エンディング目前の半透明な令息と、60日の寄り道を

幼い頃から霊と交流ができるララは、社交界で『呪われた令嬢』と呼ばれ、忌み嫌われている。

自分の体質のせいで両親に迷惑をかけたくない。その一心で婚約者からのひどい仕打ちに耐えてきた。
しかしある日、一方的に婚約破棄されてしまう。心に蓋をしても涙を堪えても、結局上手くいかなかった。

これからは自分の気持ちを大切にしよう、と魔道具作りに励もうとした時、一つの依頼が舞い込んだ。

「――死んだ俺の最後の願いを、叶えてほしい」

依頼主はグラント公爵家の嫡男、テオドール。
以前から面識のある人物だが、姿を現した彼はどう見ても半透明だった。最後の願いとやらを聞いてみると……

「仕事がしたい」
「正気ですか?」

理解できない答えであった。

いじわるなテオドールによって依頼を断れない状況に追い込まれたララは、彼が神の元に帰るまでの六十日間、力を貸すことになる。

勇気を出してテオドールの職場、王立犯罪捜査局の門をくぐったのだが――。


これは【一途に愛した霊体令息×役に立ちたい霊感令嬢】が、互いを幸せにするために奔走し、二人だけのハッピーエンドを見つけ出す、半透明な物語。


***


◇ 二十万文字ほどのお話です
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