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第29話 勇者、学業に励む

〜9〜

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 二重の扉を開けて入ると、中は真っ白な空間が広がっていた。
 一歩踏み出すのに躊躇したのは、余りに部屋が無機質で白い無の中に真っ逆さまに落ちてしまうのかと不安になったからだ。しかし、足の裏に床の感触があって、安心して中に入る。
 部屋の真ん中に理事が座っていたのと同じ石造りの固そうな椅子があり、そこに女の子が1人寝転んでいた。
 腰まで届く真っ白な長い髪をしていて、白くて薄いワンピース1枚を着ている。透き通るように肌の白い足をぶらぶらと暇そうに揺らしている。

「……リリーナ?」

 俺が思わず呼びかけると、女の子が俺を見た。雰囲気や恰好だけでなく顔だちもリリーナに良く似ている。しかし、リリーナは水色の瞳をしているのに、その子は薄い紫色の瞳をしていた。
 それで、この子が学園長で、リリーナとは別人だと気付く。

「はじめまして」

 寝転んだままそう言われて、はじめまして、と俺は慎重に返事をした。
 素っ気ない話し方だったが、ヴィルドルク語で、俺が一番慣れているプリスタスの辺りの訛りだった。
 アムジュネマニスの学園長が、ヴィルドルク出身のはずがない。俺の警戒を解くために、敢えてその言葉を選んだのだろうとすぐに分かった。
 遠くでドアが閉まる音がした。
 俺が入って来たドアは真後ろにあったはずなのに、遥か遠くの頭上で聞こえて来る。どうやら資料館の一室というのは入口の1つで、この空間は通常の次元から隔離された魔術空間らしい。逃げ場はないと腹をくくる。

「面接は、どうしたらいいんだ?」

「……」

 学園長がわずかに手を動かすと、膝の後ろに椅子の感触があった。そのまま腰掛けると俺の身長にぴったりの椅子が現れていた。
 それを確認している間に、離れていた学園長が手を伸ばせば届きそうな距離に来ていた。空間を捻じ曲げて俺を近付けたらしい。

「学園長と、呼べばいいか?」

「いい」

 その返事は、呼ぶのを許可したのか、「そんなことどうでもいい」の「いい」なのか。平坦な話し方で判断がつかなくて、思わず俺が黙ると部屋は静かになった。
 しかし、俺は面接に呼ばれた立場だ。
 この世界で面接官になった経験が2回あるが、面接官の方から話を進めていかなくてはならない。
 どうやら殺される心配もなさそうだし、聞かれた事にだけ答えようと俺は黙っていた。
 随分幼い女の子だし、理事長の親戚とかそういうオチかもしれない。猫の駅長みたいなマスコット的存在なら、適当に時間を潰していれば面接も合格にならないだろうか。
 そんな事を考えていると、紫の瞳が俺を捕らえた。

「正確には、学園長ではない」

「そうなのか?」

「歴史の遺物のようなもの」

「歴史の遺物……」

「そして、この世界の全て」

 なんだか、雲行きが怪しくなって来た。
 この面接を早く終わらせるにはどう答えるのが正解だろうか。結果は追っての連絡でいいから、もう切り上げてほしい。
 しかし、学園長、または歴史の遺物、または世界の全てである少女は話を続ける。

「砂漠の一、海の一滴、幼子の吐息、晩年の一瞬、道の足跡、空の雷雲、日差しの反射、野山の獣、本の紙魚、早朝の霜、夕闇の霧、ランプの煤、インクの掠れ、蝋の欠片、風の軋み、そういったもの、全てがわたし」

 学園長は、そのあだ名で呼ぶのが相応しいのかも不明だが、手を伸ばして俺の髪をぷちんと一本抜いた。指に絡ませた髪をじっと見つめながら、色の無い唇で言葉を紡ぐ。

「人はそれを、神と呼ぶ」

 俺はそれを、電波と呼ぶ。
 まさか、頭のおかしい女の子の相手をすることになるとは。
 殺された方がマシとまでは言わないが、剣が必要になる事態になった方がやりやすかった。
 ポテコが助けに来てくれないかと背後を窺ったが、入って来たドアは消えてただ真っ白な空間が広がっていた。

「白銀種の血が混ざってる」

 俺が逃げ出そうとしているのに、学園長は俺の髪に唇を這わせながら平坦に呟いた。
 獣人の血は強く出るから人間と獣人のハーフは子供に奇形が出る。二世代前なら少し血が弱まるが、それでも体のどこか見える所に異常が出るはずだ。
 だからそんなはずはないと思ったが、それを見透かしたように学園長は言葉を続ける。

「七代前」

「七代前……」

 それは300年くらい前の事になる。普通の家だってそこまで遡るのは難しいだろう。俺は一代前だってわからないのに。
 誰にもわからない事だから、学園長は不思議ちゃんを気取って適当な事を言っているのかもしれない。俺は相手にするのが馬鹿らしくなってきた。

