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透哉 中学生編「ひとつの」
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ショタ/くすぐり/挿入有
※ ※ ※
透哉がはじめて犯罪に手を染めたのは、十二歳になった春だった。
いつも苛めてくる上級生に連れ出され、何をされるのかと思っていたら金を盗んでこいと言う。
上級生は透哉を自転車から降ろすと帰ってしまった。
知らない街。
学校帰りで財布も無い。
まだ春先で肌寒い。
日も暮れてきた。
強引に渡されたメモには、店の地図と金庫の番号が走り書きされていた。
※ ※ ※
「おとなしくしないと警察に突き出すからね」
警察、という単語に透哉は怯えた。
続けて顔写真を撮られた。
男はそれを何処か──たぶん責任者に──送信して指示をあおいでいる。
後ろ手に縛られているのでもう逃げられない。
心細くてぺたりと内股に座る床が固くて冷たい。
男は人工羽根の玩具をひらひらさせながら「ここがどんなところか知っていて盗みに入ったの?」と冷たい声音で訊いた。
カウンターと酒、ダーツ、大きないくつかのソファ。それらを照らす紫の照明が毒々しい。男の片方だけくちびるを上げる表情が、紫色に照らされ不気味に浮かびあがる。
透哉は小さな手足をさらに縮めた。
雰囲気にのまれ口篭っていると、男が透哉のシャツのボタンをはずし、くつろげようと指先をかけた。声だけではなく手まで冷たい。
「──っ、お酒、と──」
男は透哉の応えを無視して肌を撫でまわす。
「陶器みたいにつるつるだね。黒子もないの」
良い手触りだなあとまだ未成熟な躰を弄りながらシャツを剥いでいく。
愛撫のような優しい刺激に感じてきた透哉は反応を押し殺そうと僅かに身じろぎした。
頬に赤みがさす。
二の腕を指がなぞり袖が抜かれ、手首でシャツが捩れてたぐまる。
そっと羽先で薄い腰回りを撫でられるとくすぐったさで全身が粟立った。
「──っ、ん」
綺麗な顔を歪める透哉を男は面白そうに見下ろす。
「軽く撫でているだけだけど」
「──ゃっ、ん──」
折れそうに細い腰をくねらせていやがる様を気にいったらしく暫く男はそのまま産毛をなぞるように羽根を滑らせた。
「撫でられるのいや? くすぐってみる?」
囁く男の目の前で、懸命に首を横に振る。
男は端から透哉の言うことなど聞く気はなさそうだ。
羽根がこちょこちょと小刻みに動き、透哉は強制的に笑わされながら上体をよじって暴れた。
「やだ、ぁは、やっ、くすぐったいっ──やめ、やめて」
「可愛いね。子供の笑顔は癒されるなあ」
男は勝手なことを言う。
腰から脇腹をぎりぎり触れない程度に往復されて、耐え切れずに床を足でばたばたと蹴る。
くすぐったさに首を振って必死にやめてと訴えた。
「ぁは、やだっ、ゃ、やめてっ」
「楽しそうで僕も嬉しいよ」
──何処が!
もう悔しくて恥ずかしくて、涙目になりながらぎゅうと躰に力を入れたのに笑い声を止められない。
小さな臍がびくびく痙攣する。
真っ赤になった顔にかかる巻き毛が汗で張りついた。
「泣かないで。可愛いお目々が腫れちゃうよ」
──泣いてないし!
口調は優しいが声は相変わらず冷たい。
羽根はそのまま敏感になった肌をたどり脇の窪みに移動して止まった。
いつ動かされるか解らない緊張感に透哉は躰を強張らせる。
肩を上下させ息が荒い。
大きな瞳は、男の手から視線を外せず瞬きもしない。
「怯えてるの可愛いね。持って帰りたいな」
「──もぅ、ゃ、ごめんなさいっ──」
「店長にこれから向かうから話を訊いとけって言われたんだけど──仕事そっちのけで悪戯したくなるなあ」
羽根をちょいちょいと二回だけ動かして男が揶揄う。
「別に、喋るしっ、何言えばっ、ぁ、ん──」
男は無言で口角をあげたまま、脇の羽根を緩く這わせた。
ぞわとした感覚が迫り上がり躰がゆっくり捩れていく。自動的な反応で意思で止めようとしても止まらない。
「──っ、んっ、ぁ」
喋ってやめてくれるならそうするのに何も訊かれない。
ただ、脇からの優しい刺激に追いつめられて手首の縄がぎりと鳴った。
力を込めている躰が震える。
「くすぐったいの?」
男が楽しそうに笑う。
──くすぐってる癖に!
大人に向かって──しかも自分が悪いことをしたことは解っているので強く抗議できず、くちびるを噛んで耐える透哉に「ここはなんの店?」と男が質問を繰り返した。
羽根先はずっと脇の窪みを柔らかく刺激してくる。不意に二の腕まで往復されると甘い喘ぎ声が混じった。
「んっ、お酒、飲んだりっ、これっ、ゃ、いや──」
「──それから?」
「か、からだ、んっ、触ったり──」
「そうだね。大人が遊ぶ場所。こういうことされて、それを大勢に見てもらいたいとかね」
「やだっ、こんなの、どこがっ──」
大人はこんな遊びの何が楽しいのか、透哉には全く理解できない。
懸命に質問に応えても冷たい男の手は止まらない。
でも応えなかったらもっと酷くされるだろう。
しつこく脇を羽根で狙われて、透哉はいやいやと縛られたままの腕を振る。
ずるりと姿勢が崩れて床に横倒しになった。
「お行儀がわるい子だね」
つ、と脇から胸に羽先か滑り透哉の躰がびくりと動く。
乳首の周りをくすぐられ小さな悲鳴をあげた。
「ゃっ、ん──」
鼻に抜ける高い声が漏れて、慌ててくちびるときゅっと閉じた。
恥ずかしそうに懸命に顔を背ける。
「何処から入ったの?」
そのまま羽根の先端でゆっくり薄い色の小さな突起をつつかれると背中が跳ねた。
「さ、三階、やっ──ぁ、ん」
「乳首は気に入ったみたいだね」
「やだっ、手のほうが、まし──羽根っ、いや──」
「三階の何処?」
「せん──洗面所の、窓っ──」
上半身を振って羽根から逃れようと踠く透哉の肩を、男は片手で掴んだ。
仰向けに床に押さえ込まれる。
そのまま乳首を細かく羽で擦られると堪らず喉を晒し背中が仰け反ってしまう。
「ぁあ、ゃっ──」
「胸を反らしてねだってるの。可愛いね──もっと?」
「ちが、ちがう、いゃ──」
縛られた手首が尻の下にあるせいで透哉は腰を突きだすような体勢になっている。
それに気づいた男は透哉のズボンを下着ごと引っ張って隙間を作り、幼い股間に直接、羽根を差し入れた。
「きゃぁっ──」
女の子のような高い悲鳴があがる。
