28 / 76
第三章 半透明で過保護な彼との、上手な仕事の進め方
28.君にしかできない
しおりを挟む
怪我をした捜査官たちの処置を終えた後、ララは自分のトランクを持って会議室に来た。室内には木製の長机を囲むように黒い革張りの椅子が並べられている。
事前にヒューゴが呼んだのか、密売組織とやり合ってきたであろう捜査官たちが大勢集まっていた。
「ララさん、こちらが金庫です」
「拝見します」
手袋をはめた手で、ヒューゴから例の金庫を受け取る。机に置き、全体を観察した。
指の先から肘くらいまでの長さを一辺とした、立方体の金庫である。歯車のようなつまみが三十ほどついており、それぞれに結界を構築する文字が彫られている。
ふむ、と髪を後ろに流し、椅子に腰かけた。するとララを囲む捜査官たちが首を捻る。
「金庫のつまみ全部回して確認したら、すげぇ時間かかるんだよな?」
「てかこれ結界だろ? どうやって解読するんだ? 局長が頭良いのは知ってっけど、そんなことまでできんの?」
「流石に専門外だろ。今までやってなかったし……。金庫自体の仕組みと結界の展開方法を完璧に理解してないと……あ」
――と、そこまで話して、捜査官たちがじーっとこちらを見る。どうやら彼らは、テオドールが金庫を開けると勘違いしていたようだ。そして今、基本的なことを思い出したらしい。
「私……これが本職なので」
そう、ララの本職は霊の通訳者ではない。王立開発局の副局長だ。
単純に腕力が足りず武器は扱えないが、それ以外の道具や結界で扱えないものはない。そうでなければ、副局長にはなれないのだ。
「他人の物の解錠は犯罪行為ですが、私は今、捜査官なので……」
許してもらえるはず、と言い終わる前に、金庫しか見えなくなった。周りの音が遠くなり、頭の中にいくつかの図が浮かぶ。
何年も、何度も、繰り返し魔道具の設計図を書き、作り上げてきた。そうしているうちに、ある時から魔道具の構造や劣化具合、結界の文字配列や展開方法が感覚的に理解できるようになった。
これは叔父にも分からないらしく、人に教える術がない。けれども、ララが導き出した答えが間違えたことはなかった。
トランクから出した聴診器を金庫に押し当て、金庫のつまみを回しながら、結界の綻びを探す。
目の前で踊るように飛び回る、無数の文字。己の好奇心を満たしてくれるその光景は美しく、道具と対話しているようだ。
(――見つけた)
綻びのあった部分の文字を、勢いに任せて書き留める。
静まり返った世界の中で、自分がつまみを回す音と、暴れるように走るペンの音しか聞こえない。
文字を探し、追いかけ、捕まえる。作業を何度か繰り返し、結界を解除するための文字配列を特定する。……あとは順序通りつまみを回せば、――ガチャリ。
音を立て、心が踊る時間が終わってしまった。
「……開きました」
解錠を告げて視線を上げる。
いつの間にか正面に座っていたテオドールが、「お見事」と目を細めた。
(なんだか、懐かしい)
少し前まで、これが日常だった。テオドールが開発局に来ていた時も、修理や製作終わりに視線を上げると、いつもこの表情が近くにあった。
その度になんだか嬉しくなってしまったのを覚えている。
ララは開けたばかりの金庫を抱え、ヒューゴに差し出した。中身は見ない方が良いかもしれない。そう思い、鍵だけ開けた状態で。
「ヒューゴ様。中をご確認ください。……ヒューゴ様?」
「は、……はい」
金庫を受け取るヒューゴの顔が、心なしか赤い気がする。それに彼にしては珍しく、目が泳いでいる。
「どうかされたのですか?」
体調が悪いのでは、と不安になって、ララはヒューゴから金庫を取り上げた。金庫を机に置き直し、彼の顔を凝視する。
だがヒューゴはララの方を見ないまま、悩ましげにこめかみを押さえた。
