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Historia Ⅱ
魔羅(4)
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病院四階の404号室は「KEEP OUT」と書かれた規制線テープが貼られていて立ち入り禁止になっていた。病室の入り口には二人の警官が立っていて周りは看護師から入院中の患者まで立ち入り禁止区域を見てざわついていた。
シンとユータも事件現場に来て規制線が貼られている部屋を見ていた。すると、ユータが勝手に動き出して沼田が入院していた病室へ入ろうとした。それを見てシンは事件現場の中へ向かおうとする彼を止める。
「待て。何するつもりだ?」
「何って調査だよ」
「ダメだ。ここは練馬区じゃないし場所も違う。港区のテリトリーを勝手に踏み入れるのはよくないぞ」
「でも、もしかしたら連続不審死事件と関係があるかもしれないだろ?」
「確かにそうだけど、ここは港区内にある病院だぞ。勝手に人のテリトリーに入るのはまずいだろ」
「だったら、警察署に連絡すれば」
「港区警察署に知り合いなんていないだろ?ここには練馬の警察もいなければ彼もいない。錠くんなしで交渉するなんて難しいだろ。ここは一旦、引き下がろう」
ユータは納得していないような様子で事件現場の方を見た。でも、後で面倒事になるのは嫌なので大人しく諦めることにした。
病院を後にした二人はここから少し先にあるファミレスで昼食を取っていた。シンは朝から何も食べずそのまま病院へ行ったから腹を空かせていた。食べたいものを注文し貰ったお冷を飲みながら今後について話し合う。
「どうする?夜になったら忍び込むか?」
ユータが話していたのは夜の病院のことだ。夜になって人が誰もいない隙に姿現しで事件現場となった病室へ侵入しようと考えていたみたいだ。
「そこまでしなくていいだろ」
「だって。沼田くんは間違いなく例の不審死事件に巻き込まれたんだぞ。でも、なんで死んだんだ?まさか、魔物に殺されたのか?でも、あの魔物は龍厘寺先生が消失魔法で倒したはず」
疑問を抱いている迷探偵は消滅した魔物がどうやって沼田を殺したのか考えているとシンは昨日、龍厘寺が言っていたことを忘れているような彼に話した。
「昨日、先生が言っていただろ。消滅させたのは本体ではなくダミーだって。肝心の本体は別の所にいる」
「別の所ってどこだよ?」
ユータが知りたそうに訊ねると料理と一緒に注文した飲み物が来た。料理より一足先に届いたジュースを飲みながらシンは言った。
「今回の六人による謎の連続不審死事件。謎は解けた」
謎が解けた。そう。シンはもう既に魔物の仕業で起きたこの事件の全貌を解き明かしたのだ。それを聞いたユータは目を丸くして「ほんとか!?」と叫んだ。
「今からその答えを教えるから耳の穴かっぽっじて聞けよ」
そう言ってシンは事件の全貌をユータに教えた。今度はユータの出番が来たからだ。
「本日は夜分遅くお時間をいただき誠にありがとうございます」
ユータは深々と頭を下げた。お辞儀した先には依頼人の遠藤美樹、そして母親の幸子とIT会社に勤める父親の円次郎がいた。美樹と幸子はソファに座り座っている二人の後ろに父親の円次郎が立っている。そして、彼女達の向こう側にはシンとユータがいた。ユータは探偵らしい仕草を取りながら演説を始める。
「実は、皆様にお集まりいただいたのは最近起きている連続不審死事件の件をお伝えしたく馳せ参じました」
それを聞いた美樹は眉を上げた。
「じゃあ。事件は解決したんですか?」
ユータは彼女の質問に答えるよう頷いた。
「ご説明する前にまずはおさらいをしましょう。事件の始まり五ヶ月前。アンバート高等学園の校長 富金は自身の自宅部屋で何者かに強く首を絞められて亡くなりました。死因は、窒息と首の骨折です。そして、四ヶ月前はラブホテルで沼知教頭がラブホテルで体に大きな爪痕が残したまま他界。三ヵ月前は深夜1時にコンビニに行っていた三十木光助が刃物で滅多切りにされて深手を負い死去。二ヵ月前は、松宮聖太は身体を貫かれて死亡。一ヶ月前に亡くなった荒浪しほりは自宅の部屋で胴体真っ二つになって死亡。五日前、組谷は同じく自分の部屋で惨殺。そして、昨夜。沼田くんが死亡。この六名中四名、三十木、松宮、荒浪、組谷は学校でいじめを行っていたグループなのです。奥さん。ご主人。お嬢さんが通っているアンバート高等学園でいじめが起きていたのをご存知でしたか?」
ユータは遠藤夫妻に問いかけた。しかし、夫妻は娘が通う学校でいじめがあるとは知らなかったみたいで首を振った。
