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こうして俺の青春は幕をあげた

こうして俺の青春は幕をあげた③

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「どうも、どうもー。皆さんお久しぶりです」

 とまあ、わたくしこと、赤城 飛翔 あかぎ かけるでございます。
 そんなに久しぶりじゃない?まあまあ、そんな細かいことはどうでもいいじゃないですか。

 それでは、さっそくいつものおさらいコーナーといきましょう。はい拍手!拍手!

 ……ですよね……わたしもこんなおさらいしないで本編だけでよくない?という風に思ってた時期がありました。
 しかし、わたしはその時期を乗り越えたのでバンバンやります!
 では、気を取り直して……前回は、そう……えぇーと……
 自分のことなのであまり言いたくないですが……雛田さんとイチャイチャしかしてないですね……

 でも、大丈夫!今回からは、いよいよ本格的に彼の青春劇がはじまるはず。もしかしたら、エセ大魔王さんも出るかも……
 
 「それでは、彼の口封じ作戦リベンジをどうぞ!」
 


 4月10日午前7時半 私立穂の枝学園1年3組にはある目的を持って早くから登校している男子生徒の姿があった。

 ……いや、女子生徒の姿もあった。

「あのー、暁さん?変な行動をとる俺を入学式の夜に見なかった?」
「は、はい?」

 とまあ、今日は暁さんが登校してくれたので口封じできる!と思っていたのだが……さっきから暁さんと話が噛み合わない。
 

ーー4月10日午前7時きっかり。私立穂の枝学園1年2組!の教室には、女子生徒の姿があった。

 その生徒は、小動物系と言えばいいのだろうか。こちらが守ってあげないといけない 。いや、守りたい!と思うような小柄な体型と少し猫っ毛なのか所々ピンッと髪が跳ねている無防備さも兼ね備えていて、少し意地悪したくなるような……

 とまあ、先ほどから2組にいる女子に対して危ない感情を持ちかけていたのは、当然俺である。

 なぜ俺がそんな変態紛いのことを3組ならまだいいが……いや、よくないか、2組で行っているのかというと俺の待ち人である暁さんが2組にいるのだ。

『暁さん~!俺達の教室は3組だぜ、このうっかりさんめ!』

 みたいなことをしてもいいのだが、流石にあまり話したことのない女子にそういうことはしてはいけないと思える俺なのだった。
 まあ、雛田さんにならできるかも……じゃなくて、取り敢えず暁さんを3組につれていこう。

「あのー、暁さんここは2組で俺達のクラスは3組だよ」
「ん?そうだっけ?教えてくれてありがとう」

 あれ?もしかして暁さんかなりの天然キャラかしら?
 意外とスムーズに暁さんを3組に連れて来ることができた。
 さあ、後は口封じをすれば、雛田さんとの楽しい高校生活が待ってるぜ !

「どうしてあなたはここにいるの?」
「!?」

 暁さんがよくわからないことを聞いてきた。

「えっとー、俺も3組なんだけど……」
「そうなんだ、よろしくね」
「お、おう……よろしく」

 あれ?何でまた自己紹介してるの?アホの子なの?
 まあいいや……さっさと口封じだな

「あのー、暁さん?変な行動をとる俺を入学式の夜に見なかった?」
「は、はい?」

 まあ、質問も変だから仕方がないか……

「えーっと、俺が大魔王だー!みたいなことをたぶん暁さんの前でしたと思うんだけど……」
「そうなの?ちょっとまって……」

 暁さんは、そう言ってポケットから手帳を出して眺め始めた。

「わかった。大魔王ディザイアさんのこと?」
「それだあぁーー!」
「ひっ、」
「あっ!ごめん、急に大声だしちゃって」

 いかんいかん、紳士たる俺が、こんな小動物みたいな女子を、脅かしてしまった。

「それで大魔王のことを無かったことにしてほしいんだけど……もちろん、俺の出来る範囲でなんでもする!」
「えぇーと、もう、日記に書いたから無かったことには……」

 暁さんがまた少し変なことをいう。

「消したらいいんじゃないの?」
「だめ!これは、わたしの全てだから……」

 うーん……大事なものの割には、普通の日記帳に見えるし……そもそもエセ大魔王みたいなやつと会ったことを書いたりするか?
 いや、まてよ……

「なあ、暁さん大魔王とは、何処であったの?」
「えーっと、病院って書いてる」

 やっぱり!エセ大魔王は、あの日ちゃんとハゲジジイの病院に向かっていた。そこで出会ったということは、
 もしかして暁さんは……

「もしかして、暁さんも……二重人……」
「わたし、24時間しか記憶できないの……」

 あっ、何か俺が思ってたのと違う……
 あれ?暁さん今とんでもないこと言わなかった?


「24時間しか記憶できないってどういうこと?」
 




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