生徒会庶務のお仕事！

生徒会のお仕事Ⅱ

生徒会のお仕事Ⅱ②

「それじゃあ、早速今日のお仕事だ！」 

 会長さんが、思いっきり机の上を叩いたせいで紅茶が少し溢れてしまった。
 せっかく久遠さんが淹れてくれたのに、この人は何してくれてるんだ。和泉さんは会長さんの奇行に慣れているのか、溢れた紅茶を素早く拭き取ってくれている。

「すまない……力が強すぎた」
「次からは、気を付けようね～」

 久遠さんが、会長さんの頭を優しく撫でてあげている。

「うん」

 会長さんも反省しているのか、シュンとしていた。あなたは、本当に力が強いので気を付けて下さい。
 ……それにしても紅茶を溢すわ、久遠さんに慰められてるわで、どっちが会長かわからなくなるなぁ……

「それで、今日の仕事は何なの？あまり大きな仕事は無かったと思うけど……」

 紅茶を拭き終わったようで和泉さんが質問をする。確かに、和泉さんの言う通り一学期の初めは、行事もたいして無いから大きな仕事は無さそうだ。一応、相談ボックスの問題も解決してることだし。

「実は、特に仕事は無いんだが……暇だから何かしよう！」
「さっき、今日のお仕事だ！みたいに張り切っていたのは何だったんだ？」
「あれは、適当なノリだな！」   

 会長さんは、腕を組ながら笑っている。他のメンバーも苦笑いを浮かべているが、そんなことを気にする会長さんではない。

「で、何するんですか？」

 放っておくのも可哀想なので、一応聞いてあげる。

「う～ん……そうだ！トランプ大会なんてどうだ？」
「そもそもトランプが無いでしょ！」
「あっ、わたし持ってるよ」

 村上さんがそう言って、鞄からトランプを取り出した。……なんで、学校にトランプ持ってきてるの？……

「おお～！さすが志帆だ！それでは、第一回チキチキ生徒会トランプ大会を始める！」
「わ～い」

 村上さんがトランプを持ってきている理由は謎のままだが、本当にトランプ大会をするようだ。まあ、参加者4人ですけど。……それと何気に和泉さんがノリノリである。……

「それじゃあ、第一の競技はババ抜きだ～！」
「第一の競技って……他にもするのかぁ」

 俺がため息をつくと、会長さんが勢いよく立ち上がる。

「当然だ！ちなみに優勝者は、他のメンバーに一度だけ何でも言うことを聞かせられる権利を与えよう！もちろん、えっちぃこともオッケーだぞ！」

 あなたは、どこのエロ親父ですか？会長さんは、これでやる気になっただろう？という風に見てくるが、あまりやる気は出ない。……あと、一瞬だけ村上さんがニヤリと笑った気がするが、気のせいですよね？……

「ヒナは、そんなことしないもんね」
「そ、そうよね……有栖さんの言う通り、大丈夫よね！」

 和泉さんは、そんなことを言っているが顔を赤くしてこちらをチラチラ見てくる。うん、この人全然、俺のこと信用してないな。

「俺は、そんなアホなことより宿題をさせたり、仕事を肩代わりさせたりしますよ。基本、働きたくないですから」
「流石は、ヒナだね……」
「えっちぃことをさせないなんて……ガッカリだなぁ」

 散々なものの言われようだが、取り合えずババ抜きをすることになった。
 ……それと会長さんは、俺に何を期待してるんだよ……