34 / 41
4月
ハピハピミケちゃん
しおりを挟む
「うそだもーん」
クマパンちゃんが、ゲラゲラ笑うの。
あたしはがっかりして、今度はきつねこちゃんに言ったの。
「うそよ~、そんなの」
きつねこちゃんも、クスクス笑うの。
だから、次にチャコマロンちゃんに言ってみたのよ。
「うっそー、ミケちゃん、なに言ってるのぉ」
って、やっぱり笑うの。
それで、コンちゃんの方を見たら、
「うそ、うそ、うそだよ~、ミケちゃん」
って、ひっくり返って笑うんだもの。
もう、そしたら、あたしも笑うしかないじゃない?
みんなで笑っていたら、ミツバチのアピさんがやって来たのよ。
「なんだか、みんな楽しそうね」
「こんにちは、アピさん、おひさしぶり。春になったから、蜜集め忙しいね」
「こんにちは、ミケちゃん、おひさしぶり。お花がいっぱい咲くからね。どうして、みんな、笑っているの?」
「だって、アピさん、ミケちゃんたらさ、今日はおもしろいことばっかり言うんだもの! ああ、おかしい!」
クマパンちゃんが笑いながら言ったから、他のみんなも思い出し笑いで、クスクス、ゲラゲラ。
「えっ、えっ、ミケちゃん、なんて言ったの?」
アピさんが身を乗り出して聞くから、あたしは教えてあげんだ。
「うそだぁ、ミケちゃんたら、いくら、エイプリルフールだからってぇ!」
アピさんも、集めて来たレンゲ草の蜜をこぼしそうになるくらい笑うのよ。
「そうだよね、ミケちゃんたら、うそ下手すぎるよね」
「クマパンちゃんたら! そこは、うそが上手だと言わなきゃ、エイプリルフールなんだし!」
あたしが口を尖らせて言うと、アピさんがあたしにたずねたよ。
「だったら、ミケちゃんはうそが上手って、みんなから言われたいの?」
うーん。あんまり言われたくないな。
みんながあたしのうそでだまされて、あとから楽しくなるんならいいんだけどね。
「そうでしょ、ミケちゃん。ミケちゃんのエイプリルフールのうそが下手すぎて、だれもだまされなかったけど、みんなが楽しくなったから大成功じゃない?」
「そう、そう、ミケちゃん」
きつねこちゃんもチャコマロンちゃんもコンちゃんもうなずいているのに、クマパンちゃんたら余計なこと言うのよ。
「アピさんの言うことがエイプリルフールのうそだったりして~。ミケちゃんのうそが楽しくないから、ぼく、泣いちゃうよ~、エーン、エーン」
クマパンちゃんの泣き真似があんまり下手すぎて、あたしは吹き出しちゃった。
あたしが、最初にどんな下手なうそを言って、みんなを大笑いさせたのか知りたい?
それはねぇ~、やっだぁ、思い出しただけで笑えて来た! 笑いすぎて、腹筋いたいよ~!
三毛猫ミケ
***
ミケちゃんたら、どんな楽しいうそ、ついたのかしら?
気になりますね。
4月1日はエイプリルフールですが、ミケちゃんにとっては大切な記念日。
これは、嘘ではありませんよ。
実際のミケちゃんは、もとは外猫で、やすらぎさんのお店にごはんをもらいに来ていました。
それが、夜もお店にお泊まりするようになって、2019年の4月1日で3周年になります。
最初は、やすらぎさんも外猫だったミケちゃんを、夜ひとりでお店に置いていくのが心配だったそうです。
やすらぎさんのお家には、内気で高齢の先住猫さんがいて、活発なミケちゃんとの同居が難しかったのです。
だから、やすらぎさんは、一時期、ミケちゃんの里親探しも真剣に考えていました。(実は、その先住猫さんがチャコマロンちゃん。お話の中だけでもミケちゃんといっしょにいてもらいたくて、絵日記ミケちゃんの中に登場してもらっています)
でも、やすらぎさんの心配をよそに、ミケちゃんはこの3年間一度もいたずらも粗相もしませんでした。
後ろ足が片方しかないミケちゃんは、外猫時代に辛い思い、悲しい思いをたくさんしてきたから、やすらぎさんが困るようなことは決してしないんでしょうね。
今ではすっかり家猫のミケちゃん。やすらぎ治療室の看板猫です。
日本国内はもちろん、海外にもファンがいるミケちゃん。
健気で、明るく、賢いミケちゃんは、みんなの心をハッピーにしてくれます。
ハピハピミケちゃん、記念日おめでとう!
クマパンちゃんが、ゲラゲラ笑うの。
あたしはがっかりして、今度はきつねこちゃんに言ったの。
「うそよ~、そんなの」
きつねこちゃんも、クスクス笑うの。
だから、次にチャコマロンちゃんに言ってみたのよ。
「うっそー、ミケちゃん、なに言ってるのぉ」
って、やっぱり笑うの。
それで、コンちゃんの方を見たら、
「うそ、うそ、うそだよ~、ミケちゃん」
って、ひっくり返って笑うんだもの。
もう、そしたら、あたしも笑うしかないじゃない?
