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べつに先生のことなんか好きじゃないんだからね!
しおりを挟む「どうして俺、小西にきらわれてんのかなあー」
図書室でのテスト勉強を担任教師の愚痴で妨害。
俺は小西の友だち。
この軟弱な教師は本人と向きあえず、こうして俺を介して泣き言をぼやくばかり。
まあ、一息つこうと思っていたから「どうしたんです」と聞いてやる。
「授業でテストを返したときさあ。
とりにきた小西の頭に葉っぱがついていたんだよ。
それを取って『やんちゃだな』て笑ったら、顔を真っ赤にして『セクハラだ!』って怒って・・・」
人の表情や態度、反応に裏があることを知らないか、読みとることができないのが彼だ。
おそらく先生以外のクラスメイトは「もう恥ずかしがっちゃてえ」とほほ笑ましく見守っていたはず。
こういう根っからの鈍感な類は、説明しても理解できないだろう。
そう考えて、俺は聞く専門。
「今の時代はセクハラかあー」と頭を抱える先生を冷ややかに眺めていたら「ていうか、やっぱ根に持っていると思う?」と耳蛸の話を。
新学期早早、小西は他校の生徒を殴り問題となった。
事情を聞いたところ「後輩がカツアゲにあっていたから」と。
その言葉を信じて先生が庇うも、相手は進学校の生徒。
相手側に有利に話がすすもうとしたところ、先生の正義漢ぶりが噂となり、名乗りでる被害者が続出。
結果、小西はお咎めなし。
万々歳のはずが、顔を茹蛸にして小西が怒鳴りつけたことには。
「あんたが騒ぐせいで大事になったじゃないか!
被害者の心を動かす真似をして、あんた、どうかしている!」
訳すと「泣き寝入りしていた被害者を救うなんてすごい!かっこいい!」だが「余計なことしたのかな」と先生はしょんぼり。
翌日に「母さんが、どうしてもお礼をしたいってさ!」と(おそらく小西手づくりの)弁当を渡されたものを「ツンデレ」は先生に通用せず。
今だって忍び寄ってきた小西に「なに俺の友だちに探りいれてんだよ!」と一喝されて怯えているし。
ため息をついた俺は発破をかけることに。
「先生はおまえともっと仲よくなりたいんだって」
案の定、首から耳まで肌を染めて「べつに先生のことなんか好きじゃないんだからね!」とツンデレテンプレ発言。
もちろん通じず、先生はがっくり。
正直、俺は解決を望んでいない。
関係をこじらせつづければ、先生は俺をかまいつづけてくれるから。
「ごめんな」と呟きつつ「どーしてえー」と先生が俺にすがりつくのに、かすかにほくそ笑んだ。
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