「そして、校長の富金と教頭の沼知。なぜ二人が殺されたのかその理由、それは隠蔽です。実は富金はいじめの主犯である三十木の伯父だったのです。三十木は自分が通う学校に伯父がいることで何もなかったかのようにすることができたのです。しかも、富金は不逞な野郎でして不祥事のもみ消しだけでなく学校の公金を横領していたのです。そして教頭の沼知はその横領の手伝いをして三十木達が今まで行った行為のうわべを取り繕う手伝いをしていました。富金は隠蔽工作を手伝ってくれた沼知に横領した金で手間賃として支払ったのです。三十木は伯父の富金とその協力者である沼知を後ろ盾にして愉快な仲間達と一緒にいじめや違法行為を行い全て金で解決し隠蔽をし続けていたのです」
それを聞いた美樹と遠藤夫婦は信じられないといった驚きを隠せない顔をしてリアクションを取った。
「そして本日の夜中、三十木達のいじめ被害に遭われた沼田吾郎くんが何者かに殺されました。なぜ、被害者である沼田くんが殺されたのか?」
ソファから立ち上がったユータは両手を後ろに組んで歩みながら探偵らしく振る舞う。
如何にもシャーロックホームズみたいになりきっているみたいに助手から教えてもらった事件の答えを遠藤親子の前で披露する。
「それは沼田くんも〝加害者〟の一人だったからです。だから、彼を殺した。そして、ここに沼田くんを含め他の六人を殺した犯人がいます」
沼田と富金達を殺した犯人がこの中にいる。それを聞いた時、美樹は戸惑いを感じた。
美樹と母親と父親。親子三人の内に誰かが今回の事件を引き起こした黒幕がいると断言するユータに円次郎と幸子は困り顔で否定する。
「な、なにを言い出すんだ?!私達が人殺しを?何をそんな根拠な」
「そ、そうですよ!悪い冗談はよしてください!」
幸子と円次郎は迷探偵の推理を完全に否定した。二人はとても彼の話を聞いて動揺する表情を浮かべていた。
「か、仮に殺したとして凶器は?凶器と動機がなければ成立しませんよ?」
そう。凶器と動機がなければ成立はしない。二人が動揺を隠せない中、美樹は緊張した表情を浮かべながら静かにユータの推理に耳を傾ける。
「凶器は分かります。七人を殺した凶器は〝魔物〟です」
ユータの衝撃的な発言に動揺していた遠藤夫妻は何を言っているのかと半笑いした。
「魔物だと?何を言っているんだ。きみは」
円次郎は意味不明な発言をするユータを見下すかのように笑う。夫に連れられて幸子もフフフと笑った。
しかし、ユータは決して冗談で言ったわけではない。ユータとシンの目は真剣で本気にしていた。美樹は突然の発言に多少混乱している様子が見受けられる。嘲笑う夫婦にユータは鋭い指摘を出した。
「遠藤幸子さん。あなた、スクイブですよね?」
シンとユータも事件現場に来て規制線が貼られている部屋を見ていた。すると、ユータが勝手に動き出して沼田が入院していた病室へ入ろうとした。それを見てシンは事件現場の中へ向かおうとする彼を止める。
「待て。何するつもりだ?」
「何って調査だよ」
「ダメだ。ここは練馬区じゃないし場所も違う。港区のテリトリーを勝手に踏み入れるのはよくないぞ」
「でも、もしかしたら連続不審死事件と関係があるかもしれないだろ?」
「確かにそうだけど、ここは港区内にある病院だぞ。勝手に人のテリトリーに入るのはまずいだろ」
「だったら、警察署に連絡すれば」
「港区警察署に知り合いなんていないだろ?ここには練馬の警察もいなければ彼もいない。錠くんなしで交渉するなんて難しいだろ。ここは一旦、引き下がろう」
ユータは納得していないような様子で事件現場の方を見た。でも、後で面倒事になるのは嫌なので大人しく諦めることにした。
病院を後にした二人はここから少し先にあるファミレスで昼食を取っていた。シンは朝から何も食べずそのまま病院へ行ったから腹を空かせていた。食べたいものを注文し貰ったお冷を飲みながら今後について話し合う。
「どうする?夜になったら忍び込むか?」
ユータが話していたのは夜の病院のことだ。夜になって人が誰もいない隙に姿現しで事件現場となった病室へ侵入しようと考えていたみたいだ。
「そこまでしなくていいだろ」
「だって。沼田くんは間違いなく例の不審死事件に巻き込まれたんだぞ。でも、なんで死んだんだ?まさか、魔物に殺されたのか?でも、あの魔物は龍厘寺先生が消失魔法で倒したはず」
疑問を抱いている迷探偵は消滅した魔物がどうやって沼田を殺したのか考えているとシンは昨日、龍厘寺が言っていたことを忘れているような彼に話した。
「昨日、先生が言っていただろ。消滅させたのは本体ではなくダミーだって。肝心の本体は別の所にいる」
「別の所ってどこだよ?」
ユータが知りたそうに訊ねると料理と一緒に注文した飲み物が来た。料理より一足先に届いたジュースを飲みながらシンは言った。
「今回の六人による謎の連続不審死事件。謎は解けた」
