白い子猫と騎士の話

金本丑寅

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白い子猫と騎士と黒い猫の話

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あの後王様になったシュウが5番に一発芸をさせるというベタな命令を下し、レンがスベって皆は語尾ににゃんを付けて話す事から解放された。

それにしても可愛い女の子がにゃんにゃん言っているのを見ると癒されるな。

ヘルの照れないで言っていたのも可愛かったが、ユイとシュウが照れて頬を薄紅いろに染めながら言っていたのが非常に印象に残ったな。

カメラが有ったら動画にして残しておきたかった位だ。

「じゃあ次やるぞ、割りばしを引いて」

俺の番号は…2番か。

まだ俺は1回も王様になることは出来ていない。

今回王様になったのはユイだ。

「えっと、じゃあ2番さんが5番さんを膝枕してください」

なん…だと、ユイはへたしたらこの命令が男同士でなる可能性を分かっているのか…ハッ!もしかしてユイの目的はそれなのか。

「ユイ、お前がそっち側の人間とは知らなかったよ」

「何言ってるの?お兄ちゃん」

レンは俺の顔をみて俺の考えが分かったのだろう、遠回しに腐ってるのかを聞いたが本人は首を傾げて何を言っているのか分からないと言っている様に見える。

「それはだな…ボソボソ」

レンが小さくユイに何かを話すとユイの顔は一瞬で赤くなった。

「違うから!決してそういう意味で言ったんじゃないからね!」

「まぁ王様ゲームだと定番だから言ってみたみたいな所も有るんだろうけど、ちゃんと気をつけて言わないと勘違いされちゃうからな」

「うう~」

「まぁまぁ、それで?6番は私なんだけど2番は誰?」

「あ、それ俺だ、ってことは俺がヘルに膝枕をするって事だよな」

俺がそう言うとヘルは顔を赤くして俺の方を見ている。

「うん…そうみたいだね」

ヘルは俺に返事をするが跡になるにつれて音量が小さくなっていく。 

照れくさいのは俺も一緒だからな、早く済ましてしまおう。

「ほら、早くこっちこい」

俺はあぐらをかいて膝をポンポンと叩く。

「う、うん」

ヘルは俺の方に来る。

「じゃあ、よろしくお願いします」

そして何故かかしこまった態度で挨拶をしてきた。

「お、おう」

ポスッとヘルの頭が俺の膝に乗っかる。

やっぱり普段こんなことをしないから照れてしまう…そしてヘルはさっきも赤かったヘルの顔がみるみると赤くなっていく。

(ん?)

ヘルの目線を追うとソコには俺たちを見ながらニヤニヤと笑みを浮かべているユウとレンが居た。

そしてこの命令を出したユイはキャー!と言いながら顔を赤くして見ていた。

シフォンは、シフォンはレンの方をチラチラと見てから何かを決心した様な顔をしている…大方俺たちのを見てレンに膝枕をさせてもらおうと考えたんだと思う。

シュウは何故か俺の方と自分の割りばしを見てため息をついていた。

まぁユウとレンは後でぼこぼこにすると今決めたぞ。

「ほら、もういいだろ」

そう言った時に一瞬「えっ…」という声が聞こえた。

がさすがに俺も恥ずかしいので切り上げさせて貰う。

「じゃあ次、始めようか」

「ああ、でも王様ゲームはこれで終わりにしようぜ」

俺の表情を見て俺が王様になったらヤバいと思ったのだろう、これで最後にしようと言ってきた…が甘い。

今回ははっきり言ってズルをして確実に王様になり、あの2人をぼこぼこにする。

一旦シャッフルをするからと言って割りばしを受け取り、番号を確認する。

この時に少し工夫をしてからゲームを開始する。

「じゃあ引くぞ、皆も引いてくれ」

最初に当たり棒を引いてから皆にどんどん引かせていく。

今回俺がした工夫は簡単、棒に魔力で印を付けただけだ。

このメンバーでただの魔力を視ることが出来るのは俺だけ、そして印を1つずつ変えているので番号も分かるようにしている。

という訳で俺は確実に王様になれて、かつあの二人の番号が確実に分かるという訳だ。

さぁ、絶望を味わうがいい


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