みんなで笑っていたら、ミツバチのアピさんがやって来たのよ。
「なんだか、みんな楽しそうね」
「こんにちは、アピさん、おひさしぶり。春になったから、蜜集め忙しいね」
「こんにちは、ミケちゃん、おひさしぶり。お花がいっぱい咲くからね。どうして、みんな、笑っているの?」
「だって、アピさん、ミケちゃんたらさ、今日はおもしろいことばっかり言うんだもの! ああ、おかしい!」
クマパンちゃんが笑いながら言ったから、他のみんなも思い出し笑いで、クスクス、ゲラゲラ。
「えっ、えっ、ミケちゃん、なんて言ったの?」
アピさんが身を乗り出して聞くから、あたしは教えてあげんだ。
「うそだぁ、ミケちゃんたら、いくら、エイプリルフールだからってぇ!」
アピさんも、集めて来たレンゲ草の蜜をこぼしそうになるくらい笑うのよ。
「そうだよね、ミケちゃんたら、うそ下手すぎるよね」
「クマパンちゃんたら! そこは、うそが上手だと言わなきゃ、エイプリルフールなんだし!」
あたしが口を尖らせて言うと、アピさんがあたしにたずねたよ。
「だったら、ミケちゃんはうそが上手って、みんなから言われたいの?」
うーん。あんまり言われたくないな。
みんながあたしのうそでだまされて、あとから楽しくなるんならいいんだけどね。
「そうでしょ、ミケちゃん。ミケちゃんのエイプリルフールのうそが下手すぎて、だれもだまされなかったけど、みんなが楽しくなったから大成功じゃない?」
「そう、そう、ミケちゃん」
きつねこちゃんもチャコマロンちゃんもコンちゃんもうなずいているのに、クマパンちゃんたら余計なこと言うのよ。
「アピさんの言うことがエイプリルフールのうそだったりして~。ミケちゃんのうそが楽しくないから、ぼく、泣いちゃうよ~、エーン、エーン」
クマパンちゃんの泣き真似があんまり下手すぎて、あたしは吹き出しちゃった。
あたしが、最初にどんな下手なうそを言って、みんなを大笑いさせたのか知りたい?
それはねぇ~、やっだぁ、思い出しただけで笑えて来た! 笑いすぎて、腹筋いたいよ~!
三毛猫ミケ
***
ミケちゃんたら、どんな楽しいうそ、ついたのかしら?
気になりますね。
4月1日はエイプリルフールですが、ミケちゃんにとっては大切な記念日。
これは、嘘ではありませんよ。
実際のミケちゃんは、もとは外猫で、やすらぎさんのお店にごはんをもらいに来ていました。
それが、夜もお店にお泊まりするようになって、2019年の4月1日で3周年になります。
最初は、やすらぎさんも外猫だったミケちゃんを、夜ひとりでお店に置いていくのが心配だったそうです。
やすらぎさんのお家には、内気で高齢の先住猫さんがいて、活発なミケちゃんとの同居が難しかったのです。
だから、やすらぎさんは、一時期、ミケちゃんの里親探しも真剣に考えていました。(実は、その先住猫さんがチャコマロンちゃん。お話の中だけでもミケちゃんといっしょにいてもらいたくて、絵日記ミケちゃんの中に登場してもらっています)
でも、やすらぎさんの心配をよそに、ミケちゃんはこの3年間一度もいたずらも粗相もしませんでした。
後ろ足が片方しかないミケちゃんは、外猫時代に辛い思い、悲しい思いをたくさんしてきたから、やすらぎさんが困るようなことは決してしないんでしょうね。
今ではすっかり家猫のミケちゃん。やすらぎ治療室の看板猫です。
日本国内はもちろん、海外にもファンがいるミケちゃん。
健気で、明るく、賢いミケちゃんは、みんなの心をハッピーにしてくれます。
ハピハピミケちゃん、記念日おめでとう!
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
王さまとなぞの手紙
村崎けい子
児童書・童話
ある国の王さまのもとに、なぞの手紙が とどきました。
そこに書かれていた もんだいを かいけつしようと、王さまは、三人の大臣(だいじん)たちに それぞれ うえ木ばちをわたすことにしました。
「にじ色の花をさかせてほしい」と――
*本作は、ミステリー風の童話です。本文及び上記紹介文中の漢字は、主に小学二年生までに学習するもののみを使用しています(それ以外は初出の際に振り仮名付)。子どもに読みやすく、大人にも読み辛くならないよう、心がけたものです。
黒ネコ戦隊56562
水玉猫
児童書・童話
八月八日は妖怪の日。
その日の真夜中に目を覚ましている子どもは、妖怪にされるらしい。
ぼくは妖怪になるのはまっぴらだけど、その夜はなぜか眠れなかった。
案の定、眠れないぼくの枕元に「パッチリコンコンキツネ」なんてふざけた名前の妖狐が現れた。
だけど、この妖狐、ぼくを妖怪にするんじゃなくて『妖怪にしないため』に現れたらしい。
タイムリミットは深夜12時。
眠りをつかさどる縫いぐるみ「クウクウクマ」を第一オバケ師団特殊部隊から奪還して、ぼくは妖怪ネムレナイトにならずにすむのだろうか?
わちゃわちゃほのぼのファンタジーです。
*絵本広場『黒猫戦隊 ねむいのねむいのどこいったの巻』を、ブロマンズ風のファンタジーとしてノベライズしました。新しいキャラクターたちが色々登場します。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる