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生徒会庶務のお仕事!

生徒会庶務のお仕事!①

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 体育祭……それは、血気盛んな男子どもが自らの持てる力すべてを使い、普段は近づけない憧れのあの子やちょっと気になってるあの子にアピールができるという、言わばアピールの場である。……まあ、そこまではないとは思うが、チラホラと「応援団の人とチアの人が付き合ったらしいよ」とか「あの人のことあんまり知らなかったけど、走ってる姿とかカッコよくない~」なんていう言葉も入ってくる。俺でもそれくらいの情報を持っているのだ。他の男子はもっと情報を知っているだろうし、「俺にもワンチャンある!」なんて思っているかもしれない。
 そんなこともあってか、みんな体育祭には前向きに取り組んでいるし、単純に楽しみにしている。

 さて……そんな体育祭にも弱点がある。
 そこを上手くつけば……というかそのせいで俺は体育祭をあまり好きになれずにいた。つまりは、俺が楽をするということは体育祭の弱点をどうにかするということになるだろう。


「ふぅ、今日も暑いね~。ヒナは何か飲む?」

 パタパタと顔の辺りを扇いで、そんなことを聞いてきたのは久遠さんだ。
 もう9月の中旬に差し掛かろうと言うのに、今年の残暑は毎年恒例で10年に一度の暑さなんだとか……
 
「じゃあ、コーラで」
「う~ん、コーラだと下に買いにいかないとだなぁ」
「じゃあ、紅茶でいいです」
「おっけー、冷たいのにしとくね」

 そういうと、久遠さんは鼻唄を歌いながら紅茶を淹れ始めた。
 俺はなんとなく久遠さんに、体育祭の弱点について聞いてみた。 
 
「久遠さんは、暑い中での体育祭って好きですか」
「えっと、本番ならまだいいけど、さすがに練習中ずっと暑いのは嫌だな。……もしかして、何か思い付いたの?」

 すると、久遠さんが気になる気になるといったようすでグイグイ近づいてくる……主に顔とか胸とか、俺的に困るところが……

「ま、まあ……古海先生のお陰で一つだけ思い付きましたよ」
「へえ~どんなの?」

 俺は久遠さんの追随を何とか逃れながら、答えた。きっと、引くだろうなぁと思いながら。


「うんうん。ヒナらしいね。特にその一瞬まともなことを言っているように聞こえる辺りが」
「あはは……やっぱりサボりたいことがバレバレですか」

 俺の作戦は本当に俺が体育祭をサボりたくて考えたものだ。いつも通り、久遠さんにはそんなことバレてしまっているようで、ニコニコしている。……もしかして、実行前に久遠さんに潰されるんじゃあ……

「まあ、ヒナがサボるためにこんなこと言い出したら却下だけど……今回は見逃してあげる。代わりに絶対成功させてね」
「任して下さい。……って、久遠さんも体育祭を楽しようとしてません?」

「ふふっ、バレちゃった?」

  久遠さんはいたずらっ子ぽく笑いながら紅茶を渡してきた。
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