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第25話 外の評価、そして……
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「………………」
「よぉっ、ザナックじゃねーか、お前も今から仕事か?」
完全に意識の外にあったところへ、突然声を掛けられハッとしたようにザナックと呼ばれた冒険者然とした男が振り返る。
「ああ、何だロイドか。まぁ、そんなところだ……。お前の方こそこんな時間にどうしたんだ?」
ロイドと呼ばれたこれまた冒険者風の出で立ちの男がザナックへと近寄ってくる。
「ああ、何か新しい冒険者依頼でも入ってないかと思ってな……。にしても、どうしたんだよ、ザナック。こんなところでボーっと突っ立って……。――ハッ⁉ さては、どこぞの美人な姉ちゃんでも見つけたんだろ?」
「ん? いや、そんなんじゃねーんだけどよ……」
「じゃあ何だよ? 俺には言いづらいことなのか? オラ、勿体ぶらずにとっとと白状しろよ!」
「いや、本当にそんなんじゃなくてよ……。さっきまで、坊やが来てやがったんだよ」
そう言ってザナックは受付カウンターの方を指さしていく。
「あん? 坊や? 坊やって、ひょっとして、例の坊やのことか?」
「ああ、その坊やだ……。何でも今度はオークをたった一人で倒しちまったらしい……」
「ヒュ~~、マジかよ? この間のホブゴブリンの件といい、一体どうなっちまったってんだよ?」
「さぁて、そこら辺の事情は俺にもよく分からねえんだけどな……。けど……」
「? けど、何だよ?」
「あ、いや……。やっぱり、何だかんだ言ってもあの坊やも歴としたレア・スキル所持者だったってことなんじゃねーのかなぁ……って」
「………………」
「………………」
暫しの沈黙の後、
「……違えねぇ。あの時は俺もその場の雰囲気に乗せられて馬鹿笑いしちまってたけど……。よくよく考えたらレア・スキル所持者が俺らみたいなボンクラと一緒のはずがねーわな……」
しみじみそんな感想を抱く二人
「ま、ソレを認めたがらないのはあの坊やを追い出したチャモアたちくらいのもんだろうけどな」
「ああ、そうだろうな。そういえば、唯一の稼ぎ頭だった坊やを追い出してアイツら今頃どうしてんだろうな?」
そんな質問にザナックは人差し指を突き上げ上の酒場を示した。
「あん? へ、なるほどねぇ、こんな朝っぱらから酒盛りたぁ、いいご身分なこって」
「つっても、やけ酒の類だろうけどな♪」
お互い顔を突き合わせるや、
「「ギャハハハハハハ」」
と、そんな風に二人が馬鹿笑いをしていたところへ
ザザッ――。
冒険者組合へまた一人、冒険者然とした格好の、それも女性が姿を現した。
と、
「「「「――――‼」」」」
ザワザワザワザワッ……。
彼女が姿を見せた途端、それまでも騒がしかった冒険者組合内が違った意味でもって俄かにざわつき始めた。
細身の体には十分すぎるほどの豊かなふくらみを護る目にも鮮やかな蒼色の胸当て同様、チーム名を体現するかのような、蒼一色で統一された肩当に手甲……。更には美しい曲線を描く腰回りに革ベルトでつるされたレイピアと――。常時からもその容姿端麗な姿も相まって、常に人々の――。特に異性の目を惹きつけずにはいられなかったわけだが、この時ばかりはそれがかえって悪目立ちをしてしまっていて……。
「お、おい、アレって……」
「ああ、間違いねぇ……。青き翼のリスリィ・ガノブレードだ……。もう復帰したって話は聞いちゃいたけど、本当だったんだな」
「だけどよぉ、青き翼っていやぁ、アイツ以外は全め――」
「ば――バカッ‼ め、滅多なこと口にするんじゃねぇっ‼」
「あっ‼ いっけねぇ~、不味いこと言っちまったかなぁ……?」
「………………」
当然リスリィの耳にもそんな声が届いていたはずだが、そんな野次馬たちの声もまるで腫れ物にでも触れるかのような雰囲気すらもリスリィは全く意に介さず、誰に話しかけるでもなければ、ただ一点だけを見つめ淡々と受付窓口へと向かっていく。
スタスタスタスタ……。
真っ直ぐと腰の辺りまで伸びる緑色の髪を揺らしながら、その瞳は真っ直ぐに前だけを向いていて……。
一方で、以前までの彼女のソレとは違って菫青石の瞳にどこか陰が差しているかのような……。
ザッ――。
「あ、いらっしゃいませ、冒険者組合へようこそ。本日はどのようなご相談でしょうか?」
