深い憎しみを募らせて、薫の子宮を突き破るように腰を打ち付けた。
吐き気がするほどの濃厚な甘ったるいフェロモンが沸き上がり、薫の身体は汗と愛液にドロドロに蕩けて、快楽にだらしなく喘ぐ家畜に成り下がっていた。
博己は、登り詰めるように、腰を激しく打ち付ける。
「……ッ」
隼人のぺニスは薫の喉の肉に擦れて、堪らず射精した。抜きかけたぺニスから放たれた精液は、薫の口内と頬を、淫らに汚した。
顔を白濁とした粘液にまみれさせながら、薫は喘いだ。
「あ、あ、あ、い、イク……イクーーッ……」
薫は苦悶に顔を歪めながらも、背中を仰け反らせて、ぺニスから潮を吹き上げ、雌の絶頂に達した。
熱く蕩けた膣内が痙攣し、精液を搾り取るように博己のペニスを締め上げた。
博己は薫の膣内に射精しながら、また一つ虚無感を募らせたのだった。
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