「あー、……あの、ララさん。解錠中に微笑んでいらっしゃったのは、……無意識、ですか?」
「微笑む……え、私が?」
なんだその奇妙な状況は。想像しただけでゾッとする。
「そんな、はずは」
狼狽えながら、青い顔で捜査官たちの様子をぐるっと見回した。けれどものぼせたような顔の彼らは、誰も反応を返してくれない。
青を通り越して白くなった顔で、ララはテオドールに確認した。
「グラント卿。私、……笑ってましたか?」
「君が集中してる時に楽しそうなのは、いつものことだ」
「なっ⁉︎」
「鼻歌まじりの時もある」
「ど、どうして教えてくださらなかったのですか」
「教える理由がないからだ」
テオドールがケロッとした表情で言うものだから、自分が悪いのは承知の上で八つ当たりしたくなる。さりげなく注意してくれても良かったのでは、と。
ジャスパーくらい感情豊かな人間であれば、ハンカチを噛みしめて悔しがっているところだ。――なんて考えている場合ではない。
「お見苦しい姿を……っ!」
後悔の嵐に飲まれたララが、机におでこをつけて平伏した。まるで踏み潰された雑草である。
一部始終を見ていた捜査官たちは、珍獣と遭遇したような気分だったに違いない。いや、珍獣の方が何倍も可愛いかったはずだ。鍵を開けながらニヤついている女なんて、捕縛されてもおかしくない。
彼らは気味の悪いものを見せられた怒りで言葉を失っているのだ。顔が赤いのも納得である。
「もう二度と笑いませんので、どうか捕縛だけは……!」
「……ほばく?」
テオドールが疑問の乗った声を出すが、ララは平伏したまま動かない。
その哀れな姿を見たからなのか、ヒューゴが冷静さを取り戻した。
「大丈夫ですよララさん。誰も怒ってませんから」
「でも、みなさん何も言ってくださいませんし」
「それは別の意味なので。ただ、……テオがララさんを隠していた気持ちが、理解できただけで」
「へ、へえ……?」
話の十分の一も理解できなかった気がするが、彼らが怒っていないと聞いて安堵する。
やっと顔を上げたララは、改めてヒューゴに金庫を渡した。彼は中から紙の束を取り出し、ペラペラとめくっていく。
「ほう、……これはこれは」
深緑色の瞳を怪しく光らせたヒューゴ。彼は顔色が戻ったフロイドに紙の束を渡すと、空いた手を二回叩いた。
よく響く音に、頭の中が一瞬で覚醒する。会議室内の視線がヒューゴに集まった。
「仕事です。特攻部隊を中心に、装備の準備をしてください。距離があるので馬の手配も。詳細は一斉通信で。情報処理部隊への指示は私がします。フロイド、覚えたらその紙をマックスに回してください」
「了解っす」
「アルも現地に向かってください。道に迷わないように。一番元気だと思うので、他の者たちのフォローをしつつ、誰よりも多く捕まえてきてくださいね」
「任せて! ララちゃんに使いやすくしてもらった武器、もっと試したかったんだぁ。フロイド案内よろしくね~」
「へーい。マックスは最後尾頼むわ」
「あいよ」
捜査官たちがヒューゴの指示通り動き始めた。ララは窓の外が真っ暗であることを思い出し、テオドールに近寄る。
「あの、こんな夜中に出ていって、危険ではないのですか?」
「この時間が一番悪事に向いてるからな。現行犯の方が捕まえやすい。心配か?」
「ちょっとだけ。みなさん、怪我もされてますし……」
訓練を通して彼らが強いと知っているものの、心配なのは変わらない。白衣を強く握ってしまい、しわが寄る。
「ここで引いたら、君の仕事が無駄になる」
俯いた視線の先に、テオドールがしゃがみこんだ。
「……鍵を開けたことですか?」
「ああ」
テオドールはララの頭をふわりと撫でると、破顔した。
「大手柄だ。捜査官の中でも君にしかできない。君がここにいる理由を、君自身がつくったんだ」