謎が解けた。そう。シンはもう既に魔物の仕業で起きたこの事件の全貌を解き明かしたのだ。それを聞いたユータは目を丸くして「ほんとか!?」と叫んだ。
「今からその答えを教えるから耳の穴かっぽっじて聞けよ」
そう言ってシンは事件の全貌をユータに教えた。今度はユータの出番が来たからだ。
「本日は夜分遅くお時間をいただき誠にありがとうございます」
ユータは深々と頭を下げた。お辞儀した先には依頼人の遠藤美樹、そして母親の幸子とIT会社に勤める父親の円次郎がいた。美樹と幸子はソファに座り座っている二人の後ろに父親の円次郎が立っている。そして、彼女達の向こう側にはシンとユータがいた。ユータは探偵らしい仕草を取りながら演説を始める。
「実は、皆様にお集まりいただいたのは最近起きている連続不審死事件の件をお伝えしたく馳せ参じました」
それを聞いた美樹は眉を上げた。
「じゃあ。事件は解決したんですか?」
ユータは彼女の質問に答えるよう頷いた。
「ご説明する前にまずはおさらいをしましょう。事件の始まり五ヶ月前。アンバート高等学園の校長 富金は自身の自宅部屋で何者かに強く首を絞められて亡くなりました。死因は、窒息と首の骨折です。そして、四ヶ月前はラブホテルで沼知教頭がラブホテルで体に大きな爪痕が残したまま他界。三ヵ月前は深夜1時にコンビニに行っていた三十木光助が刃物で滅多切りにされて深手を負い死去。二ヵ月前は、松宮聖太は身体を貫かれて死亡。一ヶ月前に亡くなった荒浪しほりは自宅の部屋で胴体真っ二つになって死亡。五日前、組谷は同じく自分の部屋で惨殺。そして、昨夜。沼田くんが死亡。この六名中四名、三十木、松宮、荒浪、組谷は学校でいじめを行っていたグループなのです。奥さん。ご主人。お嬢さんが通っているアンバート高等学園でいじめが起きていたのをご存知でしたか?」
ユータは遠藤夫妻に問いかけた。しかし、夫妻は娘が通う学校でいじめがあるとは知らなかったみたいで首を振った。
「そして、校長の富金と教頭の沼知。なぜ二人が殺されたのかその理由、それは隠蔽です。実は富金はいじめの主犯である三十木の伯父だったのです。三十木は自分が通う学校に伯父がいることで何もなかったかのようにすることができたのです。しかも、富金は不逞な野郎でして不祥事のもみ消しだけでなく学校の公金を横領していたのです。そして教頭の沼知はその横領の手伝いをして三十木達が今まで行った行為のうわべを取り繕う手伝いをしていました。富金は隠蔽工作を手伝ってくれた沼知に横領した金で手間賃として支払ったのです。三十木は伯父の富金とその協力者である沼知を後ろ盾にして愉快な仲間達と一緒にいじめや違法行為を行い全て金で解決し隠蔽をし続けていたのです」
それを聞いた美樹と遠藤夫婦は信じられないといった驚きを隠せない顔をしてリアクションを取った。
「そして本日の夜中、三十木達のいじめ被害に遭われた沼田吾郎くんが何者かに殺されました。なぜ、被害者である沼田くんが殺されたのか?」
ソファから立ち上がったユータは両手を後ろに組んで歩みながら探偵らしく振る舞う。
如何にもシャーロックホームズみたいになりきっているみたいに助手から教えてもらった事件の答えを遠藤親子の前で披露する。
「それは沼田くんも〝加害者〟の一人だったからです。だから、彼を殺した。そして、ここに沼田くんを含め他の六人を殺した犯人がいます」
沼田と富金達を殺した犯人がこの中にいる。それを聞いた時、美樹は戸惑いを感じた。
美樹と母親と父親。親子三人の内に誰かが今回の事件を引き起こした黒幕がいると断言するユータに円次郎と幸子は困り顔で否定する。
「な、なにを言い出すんだ?!私達が人殺しを?何をそんな根拠な」
「そ、そうですよ!悪い冗談はよしてください!」
幸子と円次郎は迷探偵の推理を完全に否定した。二人はとても彼の話を聞いて動揺する表情を浮かべていた。
「か、仮に殺したとして凶器は?凶器と動機がなければ成立しませんよ?」
そう。凶器と動機がなければ成立はしない。二人が動揺を隠せない中、美樹は緊張した表情を浮かべながら静かにユータの推理に耳を傾ける。
「凶器は分かります。七人を殺した凶器は〝魔物〟です」
ユータの衝撃的な発言に動揺していた遠藤夫妻は何を言っているのかと半笑いした。
「魔物だと?何を言っているんだ。きみは」
円次郎は意味不明な発言をするユータを見下すかのように笑う。夫に連れられて幸子もフフフと笑った。
しかし、ユータは決して冗談で言ったわけではない。ユータとシンの目は真剣で本気にしていた。美樹は突然の発言に多少混乱している様子が見受けられる。嘲笑う夫婦にユータは鋭い指摘を出した。
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