下着の中で羽根を前後に揺すられ透哉は叫びながら脚をばたつかせた。
「いやぁあっ、ぁあ、取ってっ、やっ、ゃぁあ」
顔を真っ赤にして暴れる様子を男は満足気に眺める。
下着の中のことなので、どこがどう刺激されているのかは見えないが、泣きそうな顔でのたうち回る姿が可愛くて手が止まらない。
羽根をゆっくり動かしてもくすぐるように細かく振動させても高い声でひっきりなしに叫ぶ。
「股間こちょこちょされてるの可愛いね」
尻穴まで羽先が届くように奥まで差し入れると透哉の悲鳴は一層高くなった。
「お疲れさん。楽しそうだな」
扉の開く音と共に低い声が割り込む。
「店長。お疲れさまです。もっと遅く来てくれて良かったのに」
男が手を止めて不満そうな声を隠そうともせず言い放った。
叫ばされていた透哉は真っ赤な顔のまま項垂れて荒い呼吸をしている。
息を整えながら顔を上げると、扉の前に目つきの悪い男が立っていた。
ここの店長──なのだろう。
三白眼というのだろうか。黒目が小さくて上に寄っている。まるで睨んでいるかのようだ。
怖い大人二人に囲まれて透哉は一段と身を固くする。
「送られてきた写真見たとき女の子かと思ったわ」
店長がカウンターに置いてあった羽根を無造作に手にして透哉の胸元をつついた。
「──っ、ん」
「平らだもんな」
店長が残念そうに言うと「平らなのが良いんですよ」と男が愉快気に笑う。
りん、と玩具についていた鈴が鳴った。
乳首を羽先で撫でると透哉の肩がぶるりと震える。
「──ぁ、んっ」
「声も女の子みたいだな」
──りんりん。
「店長、それ一階のミケの。猫用玩具ですよ」
「ああ。そうか。だから煩いのか」
店長は、玩具についていた鈴を金具ごと、ぶちんと引きちぎってカウンターに投げた。
──りん。からから。
透哉の目が真ん丸になる。
──良い子にしないとお前の四肢も引きちぎるぞ。
そう脅されているように感じて透哉は震えあがった。
男が店長を嗜める。
「ただでさえ顔が怖いんだから──目の前で乱暴なことをすると子供が怯えますよ」
「別に手足捥いだりしないよ」
男が「下も見ます?」と言いながら透哉のズボンに手をかける。
力なく首を横に振る透哉を男は抱きあげて店長に渡した。
「そのままソファに座っててください」
「上司を拘束具代わりに使うってどういうことだよ。いくつもあるだろ。そういう店なんだから」
「こんな小さな手じゃあ抜けちゃいますよ」
店長はさらに文句を言いながらも透哉がおとなしく膝に抱かれていることに絆された。
子供の体温が高くて温かい。
肌も柔らかい。
前向きに抱えると拘束されている透哉の手首が、店長の腹に当たる。
「手首の取るぞ。二人いれば逃げようがないだろ」
目の前で鈴を千切られたのが余程怖かったのか透哉は無抵抗で躰を小さくしている。
男が透哉のズボンを下着ごと引きおろすと、中途半端に腕に絡んでいるシャツ一枚になった。
外気に下半身も晒され不安が増幅した透哉の耳元で、店長が声をかける。
「写真からすぐ割れたよ。躰売ってる子だってな──もう他人に触られるのはいやになっちゃったの?」
透哉の肩がびくりと揺れた。
男が驚いたように言う。
「えっ、ウリ? そんな──図太い子には見えなかったのに」
男は、店長に透哉の膝裏を抱え足を開くように頼むと、晒された股間に羽根を擦りつけた。
子供が用を足すような姿勢にされた透哉は耳朶まで真っ赤に染めて弱々しく喘ぐ。
「ゃっ、です、それっ──ぁ」
「何がいや? 玉がいや?」
「羽根、も、この格好もっ──ゃ、ぁ」
玉の裏をこちょこちょとくすぐられて、透哉は押さえつけられた躰を精一杯に振って懇願した。
「ゃっ、全部いやだっ、おねがい、ごめん、なさいっ──」
「じゃあ、この間とか」
「──ッ、ゃ、ぁ──」
優しく羽根で撫でられる会陰への刺激に腰が抜けそうになる。
「穴のあたり?」
「やぁあっ──ぁ、あ」
どんなにつらくても足が閉じられず透哉は何度も離してと叫ぶ。
「何処がいや?」
裏筋を羽根で撫で上げられ、腰を捩りながらいやいやと繰り返す。
長い睫毛が震える。
男は小さな陰茎を摘み固定すると、尿道口を羽先でくすぐった。
我慢できずに手足をばたつかせたが店長に押さえられ口から叫ぶことしかできない。
「やだぁ、ぁあっ、ん──だめっ──」
もうかなり切羽詰まっているようで可愛いらしい陰茎がひくひく動いている。
「こんな敏感でウリなんて吃驚。これ演技なの?」
男が呆れたように笑う。
尿道口を羽根で柔らかくつつくと甘い声で可愛く鳴いた。
「連れ帰りたいなあ」
男の願望を無視して、店長の低い声が捕捉する。
「月一、二回程度しか売らないらしい。しかも挿入なしだそうだ」
「この容姿なら触るだけでもそりゃ──買うでしょうね」
尿道口へのしつこい愛撫に透哉は耐えきれず足先をつっぱらせて「だめ──だめっ、もぅ、だめ」と訴える。
「いいよ、イっても」男が言う。
「人前、で、いやっ──ぁ、あ」
「ウリの台詞とは思えないな──二人いるからかね」
男がおかしそうに笑う。羽根を置いて透哉の陰茎を優しく揉むと途端に甘い声とともにびくびく痙攣した。
顔を真っ赤にして息が荒い。
男は「まだでないんだ。本当にこの子可愛いなあ。攫おうかな」と物騒なことを呟きながら備品のオイルを手にとる。
透哉が息も整わないまま警戒して身を固くする。
店長も「おい──」と制止しようとしたのを、男は目で大丈夫と合図した。
「穴の周りをこちょこちょされるのと、ナカに指挿れられるの、どっちがいや?」
「どっちも、ゃ」
頼りない声が返ってくる。
「選べない子には、どっちもするね」
言うか早いか男の手はもう透哉の穴の襞に触れる。
「やっ、ナカはいや!」
今までで一番はっきりした声で透哉が喋った。
男はオイルを穴に塗り込め、羽根を手に取って馴染ませるように襞をなぞる。目線を店長にやる。
合図を受けた店長が腕の中で荒い息をしながら躰をくねらす透哉に訊く。
「躰を売るの月数回なのは何で?」
「それでっ、一箇月──食べられるから。週末、給食、ないし」
「親は?」
「母親、だけ、あんまり帰ってこない──」
「──大人に、躰、触らすの本当はいやか。ナカなんて以ての外か」
透哉が俯いて黙ると、男が尻穴を軽くつつく。
応えないと挿れるよと脅しているようだ。
「やだっ、ゃ、め」
店長が重ねて訊く。
「ウリは──嫌なんだな?」
「月に何回かなら、我慢、できる──」
