59 / 244
第11話 勇者、忘れたものを思い出す
〜2〜
しおりを挟む
勇者養成校は、首都アウビリスの端の魔獣が多く生息する森を塞ぐように、細長く敷地を広げている。
中心には、授業が行われる教室や教官の部屋が入っている巨大な石造りの古城が建っている。
歴史がある城だと聞いてるが、真ん中に切れ目を入れて真っ二つにして、少しずらして空けた隙間に半透明の巨大な積み木をデタラメに積み重ねたような、現代アートのような形をしている。馬車から覗くと変わらずにその奇妙な形で佇んでいた。
広い森の真ん中にあるからどこまでが学校の敷地なのか判別できないが、森の中で魔獣を倒す訓練をしたり、罰として山を何周かさせられたりするから、広大な森と山が全て養成校の敷地のように使われている。
俺とニーアを養成校の前に下した馬車は、生徒に絡まれては堪らないとでも言うように素早く森の道を引き返して行った。
「すごい……!本物だ!」
俺にとっては大した思い出も無く、懐かしくも無い校舎。
しかし、一般人のニーアは森を抜けて養成校の前に来るのは当然初めてで、校舎を見上げて歓声を上げながら飛び跳ねていた。
「勇者様、顔色悪いですよ!せっかく来たのに!!馬車酔いですか?」
苦手な上司を称える話をずっと聞かされていれば顔色も悪くなるものだ。しかし、テンションマックスのニーアに言っても伝わらないだろうから、俺は黙って首を横に振った。
早くライセンス証を取って来ようと、森の湿った地面から城に続く白い石畳の道に進む。
真っ二つに分かれた城から広がる建物の、右の方に生徒の寮室がある。オグオンの話だと、俺が使っていた部屋に制服もライセンス証もそのまま置かれているらしい。
当然ニーアも付いて来ると思ったのに、ニーアは石畳の前で足を止めて俺に手を振った。
「では、ニーアは、ここで待ってます!勇者様!戻って来る時は、中で出来るだけ大きく息を吸って止めたまま出て来てください」
「そんな気持ち悪い事をしなくても、ニーアも入ればいいだろ」
思わず日頃ニーアに抱いている本音が漏れてしまったが、そんなことは意に介さず、ニーアは必死な表情で俺のマントの胸倉を掴んだ。
「え……?に、ニーアも、入って良いんですか?!」
「勇者の仲間なんだから部外者じゃないし、大丈夫だ」
「……う…………嘘ぉ……!」
感激の余り地面に膝を付きそうになっているニーアを、俺は寸前で支えた。
卒業生の勇者が学校の前で女の子を地面に跪かせているのを見られたら、日々の勉強に飽きている生徒達の恰好の話のネタになってしまう。
ニーアは俺に縋るようにして立ったかと思うと、今度は俺の首に抱き着いてきた。これはこれで、噂になりそうだ。
「ニーア、初めて勇者様の仲間になって良かったって思いました……!」
「初めてか」
「あ、いえ。アウビリス様とエイリアス様と会った時にも思いました!」
ありがとうございます!と俺の首に抱き着いてぴょんぴょん跳ねているニーアに悪い気はしない。
しかし、誰かに見られる前にニーアの腕を外して養成校の中に進んだ。
+++++
城の中庭に面した幅の広い廊下は、アーチ状の大きな窓から日差しが差し込んでいる。外から微かに声が聞こえて来るから、生徒たちは剣の鍛錬でもしているのだろう。
「この廊下、どこに続いてるんですか?教室は?」
「教室は授業がある時に魔術で開く。受講する生徒以外は入れない」
「えー……残念……授業やってるところ、見たかったです」
「道が勝手に変わるから、1人で行くと迷うぞ」
周りを見回しながら歩いているニーアが離れて行かないように、俺は腕を掴んで引き寄せた。
長い一本道の廊下を歩いていても、振り返ると背後は壁になっていて曲がり角に続いていたりする。
道が度々変わるのは侵入者を防ぐ目的もあるが、その程度で迷子になる奴は教える価値もないと魔術師の教官が言いだしたから、とも聞いている。
「勇者様って、授業がない時は何してたんですか?」
ニーアに聞かれて答えようとしたが、歩いていた廊下の先が突然十字路に変わり、角から女の子が姿を現した。
俺の顔を見ると首を傾げるだけのお辞儀をして、新緑のような薄いグリーンの髪が縁の無い眼鏡にかかる。
「どーも、風見鶏先輩」
「ああ、ポテコか」