ニコリと笑みを湛え、まだ入ったばかりの見習い冒険者組合職員、スフィカ・エールトが応対をし始めるも、
「――あ、スフィカちゃん、ちょっと‼」
奥の資料室から出てきたところ、偶然リスリィの姿を目にしたココア・ウィンスレットが慌てたように小走りにも駆け寄ってくるなり、
「す、スフィカちゃん、ゴメンね。この人は私が担当するから、資料の方を先に片付けててもらっちゃってもいいかな? どうもありがとうね」
「あ、はい、分かりました。それじゃあよろしくお願いします」
そういってリスリィにも一礼すると、スフィカは奥の資料室へと向かって歩いていく。
「……………………」
「……………………」
そうしてスフィカの姿が見えなくなったのを確認するや、改めてリスリィへと向かい合う格好をとっていくなり、
「お待たせして申し訳ありませんでした、リスリィ・ガノブレード様。改めまして冒険者組合へようこそ、本日はどのようなご相談でしょうか?」
冒険者組合中がピリピリとした雰囲気を醸し出す中、普段と何ら変わらない丁寧な応対でもってリスリィに接していくココア。
と、これも彼女の持って生まれた才能なのかはたまた……。ほんの少しだけではあるものの場の雰囲気を和らげていったような気がした……。
「――……そうでしたか……。ところで、あの……。もう、動かれてもよろしいのでしょうか?」
「ええ、お陰様で。その節は色々とご迷惑をおかけしてしまって……」
「いえいえ、そ、そんな迷惑だなんて……。冒険者の方々のサポートをするのは我々冒険者組合職員の務めですから……‼」
「そう言って貰えるとこちらとしても助かります。でも、本当にもう全然問題ないのでお気遣いなく……」
「そ、そう、ですか……」
全然問題ない――。そういうリスリィの口ぶりとは裏腹に、ココアの瞳には全然大丈夫そうには映っていなかった。
確かに肉体的な面では完全に回復したのかもしれないが……。何よりココアが危惧していたのは、リスリィの精神面の方であって……。
とはいえ、流石に事情が事情なだけに如何な冒険者組合職員という立場とはいえ、はたしてそこまで踏み込んでいっていいものなのかと考えあぐねていたところ、
「あの、一つお訊ねしたいしたいことがあるんですけど……」
「――⁉ え? あ、は、はい、何でも仰ってください。私で分かること、いえ、冒険者組合で調べられる範囲でしたら、規定に触れない限りはお手伝いいたしますので何でも仰ってみてください」
「ありがとうございます。それでは、ここ1~2ヶ月の間に冒険者組合に登録された冒険者――。もしくはそれ以前でも構わなんですけれど、その中に赤い髪をした15~17歳くらいの男性の方ってご存じありませんか?」
「え? 男性で、赤い髪、ですか……?」
リスリィはそっと頷く。
「………………」
ココアは宙を見上げながら思案を巡らせていく。
赤い髪、というだけならそれこそ数多くの冒険者の顔が浮かぶも……。
しかしそこに年齢を加味していくと、該当するのはほんの少し前に自分が応対していた少年くらいしか思い浮かばなかった。
「え~~っと、その条件ですと……」
「それと多分、実力的にはA――。もしくは、最低でもBランクの冒険者だと思うんですけど……」
一瞬リック・リパートンの顔が頭に擡げ、彼の名前を口にしそうになるも、
「ら、ランクA~Bですか……。となると、ちょっと該当者は思い当たらないですね……。」
「……そう、ですか……」
明らかにトーンダウンするリスリィ……。両者の間に気まずい空気が流れかけるも、
「それではもう一つだけ……。あの――――」
「――……分かりました。もしその件についても何か情報が入りましたら、真っ先にお伝えしますのでしばらく様子を見てみてください」
「そうですか。態々ありがとうございました。では、今日はこれで……」
そう言って一礼すると、リスリィはココアとの会話を済ませるや、足早に冒険者組合を後にしていった。
「………………」
「………………」
リスリィが去っていった後、話を盗み聞きしていたザナックとロイドがどちらからともなく話し始めた。
「よぉ、今の話聞いて、どう思ったよ?」
「んぁ? ああ、何てぇか、こう、やるせねぇ気持ちにさせられるよな……」
「だな……。生真面目すぎるってーのか、損な生きかたしてやがるよな……」
「全くだ。ったく、どっかのアホンダラどもにリスリィの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだぜ……」