男が「我慢できてるかなこれ」と笑いながら、陰嚢の裏まで羽根でなぞると「やめ、やめて」と透哉が喉をあおのけて晒した。
店長がまた訊く。
「──躰売るより、盗みに加担するほうがましだと思ったの?」
透哉は首を振る。
男が店長とは別の質問を投げる。
「指くらいなら、挿れられたことある?」
「やっ」
穴を優しく押される。
「ある? ない?」
「あ、ある──けどっ、いやっ」
「はじめてじゃないのか。残念」
そう言いながら悪びれもせず男の指はぷつとナカに侵入した。
「ひ、きゃぁあっ──」
透哉は高い悲鳴をあげながら逃れようとしたが、店長の腕力に押さえつけられ、ただ蕾がひくひくと冷たい指を咥えた。
「ぁ、あ、ゃ」
店長が質問を続ける。
「躰売るよりましだった? それとも──苛めの一環でやらされた?」
透哉はまた黙った。
──苛められてるなんてみじめで言いたくない。
男のほうが更に脅す。
「どうやって三階から入ったの。言わないと──ナカで感じたことある?」
「やだ、やだ、もう、やめて。隣の、階段っ」
「ある? ない?」
「あ──る、けど、あんなの、二度とやだ!」
「あるんだ──なんで盗みにきたの?」
男の指がゆっくり内壁に沿って動き回る。
「触んないで!」
透哉が悲痛な声で訴える。
「言わないと──」
「じ、自転車に、乗せられて、田無まで、店の前に置いてかれて──」
「──そう」
男の手は止まらない。
「メモに、三階からっ、入れるって、隣の非常階段から、金庫の番号と──」
「──そう」
男の指が内壁ごしにしこりを探し当てゆっくりと押しあげた。指を増やし器用にそこを揉むように刺激する。
「やっ、いや、喋ったからっ、やめっ、離してっ、ぁあ」
膝の上で身悶える透哉を店長は見下ろす。
「聞いた番号で金庫は開けられたか?」
「その前に、捕まって──」
──自分から言ってくれさえすれば見逃そう。
店長はそう思っている。
男が割り込む。
「自分が見つけたときは開いてましたね。金も減ってた」
ナカのしこりを抉るように押し込まれ金切り声のような悲鳴があがる。
「外にいた仲間にでも窓から投げたんでしょう」
「ちがっ──置いてかれてっ──僕一人しか、やっ、ぁあ」
──自分から言ってくれさえすれば見逃すのに。
店長が男の手を掴んで透哉の後孔から引き出した。
解放された透哉が肩を上下させて男を睨んでいる。
──僕はうそついてないのに!
店長が男に告げた。
「金がいるなら、言ってくれりゃあ前貸でも何でもしたのに──」
男は動かなかった。
「現場には知らせてない防犯カメラもあるんだよ──」
やはり男は動かなかった。
けれど最後に、すみません景虎さん──と役職ではなく名前で呼んだ。
「──もう遅いよ」
※ ※ ※
景虎は、他の従業員に店と警察対応を任せ、透哉の手を引いて非常階段を一緒に降りた。
手も小さいが並ぶと景虎の腰程度しか身長がない。これなら確かにあの小さい窓から入れそうだ。
透哉は、余程怖かったのだろう。まだ手から震えが伝わってくる。
そんな二人を階段の踊り場で一匹の三毛猫が出迎えた。
一階を借りているスナックの看板猫だ。
景虎の店にもおやつ目当てにやってくる。撫でようと手をかざすと向こうから頭を擦りつけてきた。
「お、ミケの鈴、また買ってくるからな」
目の前で鈴を引きちぎられた場面を思い出したのか繋いだ手がびくりと動いた。
この顔なので子供から怖がられることは多い。
屈んで目線を合わせる。
「うちのがごめんな──」
透哉は何も言わずに俯いている。
まだ顔が赤い。
「いやな時間も引っ張って──ごめんな。自分から言ってくれんかなと待ったけど──子供に罪を擦りつけるようじゃ駄目だな」
非常階段には消防法を無視していくつも段ボールや酒のケースが積まれている。
これを足場にしたのだろう。子供なら登れる。早々に撤去しないと。
多めに入れた封筒を渡すと長い睫毛に覆われた大きな瞳で景虎を見上げた。
「触られるのいやなんだろ。今日は仕事で来て我慢したと思ってくれ。ごめんな」
何も言わないし反応がない。
やっぱり自分が怖いのか。
「車で送るよ」
よく三鷹から田無まで自転車で来たものだ。
その子も金をもらってやったのだろうけれど。あの男との繋がりは警察に任せるか。
蚊の鳴くような声で透哉が言う。
「知らない人の車、乗ったら駄目なの」
「どうしたら君の知ってる人になれるの?」
「仲良くなったら」
──子供の応えは可愛いな。
苦笑しながら仕方なくタクシーに乗せようと表通りに出ると、丁度、一台が至近距離で止まった。
ドアが開くや否や降りてきたのは黒髪の男の子で、透哉の名前を呼んで駆け寄ってくる。
透哉は景虎と繋いでいた手をぱっと離すと、その子の胸に飛び込みくずおれた。
「さむ、い、さむいよ──」
男の子はこちらに軽く会釈した。
この整った顔は──知っている。
榊の元でウリをしている何とかとかいう役者の子供だったか甥っ子だったか──名前は忘れた。
聞きたいことは何となく察する。
「嵌められたのは解っているよ。侵入者ではあるけどな──気づかなかったけど、その子、具合が悪かったのか」
「昨日から熱が、あって」
高熱のせいで寒いのか。
ふわりと透哉を抱きあげて待たせているタクシーに運ぼうとする。
「君、榊のところの子だね。鷺沢病院は遠いだろ。近くに懇意にしてる医者がいるから乗りな」
黒い瞳が警戒する。透哉の容体から、遠くまで運べるかどうか、景虎を信用するかしないか天秤にかけている。
「透哉、苦しい?」
「さむい、さむ、い──」
「体調のこと言いだせなかったみたいで──ずっと我慢させて悪かった。お詫びにこっちで連れていくよ」
天秤は景虎のほうに傾いたらしい。
類は素直にタクシーを帰して、透哉を抱いたまま後部座席に乗った──と思ったらいきなり「うわ、ごめんなさい!」と言う。
何かと思って振り向いたらシートに血がついていた。
「え、怪我? どっちの血」
「違くて、あの──俺、殴っちゃって、ここ来る前に。そいつの血、手についてたみたい」
気まずそうにぼそぼそ呟く。
「──透哉を苛めてた子?」
「うん」
殴ってこの場所を吐かせた訳か。
「シートと、不法侵入と──殴った件はこっちで何とかするから。子供は心配しなくて良いよ」
「あと、榊に──言わないで。揉め事とか警察沙汰とかきらうから」
「知ってるけど付き合いはないから安心しろ。榊に深入りすんなよ。あいつ真っ黒だからな」