「色付きなのが嫌だったのかもな」

「そう。屋敷を売ったお金で子種を貰ったの」

 俺が投げやりに言ったことを、学園長があっさり肯定する。自分で言っておきながら俺はすごく嫌な気分になった。

「一世代前はノティアスにいる。南方の山を統治している屋敷の主人と使用人。使用人が、色で父親がわかるから殺してくれと教会に依頼した。2人とも、今もその屋敷にいる」

 学園長がスラスラと話し出した。
 しかし、既に俺は知っていた話だ。孤児院のシスターからは、商人が荷物を積み込むのに邪魔だから置いて行ったと聞いていたが、それはシスターの考えた嘘。
 孤児院でクラウィスの事を調べた時に、俺の事も記録してあるのを見てしまい、隠し事をするならもっと見つからないところにしまっておけと思ったものだ。
 多分親に死ぬことを望まれた子供だと知ったら俺が傷付くから、適当な嘘を吐いたのだろう。

「その前の親のことも知ってる」

「前の親……?そうか、俺がイナムだって、理事から教えてもらったのか」

 昨日、俺の記憶は理事に全て読み取られたから、俺の親のこともイナムだということも、既に理事たちは知っている。それを学園長が聞いていてもおかしくない。
 学園長は俺の頭に手を伸ばして、抜いた髪を魔法で戻した。そして、何かを探すように俺の瞳を覗き込む。

「ビー玉じゃなくて、瓶が欲しかったんでしよう」

「……」

 何の話だと思った。
 また適当な嘘を言うのか。
 と、学園長の手を振り払おうとしたのに、突然遥か昔の夏祭りの風景が頭に広がった。
 あの日、瓶入りラムネを買ってもらって、邪魔なビー玉が取れると聞いて職員に渡したら、止める間も無く割られて、仕方ないから礼を言ってビー玉を受け取った時だ。
 今となっては笑い話にもならない些細な思い出だ。でも、もし俺に家族がいたら同じように瓶を大切にしてくれるんじゃないかと思って泣いたのが初めて寂しいと思った記憶だった。


 +++++


 あまり楽しいとは言えない記憶を思い出してしばらく放心している間に、学園長はいつの間にかホールケーキを食べ始めていた。俺と学園長の真ん中に浮いた巨大な丸いショートケーキを食べつつ、同じくらい巨大なチョコケーキを隣に出現させる。

「前まで、この世界は柱で支えられていたの。当然知ってるでしょ?」

 俺が正気に戻ったタイミングで、学園長が話し始めた。
 前まで、と数日前の事のように言うが、それは昔話や神話に出て来る設定だ。
 俺が黙って聞いていると、学園長はフォークで大きくショートケーキを掬って食べながら話を続ける。丸のまま適当な所からフォークで抉られているケーキは、辛うじて丸い形を保っているが潰れそうになっていた。

「でも、柱が無くなって、支えられなくなった。だから、別の世界を入れて世界を支えている」

 学園長は前にあるチョコケーキの真ん中をフォークで抉って、ショートケーキの穴に押し込む。不格好で色も違うが、ショートケーキは一応丸い形を持ち直す。
 つまり、最初は柱で支える武道館方式だったが、今は柱が無いから中身を膨らませて東京ドーム方式で支えているということか。何ともわかりやすい。

「あたしの役目は、流民の棺から世界を連れて来るのこと」

 学園長はチョコケーキを指してそう言った。そして、すごいでしょ、と言って胸を張る。学園長は見た目だけでなく、話し方もリリーナに似てきていた。
 しかし、それはさっきプリスタスの訛りで話したのと同じで、素を出しているのではなく俺の警戒心を解こうとしているだけだ。
 そうわかっているものの、この異常な空間に2人きりにされたこともあり、有難く騙された俺は学園長と会話をする気になっていた。

 学園長は俺の前世の世界のことを「流民の棺」と呼んでいるらしい。一緒に食べると美味しい事に気付いたのか、学園長はチョコケーキを無造作にフォークで掬って食べていた。だからチョコケーキはぐちゃぐちゃに崩れている。
 この別世界を少しでも敬う気持ちがあるのなら、多分、棺なんて呼び方をしないだろう。

「その連れて来られた世界っていうのが、俺みたいに前世の記憶を持ったイナムか」

「そうよ。流民の棺での記憶、保持されている知識、現在と混成された人格。肉体以外の全てが世界。イナムと呼んでも障りはないわ」

「選ばれる世界っていうのは基準は?何で俺を?」

「適当に選んでるだけよ。でも、連れて来やすいように区切りのいいのを」

 区切りのいいとは、つまり、死んだ時か。1人の人間の一生は当人からしてみるとまさに世界そのものだが、少し広い視点で見ると点線が入って切り取りやすい一部分にしか見えないのだろう。
 学園長が手を止めずに食べているのを見て、俺も少しお腹が空いて来た。
 そんな事を考えると丁度学園長がフォークを差し出してくれる。有難く受け取って、俺はチョコケーキを食べることにした。俺が突くと、丸い形をギリギリで保っていたチョコケーキはぐしゃりと潰れてしまう。