俺と一緒に入学して、俺が先に卒業したから後輩になった、この眼光が鋭い奴の事は覚えている。魔術の試験で1回負けた屈辱的な記憶があるからだ。
俺が養成校にいた時のいつもの呼び方で呼ぶと、分厚い眼鏡の奥の瞳を細めて俺を睨んできた。
「まーたその呼び方。こっちの人はすぐ略す」
ニーアは、俺の横で控えながらも、勇者養成校の制服を着たポテコを興味津々に見つめている。俺が促すと、緊張で少し表情を硬くしながらポテコの前に出た。
「は、はじめまして。ホーリアの魔法剣士のニーアです」
「そ。ポドゥティティユ・ルリシャコルディーリです」
「ポ、ポデ……ポヅテテ……」
「ポテコでいいし。今日は、オグオン教官から、風見鶏先輩の見張りという名の案内を任せられました。どーぞよろしく」
「よ、よろしくお願いします……風見鶏先輩って……何ですか?」
ニーアに尋ねられて、天気を当てるのが得意だったからとか俺は適当な言い訳をしようとした。しかし、ポテコがそれを遮って勝手に説明を始めてしまう。
「賭けで儲けまくってたから」
「賭け?」
「戦争の勝敗とか被害数を当てるヤツ。負け無しだったから、戦火の風見鶏ってあだ名」
「へぇ……」
戦争で遊んでいたのか、とニーアが俺を冷ややかな目で見て来た。
ポテコも本当に酷い話だとでもいうように頷いていたが、こいつも賭けに一枚噛んでいる。
養成校の中で金銭を対象にした賭け事は禁止されているが、戦況を判断することも重要な訓練ということで、玩具の銅コインを使って賭けを行っている。
ポテコのようなアムジュネマニス出身の生徒は、何故かその銅コインを買い取ってくれる。
ただの玩具のコインを買い取ってくれるなんて妙な話だが、偶然にも必要としている人がいるのだから、求めている人に渡った方がいい。賭けをする生徒は皆、せっかくだから買い取ってもらっている。
簡単に言えば、換金所だ。
「先輩、今度は予想屋でもやったら?」
「それはいい商売になりそうだな」
「荒稼ぎした先輩がいるって生徒の間で伝説になってるから。教師からも、先輩が来たら呼ぶように言われてるし」
ポテコがそう言った時、廊下の壁の一部が揺らいでフードを被った小柄で枯れ木のように細い老人が壁から出て来た。
名前は覚えていないが、確か黒魔術の教官だ。一度本気で怒らせて、縦だか横だかわからないような分厚い魔術書で殴られた事がある。
教官は、棒きれに似た姿には不釣り合いな鋭い眼光をフードの影から覗かせていた。
「……校内で現金を用いた賭けは禁止している。ホーリア、反省文200枚」
そんな事を言われても、俺はもう教官の教え子ではなく、正式な勇者だ。
首席卒業のこの俺に反省文を書かせようとは。一介の教官が偉くなったものだと、俺は鼻で笑ってみせた。
「……遡って退学にするぞ」
教官が隙間風のような擦れ声で恐ろしい事を言いながら手を掲げると、骨と皮の細腕では持ち上げることも不可能そうな分厚い魔術書が空中に出現する。
すぐに提出します、と俺は姿勢を正して答えた。何て無駄な宿題なんだ。
中心には、授業が行われる教室や教官の部屋が入っている巨大な石造りの古城が建っている。
歴史がある城だと聞いてるが、真ん中に切れ目を入れて真っ二つにして、少しずらして空けた隙間に半透明の巨大な積み木をデタラメに積み重ねたような、現代アートのような形をしている。馬車から覗くと変わらずにその奇妙な形で佇んでいた。
広い森の真ん中にあるからどこまでが学校の敷地なのか判別できないが、森の中で魔獣を倒す訓練をしたり、罰として山を何周かさせられたりするから、広大な森と山が全て養成校の敷地のように使われている。
俺とニーアを養成校の前に下した馬車は、生徒に絡まれては堪らないとでも言うように素早く森の道を引き返して行った。
「すごい……!本物だ!」
俺にとっては大した思い出も無く、懐かしくも無い校舎。
しかし、一般人のニーアは森を抜けて養成校の前に来るのは当然初めてで、校舎を見上げて歓声を上げながら飛び跳ねていた。
「勇者様、顔色悪いですよ!せっかく来たのに!!馬車酔いですか?」
苦手な上司を称える話をずっと聞かされていれば顔色も悪くなるものだ。しかし、テンションマックスのニーアに言っても伝わらないだろうから、俺は黙って首を横に振った。
早くライセンス証を取って来ようと、森の湿った地面から城に続く白い石畳の道に進む。