あまりにも眩しい笑顔に、ララは目を見開き、呼吸を忘れる。胸の中が急激に温かくなった。
『――あなたがいなくなったら、私がここにいて良い理由がありません』
今朝の自分の発言を、テオドールは忘れていなかった。手柄を立てたことよりも捜査局にいる理由ができたことを喜んでくれているようで、やはり眩しい。
何も言えないまま固まったララの元に、マックスが駆け寄ってきた。身長が高いため、一歩が大きい。
「ララさん。金庫の解錠、美しかったです――じゃない、素晴らしかったです。俺たちこれから出てくるので、ゆっくり休んでくださいね」
「マックス様のお怪我は大丈夫なのですか?」
「局長のしごきに比べたら大したことないです。俺の取り柄は頑丈さなんで。それに――」
ガーゼを貼った手の甲を軽く叩き、マックスが白い歯を見せる。
「うちの新人捜査官さんが最っ高の仕事してくださったのに、俺らがちんたらするわけにはいきませんよ」
「ちゃちゃっと捕まえてきます!」と、マックスが扉に向かって走り出す。
会議室から慌ただしく出ていく捜査官たちの背中に、ララは声援を送った。
「みなさん、お気を付けて!」
捜査官たちを見送り、静かな会議室にテオドールと二人きりになった。
「グラント卿は行かなくても良かったのですか?」
「問題ない」
彼らなら任務を完遂すると言い切るテオドール。確信したような声のおかげで、ララの心から不安が消えた。
そうだ、みんな自分にできることを精一杯やっているのだ。
「部屋に戻って休むか?」
「いえ……」
なんだかドキドキして、そわそわして、今夜は眠れそうにない。
「――研究室で、作りたいものがあります」
事前にヒューゴが呼んだのか、密売組織とやり合ってきたであろう捜査官たちが大勢集まっていた。
「ララさん、こちらが金庫です」
「拝見します」
手袋をはめた手で、ヒューゴから例の金庫を受け取る。机に置き、全体を観察した。
指の先から肘くらいまでの長さを一辺とした、立方体の金庫である。歯車のようなつまみが三十ほどついており、それぞれに結界を構築する文字が彫られている。
ふむ、と髪を後ろに流し、椅子に腰かけた。するとララを囲む捜査官たちが首を捻る。
「金庫のつまみ全部回して確認したら、すげぇ時間かかるんだよな?」
「てかこれ結界だろ? どうやって解読するんだ? 局長が頭良いのは知ってっけど、そんなことまでできんの?」
「流石に専門外だろ。今までやってなかったし……。金庫自体の仕組みと結界の展開方法を完璧に理解してないと……あ」
――と、そこまで話して、捜査官たちがじーっとこちらを見る。どうやら彼らは、テオドールが金庫を開けると勘違いしていたようだ。そして今、基本的なことを思い出したらしい。
「私……これが本職なので」
そう、ララの本職は霊の通訳者ではない。王立開発局の副局長だ。
単純に腕力が足りず武器は扱えないが、それ以外の道具や結界で扱えないものはない。そうでなければ、副局長にはなれないのだ。
「他人の物の解錠は犯罪行為ですが、私は今、捜査官なので……」
許してもらえるはず、と言い終わる前に、金庫しか見えなくなった。周りの音が遠くなり、頭の中にいくつかの図が浮かぶ。
何年も、何度も、繰り返し魔道具の設計図を書き、作り上げてきた。そうしているうちに、ある時から魔道具の構造や劣化具合、結界の文字配列や展開方法が感覚的に理解できるようになった。
これは叔父にも分からないらしく、人に教える術がない。けれども、ララが導き出した答えが間違えたことはなかった。
トランクから出した聴診器を金庫に押し当て、金庫のつまみを回しながら、結界の綻びを探す。
目の前で踊るように飛び回る、無数の文字。己の好奇心を満たしてくれるその光景は美しく、道具と対話しているようだ。