「──お兄さんは真っ白なの」
「グレイかな。何かあったら警察呼べるくらいには健全」
※ ※ ※
友人の医者は点滴が終わったときの処理を自分に頼んで仮眠に戻っていった。
ただでさえ高熱で寒がっているのに点滴で体内に水分を入れられ、透哉は歯の根が合わないほど震えた。
顔も赤いし息も整わない。
躰を遊ばれた結果だと思っていたけれど体調不良が隠れていたとは可哀想なことをしてしまった。
「る」
「いるよ」
「るい、る、さむ」
点滴中の透哉のうわ言で、名前を思い出した。
──そうだ。類だった。
透哉と共に今は眠っている。
大人用の点滴チェア。
子供とはいえ二人はさすがに狭いだろう。
それでも二人はすらりと細い手足を複雑に絡ませて一緒のチェアで眠っている。ケージの隅で躰を溶け合わせている小動物のようだ。
どっちがどっちの手だか足だか判然としない。
──何処がどうなってるんだこの体勢。
下になっている類が、点滴針を抜く気配にちらと薄目を開けた。
こちらに流す黒目がちの視線が子供の癖に妙に色っぽい。
売れる──だろう。どうしても経営者側の考えになるが顔見世で勝てる。
男女どちらの客もつきそうだ。物怖じせず生意気なのも大人から見れば可愛いらしい。
「なんだか凄い姿勢だけれど。痛くないの、それ」
「──寒い寒いって透哉が絡めてくるんだもの。別に痛くはないよ」
声に反応して目を瞑ったままの透哉が手を伸ばし類のくちびるを探り当てると舌で舐める。
類は視線を景虎に寄越したまま透哉の舌を受け入れ吸った。
「ん、ん」
透哉の甘ったるい声が愛らしい。長い睫毛はうっとりと伏せられている。
内股で類の脚を挟み擦りつけるような仕草をした。
「ちょい喋らせて。お前、こっち」
類のほうからくちびるを離し、自分のシャツをはだけさせると、透哉が餌を求める雛のように類の乳首を喰む。
ぺちゃぺちゃと舌で舐める水音。類の引き締まった腹筋と対照的な可愛らしい臍が時折ひくと動いた。
腕の中の巻き毛を梳きながら「透哉に何したの」と大人びた口調で訊く。
「羽根の玩具で遊ばれて──指を挿れられて。そんなもん」
「イってない?」
「一回」
「──そう」
類は透哉に何が耳打ちする。透哉がゆっくり首を振って類の首元に顔を埋めた。
「酒なしだよね。こんな──理性飛んでるの久しぶりに見た」
「君が来るまでは──おとなしいなとは思ったけど、こんなんじゃ──」
お互い少し困った顔で透哉を見やる。あきらかに──発情している。
熱に浮かされている所為なのか。あの男に悪戯された所為なのか。
類がひとつ息を吐くと透哉の服を緩めながら躰を屈めた。
ものを口に含んだの──だろう。
透哉の愛らしい喘ぎと、身をよじって悦がる後ろ姿を見れば想像は容易につく。
類は口に糸を引かせながら離すとチェアに沈み込んだ。
透哉の陰茎を摘んで自分の後孔に誘導する。
唾と先走りで濡れた先端が類の蕾に喰まれていく。
耐えきれずに透哉が喉を仰け反らし高い声で喘いだ。その喉に類が舌を這わす。
ちらと景虎を流し見ながら透哉の腰を引き寄せる。
透哉は、また手足をくるりと類の四肢に絡めて甘えた。
「それじゃ動けないだろ」
類は仕方なくあやすように腰を優しく揺らす。
奥に引き込まれた透哉が本能的に温かい内壁に自らを擦りつける。
「ぁ、あ、ぁ」
「──っ、ん」
類の表情が艶めかしく変化した。
類のほうが受けるのか。
見た目の印象だと逆の気がするが。景虎の疑問を汲み取り類が先回りをする。
「透哉、まだ、怖いみたい、だから──」
ビジネス的に挿入なしの方針なのかと思っていたが、そもそも未経験なのか。
小さな両手でぎゅうと類の腰を掴んで、接合部を密着させている。
夢中な稚拙さが可愛いらしい。
「ぁっ、ん──」
ただ、ほしくて求めている。
類が透哉の腕を掴み手前に引いた。
透哉が奥のうねるような刺激に思わず腰を引くと、また手を引かれて誘い込まれる。
「ぁ、ゃ、あ」
類に先導される形で透哉は両腕を持たれたまま引き合うように背をそらせ何度も小刻みに痙攣した。
「でき、た」
呼吸がまだ整わないが、得意気に類に報告している。
余韻に濡れた瞳。
──ああ。
まだでないから自分で言っているのか。褒めてほしくて。
類に「じょうずにできたね」とくちづけされると瞳を煌々とさせてよころぶ。くるりと振り返って小首を傾げ、景虎を見た。まだ潤んだ瞳。
──褒めろってことなんだろうけれど。
景虎が戸惑いながらも無言で頭を撫でてやると気が済んだらしく類の腕の中に全身を委ねた。
「いつもはこんな懐っこくないよ」
少し困った顔で類が言い訳のように言う。確かに、ついさっき人前でイくのいやだと暴れた子とは思えない。
「──ぽいな。意識、朦朧としてるなこれ──可愛いけど」
なんだか子供というより幼児か愛玩動物のようだ。
どうみても理性が飛んでいる。おそらく病院に来たあたりからぼんやりとしていたし記憶には残らないだろう。
「──売ってるんだから金積めば後ろもヤらしてくれるかもよ」
類が揶揄うように言う。
景虎に見せつけるように透哉のシャツの後ろをゆっくり捲り上げた。露わになった小さな尻の割れ目を類の指が押し開く。
もう当人は夢の中らしく反応はない。
薄い色合いの小さな蕾がいやでも視界に入った。可愛らしい二つの小さな陰嚢も。
寝息に合わせて控えめに揺れている。
「はじめてを売るものかな──君としたほうが良いんじゃない」
「何で?」
「何でって──仲良いんだろ。特別なんじゃないの」
「別に膜があるわけじゃなし」
義務教育中とは思えない台詞だ。内容は間違っちゃいないけれど。
真正面から類と目が合った。
表情ひとつ変えない。
念を押してみる。
「俺が貰っても?」
「──どうぞ?」
素知らぬ顔で言う。
「可愛がってるんじゃないの」
「──さあ?」
類は少し口角をあげて笑った。
──余裕だな。
別に景虎としても本気ではなく、ただ類のポーカーフェイスが崩れるところを見たかっただけだ。
怒るか焦るかすると思ったのに可愛げがない。
透哉が類の腹の上で寝返りをうちながら、夢現に指先を伸ばす。
類が自分の首に巻きつけてやると温かさに安心してまた深い眠りに落ちていく。
類もやがて目を閉じた。
狭いチェアの上。
艶やかな黒髪の合間から覗く寝顔はさすがにまだあどけない。
その腕の中で護られている色素の薄い巻き毛がかかる横顔は天使のようだ。