真っ二つに分かれた城から広がる建物の、右の方に生徒の寮室がある。オグオンの話だと、俺が使っていた部屋に制服もライセンス証もそのまま置かれているらしい。
当然ニーアも付いて来ると思ったのに、ニーアは石畳の前で足を止めて俺に手を振った。
「では、ニーアは、ここで待ってます!勇者様!戻って来る時は、中で出来るだけ大きく息を吸って止めたまま出て来てください」
「そんな気持ち悪い事をしなくても、ニーアも入ればいいだろ」
思わず日頃ニーアに抱いている本音が漏れてしまったが、そんなことは意に介さず、ニーアは必死な表情で俺のマントの胸倉を掴んだ。
「え……?に、ニーアも、入って良いんですか?!」
「勇者の仲間なんだから部外者じゃないし、大丈夫だ」
「……う…………嘘ぉ……!」
感激の余り地面に膝を付きそうになっているニーアを、俺は寸前で支えた。
卒業生の勇者が学校の前で女の子を地面に跪かせているのを見られたら、日々の勉強に飽きている生徒達の恰好の話のネタになってしまう。
ニーアは俺に縋るようにして立ったかと思うと、今度は俺の首に抱き着いてきた。これはこれで、噂になりそうだ。
「ニーア、初めて勇者様の仲間になって良かったって思いました……!」
「初めてか」
「あ、いえ。アウビリス様とエイリアス様と会った時にも思いました!」
ありがとうございます!と俺の首に抱き着いてぴょんぴょん跳ねているニーアに悪い気はしない。
しかし、誰かに見られる前にニーアの腕を外して養成校の中に進んだ。
+++++
城の中庭に面した幅の広い廊下は、アーチ状の大きな窓から日差しが差し込んでいる。外から微かに声が聞こえて来るから、生徒たちは剣の鍛錬でもしているのだろう。
「この廊下、どこに続いてるんですか?教室は?」
「教室は授業がある時に魔術で開く。受講する生徒以外は入れない」
「えー……残念……授業やってるところ、見たかったです」
「道が勝手に変わるから、1人で行くと迷うぞ」
周りを見回しながら歩いているニーアが離れて行かないように、俺は腕を掴んで引き寄せた。
長い一本道の廊下を歩いていても、振り返ると背後は壁になっていて曲がり角に続いていたりする。
道が度々変わるのは侵入者を防ぐ目的もあるが、その程度で迷子になる奴は教える価値もないと魔術師の教官が言いだしたから、とも聞いている。
「勇者様って、授業がない時は何してたんですか?」
ニーアに聞かれて答えようとしたが、歩いていた廊下の先が突然十字路に変わり、角から女の子が姿を現した。
俺の顔を見ると首を傾げるだけのお辞儀をして、新緑のような薄いグリーンの髪が縁の無い眼鏡にかかる。
「どーも、風見鶏先輩」
「ああ、ポテコか」
俺と一緒に入学して、俺が先に卒業したから後輩になった、この眼光が鋭い奴の事は覚えている。魔術の試験で1回負けた屈辱的な記憶があるからだ。
俺が養成校にいた時のいつもの呼び方で呼ぶと、分厚い眼鏡の奥の瞳を細めて俺を睨んできた。
「まーたその呼び方。こっちの人はすぐ略す」
ニーアは、俺の横で控えながらも、勇者養成校の制服を着たポテコを興味津々に見つめている。俺が促すと、緊張で少し表情を硬くしながらポテコの前に出た。
「は、はじめまして。ホーリアの魔法剣士のニーアです」
「そ。ポドゥティティユ・ルリシャコルディーリです」
「ポ、ポデ……ポヅテテ……」
「ポテコでいいし。今日は、オグオン教官から、風見鶏先輩の見張りという名の案内を任せられました。どーぞよろしく」
「よ、よろしくお願いします……風見鶏先輩って……何ですか?」
ニーアに尋ねられて、天気を当てるのが得意だったからとか俺は適当な言い訳をしようとした。しかし、ポテコがそれを遮って勝手に説明を始めてしまう。
「賭けで儲けまくってたから」
「賭け?」
「戦争の勝敗とか被害数を当てるヤツ。負け無しだったから、戦火の風見鶏ってあだ名」
「へぇ……」
戦争で遊んでいたのか、とニーアが俺を冷ややかな目で見て来た。
ポテコも本当に酷い話だとでもいうように頷いていたが、こいつも賭けに一枚噛んでいる。
養成校の中で金銭を対象にした賭け事は禁止されているが、戦況を判断することも重要な訓練ということで、玩具の銅コインを使って賭けを行っている。
