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第一部 神殺しの陰謀 第三章 神殺しの罪人
問題噴出
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伝令を受けて、田村丸は王様から事前に話されていた内容を私たちに王座の間までの道すがら話し始めた。
「皆さん、これから王様より話があり、そのあとコキュートス、八寒地獄にむかうことになるでしょう。」
「やはり罪人は八寒地獄から連れてくるのですね…。」
「いや、私たちが八寒地獄の最深部まで出向くことになるでしょう…。最深部の罪人は連れだすことなど困難ですので…。」
最深部の罪人いったい何の罪でそこに入れられたものなのだろうか。そんなことを考えていたが、それ以上に最深部の罪人でしか耐えきれないほどのメンタル体とは…と不安になった。
そして、王のあの言葉である、何が起こるかわからない…その言葉が喉に骨がつっかえるように私たちに恐れを抱かせる…。
王座の間の前に着いた時、私たちは何故か背筋が凍る様な寒さを感じた。
「客人よ、問題が起こった…。そうそうに動いてもらわねばならなくなった。」
部屋の雰囲気が先程とは少し違って感じる、ある一点への引力を感じアストラル体が引き寄せられるそんな空気感であった。
「コキュートスに禁忌の者が侵入した様だ。そのためすぐにでも、コキュートスへ向かってもらいたい…。これを渡しておこう。」
王様はそう言うと結晶化した様なアストラル体を私たちの前に差し出した。
先程から感じている違和感はこの結晶から発せられるものであった。
全てを飲み込む様な引力にも似た力が渦巻いている。まるで、貪欲に全てを喰らいつくそうとするかの様に暴れている。
「王様、これは?」
「あぁ、私のツノの一部だ…、とは言っても、私が悪魔と恐れられていた時に折れたツノであるがな。」
王様は少し恥ずかしそうに、ツノの説明をしてくれた。
王様が言うに、バアルとして信仰されていた際に、異端の神を貶めるために、バアルゼブブと悪魔に貶められたそんな時があったそうだ。
その際に、相手がその気なら悪魔になってやると暴れ回った時に折れたツノだとのことであった。暴食の悪魔として恐れられていたそうだ…。
「このツノはその時の暴食の意思が宿っておる…。全てを喰らいつくそう、とその様な力が宿っておる。このツノに一旦メンタル体を喰らわせるのだ。」
「メンタル体はどうやって呼び寄せればいいんですか?」
「それは簡単だ…。お主らが常世に帰りたいとアストラル体に願えばそれに反応するかの様にメンタル体は吸い寄せられるであろう。」
メンタル体の特性を利用した理にかなったやり方だ。群れようとするメンタル体をうまく引き寄せ、そのメンタル体をツノに吸収させる。
「王様、メンタル体の確認はどうすれば良いでしょうか。」
「其方には見えているであろう?ヘイムダルから聞いておる、光る縋り付く手の様な物を見た事があるといったそうだな…。」
「それがメンタル体だったんですね。」
あの日こちらに来る時に縋り付き、流れ込んでくる感じがしたそれこそがメンタル体であったのだ。
ヘイムダルから貰った兜を見つめ、自分を鼓舞した。
「問題はそこからだ…。メンタル体を吸収したそのツノを罪人に食させろ。抵抗してくるとは思うが…、なんとかやり遂げてくれ。」
「わかりました…。」
王様は手招きすると、従者達が完全に武装した姿で現れた。
「ぁあの…王様一つお願いが…。」
「なんだ、申してみよ。」
「私はこれを事前にマードックさんに買ってもらっていて…。」
千暁は巨大な斧を持ち上げ、王様に見えるように掲げた。悠々と持ち上げた姿に王様は目を丸くして千暁を見ていた。
「おぉ、素晴らしい逸品ではないか!幻獣麒麟か…。」
「この代金が…。」
「そうか、良い良い、こちらで持つので問題ない。存分に使うが良い。私と同じ雷を操る事ができるぞ。」
千暁はマードックの方を向いて、目で合図をした。マードックは解放されたかの様に顔色がみるみると戻り、凛々しいドーベルマンの人面犬に戻った。
「うむ…、客人に戦ってもらう予定はないが何か用意しておくべきか…。」
「いえいえ、私たちには必要ございません。千暁がもらったもので十分でございます。」
その発言に日出は私をにらみつけていた。国からもらえるもの、国宝級の物が何かもらえるのではないかと思ったようであった。
「そないに睨むでない、お主にも何か渡そう。」
「王様!本当ですか!本当ですよね!」
今度は新しいおもちゃを買って貰える子どものようにはしゃぎ始めた。
なんとも忙しいやつなんだと笑いが込み上げてきた。