互いの細い手足を絡めたまま寝息で小さく波打つ様は、ひとつの生き物のように景虎には見えた。
了
※ ※ ※
透哉がはじめて犯罪に手を染めたのは、十二歳になった春だった。
いつも苛めてくる上級生に連れ出され、何をされるのかと思っていたら金を盗んでこいと言う。
上級生は透哉を自転車から降ろすと帰ってしまった。
知らない街。
学校帰りで財布も無い。
まだ春先で肌寒い。
日も暮れてきた。
強引に渡されたメモには、店の地図と金庫の番号が走り書きされていた。
※ ※ ※
「おとなしくしないと警察に突き出すからね」
警察、という単語に透哉は怯えた。
続けて顔写真を撮られた。
男はそれを何処か──たぶん責任者に──送信して指示をあおいでいる。
後ろ手に縛られているのでもう逃げられない。
心細くてぺたりと内股に座る床が固くて冷たい。
男は人工羽根の玩具をひらひらさせながら「ここがどんなところか知っていて盗みに入ったの?」と冷たい声音で訊いた。
カウンターと酒、ダーツ、大きないくつかのソファ。それらを照らす紫の照明が毒々しい。男の片方だけくちびるを上げる表情が、紫色に照らされ不気味に浮かびあがる。
透哉は小さな手足をさらに縮めた。
雰囲気にのまれ口篭っていると、男が透哉のシャツのボタンをはずし、くつろげようと指先をかけた。声だけではなく手まで冷たい。
「──っ、お酒、と──」
男は透哉の応えを無視して肌を撫でまわす。
「陶器みたいにつるつるだね。黒子もないの」
良い手触りだなあとまだ未成熟な躰を弄りながらシャツを剥いでいく。
愛撫のような優しい刺激に感じてきた透哉は反応を押し殺そうと僅かに身じろぎした。
頬に赤みがさす。
二の腕を指がなぞり袖が抜かれ、手首でシャツが捩れてたぐまる。
そっと羽先で薄い腰回りを撫でられるとくすぐったさで全身が粟立った。
「──っ、ん」
綺麗な顔を歪める透哉を男は面白そうに見下ろす。
「軽く撫でているだけだけど」
「──ゃっ、ん──」
折れそうに細い腰をくねらせていやがる様を気にいったらしく暫く男はそのまま産毛をなぞるように羽根を滑らせた。
「撫でられるのいや? くすぐってみる?」
囁く男の目の前で、懸命に首を横に振る。
男は端から透哉の言うことなど聞く気はなさそうだ。
羽根がこちょこちょと小刻みに動き、透哉は強制的に笑わされながら上体をよじって暴れた。
「やだ、ぁは、やっ、くすぐったいっ──やめ、やめて」
「可愛いね。子供の笑顔は癒されるなあ」
男は勝手なことを言う。
腰から脇腹をぎりぎり触れない程度に往復されて、耐え切れずに床を足でばたばたと蹴る。
くすぐったさに首を振って必死にやめてと訴えた。
「ぁは、やだっ、ゃ、やめてっ」
「楽しそうで僕も嬉しいよ」
──何処が!
もう悔しくて恥ずかしくて、涙目になりながらぎゅうと躰に力を入れたのに笑い声を止められない。
小さな臍がびくびく痙攣する。
真っ赤になった顔にかかる巻き毛が汗で張りついた。
「泣かないで。可愛いお目々が腫れちゃうよ」
──泣いてないし!
口調は優しいが声は相変わらず冷たい。
羽根はそのまま敏感になった肌をたどり脇の窪みに移動して止まった。
いつ動かされるか解らない緊張感に透哉は躰を強張らせる。
肩を上下させ息が荒い。
大きな瞳は、男の手から視線を外せず瞬きもしない。
「怯えてるの可愛いね。持って帰りたいな」
「──もぅ、ゃ、ごめんなさいっ──」
「店長にこれから向かうから話を訊いとけって言われたんだけど──仕事そっちのけで悪戯したくなるなあ」
羽根をちょいちょいと二回だけ動かして男が揶揄う。
「別に、喋るしっ、何言えばっ、ぁ、ん──」
男は無言で口角をあげたまま、脇の羽根を緩く這わせた。
ぞわとした感覚が迫り上がり躰がゆっくり捩れていく。自動的な反応で意思で止めようとしても止まらない。
「──っ、んっ、ぁ」
喋ってやめてくれるならそうするのに何も訊かれない。
ただ、脇からの優しい刺激に追いつめられて手首の縄がぎりと鳴った。
力を込めている躰が震える。
「くすぐったいの?」
男が楽しそうに笑う。
──くすぐってる癖に!
大人に向かって──しかも自分が悪いことをしたことは解っているので強く抗議できず、くちびるを噛んで耐える透哉に「ここはなんの店?」と男が質問を繰り返した。
羽根先はずっと脇の窪みを柔らかく刺激してくる。不意に二の腕まで往復されると甘い喘ぎ声が混じった。
「んっ、お酒、飲んだりっ、これっ、ゃ、いや──」
「──それから?」
「か、からだ、んっ、触ったり──」
「そうだね。大人が遊ぶ場所。こういうことされて、それを大勢に見てもらいたいとかね」
「やだっ、こんなの、どこがっ──」
大人はこんな遊びの何が楽しいのか、透哉には全く理解できない。
懸命に質問に応えても冷たい男の手は止まらない。
でも応えなかったらもっと酷くされるだろう。
しつこく脇を羽根で狙われて、透哉はいやいやと縛られたままの腕を振る。
ずるりと姿勢が崩れて床に横倒しになった。
「お行儀がわるい子だね」
つ、と脇から胸に羽先か滑り透哉の躰がびくりと動く。
乳首の周りをくすぐられ小さな悲鳴をあげた。
「ゃっ、ん──」
鼻に抜ける高い声が漏れて、慌ててくちびるときゅっと閉じた。
恥ずかしそうに懸命に顔を背ける。
「何処から入ったの?」
そのまま羽根の先端でゆっくり薄い色の小さな突起をつつかれると背中が跳ねた。
「さ、三階、やっ──ぁ、ん」
「乳首は気に入ったみたいだね」
「やだっ、手のほうが、まし──羽根っ、いや──」
「三階の何処?」
「せん──洗面所の、窓っ──」
上半身を振って羽根から逃れようと踠く透哉の肩を、男は片手で掴んだ。
仰向けに床に押さえ込まれる。
そのまま乳首を細かく羽で擦られると堪らず喉を晒し背中が仰け反ってしまう。
「ぁあ、ゃっ──」
「胸を反らしてねだってるの。可愛いね──もっと?」
「ちが、ちがう、いゃ──」
縛られた手首が尻の下にあるせいで透哉は腰を突きだすような体勢になっている。
それに気づいた男は透哉のズボンを下着ごと引っ張って隙間を作り、幼い股間に直接、羽根を差し入れた。
「きゃぁっ──」
女の子のような高い悲鳴があがる。
下着の中で羽根を前後に揺すられ透哉は叫びながら脚をばたつかせた。
「いやぁあっ、ぁあ、取ってっ、やっ、ゃぁあ」
顔を真っ赤にして暴れる様子を男は満足気に眺める。