(――見つけた)
綻びのあった部分の文字を、勢いに任せて書き留める。
静まり返った世界の中で、自分がつまみを回す音と、暴れるように走るペンの音しか聞こえない。
文字を探し、追いかけ、捕まえる。作業を何度か繰り返し、結界を解除するための文字配列を特定する。……あとは順序通りつまみを回せば、――ガチャリ。
音を立て、心が踊る時間が終わってしまった。
「……開きました」
解錠を告げて視線を上げる。
いつの間にか正面に座っていたテオドールが、「お見事」と目を細めた。
(なんだか、懐かしい)
少し前まで、これが日常だった。テオドールが開発局に来ていた時も、修理や製作終わりに視線を上げると、いつもこの表情が近くにあった。
その度になんだか嬉しくなってしまったのを覚えている。
ララは開けたばかりの金庫を抱え、ヒューゴに差し出した。中身は見ない方が良いかもしれない。そう思い、鍵だけ開けた状態で。
「ヒューゴ様。中をご確認ください。……ヒューゴ様?」
「は、……はい」
金庫を受け取るヒューゴの顔が、心なしか赤い気がする。それに彼にしては珍しく、目が泳いでいる。
「どうかされたのですか?」
体調が悪いのでは、と不安になって、ララはヒューゴから金庫を取り上げた。金庫を机に置き直し、彼の顔を凝視する。
だがヒューゴはララの方を見ないまま、悩ましげにこめかみを押さえた。
「あー、……あの、ララさん。解錠中に微笑んでいらっしゃったのは、……無意識、ですか?」
「微笑む……え、私が?」
なんだその奇妙な状況は。想像しただけでゾッとする。
「そんな、はずは」
狼狽えながら、青い顔で捜査官たちの様子をぐるっと見回した。けれどものぼせたような顔の彼らは、誰も反応を返してくれない。
青を通り越して白くなった顔で、ララはテオドールに確認した。
「グラント卿。私、……笑ってましたか?」
「君が集中してる時に楽しそうなのは、いつものことだ」
「なっ⁉︎」
「鼻歌まじりの時もある」
「ど、どうして教えてくださらなかったのですか」
「教える理由がないからだ」
テオドールがケロッとした表情で言うものだから、自分が悪いのは承知の上で八つ当たりしたくなる。さりげなく注意してくれても良かったのでは、と。
ジャスパーくらい感情豊かな人間であれば、ハンカチを噛みしめて悔しがっているところだ。――なんて考えている場合ではない。
「お見苦しい姿を……っ!」
後悔の嵐に飲まれたララが、机におでこをつけて平伏した。まるで踏み潰された雑草である。
一部始終を見ていた捜査官たちは、珍獣と遭遇したような気分だったに違いない。いや、珍獣の方が何倍も可愛いかったはずだ。鍵を開けながらニヤついている女なんて、捕縛されてもおかしくない。
彼らは気味の悪いものを見せられた怒りで言葉を失っているのだ。顔が赤いのも納得である。
「もう二度と笑いませんので、どうか捕縛だけは……!」
「……ほばく?」
テオドールが疑問の乗った声を出すが、ララは平伏したまま動かない。
その哀れな姿を見たからなのか、ヒューゴが冷静さを取り戻した。
「大丈夫ですよララさん。誰も怒ってませんから」
「でも、みなさん何も言ってくださいませんし」
「それは別の意味なので。ただ、……テオがララさんを隠していた気持ちが、理解できただけで」
「へ、へえ……?」
話の十分の一も理解できなかった気がするが、彼らが怒っていないと聞いて安堵する。
やっと顔を上げたララは、改めてヒューゴに金庫を渡した。彼は中から紙の束を取り出し、ペラペラとめくっていく。
「ほう、……これはこれは」
深緑色の瞳を怪しく光らせたヒューゴ。彼は顔色が戻ったフロイドに紙の束を渡すと、空いた手を二回叩いた。
