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生徒会庶務の夏祭り
生徒会庶務の夏祭り⑥
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「友達って何なんだろうなぁ」
「えっ!どうしたのあーくん?急にそんなこと言い出して?」
リンコ先輩が心配したように俺の顔を覗いてくる。
「いや、さっきの女の子が友達欲しいって言ってたから友達って何かなぁと思いまして」
「そんなこと考えてたんだ。あーくんってば花火会場に着いたら全然喋らなくなるんだもん~もしかして、ともちゃんにした話を気にしてるのかと思ったけど違くってよかった」
リンコ先輩はそう言って笑っている。……あれ?リンコ先輩今なんと?……
俺がともちゃんにしたらしい話を詳しく聞こうとしたが、結局リンコ先輩は教えてくれなかった。
「それであーくんはどう思ったの?」
「ともちゃんとの話ですか?」
「違う違う~友達って何なのか」
「さあ……俺には分かりませんよ。そもそも友達いないですし」
「じゃあ今考えて?」
リンコ先輩は俺の目をまっすぐ見ながらそう言ってきた。
「そうですね……俺の予想だと何も言わなくても心が通じ合っている仲とか?」
「そりゃあ、あーくんが友達いないって言うわけだ」
リンコ先輩は訳知り顔でそんなことを言ってくる。
「でも友達ってそういうもんじゃないんですか?小説とかに出てくる友達ってそういうイメージなんですけど」
「あーくん、小説に出てくる友達は確かに凄い人だけど、あんな友達現実にはいないよ。それにもしいたらその人は友達なんかじゃなくて化け物だよ」
リンコ先輩は小説に出てくるような、主人公のことを理解している人物を現実にいたら化け物と称した。
「化け物は酷いんじゃないですか?」
「だって怖いじゃん。あーくんが言ったみたいに何も言わなくても心が通じ合っているってことは、私が何かに悩んでいると相談する前にその友達が解決してくれるんだよ?」
「確かに化け物ですね。……じゃあ、リンコ先輩は友達って何だと思います?」
正直なところリンコ先輩は友達をどんなものだと思っているのかかなり気になる。
リンコ先輩は俺の知る限り、普通のリア充だ。運動は出来て、後輩にも慕われていて、クラスでも人気者らしいし、同性にだけどモテていて……そんな友達がたくさんいそうな、俺とは真逆の世界に生きているリンコ先輩が、友達をどんなものだと思っているのか。
俺がリンコ先輩の言葉を待っていると、リンコ先輩は恥ずかしそうに頬をかきながら話始めた。
「私は一緒にいて楽しかったらその人は友達と思うなぁ」
リンコ先輩の言う友達は、俺の考えていた友達よりもずっと簡単な条件な気がした。
「そうしたら、リンコ先輩は友達がたくさんですね」
「あはは、多分ね。でも友達って色々あるじゃん?」
俺にも何となくリンコ先輩が言いたいことは分かる。
教室ではよく喋るけど、学校の外で遊んだりしたことはないやつとか。今ではゲームの中の友達とか……一言で友達と言ってもどれを指しているのか分かりにくいということだろう。……そして、あの女の子が欲しいと言った友達や俺がいないと思っている友達は同じ友達だろう……
「確かに色々ありますね。あの女の子が欲しいって言ってた友達って……」
「うん。本当の友達だと思うよ」
「本当の……か」
「ねえ?あーくんは友達って何だと思う?」
同じ質問なのに……俺はリンコ先輩の質問に答えることは出来なかった。
「えっ!どうしたのあーくん?急にそんなこと言い出して?」
リンコ先輩が心配したように俺の顔を覗いてくる。
「いや、さっきの女の子が友達欲しいって言ってたから友達って何かなぁと思いまして」
「そんなこと考えてたんだ。あーくんってば花火会場に着いたら全然喋らなくなるんだもん~もしかして、ともちゃんにした話を気にしてるのかと思ったけど違くってよかった」
リンコ先輩はそう言って笑っている。……あれ?リンコ先輩今なんと?……
俺がともちゃんにしたらしい話を詳しく聞こうとしたが、結局リンコ先輩は教えてくれなかった。
「それであーくんはどう思ったの?」
「ともちゃんとの話ですか?」
「違う違う~友達って何なのか」
「さあ……俺には分かりませんよ。そもそも友達いないですし」
「じゃあ今考えて?」
リンコ先輩は俺の目をまっすぐ見ながらそう言ってきた。
「そうですね……俺の予想だと何も言わなくても心が通じ合っている仲とか?」
「そりゃあ、あーくんが友達いないって言うわけだ」
リンコ先輩は訳知り顔でそんなことを言ってくる。
「でも友達ってそういうもんじゃないんですか?小説とかに出てくる友達ってそういうイメージなんですけど」
「あーくん、小説に出てくる友達は確かに凄い人だけど、あんな友達現実にはいないよ。それにもしいたらその人は友達なんかじゃなくて化け物だよ」
リンコ先輩は小説に出てくるような、主人公のことを理解している人物を現実にいたら化け物と称した。
「化け物は酷いんじゃないですか?」
「だって怖いじゃん。あーくんが言ったみたいに何も言わなくても心が通じ合っているってことは、私が何かに悩んでいると相談する前にその友達が解決してくれるんだよ?」
「確かに化け物ですね。……じゃあ、リンコ先輩は友達って何だと思います?」
正直なところリンコ先輩は友達をどんなものだと思っているのかかなり気になる。
リンコ先輩は俺の知る限り、普通のリア充だ。運動は出来て、後輩にも慕われていて、クラスでも人気者らしいし、同性にだけどモテていて……そんな友達がたくさんいそうな、俺とは真逆の世界に生きているリンコ先輩が、友達をどんなものだと思っているのか。
俺がリンコ先輩の言葉を待っていると、リンコ先輩は恥ずかしそうに頬をかきながら話始めた。
「私は一緒にいて楽しかったらその人は友達と思うなぁ」
リンコ先輩の言う友達は、俺の考えていた友達よりもずっと簡単な条件な気がした。
「そうしたら、リンコ先輩は友達がたくさんですね」
「あはは、多分ね。でも友達って色々あるじゃん?」
俺にも何となくリンコ先輩が言いたいことは分かる。
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「確かに色々ありますね。あの女の子が欲しいって言ってた友達って……」
「うん。本当の友達だと思うよ」
「本当の……か」
「ねえ?あーくんは友達って何だと思う?」
同じ質問なのに……俺はリンコ先輩の質問に答えることは出来なかった。
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