下着の中のことなので、どこがどう刺激されているのかは見えないが、泣きそうな顔でのたうち回る姿が可愛くて手が止まらない。
羽根をゆっくり動かしてもくすぐるように細かく振動させても高い声でひっきりなしに叫ぶ。
「股間こちょこちょされてるの可愛いね」
尻穴まで羽先が届くように奥まで差し入れると透哉の悲鳴は一層高くなった。
「お疲れさん。楽しそうだな」
扉の開く音と共に低い声が割り込む。
「店長。お疲れさまです。もっと遅く来てくれて良かったのに」
男が手を止めて不満そうな声を隠そうともせず言い放った。
叫ばされていた透哉は真っ赤な顔のまま項垂れて荒い呼吸をしている。
息を整えながら顔を上げると、扉の前に目つきの悪い男が立っていた。
ここの店長──なのだろう。
三白眼というのだろうか。黒目が小さくて上に寄っている。まるで睨んでいるかのようだ。
怖い大人二人に囲まれて透哉は一段と身を固くする。
「送られてきた写真見たとき女の子かと思ったわ」
店長がカウンターに置いてあった羽根を無造作に手にして透哉の胸元をつついた。
「──っ、ん」
「平らだもんな」
店長が残念そうに言うと「平らなのが良いんですよ」と男が愉快気に笑う。
りん、と玩具についていた鈴が鳴った。
乳首を羽先で撫でると透哉の肩がぶるりと震える。
「──ぁ、んっ」
「声も女の子みたいだな」
──りんりん。
「店長、それ一階のミケの。猫用玩具ですよ」
「ああ。そうか。だから煩いのか」
店長は、玩具についていた鈴を金具ごと、ぶちんと引きちぎってカウンターに投げた。
──りん。からから。
透哉の目が真ん丸になる。
──良い子にしないとお前の四肢も引きちぎるぞ。
そう脅されているように感じて透哉は震えあがった。
男が店長を嗜める。
「ただでさえ顔が怖いんだから──目の前で乱暴なことをすると子供が怯えますよ」
「別に手足捥いだりしないよ」
男が「下も見ます?」と言いながら透哉のズボンに手をかける。
力なく首を横に振る透哉を男は抱きあげて店長に渡した。
「そのままソファに座っててください」
「上司を拘束具代わりに使うってどういうことだよ。いくつもあるだろ。そういう店なんだから」
「こんな小さな手じゃあ抜けちゃいますよ」
店長はさらに文句を言いながらも透哉がおとなしく膝に抱かれていることに絆された。
子供の体温が高くて温かい。
肌も柔らかい。
前向きに抱えると拘束されている透哉の手首が、店長の腹に当たる。
「手首の取るぞ。二人いれば逃げようがないだろ」
目の前で鈴を千切られたのが余程怖かったのか透哉は無抵抗で躰を小さくしている。
男が透哉のズボンを下着ごと引きおろすと、中途半端に腕に絡んでいるシャツ一枚になった。
外気に下半身も晒され不安が増幅した透哉の耳元で、店長が声をかける。
「写真からすぐ割れたよ。躰売ってる子だってな──もう他人に触られるのはいやになっちゃったの?」
透哉の肩がびくりと揺れた。
男が驚いたように言う。
「えっ、ウリ? そんな──図太い子には見えなかったのに」
男は、店長に透哉の膝裏を抱え足を開くように頼むと、晒された股間に羽根を擦りつけた。
子供が用を足すような姿勢にされた透哉は耳朶まで真っ赤に染めて弱々しく喘ぐ。
「ゃっ、です、それっ──ぁ」
「何がいや? 玉がいや?」
「羽根、も、この格好もっ──ゃ、ぁ」
玉の裏をこちょこちょとくすぐられて、透哉は押さえつけられた躰を精一杯に振って懇願した。
「ゃっ、全部いやだっ、おねがい、ごめん、なさいっ──」
「じゃあ、この間とか」
「──ッ、ゃ、ぁ──」
優しく羽根で撫でられる会陰への刺激に腰が抜けそうになる。
「穴のあたり?」
「やぁあっ──ぁ、あ」
どんなにつらくても足が閉じられず透哉は何度も離してと叫ぶ。
「何処がいや?」
裏筋を羽根で撫で上げられ、腰を捩りながらいやいやと繰り返す。
長い睫毛が震える。
男は小さな陰茎を摘み固定すると、尿道口を羽先でくすぐった。
我慢できずに手足をばたつかせたが店長に押さえられ口から叫ぶことしかできない。
「やだぁ、ぁあっ、ん──だめっ──」
もうかなり切羽詰まっているようで可愛いらしい陰茎がひくひく動いている。
「こんな敏感でウリなんて吃驚。これ演技なの?」
男が呆れたように笑う。
尿道口を羽根で柔らかくつつくと甘い声で可愛く鳴いた。
「連れ帰りたいなあ」
男の願望を無視して、店長の低い声が捕捉する。
「月一、二回程度しか売らないらしい。しかも挿入なしだそうだ」
「この容姿なら触るだけでもそりゃ──買うでしょうね」
尿道口へのしつこい愛撫に透哉は耐えきれず足先をつっぱらせて「だめ──だめっ、もぅ、だめ」と訴える。
「いいよ、イっても」男が言う。
「人前、で、いやっ──ぁ、あ」
「ウリの台詞とは思えないな──二人いるからかね」
男がおかしそうに笑う。羽根を置いて透哉の陰茎を優しく揉むと途端に甘い声とともにびくびく痙攣した。
顔を真っ赤にして息が荒い。
男は「まだでないんだ。本当にこの子可愛いなあ。攫おうかな」と物騒なことを呟きながら備品のオイルを手にとる。
透哉が息も整わないまま警戒して身を固くする。
店長も「おい──」と制止しようとしたのを、男は目で大丈夫と合図した。
「穴の周りをこちょこちょされるのと、ナカに指挿れられるの、どっちがいや?」
「どっちも、ゃ」
頼りない声が返ってくる。
「選べない子には、どっちもするね」
言うか早いか男の手はもう透哉の穴の襞に触れる。
「やっ、ナカはいや!」
今までで一番はっきりした声で透哉が喋った。
男はオイルを穴に塗り込め、羽根を手に取って馴染ませるように襞をなぞる。目線を店長にやる。
合図を受けた店長が腕の中で荒い息をしながら躰をくねらす透哉に訊く。
「躰を売るの月数回なのは何で?」
「それでっ、一箇月──食べられるから。週末、給食、ないし」
「親は?」
「母親、だけ、あんまり帰ってこない──」
「──大人に、躰、触らすの本当はいやか。ナカなんて以ての外か」
透哉が俯いて黙ると、男が尻穴を軽くつつく。
応えないと挿れるよと脅しているようだ。
「やだっ、ゃ、め」
店長が重ねて訊く。
「ウリは──嫌なんだな?」
「月に何回かなら、我慢、できる──」
男が「我慢できてるかなこれ」と笑いながら、陰嚢の裏まで羽根でなぞると「やめ、やめて」と透哉が喉をあおのけて晒した。
店長がまた訊く。
「──躰売るより、盗みに加担するほうがましだと思ったの?」