「こっちの世界……流民の棺か?これが代わりにボロボロになってるけど、大丈夫か?」

「それは、あたしに関係ないでしょ」

 学園長があっさりと言い切る。
 あんまりな言い草だが、俺も自分が生きている世界とは別の世界がどうなろうとどうでもいいかもしれない。自分の世界が滅ぶかどうかという時に、別の世界の運命など考えないのが普通だ。 

「ないの」

 甘すぎて喉が焼けそうと考えた時に、ちょうど学園長が珈琲を渡してくれる。
 学園長が自分が「世界の全て」と言っていた意味が少しわかった。もし、学園長が柱が世界を支えていた時期、恐らく数万年前から生き続けているとしたら、この世界の全てに自分の魔法の痕跡が行き渡っている。
 海にカップ一杯の珈琲を混ぜても珈琲味にはならないが、その分子は行き渡る。この世界で生まれた俺の体にも学園長の魔法の痕跡が混ざっていて、俺の思考は魔術で読まなくても流れ込んで来るように分かるのだろう。
 しかし、俺は学園長の思考は読めないから、突然尋ねられても何が「ない」のかわからない。
 俺が黙っていると、学園長は俺が理解できていない事に気付いて先程よりも少し噛み砕いて話し出した。

「あたしたちが他の種族と協力すれば、柱の崩壊は止められたわ。でも、あたしたちはそうしなかった。低俗な種族に力を乞うなんて絶対嫌だったから」

「低俗な種族?」

「魔獣の祖。それと、流民の子たち。絶滅しちゃったけど」

 それを聞いて、勇者が仕事として魔獣を討伐している理由が少し分かった気がした。単純に、崇高な我ら種族が統治している世界に、低俗な種族がいるのが嫌だからだ。

「あたしたちの選択によって無関係な世界を呼ぶことになったでしょ。だからもし、流民の棺の一員としてあたしの役目に文句があるなら、聞こうと思っていたの」

 本当に柱があった時代から学園長が生きていて、世界を守るためとはいえ同じ事を繰り返しているとしたら、やっている方はうんざりしているはずだ。
 俺は学園長の紫色の瞳を覗いたが、まばたき1つしない瞳からは肯定も否定も読み取れなかった。話し方はリリーナに似せていたが、表情は似せる気がないらしい。

「もし、あたしを殺してこの世界の崩壊を望むなら、それもこの世界の行く末の1つかと思う」

「そうか」

「それで、あたしに何か言いたい事は」

 俺は少し考えた。勝手にこの世界に連れて来やがって、と怒っていい場面なのか。
 しかし、俺の死因に学園長は関係ない。仕事をし過ぎて体調管理のなっていない人間が過労死しただけの、よくある話。
 そちらの事情は色々あるようだが、自業自得で勝手に死んだ人間を連れて来て新しい人生を歩ませてくれている。感謝こそすれ恨んだりはできない。

「……ないな」

「ないんでしょ」

 学園長に言われて、俺は少し悔しくなった。流されるままに生きていたとはいえ、俺は前世の記憶があるイナムだ。今はイナムを代表して黒幕と対峙している。何か言っておくことはないのか、と知恵を絞る。

「それなら……流民の棺に戻る方法は?」

「好きにすれば?あんたが戻ったら、別の世界を呼ぶだけよ」

 学園長は、全く興味が無さそうに言って戻る方法については触れなかった。
 まぁそうだよな、と思う。俺が知っているだけでエルカとカナタとリュリスと、俺も含めてイナムが4人もいるんだから、きっと今までも何千何万人をイナムとしてこちらの世界に呼び寄せたはずだ。呼んだ奴が元の世界に帰りたいと望んでも、1人くらい帰ったとしても、正直どうでもいいというのが本心だろう。

「それなら、この世界でのイナムの役割は?」

「ない」

「でも、せっかく前世の記憶やら知識があるんだ。この世界を発展させることだってできるかもしれない」

「ないわ。何も期待してないもの。いるだけでいい。もし死んだら、また呼ぶだけだし」

 流民の棺では老衰でも事故でも、年中人が死んでいる。区切りのいい世界はいくらでも見つかるだろう。だから、全然替えの効く存在で生きていることに特に意味はない。
 それじゃあ、エルカが前世に帰ろうとしたことも、リュリスが殺されたことも、この世界では何の意味もなかったのか。
 俺は完全に食欲が無くなって、フォークを皿に置いた。
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