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正真正銘由緒正しい妖狐です
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「誘拐って、だれに?」
「オバケ軍団にですよ」
えっ、なに、それ? オバケ?!
オバケってひとりでもじゅうぶん怖いのに、それが軍団?
「正確には、オバケ第一師団特殊部隊。オバケ界きっての精鋭チームです」
特殊部隊の精鋭チームって、怖すぎるじゃないか。オバケが退散するおまじないって、なんかあったっけ。そうだ!
「ちちんぷいぷい、オバケ、オバケ、どっかに飛んで行け!」
「それを言うんなら『ちちんぷいぷい、痛いの、痛いの、飛んで行け』じゃないですかね」キツネは呆れ顔だ。
「それで、オバケ、どっか行く?」
「行くわけがありません。ちょっと、黙って、わたしの話、聞いてくれますか。クウクウクマの案件が解決したら、わたしも消えます。いいですね?」
「オバケも消える?」
「消えるかどうかはわかりませんが、どっかには行きますよ。だから、わたしの話が一通りすむまでは黙っていてください」
「はい」
「今夜、星太くんが眠れなくなったのは、オバケ軍団にクウクウクマが誘拐されたからです。このまま眠れないと、きみは妖怪ネムレナイトになってしまうのですよ」
「やだ」
「やだもなにもありません。クウクウクマを誘拐されたきみが悪いのです。それに、わたしはきみを妖怪ネムレナイトに変えにきたのではありません。きみが眠れないから現れただけです。だから、いくら、わたしに『やだ』と駄々をこねても無駄です」
「眠れないとなる妖怪がネムレナイトって、そのまんまだね」
パッチリコンコンキツネとおんなじで、あんまり怖くなさそうだ。やっぱり着ぐるみっぽいのかな。なおさら、やだな。どうしても妖怪にならなくちゃいけないのなら、かっこよくて怖いのがいい。一目見るなり、気絶しちゃうような。
「そんな呑気なことを考えるのは、ネムレナイトを知らないからですよ。妖怪ネムレナイトは、血走った赤い目の恐ろしい妖怪です。しかし、この妖怪の真の恐ろしさは、他にあるのですよ」
「オバケ軍団にですよ」
えっ、なに、それ? オバケ?!
オバケってひとりでもじゅうぶん怖いのに、それが軍団?
「正確には、オバケ第一師団特殊部隊。オバケ界きっての精鋭チームです」
特殊部隊の精鋭チームって、怖すぎるじゃないか。オバケが退散するおまじないって、なんかあったっけ。そうだ!
「ちちんぷいぷい、オバケ、オバケ、どっかに飛んで行け!」
「それを言うんなら『ちちんぷいぷい、痛いの、痛いの、飛んで行け』じゃないですかね」キツネは呆れ顔だ。
「それで、オバケ、どっか行く?」
「行くわけがありません。ちょっと、黙って、わたしの話、聞いてくれますか。クウクウクマの案件が解決したら、わたしも消えます。いいですね?」
「オバケも消える?」
「消えるかどうかはわかりませんが、どっかには行きますよ。だから、わたしの話が一通りすむまでは黙っていてください」
「はい」
「今夜、星太くんが眠れなくなったのは、オバケ軍団にクウクウクマが誘拐されたからです。このまま眠れないと、きみは妖怪ネムレナイトになってしまうのですよ」
「やだ」
「やだもなにもありません。クウクウクマを誘拐されたきみが悪いのです。それに、わたしはきみを妖怪ネムレナイトに変えにきたのではありません。きみが眠れないから現れただけです。だから、いくら、わたしに『やだ』と駄々をこねても無駄です」
「眠れないとなる妖怪がネムレナイトって、そのまんまだね」
パッチリコンコンキツネとおんなじで、あんまり怖くなさそうだ。やっぱり着ぐるみっぽいのかな。なおさら、やだな。どうしても妖怪にならなくちゃいけないのなら、かっこよくて怖いのがいい。一目見るなり、気絶しちゃうような。
「そんな呑気なことを考えるのは、ネムレナイトを知らないからですよ。妖怪ネムレナイトは、血走った赤い目の恐ろしい妖怪です。しかし、この妖怪の真の恐ろしさは、他にあるのですよ」
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