透哉は首を振る。
男が店長とは別の質問を投げる。
「指くらいなら、挿れられたことある?」
「やっ」
穴を優しく押される。
「ある? ない?」
「あ、ある──けどっ、いやっ」
「はじめてじゃないのか。残念」
そう言いながら悪びれもせず男の指はぷつとナカに侵入した。
「ひ、きゃぁあっ──」
透哉は高い悲鳴をあげながら逃れようとしたが、店長の腕力に押さえつけられ、ただ蕾がひくひくと冷たい指を咥えた。
「ぁ、あ、ゃ」
店長が質問を続ける。
「躰売るよりましだった? それとも──苛めの一環でやらされた?」
透哉はまた黙った。
──苛められてるなんてみじめで言いたくない。
男のほうが更に脅す。
「どうやって三階から入ったの。言わないと──ナカで感じたことある?」
「やだ、やだ、もう、やめて。隣の、階段っ」
「ある? ない?」
「あ──る、けど、あんなの、二度とやだ!」
「あるんだ──なんで盗みにきたの?」
男の指がゆっくり内壁に沿って動き回る。
「触んないで!」
透哉が悲痛な声で訴える。
「言わないと──」
「じ、自転車に、乗せられて、田無まで、店の前に置いてかれて──」
「──そう」
男の手は止まらない。
「メモに、三階からっ、入れるって、隣の非常階段から、金庫の番号と──」
「──そう」
男の指が内壁ごしにしこりを探し当てゆっくりと押しあげた。指を増やし器用にそこを揉むように刺激する。
「やっ、いや、喋ったからっ、やめっ、離してっ、ぁあ」
膝の上で身悶える透哉を店長は見下ろす。
「聞いた番号で金庫は開けられたか?」
「その前に、捕まって──」
──自分から言ってくれさえすれば見逃そう。
店長はそう思っている。
男が割り込む。
「自分が見つけたときは開いてましたね。金も減ってた」
ナカのしこりを抉るように押し込まれ金切り声のような悲鳴があがる。
「外にいた仲間にでも窓から投げたんでしょう」
「ちがっ──置いてかれてっ──僕一人しか、やっ、ぁあ」
──自分から言ってくれさえすれば見逃すのに。
店長が男の手を掴んで透哉の後孔から引き出した。
解放された透哉が肩を上下させて男を睨んでいる。
──僕はうそついてないのに!
店長が男に告げた。
「金がいるなら、言ってくれりゃあ前貸でも何でもしたのに──」
男は動かなかった。
「現場には知らせてない防犯カメラもあるんだよ──」
やはり男は動かなかった。
けれど最後に、すみません景虎さん──と役職ではなく名前で呼んだ。
「──もう遅いよ」
※ ※ ※
景虎は、他の従業員に店と警察対応を任せ、透哉の手を引いて非常階段を一緒に降りた。
手も小さいが並ぶと景虎の腰程度しか身長がない。これなら確かにあの小さい窓から入れそうだ。
透哉は、余程怖かったのだろう。まだ手から震えが伝わってくる。
そんな二人を階段の踊り場で一匹の三毛猫が出迎えた。
一階を借りているスナックの看板猫だ。
景虎の店にもおやつ目当てにやってくる。撫でようと手をかざすと向こうから頭を擦りつけてきた。
「お、ミケの鈴、また買ってくるからな」
目の前で鈴を引きちぎられた場面を思い出したのか繋いだ手がびくりと動いた。
この顔なので子供から怖がられることは多い。
屈んで目線を合わせる。
「うちのがごめんな──」
透哉は何も言わずに俯いている。
まだ顔が赤い。
「いやな時間も引っ張って──ごめんな。自分から言ってくれんかなと待ったけど──子供に罪を擦りつけるようじゃ駄目だな」
非常階段には消防法を無視していくつも段ボールや酒のケースが積まれている。
これを足場にしたのだろう。子供なら登れる。早々に撤去しないと。
多めに入れた封筒を渡すと長い睫毛に覆われた大きな瞳で景虎を見上げた。
「触られるのいやなんだろ。今日は仕事で来て我慢したと思ってくれ。ごめんな」
何も言わないし反応がない。
やっぱり自分が怖いのか。
「車で送るよ」
よく三鷹から田無まで自転車で来たものだ。
その子も金をもらってやったのだろうけれど。あの男との繋がりは警察に任せるか。
蚊の鳴くような声で透哉が言う。
「知らない人の車、乗ったら駄目なの」
「どうしたら君の知ってる人になれるの?」
「仲良くなったら」
──子供の応えは可愛いな。
苦笑しながら仕方なくタクシーに乗せようと表通りに出ると、丁度、一台が至近距離で止まった。
ドアが開くや否や降りてきたのは黒髪の男の子で、透哉の名前を呼んで駆け寄ってくる。
透哉は景虎と繋いでいた手をぱっと離すと、その子の胸に飛び込みくずおれた。
「さむ、い、さむいよ──」
男の子はこちらに軽く会釈した。
この整った顔は──知っている。
榊の元でウリをしている何とかとかいう役者の子供だったか甥っ子だったか──名前は忘れた。
聞きたいことは何となく察する。
「嵌められたのは解っているよ。侵入者ではあるけどな──気づかなかったけど、その子、具合が悪かったのか」
「昨日から熱が、あって」
高熱のせいで寒いのか。
ふわりと透哉を抱きあげて待たせているタクシーに運ぼうとする。
「君、榊のところの子だね。鷺沢病院は遠いだろ。近くに懇意にしてる医者がいるから乗りな」
黒い瞳が警戒する。透哉の容体から、遠くまで運べるかどうか、景虎を信用するかしないか天秤にかけている。
「透哉、苦しい?」
「さむい、さむ、い──」
「体調のこと言いだせなかったみたいで──ずっと我慢させて悪かった。お詫びにこっちで連れていくよ」
天秤は景虎のほうに傾いたらしい。
類は素直にタクシーを帰して、透哉を抱いたまま後部座席に乗った──と思ったらいきなり「うわ、ごめんなさい!」と言う。
何かと思って振り向いたらシートに血がついていた。
「え、怪我? どっちの血」
「違くて、あの──俺、殴っちゃって、ここ来る前に。そいつの血、手についてたみたい」
気まずそうにぼそぼそ呟く。
「──透哉を苛めてた子?」
「うん」
殴ってこの場所を吐かせた訳か。
「シートと、不法侵入と──殴った件はこっちで何とかするから。子供は心配しなくて良いよ」
「あと、榊に──言わないで。揉め事とか警察沙汰とかきらうから」
「知ってるけど付き合いはないから安心しろ。榊に深入りすんなよ。あいつ真っ黒だからな」
「──お兄さんは真っ白なの」
「グレイかな。何かあったら警察呼べるくらいには健全」
※ ※ ※
友人の医者は点滴が終わったときの処理を自分に頼んで仮眠に戻っていった。