そんなことを呟きつつ、二人は天井を見上げていた――。
「よぉっ、ザナックじゃねーか、お前も今から仕事か?」
完全に意識の外にあったところへ、突然声を掛けられハッとしたようにザナックと呼ばれた冒険者然とした男が振り返る。
「ああ、何だロイドか。まぁ、そんなところだ……。お前の方こそこんな時間にどうしたんだ?」
ロイドと呼ばれたこれまた冒険者風の出で立ちの男がザナックへと近寄ってくる。
「ああ、何か新しい冒険者依頼でも入ってないかと思ってな……。にしても、どうしたんだよ、ザナック。こんなところでボーっと突っ立って……。――ハッ⁉ さては、どこぞの美人な姉ちゃんでも見つけたんだろ?」
「ん? いや、そんなんじゃねーんだけどよ……」
「じゃあ何だよ? 俺には言いづらいことなのか? オラ、勿体ぶらずにとっとと白状しろよ!」
「いや、本当にそんなんじゃなくてよ……。さっきまで、坊やが来てやがったんだよ」
そう言ってザナックは受付カウンターの方を指さしていく。
「あん? 坊や? 坊やって、ひょっとして、例の坊やのことか?」
「ああ、その坊やだ……。何でも今度はオークをたった一人で倒しちまったらしい……」
「ヒュ~~、マジかよ? この間のホブゴブリンの件といい、一体どうなっちまったってんだよ?」
「さぁて、そこら辺の事情は俺にもよく分からねえんだけどな……。けど……」
「? けど、何だよ?」
「あ、いや……。やっぱり、何だかんだ言ってもあの坊やも歴としたレア・スキル所持者だったってことなんじゃねーのかなぁ……って」
「………………」
「………………」
暫しの沈黙の後、
「……違えねぇ。あの時は俺もその場の雰囲気に乗せられて馬鹿笑いしちまってたけど……。よくよく考えたらレア・スキル所持者が俺らみたいなボンクラと一緒のはずがねーわな……」
しみじみそんな感想を抱く二人
「ま、ソレを認めたがらないのはあの坊やを追い出したチャモアたちくらいのもんだろうけどな」
「ああ、そうだろうな。そういえば、唯一の稼ぎ頭だった坊やを追い出してアイツら今頃どうしてんだろうな?」
そんな質問にザナックは人差し指を突き上げ上の酒場を示した。
「あん? へ、なるほどねぇ、こんな朝っぱらから酒盛りたぁ、いいご身分なこって」
「つっても、やけ酒の類だろうけどな♪」
お互い顔を突き合わせるや、
「「ギャハハハハハハ」」
と、そんな風に二人が馬鹿笑いをしていたところへ
ザザッ――。
冒険者組合へまた一人、冒険者然とした格好の、それも女性が姿を現した。
と、
「「「「――――‼」」」」
ザワザワザワザワッ……。
彼女が姿を見せた途端、それまでも騒がしかった冒険者組合内が違った意味でもって俄かにざわつき始めた。
細身の体には十分すぎるほどの豊かなふくらみを護る目にも鮮やかな蒼色の胸当て同様、チーム名を体現するかのような、蒼一色で統一された肩当に手甲……。更には美しい曲線を描く腰回りに革ベルトでつるされたレイピアと――。常時からもその容姿端麗な姿も相まって、常に人々の――。特に異性の目を惹きつけずにはいられなかったわけだが、この時ばかりはそれがかえって悪目立ちをしてしまっていて……。
「お、おい、アレって……」
「ああ、間違いねぇ……。青き翼のリスリィ・ガノブレードだ……。もう復帰したって話は聞いちゃいたけど、本当だったんだな」
「だけどよぉ、青き翼っていやぁ、アイツ以外は全め――」
「ば――バカッ‼ め、滅多なこと口にするんじゃねぇっ‼」
「あっ‼ いっけねぇ~、不味いこと言っちまったかなぁ……?」
「………………」
当然リスリィの耳にもそんな声が届いていたはずだが、そんな野次馬たちの声もまるで腫れ物にでも触れるかのような雰囲気すらもリスリィは全く意に介さず、誰に話しかけるでもなければ、ただ一点だけを見つめ淡々と受付窓口へと向かっていく。
スタスタスタスタ……。
真っ直ぐと腰の辺りまで伸びる緑色の髪を揺らしながら、その瞳は真っ直ぐに前だけを向いていて……。
一方で、以前までの彼女のソレとは違って菫青石の瞳にどこか陰が差しているかのような……。
ザッ――。
「あ、いらっしゃいませ、冒険者組合へようこそ。本日はどのようなご相談でしょうか?」
ニコリと笑みを湛え、まだ入ったばかりの見習い冒険者組合職員、スフィカ・エールトが応対をし始めるも、
「――あ、スフィカちゃん、ちょっと‼」
奥の資料室から出てきたところ、偶然リスリィの姿を目にしたココア・ウィンスレットが慌てたように小走りにも駆け寄ってくるなり、
「す、スフィカちゃん、ゴメンね。この人は私が担当するから、資料の方を先に片付けててもらっちゃってもいいかな? どうもありがとうね」
「あ、はい、分かりました。それじゃあよろしくお願いします」
そういってリスリィにも一礼すると、スフィカは奥の資料室へと向かって歩いていく。
「……………………」
「……………………」
そうしてスフィカの姿が見えなくなったのを確認するや、改めてリスリィへと向かい合う格好をとっていくなり、
「お待たせして申し訳ありませんでした、リスリィ・ガノブレード様。改めまして冒険者組合へようこそ、本日はどのようなご相談でしょうか?」
冒険者組合中がピリピリとした雰囲気を醸し出す中、普段と何ら変わらない丁寧な応対でもってリスリィに接していくココア。
と、これも彼女の持って生まれた才能なのかはたまた……。ほんの少しだけではあるものの場の雰囲気を和らげていったような気がした……。
「――……そうでしたか……。ところで、あの……。もう、動かれてもよろしいのでしょうか?」
「ええ、お陰様で。その節は色々とご迷惑をおかけしてしまって……」
「いえいえ、そ、そんな迷惑だなんて……。冒険者の方々のサポートをするのは我々冒険者組合職員の務めですから……‼」
「そう言って貰えるとこちらとしても助かります。でも、本当にもう全然問題ないのでお気遣いなく……」
「そ、そう、ですか……」
全然問題ない――。そういうリスリィの口ぶりとは裏腹に、ココアの瞳には全然大丈夫そうには映っていなかった。
確かに肉体的な面では完全に回復したのかもしれないが……。何よりココアが危惧していたのは、リスリィの精神面の方であって……。
とはいえ、流石に事情が事情なだけに如何な冒険者組合職員という立場とはいえ、はたしてそこまで踏み込んでいっていいものなのかと考えあぐねていたところ、
「あの、一つお訊ねしたいしたいことがあるんですけど……」
「――⁉ え? あ、は、はい、何でも仰ってください。私で分かること、いえ、冒険者組合で調べられる範囲でしたら、規定に触れない限りはお手伝いいたしますので何でも仰ってみてください」
「ありがとうございます。それでは、ここ1~2ヶ月の間に冒険者組合に登録された冒険者――。もしくはそれ以前でも構わなんですけれど、その中に赤い髪をした15~17歳くらいの男性の方ってご存じありませんか?」
「え? 男性で、赤い髪、ですか……?」
リスリィはそっと頷く。
「………………」
ココアは宙を見上げながら思案を巡らせていく。
赤い髪、というだけならそれこそ数多くの冒険者の顔が浮かぶも……。
しかしそこに年齢を加味していくと、該当するのはほんの少し前に自分が応対していた少年くらいしか思い浮かばなかった。
「え~~っと、その条件ですと……」
「それと多分、実力的にはA――。もしくは、最低でもBランクの冒険者だと思うんですけど……」
一瞬リック・リパートンの顔が頭に擡げ、彼の名前を口にしそうになるも、
「ら、ランクA~Bですか……。となると、ちょっと該当者は思い当たらないですね……。」
「……そう、ですか……」
明らかにトーンダウンするリスリィ……。両者の間に気まずい空気が流れかけるも、
「それではもう一つだけ……。あの――――」
「――……分かりました。もしその件についても何か情報が入りましたら、真っ先にお伝えしますのでしばらく様子を見てみてください」
「そうですか。態々ありがとうございました。では、今日はこれで……」
そう言って一礼すると、リスリィはココアとの会話を済ませるや、足早に冒険者組合を後にしていった。
「………………」
「………………」
リスリィが去っていった後、話を盗み聞きしていたザナックとロイドがどちらからともなく話し始めた。
「よぉ、今の話聞いて、どう思ったよ?」
「んぁ? ああ、何てぇか、こう、やるせねぇ気持ちにさせられるよな……」
「だな……。生真面目すぎるってーのか、損な生きかたしてやがるよな……」
「全くだ。ったく、どっかのアホンダラどもにリスリィの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだぜ……」
そんなことを呟きつつ、二人は天井を見上げていた――。
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