よく響く音に、頭の中が一瞬で覚醒する。会議室内の視線がヒューゴに集まった。
「仕事です。特攻部隊を中心に、装備の準備をしてください。距離があるので馬の手配も。詳細は一斉通信で。情報処理部隊への指示は私がします。フロイド、覚えたらその紙をマックスに回してください」
「了解っす」
「アルも現地に向かってください。道に迷わないように。一番元気だと思うので、他の者たちのフォローをしつつ、誰よりも多く捕まえてきてくださいね」
「任せて! ララちゃんに使いやすくしてもらった武器、もっと試したかったんだぁ。フロイド案内よろしくね~」
「へーい。マックスは最後尾頼むわ」
「あいよ」
捜査官たちがヒューゴの指示通り動き始めた。ララは窓の外が真っ暗であることを思い出し、テオドールに近寄る。
「あの、こんな夜中に出ていって、危険ではないのですか?」
「この時間が一番悪事に向いてるからな。現行犯の方が捕まえやすい。心配か?」
「ちょっとだけ。みなさん、怪我もされてますし……」
訓練を通して彼らが強いと知っているものの、心配なのは変わらない。白衣を強く握ってしまい、しわが寄る。
「ここで引いたら、君の仕事が無駄になる」
俯いた視線の先に、テオドールがしゃがみこんだ。
「……鍵を開けたことですか?」
「ああ」
テオドールはララの頭をふわりと撫でると、破顔した。
「大手柄だ。捜査官の中でも君にしかできない。君がここにいる理由を、君自身がつくったんだ」
あまりにも眩しい笑顔に、ララは目を見開き、呼吸を忘れる。胸の中が急激に温かくなった。
『――あなたがいなくなったら、私がここにいて良い理由がありません』
今朝の自分の発言を、テオドールは忘れていなかった。手柄を立てたことよりも捜査局にいる理由ができたことを喜んでくれているようで、やはり眩しい。
何も言えないまま固まったララの元に、マックスが駆け寄ってきた。身長が高いため、一歩が大きい。
「ララさん。金庫の解錠、美しかったです――じゃない、素晴らしかったです。俺たちこれから出てくるので、ゆっくり休んでくださいね」
「マックス様のお怪我は大丈夫なのですか?」
「局長のしごきに比べたら大したことないです。俺の取り柄は頑丈さなんで。それに――」
ガーゼを貼った手の甲を軽く叩き、マックスが白い歯を見せる。
「うちの新人捜査官さんが最っ高の仕事してくださったのに、俺らがちんたらするわけにはいきませんよ」
「ちゃちゃっと捕まえてきます!」と、マックスが扉に向かって走り出す。
会議室から慌ただしく出ていく捜査官たちの背中に、ララは声援を送った。
「みなさん、お気を付けて!」
捜査官たちを見送り、静かな会議室にテオドールと二人きりになった。
「グラント卿は行かなくても良かったのですか?」
「問題ない」
彼らなら任務を完遂すると言い切るテオドール。確信したような声のおかげで、ララの心から不安が消えた。
そうだ、みんな自分にできることを精一杯やっているのだ。
「部屋に戻って休むか?」
「いえ……」
なんだかドキドキして、そわそわして、今夜は眠れそうにない。
「――研究室で、作りたいものがあります」
1
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
この裏切りは、君を守るため
島崎 紗都子
恋愛
幼なじみであるファンローゼとコンツェットは、隣国エスツェリアの侵略の手から逃れようと亡命を決意する。「二人で幸せになろう。僕が君を守るから」しかし逃亡中、敵軍に追いつめられ二人は無残にも引き裂かれてしまう。架空ヨーロッパを舞台にした恋と陰謀 ロマンティック冒険活劇!
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる