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生徒会のお仕事Ⅲ
生徒会のお仕事Ⅲ⑥
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「はあ……(チラッ)はあ……(チラチラッ)……」
……なんだ、あの生き物は?……
中間テストも昨日で終わり、今日は早くも昨日までのテストが返却され、今のところ赤点回避できている(数学はまだ帰ってきてない)俺は、意気揚々と生徒会室に入った。のだが……
「はあ……あれだなあ……(チラッ)……はあ」
ずっと、ため息をついたり訳の分からないことを言って、ソワソワしている会長さんがいた。
……かれこれ、10分以上もこの調子だぞこの人。今日から勉強しなくていいからウキウキしてたのに、俺の気持ちを返してくれ……
何故か他の生徒会メンバーも全然来ないし、このままだとずっとこの調子かもしれないなぁ。仕方がない、声をかけてあげるか。
「えっと、ため息なんてついてどうしたんですか?」
「ヒナ~!聞いてくれよ!!!」
俺が声をかけるや否や、会長さんはものすごい前のめりになって立ち上がった。……これは、面倒なことになるかも……俺は、若干声をかけたことに後悔しているがしてしまったことはしょうがないので、話の続きを聞いてあげる。
「実はだな……」
会長さんが珍しく真面目な顔をしているし、先程までの変な行動もあってか、かなり嫌な予感がする。もしかして、また大変な相談事でも持ってきたのだろうか?俺は一度唾を飲み込み、会長さんの続きを待つ。もし、大変そうな相談事とかの話だったらすぐに逃げられるよう、鞄に手をかけつつ……
「実はだな……今のところ赤点がゼロ個なんだ!!!」
「は?」
「は?とは何だ!人生で始めて赤点を回避できているんだ。すごいことだろ!?」
「ああ、スゴイスゴイ。ヨクデキマシタ」
「はっはっは!もっと誉めたまえ~」
俺は今日改めて会長さんのバカさ加減を思い直した。俺が生徒会に入ってからずっと、変にため息ついたりソワソワしていたのは、誉めてもらいたくてウズウズしていたのだろう。この人、本当に年上なのか?
「というか、始めて赤点以外を取れたって……今までのテストどうしてたんですか?」
「うん?そんなの先生に土下座をして何とかしてもらってたぞ?」
「先生が可哀想だから今度から止めたげて下さい」
理事長の孫娘である会長さんに土下座なんてされたら、先生の胃に穴が開いてしまうかもしれない。もし、俺が教師の立場だったらと考えるとあまりにも恐ろしい。いや、別に教師になんてなる気ないけどね。
とにもかくにも、会長さんには、もう先生たちに土下座しないように約束させた。
「そう言えば、他の人たち遅いですね」
「うん?そう言われれば、確かに皆遅いな。サボりか!?」
「俺じゃないんだからそれは無いでしょ」
他の生徒会メンバーが揃うまで暇なので、紅茶でも飲むことにした。会長さんが椅子に座って「おかし、おかし!」なんて言っているが無視しておこう。
ドガンッ!!!
俺が紅茶を机の上に置くのと同時に、後ろからものすごい音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
「なにやつ!?」
会長さんは、相変わらず訳の分からないことを言っているが気にせず後ろを振り返ると、ゼエハァ言っている女子生徒が立っていた。どうやら、先程のものすごい音は、この女子生徒が生徒会室の扉を開けた音だろう。
「生徒会室は……ハァハァ……こ、こだな?」
会長さんに負けず劣らずの怪力少女(俺の勝手な予想)は、息切れしながらそう言ってきた。
「まあ、そうですけど。どうかしましたか?」
ここが生徒会室で間違いないので、そう答えてあげた。
俺の勘が告げている。この人は、面倒ごとを持ってくると……もし、大変そうな相談事とかの話だったらすぐに逃げられるよう、俺は鞄に手を(以下略)
「…………たの……」
「はい?」
「だから!赤点回避出来なかったの~!!!」
……これは、面倒なことになりそうだ。早く帰ろう……
と、思ったのだが会長さんに腕を捕まれてしまい、逃げられなかった。
そして、結局このよく分からない女子生徒の話を聞くことになってしまった。
……なんだ、あの生き物は?……
中間テストも昨日で終わり、今日は早くも昨日までのテストが返却され、今のところ赤点回避できている(数学はまだ帰ってきてない)俺は、意気揚々と生徒会室に入った。のだが……
「はあ……あれだなあ……(チラッ)……はあ」
ずっと、ため息をついたり訳の分からないことを言って、ソワソワしている会長さんがいた。
……かれこれ、10分以上もこの調子だぞこの人。今日から勉強しなくていいからウキウキしてたのに、俺の気持ちを返してくれ……
何故か他の生徒会メンバーも全然来ないし、このままだとずっとこの調子かもしれないなぁ。仕方がない、声をかけてあげるか。
「えっと、ため息なんてついてどうしたんですか?」
「ヒナ~!聞いてくれよ!!!」
俺が声をかけるや否や、会長さんはものすごい前のめりになって立ち上がった。……これは、面倒なことになるかも……俺は、若干声をかけたことに後悔しているがしてしまったことはしょうがないので、話の続きを聞いてあげる。
「実はだな……」
会長さんが珍しく真面目な顔をしているし、先程までの変な行動もあってか、かなり嫌な予感がする。もしかして、また大変な相談事でも持ってきたのだろうか?俺は一度唾を飲み込み、会長さんの続きを待つ。もし、大変そうな相談事とかの話だったらすぐに逃げられるよう、鞄に手をかけつつ……
「実はだな……今のところ赤点がゼロ個なんだ!!!」
「は?」
「は?とは何だ!人生で始めて赤点を回避できているんだ。すごいことだろ!?」
「ああ、スゴイスゴイ。ヨクデキマシタ」
「はっはっは!もっと誉めたまえ~」
俺は今日改めて会長さんのバカさ加減を思い直した。俺が生徒会に入ってからずっと、変にため息ついたりソワソワしていたのは、誉めてもらいたくてウズウズしていたのだろう。この人、本当に年上なのか?
「というか、始めて赤点以外を取れたって……今までのテストどうしてたんですか?」
「うん?そんなの先生に土下座をして何とかしてもらってたぞ?」
「先生が可哀想だから今度から止めたげて下さい」
理事長の孫娘である会長さんに土下座なんてされたら、先生の胃に穴が開いてしまうかもしれない。もし、俺が教師の立場だったらと考えるとあまりにも恐ろしい。いや、別に教師になんてなる気ないけどね。
とにもかくにも、会長さんには、もう先生たちに土下座しないように約束させた。
「そう言えば、他の人たち遅いですね」
「うん?そう言われれば、確かに皆遅いな。サボりか!?」
「俺じゃないんだからそれは無いでしょ」
他の生徒会メンバーが揃うまで暇なので、紅茶でも飲むことにした。会長さんが椅子に座って「おかし、おかし!」なんて言っているが無視しておこう。
ドガンッ!!!
俺が紅茶を机の上に置くのと同時に、後ろからものすごい音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
「なにやつ!?」
会長さんは、相変わらず訳の分からないことを言っているが気にせず後ろを振り返ると、ゼエハァ言っている女子生徒が立っていた。どうやら、先程のものすごい音は、この女子生徒が生徒会室の扉を開けた音だろう。
「生徒会室は……ハァハァ……こ、こだな?」
会長さんに負けず劣らずの怪力少女(俺の勝手な予想)は、息切れしながらそう言ってきた。
「まあ、そうですけど。どうかしましたか?」
ここが生徒会室で間違いないので、そう答えてあげた。
俺の勘が告げている。この人は、面倒ごとを持ってくると……もし、大変そうな相談事とかの話だったらすぐに逃げられるよう、俺は鞄に手を(以下略)
「…………たの……」
「はい?」
「だから!赤点回避出来なかったの~!!!」
……これは、面倒なことになりそうだ。早く帰ろう……
と、思ったのだが会長さんに腕を捕まれてしまい、逃げられなかった。
そして、結局このよく分からない女子生徒の話を聞くことになってしまった。
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