ポテコのようなアムジュネマニス出身の生徒は、何故かその銅コインを買い取ってくれる。
ただの玩具のコインを買い取ってくれるなんて妙な話だが、偶然にも必要としている人がいるのだから、求めている人に渡った方がいい。賭けをする生徒は皆、せっかくだから買い取ってもらっている。
簡単に言えば、換金所だ。
「先輩、今度は予想屋でもやったら?」
「それはいい商売になりそうだな」
「荒稼ぎした先輩がいるって生徒の間で伝説になってるから。教師からも、先輩が来たら呼ぶように言われてるし」
ポテコがそう言った時、廊下の壁の一部が揺らいでフードを被った小柄で枯れ木のように細い老人が壁から出て来た。
名前は覚えていないが、確か黒魔術の教官だ。一度本気で怒らせて、縦だか横だかわからないような分厚い魔術書で殴られた事がある。
教官は、棒きれに似た姿には不釣り合いな鋭い眼光をフードの影から覗かせていた。
「……校内で現金を用いた賭けは禁止している。ホーリア、反省文200枚」
そんな事を言われても、俺はもう教官の教え子ではなく、正式な勇者だ。
首席卒業のこの俺に反省文を書かせようとは。一介の教官が偉くなったものだと、俺は鼻で笑ってみせた。
「……遡って退学にするぞ」
教官が隙間風のような擦れ声で恐ろしい事を言いながら手を掲げると、骨と皮の細腕では持ち上げることも不可能そうな分厚い魔術書が空中に出現する。
すぐに提出します、と俺は姿勢を正して答えた。何て無駄な宿題なんだ。
0
お気に入りに追加
142
あなたにおすすめの小説
引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?
リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。
誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生!
まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か!
──なんて思っていたのも今は昔。
40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。
このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。
その子が俺のことを「パパ」と呼んで!?
ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。
頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな!
これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。
その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか?
そして本当に勇者の子供なのだろうか?
バスで帰ってきたさ!車の中で見つめ合う夫と浮気相手の姿を見て、私は同じように刺激を与えましょう。
白崎アイド
大衆娯楽
娘と20時頃帰宅した私は、ふと家の100mほど手前に車がとまっていることに気がつく。
その中に乗っていた男はなんと、私の夫だった。
驚きつつも冷静にお弁当を食べていると、夫が上機嫌で帰宅して・・・
DNAの改修者
kujibiki
ファンタジー
転生させられた世界は、男性が少なく、ほとんどの女性は男性と触れ合ったことも無い者ばかり…。
子孫は体外受精でしか残せない世界でした。
人として楽しく暮らせれば良かっただけなのに、女性を助ける使命?を与えられることになった“俺”の新たな日常が始まる。(使命は当分始まらないけれど…)
他サイトから急遽移すことになりました。後半R18になりそうなので、その時になれば前もってお知らせいたします。
※日常系でとってもスローな展開となります。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
Bグループの少年
櫻井春輝
青春
クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる