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彼女たちの……

彼女たちの……①

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「ドジッ子幼なじみは?ツンデレな後輩は?やさしい先輩は?出てこないのか~!……あっ、どうもご無沙汰してます」
 何とも残念な魂の叫びをしていたのは、最近ハーレムエンドに目覚めた。わたくしこと赤城 飛翔あかぎ かけるでございます。
 いやぁ……彼の物語にもツンデレキャラとかほしいですよね~……いえ、青葉さんも良いですよ!
 さて、おさらいコーナーといきましょうか。前回は何とかして新キャラ(青葉さん)の告白を断ることに成功!という話でしたね……これ、一応……恋愛系の話だよね。こんなんでいいの……?

「それでは、今回からまた彼が色々と奮闘するはずなのでみていきますか……どうぞ!」



「う~ん……どうしよっかなぁ~」
 俺は今あることに悩まされていた……もちろん、ストーカー被害にはあってない。今回の件はそれとはベクトルが全然ちがう方向にいってるので安心してほしい。まあ、今俺が悩んでいることは……
「で、飛翔は誰に投票するんだ?」
 久々に登場した山ピーが俺にそう聞いてきた。
「そうだなぁ~……まだわかんね~わ!」
「明日までには決めてくれよ~!じゃあ!」
 山ピーはそう言って別の男子にも同じ質問をしている。
 実は、今回俺が悩まされている件は……まあ、これをみてくれ。

ーーーーーーーーーーーー
 一年男子緊急アンケート!
 そろそろ一学期も終わろうとしている今日この頃……夏休み前に決めないといけないことがあるんじゃないか?
 そう、それは……誰が一年生で一番可愛いかだ!
 と言うわけで、一番可愛いと思う女子の名前を記入してくれ!
 憧れのマドンナと夏休みを過ごすのは俺だ~!てな感じでみんな頑張ろうぜ!
 最後に!くれぐれも女子にはバレないように……

ーーーーーーーーーーーー


 ……ここの男子は頭大丈夫か?
 そういう訳で俺は誰に投票するかで悩んでいた。
 ……う~ん、雛田さんはもちろん可愛いんだけど、青葉さんも見た目だけはいいんだよなぁ……あと、昴も意外と可愛いし……
 俺は今日もそんなどうでもいいことを考えながら雛田さんとの作戦会議に向かうのであった   

 放課後、いつものファミレスにて……
「雛田さん!やっぱり俺はアレしかないと思うんだけど……」
「そうかぁ……そうだよね、アレしかないよね!」
 俺たちは最近浮かび上がった、アレを実行するかについて話あっていた…… 
「もうすぐ夏休みだから……その前にケリつけたいしなぁ、アレの決行日は次の日曜日にするか」
「そうだね……頑張らなくちゃ!」
「よし!そうと決まればアレに向けて色々と考えないとな」
「うん!」
 俺たちはアレに向けて着々と準備を進めていた……


  そうして、日曜日……
「赤城君!おはよ~相変わらず集合早いね~」
「30分前行動は基本だからな!」
 俺と雛田さんはすでに集合しており、あとは昴が到着するのを待つだけなのだが……
「お待たせしました~わたしも誘ってくれるなんて嬉しいですよ~」
 集合時間ギリギリにやって来たのはテンションがおかしい昴……ではなく
「え!?何で青葉さんが来てるの?」
 何故か青葉さんがやって来た。不思議に思い俺が雛田さんに視線を送ると
「私たち3人よりは青葉さんみたいなへん……じゃない、ムードメーカーがいた方が作戦も上手くいくかなぁと思って、誘ったの」
「はい!わたしもお手伝いしますよ~!それで……何するんです?」
 青葉さんは雛田さんに誘われて来たらしい……青葉さんはちゃんと作戦覚えてね!……てか、雛田さん最初、青葉さんのこと変態……もしくは変人って言いかけたよね?
「青葉さんは自由にしてていいよ……それにしても昴は遅いなぁ……」
 俺が若干青葉さんについては諦めながら言ってると……
「お待たせしました。それで、飛翔……今日は何するの?」
「お前もか!」
「ひっ!」
「ああ……悪い悪い」
 昴が到着して早々に誰かさんみたいなことを言うのでつい突っ込んでしまった……
「まあ、いいや……それじゃあもう一回説明するぞ。今日皆に集まってもらったのは……そう、それは……死ぬほど遊ぶためだ!」
 俺は高らかにそう宣言した。
 「「へえぇ~」」
 雛田さんは頷いてくれるが、他二人の反応がイマイチだなぁ……
 

 という訳で『アレ』なんて散々勿体ぶっていたが、結局『アレ』とは……
 ただ皆で楽しく遊んで仲良くなるという至ってシンプルな作戦だった。
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