「そうだな…そなたにはこれを渡しておこう。」
王様はそう言うと、古代文字が彫り込まれた巨大な本を日出に手渡した。
「皆さん、これから王様より話があり、そのあとコキュートス、八寒地獄にむかうことになるでしょう。」
「やはり罪人は八寒地獄から連れてくるのですね…。」
「いや、私たちが八寒地獄の最深部まで出向くことになるでしょう…。最深部の罪人は連れだすことなど困難ですので…。」
最深部の罪人いったい何の罪でそこに入れられたものなのだろうか。そんなことを考えていたが、それ以上に最深部の罪人でしか耐えきれないほどのメンタル体とは…と不安になった。
そして、王のあの言葉である、何が起こるかわからない…その言葉が喉に骨がつっかえるように私たちに恐れを抱かせる…。
王座の間の前に着いた時、私たちは何故か背筋が凍る様な寒さを感じた。
「客人よ、問題が起こった…。そうそうに動いてもらわねばならなくなった。」
部屋の雰囲気が先程とは少し違って感じる、ある一点への引力を感じアストラル体が引き寄せられるそんな空気感であった。
「コキュートスに禁忌の者が侵入した様だ。そのためすぐにでも、コキュートスへ向かってもらいたい…。これを渡しておこう。」
王様はそう言うと結晶化した様なアストラル体を私たちの前に差し出した。
先程から感じている違和感はこの結晶から発せられるものであった。
全てを飲み込む様な引力にも似た力が渦巻いている。まるで、貪欲に全てを喰らいつくそうとするかの様に暴れている。
「王様、これは?」
「あぁ、私のツノの一部だ…、とは言っても、私が悪魔と恐れられていた時に折れたツノであるがな。」
王様は少し恥ずかしそうに、ツノの説明をしてくれた。
王様が言うに、バアルとして信仰されていた際に、異端の神を貶めるために、バアルゼブブと悪魔に貶められたそんな時があったそうだ。
その際に、相手がその気なら悪魔になってやると暴れ回った時に折れたツノだとのことであった。暴食の悪魔として恐れられていたそうだ…。
「このツノはその時の暴食の意思が宿っておる…。全てを喰らいつくそう、とその様な力が宿っておる。このツノに一旦メンタル体を喰らわせるのだ。」
「メンタル体はどうやって呼び寄せればいいんですか?」
「それは簡単だ…。お主らが常世に帰りたいとアストラル体に願えばそれに反応するかの様にメンタル体は吸い寄せられるであろう。」
メンタル体の特性を利用した理にかなったやり方だ。群れようとするメンタル体をうまく引き寄せ、そのメンタル体をツノに吸収させる。
「王様、メンタル体の確認はどうすれば良いでしょうか。」
「其方には見えているであろう?ヘイムダルから聞いておる、光る縋り付く手の様な物を見た事があるといったそうだな…。」
「それがメンタル体だったんですね。」
あの日こちらに来る時に縋り付き、流れ込んでくる感じがしたそれこそがメンタル体であったのだ。
ヘイムダルから貰った兜を見つめ、自分を鼓舞した。
「問題はそこからだ…。メンタル体を吸収したそのツノを罪人に食させろ。抵抗してくるとは思うが…、なんとかやり遂げてくれ。」
「わかりました…。」
王様は手招きすると、従者達が完全に武装した姿で現れた。
「ぁあの…王様一つお願いが…。」
「なんだ、申してみよ。」
「私はこれを事前にマードックさんに買ってもらっていて…。」
千暁は巨大な斧を持ち上げ、王様に見えるように掲げた。悠々と持ち上げた姿に王様は目を丸くして千暁を見ていた。
「おぉ、素晴らしい逸品ではないか!幻獣麒麟か…。」
「この代金が…。」
「そうか、良い良い、こちらで持つので問題ない。存分に使うが良い。私と同じ雷を操る事ができるぞ。」
千暁はマードックの方を向いて、目で合図をした。マードックは解放されたかの様に顔色がみるみると戻り、凛々しいドーベルマンの人面犬に戻った。
「うむ…、客人に戦ってもらう予定はないが何か用意しておくべきか…。」
「いえいえ、私たちには必要ございません。千暁がもらったもので十分でございます。」
その発言に日出は私をにらみつけていた。国からもらえるもの、国宝級の物が何かもらえるのではないかと思ったようであった。
「そないに睨むでない、お主にも何か渡そう。」
「王様!本当ですか!本当ですよね!」
今度は新しいおもちゃを買って貰える子どものようにはしゃぎ始めた。
なんとも忙しいやつなんだと笑いが込み上げてきた。
「そうだな…そなたにはこれを渡しておこう。」
王様はそう言うと、古代文字が彫り込まれた巨大な本を日出に手渡した。
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