ただでさえ高熱で寒がっているのに点滴で体内に水分を入れられ、透哉は歯の根が合わないほど震えた。
顔も赤いし息も整わない。
躰を遊ばれた結果だと思っていたけれど体調不良が隠れていたとは可哀想なことをしてしまった。
「る」
「いるよ」
「るい、る、さむ」
点滴中の透哉のうわ言で、名前を思い出した。
──そうだ。類だった。
透哉と共に今は眠っている。
大人用の点滴チェア。
子供とはいえ二人はさすがに狭いだろう。
それでも二人はすらりと細い手足を複雑に絡ませて一緒のチェアで眠っている。ケージの隅で躰を溶け合わせている小動物のようだ。
どっちがどっちの手だか足だか判然としない。
──何処がどうなってるんだこの体勢。
下になっている類が、点滴針を抜く気配にちらと薄目を開けた。
こちらに流す黒目がちの視線が子供の癖に妙に色っぽい。
売れる──だろう。どうしても経営者側の考えになるが顔見世で勝てる。
男女どちらの客もつきそうだ。物怖じせず生意気なのも大人から見れば可愛いらしい。
「なんだか凄い姿勢だけれど。痛くないの、それ」
「──寒い寒いって透哉が絡めてくるんだもの。別に痛くはないよ」
声に反応して目を瞑ったままの透哉が手を伸ばし類のくちびるを探り当てると舌で舐める。
類は視線を景虎に寄越したまま透哉の舌を受け入れ吸った。
「ん、ん」
透哉の甘ったるい声が愛らしい。長い睫毛はうっとりと伏せられている。
内股で類の脚を挟み擦りつけるような仕草をした。
「ちょい喋らせて。お前、こっち」
類のほうからくちびるを離し、自分のシャツをはだけさせると、透哉が餌を求める雛のように類の乳首を喰む。
ぺちゃぺちゃと舌で舐める水音。類の引き締まった腹筋と対照的な可愛らしい臍が時折ひくと動いた。
腕の中の巻き毛を梳きながら「透哉に何したの」と大人びた口調で訊く。
「羽根の玩具で遊ばれて──指を挿れられて。そんなもん」
「イってない?」
「一回」
「──そう」
類は透哉に何が耳打ちする。透哉がゆっくり首を振って類の首元に顔を埋めた。
「酒なしだよね。こんな──理性飛んでるの久しぶりに見た」
「君が来るまでは──おとなしいなとは思ったけど、こんなんじゃ──」
お互い少し困った顔で透哉を見やる。あきらかに──発情している。
熱に浮かされている所為なのか。あの男に悪戯された所為なのか。
類がひとつ息を吐くと透哉の服を緩めながら躰を屈めた。
ものを口に含んだの──だろう。
透哉の愛らしい喘ぎと、身をよじって悦がる後ろ姿を見れば想像は容易につく。
類は口に糸を引かせながら離すとチェアに沈み込んだ。
透哉の陰茎を摘んで自分の後孔に誘導する。
唾と先走りで濡れた先端が類の蕾に喰まれていく。
耐えきれずに透哉が喉を仰け反らし高い声で喘いだ。その喉に類が舌を這わす。
ちらと景虎を流し見ながら透哉の腰を引き寄せる。
透哉は、また手足をくるりと類の四肢に絡めて甘えた。
「それじゃ動けないだろ」
類は仕方なくあやすように腰を優しく揺らす。
奥に引き込まれた透哉が本能的に温かい内壁に自らを擦りつける。
「ぁ、あ、ぁ」
「──っ、ん」
類の表情が艶めかしく変化した。
類のほうが受けるのか。
見た目の印象だと逆の気がするが。景虎の疑問を汲み取り類が先回りをする。
「透哉、まだ、怖いみたい、だから──」
ビジネス的に挿入なしの方針なのかと思っていたが、そもそも未経験なのか。
小さな両手でぎゅうと類の腰を掴んで、接合部を密着させている。
夢中な稚拙さが可愛いらしい。
「ぁっ、ん──」
ただ、ほしくて求めている。
類が透哉の腕を掴み手前に引いた。
透哉が奥のうねるような刺激に思わず腰を引くと、また手を引かれて誘い込まれる。
「ぁ、ゃ、あ」
類に先導される形で透哉は両腕を持たれたまま引き合うように背をそらせ何度も小刻みに痙攣した。
「でき、た」
呼吸がまだ整わないが、得意気に類に報告している。
余韻に濡れた瞳。
──ああ。
まだでないから自分で言っているのか。褒めてほしくて。
類に「じょうずにできたね」とくちづけされると瞳を煌々とさせてよころぶ。くるりと振り返って小首を傾げ、景虎を見た。まだ潤んだ瞳。
──褒めろってことなんだろうけれど。
景虎が戸惑いながらも無言で頭を撫でてやると気が済んだらしく類の腕の中に全身を委ねた。
「いつもはこんな懐っこくないよ」
少し困った顔で類が言い訳のように言う。確かに、ついさっき人前でイくのいやだと暴れた子とは思えない。
「──ぽいな。意識、朦朧としてるなこれ──可愛いけど」
なんだか子供というより幼児か愛玩動物のようだ。
どうみても理性が飛んでいる。おそらく病院に来たあたりからぼんやりとしていたし記憶には残らないだろう。
「──売ってるんだから金積めば後ろもヤらしてくれるかもよ」
類が揶揄うように言う。
景虎に見せつけるように透哉のシャツの後ろをゆっくり捲り上げた。露わになった小さな尻の割れ目を類の指が押し開く。
もう当人は夢の中らしく反応はない。
薄い色合いの小さな蕾がいやでも視界に入った。可愛らしい二つの小さな陰嚢も。
寝息に合わせて控えめに揺れている。
「はじめてを売るものかな──君としたほうが良いんじゃない」
「何で?」
「何でって──仲良いんだろ。特別なんじゃないの」
「別に膜があるわけじゃなし」
義務教育中とは思えない台詞だ。内容は間違っちゃいないけれど。
真正面から類と目が合った。
表情ひとつ変えない。
念を押してみる。
「俺が貰っても?」
「──どうぞ?」
素知らぬ顔で言う。
「可愛がってるんじゃないの」
「──さあ?」
類は少し口角をあげて笑った。
──余裕だな。
別に景虎としても本気ではなく、ただ類のポーカーフェイスが崩れるところを見たかっただけだ。
怒るか焦るかすると思ったのに可愛げがない。
透哉が類の腹の上で寝返りをうちながら、夢現に指先を伸ばす。
類が自分の首に巻きつけてやると温かさに安心してまた深い眠りに落ちていく。
類もやがて目を閉じた。
狭いチェアの上。
艶やかな黒髪の合間から覗く寝顔はさすがにまだあどけない。
その腕の中で護られている色素の薄い巻き毛がかかる横顔は天使のようだ。
互いの細い手足を絡めたまま寝息で小さく波打つ様は、ひとつの生き物のように景虎には見えた。
了
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