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とある休日談

とある休日談③

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 ……面倒なことになったなぁ……

 嫌なタイミングで由依に話を聞かれてしまった。テニス馬鹿とは言え、由依は中学生である。きっと盛大に勘違いしていることだろう。
 チラッと和泉さんを見てみるが、和泉さんはワタワタしていてとても頼りになりそうにはない。

「由依」
「なに?」
「お前の兄は人としてどう思う?」
「えっと、最低?いやぁ、やる気無さすぎ?とかかな……」
「そうだろ」
「他にも夢を持ったことも無さそうな目とかあとは……」

 流石は俺の妹である。俺のダメなところをどんどんあげてくる。和泉さんが目の前で「うわぁ」とか「確かに」とか言っているが気にしないでおこう。
 
「さて、そんなダメ人間の俺に彼女なんて出来ると思うか?友達もいないのに」
「無いね。……あれ?じゃあ、お兄ちゃんはフラれたの?」
「えっと、そうじゃなくて。私がヒナに……」

 俺が可愛そうな人になりかけていたので、慌てて和泉さんがフォローしてくれる。

「ヒナ?」
「ああ、俺のあだ名」
「プッ、ヒナって……」

 ……由依、お前笑ってるけど、お前も雛田だからヒナになるぞ?多分、会長さんに会ったらヒナ妹とか呼ばれるぞ……

「まあ、いいや。で、この人は和泉さんと言ってだな……」 

 それから、俺はここまでの経緯を由依に説明してやった。意外なことに和泉さんと由依が意気投合し、無駄に話が長くなってしまったが……

「大体わかりました。それなら、うちの兄は安全ですよ。面倒くさがりだから、変なことしないし、一応、男なんで和泉さんが男慣れのための練習相手に丁度いいと思いますよ」

 若干貶されているような気もするが、由依が協力したがり色々と変な計画を立てられてしまった。

「はい!それじゃあいってらっしゃい!」
「ありがとうね由依ちゃん」
「いえいえ~、うちの兄が役にたって何よりです」
「本当に、これ全部するの?」

 俺は由依からもらった今日の予定表をもう一度みるが、かなりの過密スケジュールだ。

「もちろん!じゃあ時間も勿体ないしいってらっしゃーい!」
「いや、俺は散歩くらいのつもりだったんだけど!」

「ヒナ、どこにいくの?」

 ……家から追い出されてしまった……こうなれば仕方ないので、由依からもらった予定通りに過ごしてみるか。

「そうですね、とりあえず昼飯食いません?」
「うん。私もちょっとお腹空いてたから丁度いいかも」

 
 こうして、俺の休日はまたもつぶれてしまった。 

 
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